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― 湖 ―
…また、失敗した
[空を見ながら呟いた。
水に浮いて空を見ると、青空と、太陽しか見えない。
眩しさに目を細めた]
俺がばかだから
[背中の冷たい水が、色んな感情を抑えてくれている気がした。
それが心地よく、しばらくぼうっとして太陽の温かさと水の冷たさを感じていた。どれくらいたっただろうか]
よしゃ、泳ぐか
[息を吐くと、ぱしゃっ、と水の中で立つようにして、少し水を叩いた。
その後は、ゆっくり湖を泳いだ。水を叩く小さな音が響いた]
― 湖 ―
さ、寒い…
[しばらく泳いでいるとだんだんと慣れたと思った水の冷たさが身体に響いてきた。
それでも無視して泳いでいたところ、突然猛烈に寒くなり、こればまずいと急いで岸に上がり、タオルを羽織ったところだ]
俺も若くないということか…
[歯を鳴らしながら身体を拭く。
少しタオルに包まっていたあとに脱いだ服を着はじめた。
最後に服の下においてあった眼鏡をかける]
少し、部屋で休めるかな
[太陽の位置を見ると、自分の部屋へ向かった]
― 処理施設入り口 ―
[部屋へ戻り、少し横になると、あっという間に眠気におそわれた。
はっと飛び起きて窓を見ると、既に夕日は沈みかかり、あたりは夕焼け色から宵闇に移ろうとする時間だった]
やばい!
[あきらかに遅刻だ。何も整えずそのまま処理施設のほうへ向かった]
[息を切らして処理施設に行くと、既に前任者が入り口で待っていた。
そして、その横には見知らぬ男の姿があった]
はぁ、はぁ…
すいません…!
[とりあえず前任者に謝ると、おいおい大丈夫かよ、と言われながらも鍵を渡された]
『ああ、こちらなんだけどな…』
[前任者が見知らぬ男の方を指し示したため、息を切らしながらもそちらの男の方を見る。
若い。15,6とも見える。そして、表情がない。
端正な顔ともあいまって、まるで人形のようだ]
『お前とこれから2交代で番をするそうだ』
[よくみると、彼は王子の従者たちと似た服を着ている]
『宜しくお願いします』
[彼が、こちらをじっとみながら、挨拶をしてきた]
あ、こちらこそ、不慣れですが宜しくお願いします
[一瞬ドールかとも思うほどだったが、動きや喋りは人間そのものに見える。
自分より若く見える彼の無表情さにおされ、ついかしこまった挨拶をしてしまった]
『正直寝ずの番なんて必要ないと思うんだけどなぁ
この牢屋、ほんとだれもこないぞ…
ただ一応管理者居なきゃって感じで置かれてただけだぞ俺』
[ややあきれたように前任者が言う。
すると、初めて男…少年が笑った]
『いえ、私は第二王子の命できました。
これから、ここには多くの危険な人びとが送られてくるでしょう。
私は、記録をとります。私は、時に王子の命令に従い、時にここに来た方々の命令に従います。
ただし、あなたの命令には従わない。
なぜなら、あなたと私は同じ場所にいることは一時もないからです。
あなたは私の影ですし、私はあなたの影です』
[意味がわかるようなわからないようなである。
王子の命と言ったが、危険な人びととは誰のことだろうか。それも王子が言ったのか。
彼の得体の知れない迫力におされ、前任者と顔を見合わせた]
『それでは、最初は私が担当します。
朝の6時にお越しください』
[言うと少年は、自分の手から鍵束をさっと掠め取るようにすると、すたすたと処理施設の入り口に向かい鍵を開け始めた。
思わず前任者に聞く]
誰なんですかあれ
[前任者もお手上げというように肩をすくめた]
『よくわからんが、あの服、王子の侍者だろ。
まぁ何かあったら王子の責任にしとけ。
…でもな、俺も、急に任を解かれてお前が来て。
さらにこんな変な奴が来て。
…何か起こると思うよ』
[頑張れ、と言って肩を叩くと、前任者はその場から去っていく。
自分も、いいのだろうか。
すっかり暗くなった庭の中で少し迷っていたが、仮に少年が牢屋を放り出しても、牢には誰も居ないし、確かに昼間番をすれば事足りるだろうと思い直し、処理施設の入り口から漏れる明かりを見ながらも、部屋に向かった**]
/*
手厚くおもてなしどうしよう
正直何してもかなわない予感がする
とりあえず早いところカシムをおもてなししなければ
― 自室 ―
んん…
[窓からの薄明かりと数匹の雀の声で目が覚める。
時計を見ると5時半。ばっちりだ]
ふぁ…
俺いつ寝たんだろ
[ベッドの上で身体を起こし、あくびと背伸びを同時にしながら周りを見渡す、ああ、と思い出した]
これ難しいよ…
