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次男坊 カークは、船長 ローゼンハイム を投票先に選びました。
[ ミーネとツェーザルとの楽しいひと時の間は、兄のことも父のとこも忘れて自由になれた。
ミーネが手にしていたカクテルで、シグルドの空白がまた興味深くなったところでもある。
もう頃合いだと部屋に向かおうとしたところで、恰幅のいい男に声をかけられた。
今度は明確にカードルームに誘われる。
胸のバッヂから、これが議員とやらか、と推測して同行を承諾した。 ]
― カードルーム ―
[ 葉巻を勧められたが遠慮しておく。
部屋に漂う焦げたフレーバーは嫌いではないが、ヒヤシンスの方がいい。
プレイするのはブラックジャック。
賭け用のチップはシグルドに交換に行かせた。レートは任せる。 ]
[ 適当に気をぬいて、チップは気前よく置いて遊んだが、7:3くらいの優勢だった。
手持ちのチップが少なくなってきた議員が秘書らしき金髪美女の腰を抱き寄せながら、「彼女を賭けよう」と言った。
ああ、なるほど読めた。
次はそこの
チラと背後のシグルドを見やる。
部屋に帰る口実を作れと、そんな無茶振り。* ]
彼とは長い付き合いなのですが──
[ 相手の興味を引きつつも無難な話題で時間稼ぎをしていれば、器も中身も高価な年代物と見える洋酒の支度をしてシグルドが戻ってきた。
議員が彼に囁く様子には、おやおや、といった表情で微笑してみせる。]
[ 環視の中、シグルドは失態を装い、カークの礼装に盛大に高級酒をぶちまけた。
オーク樽とピートの香りが二人を包む。
力強い豊穣を吸い込んで、目を細めた。
膝をついて濡れた服を拭うシグルドの髪に指を差し入れて掴み、仰けさせる。]
そうだな、責任をとってもらわねば。
[ 周囲に漂う邪気がぞわりと蠢いたのを感じた。
なるほど、やはりか。 ]
来い、シグルド
[ 議員が口を開く前に立ち上がり、会釈する。]
所用ができましたので、これにて。
中座の代価にチップは献納いたします。
それでは、よい夜を。
[ ひったてるようにシグルドの肘を掴んで背を向けた。*]
しかし、おれも未熟だな。
あの議員に取り憑いているモノを炙り出したのか、煽られたのか確信がない。
[ シグルドに対して行った行為を分析して、息を吐く。]
まあ、あんなイカサマな手を使ってくるくらいだ。
おまえを脅してモノにするネタも掴んでいないんだろう。
おれを虚仮にして笑いたかったのかもしれないが。
― 客室 ―
[部屋に入れば、すぐにも主を脱がせに掛かる。
シミ抜きは時間との勝負なのである。]
先にシャワーを浴びてしまいましょう。
[ほとんど酒精の被害を受けていないボトムまで手際よく剥ぎ取って、シャワールームへと誘った**]
そうだな、夜は我らの味方だろ。
[ シグルドが口にした「実戦」という言葉に、胃が持ち上がるような気分だ。
いよいよか、という期待と、未知なる扉を開くことの覚悟と。]
― 部屋 ―
[ 本日二度目のシャワーに案内される。
今度は、洗い流すのは汗ではなく酒とシガーの香りだ。
あるいは、禊でもあるのか。*]
[汚れた衣服をさっさと洗