[レトから借りた戯曲と辞書が枕元と床にそれぞれ散らばっていた。ついでに眼鏡も落ちている。結局最初の3ページも読めずに眠りについてしまったのだ。本を取りながら深くため息をつく]
はぁ… 頭良くなりてー
[寝起きは大体ぼうっとしている。
しかし着替えて軽食を取る頃には、大分頭もはっきりしてきた]
今日から牢屋番か
本当に暇そうだったな
[前任者のことを思い出し、自分も本でも持って行こう、とレトの戯曲と辞書、あとは途中まで読んでいた本の3冊を抱えた]
あー 寝そうだ
[とりあえず準備は出来た。
部屋を出ると、処理施設に向かう]
それにしても会わないな
[生活圏は被っているはずなのに、なぜかEsたちの姿は見えなかった]
俺も寂しいのかな
[前任者の様子を思い出しながら、うーん、と考えてみたが、寂しいよりも不思議が勝っていた。謎は解けぬまま処理施設へと到着する。
鍵を持ってきたが外の入り口は開いていた。
まだ前の番が居るようだ。
あの少年とは果たして仲良くなるときが来るのだろうか…、と考えながらも施設への階段を下った]
― 処理施設 ―
おはようございます
[声をかけながら施設へ入る。
なんだか昨日とは違う臭いがする。
牢の中に、倒れてぴくりとも動かない人が居た]
…!?
死んでる?
[牢に近づくと、それが、Esの一人、ここ最近体調を崩し、姿を見ていなかったカシムだということに気づいた]
カシムさん
どうして…
[まずカシムがここにいるのがわからない。
このような姿で牢屋に入っているのがわからない。
むしろ牢屋に入るべきはカシムをこのようにした犯人ではないのか]
[すると、ガタリと音がして、片隅で夜番の少年が椅子から立ち上がるのが見えた。どういうことだと彼に近づき一方的に問い詰める]
これは、どういうことなんですか
夜のうちになにがあったんですか
カシムさん、生きてますよね
Esが、何者かに狙われているんですか
なんで襲われたほうのカシムさんが牢屋に居るんですか
親衛隊がこんな風に襲われて、王子は…
[そうだ、王子が心配だ。
自分を牢に配置したのは、身辺に不穏な空気を感じた中で、何者かを捕らえて、自分に何かさせるためだったのだろうか。
いや、おかしい。それではなぜカシムが牢に居るんだ。
どちらにしても犯人は捕まっていない。
こんなに王子に近い位置に居るEsが襲われるなんて、ここは、安全じゃないのか?
頭の中が混乱している。]
[混乱している自分の肩に、少年がぽん、と手を乗せた]
『交代です』
[少年は自分のノートらしきものを机の中にしまった]
いや、交代ですって
とにかくカシムさんを医務室に連れて行かないと
このままじゃ危険でしょう!
[少年に声をかけると、机の上の鍵束をとり牢の扉を開けようとした]
『やめろ。これは王子の命だ。
ここにきた親衛隊は、ここから出さない。
何故彼がここにきたと思う。
彼は、吸血種として目覚めたんだよ。
そして、戦いに敗れた。
王子は強い吸血種を求めている。
だが、吸血種は王子に害をなす。
だからここに収監する。
信じられないか?それでもこれは王子の命だ。
彼らをここから出すな』
[侍者の少年はじっと、こちらの目を見てはっきりと言った]
…
[不安だ。信じられない。でも、彼は王子の侍者だ。
自分よりずっと王子に近いところに居る。
牢の中のカシムをじっと見つめた。
少年はもう一度、交代です。と言い、外への階段を上って行った**]
― 処理施設 ―
[侍者の少年が去った後、施設には自分とカシムの2人きりになる。静かな中、少しだけ、カシムの呼吸音がする。牢の外から伏せるように横たわる彼をじっと眺めた]
…カシムさん 聞こえますか
誰が、あなたをこんなにしたんですか
犯人の目的は、わかりますか
[反応はない。息の音が響くだけだ。
侍者の言葉を思い出す。
彼は吸血種として目覚め、争いに負け、王子に害をなすから閉じ込められている]
…
[本気なのだろうか。
吸血種。血を飲むのだろうということはわかる]
[ふと後ろを振り返り、机の引き出しを開く。
一通りの雑貨は入っているようだ。
カッターを取り出すと、左の人差し指をほんの少しだけ切った。
血が小さく丸くなった]
吸血種…
カシムさん、こちらに血がありますよ
[そのまま牢の鉄格子に近づくと、格子の隙間から腕を入れた。
吸血種なら、多分、おそらく血を舐めにくるのではないだろうか。
もしそんなことは関係なく苦しんでいるようなら…
やはり、場合によっては王子に進言をしなければいけない。
王子の忠実な親衛隊が王子の勘違いで死んでは、双方不幸だ。
王子の命には従う。
しかし、けしてEsたちを見殺しにしてもいいとは認識していなかった]
[次の瞬間。カシムが床をはいつくばって驚くほどのスピードで格子まで這い寄った]
ひっ!?
[その、瀕死の人間とは思えない動きに思わず化け物を見るような声がでる。そのままカシムは自分の指に顔を寄せると、その舌でべろりと零れ落ちそうな血を舐め取った。その瞬間だった]
いたあっ!!
[強い静電気が起こったような痛みが指から肩のあたりまで走った。まるで何かを拒絶しているかのようだ]
いたっ 痛い!
やめろっ、やめてくれ…
[かまわずカシムは傷口を舐め続ける。そのたびに静電気のばちばちする感覚が、体中に走る。腕を引こうとするが、カシムに掴まれた腕はびくともしない]
くっ
野郎!
[空いていた右腕で、背中側のベルトに刺していた特殊警棒を取り出す。次の瞬間、延びた特殊警棒の突きがカシムの額に思い切り入った]
[カシムの身体が奥に吹っ飛ぶ。
それくらいの力はあった。
常人があれをくらったら命が危うい程度には]
しまった!? カシムさん?
[腕を格子から引き抜くと声をかける。
仰向きに倒れたカシムの息の音が聞こえた]
…ほんとうに、吸血種なのか
[自分にはなかった素質を持った者が集まるというEs。
それがみんな吸血種なのか。
王子は自分に忠実な吸血種を集めていたのかもしれない。
でも、本当に、こんな…
血を吸おうとする彼らをコントロールできるのか?]
王子…
[おこがましいかもしれないが、王子が心配でたまらなかった。ほかのEsたちは今どうしているのだろう]
[ふと気づくと、カシムが奥で泣いていた。
すすり泣く声が牢に響く。いやでも聞こえる]
…ごめんなさい
[机を探すと、コップのような木の器があった。
器を机のすぐ横の床におく。
椅子に座って、カッターで手のひらを横に切ると、机に伏せるようにして、ぶらんと腕を下にたらした。
血が指を伝って器の中に落ちているのを確認する]
…カシムさん、あなたを襲った犯人を教えてください
私は犯人を捕らえなければ
それこそが、本当に王子に危害を与えるものです
[呟きながら、血を器に落していく。
十分溜まったところで、手を布で押さえながら立ち上がる。
格子の隙間から器を入れると、やはりカシムが這って来て、少しずつ血を飲み、舐めていた。
話を聞くには、時間が必要に見えた]
[椅子に戻ると、手をしばらく上にあげながら押さえ続けた。
思ったより長い時間をかけて、血はとまった。
しかし、今度はなんだか頭がくらくらする。
机にふせると、いつの間にか寝てしまったようだ。
音がして、顔を上げると侍者がいた]
『交代です』
[そして牢の中を見ながら言って笑った]
『彼はずいぶん顔色が良くなったようですね』
…早くないか?
[椅子に座りながら問いかける。
2交代なら1人12時間。
まだ時間はそんなにたっていないように感じた]
『かまいません。さあ、お休みください』
[そういうなら、それでいいのだろうか。
なんだかまだ頭がふらふらする。無言で、ありがとうというように侍者に頷くと、牢を出て、階段を上っていく。
ずいぶん寝てしまったのか、もう午後になっているようだったが、やはり夕方にもなっていなかった。
どこに行く気も起きず、自室に戻り、水を何杯か飲むとベッドに横になる。
今日は寝てばかりだ…
寝る前に、切った手のひらを包帯とガーゼでくるむと、そのまま横になった**]
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ざっと見たけどもどこに投票先の集計がされているのかよくわからないぞ
地上でだけ見えるのかな?
リエヴルさんの票固めぶりが良い感じ
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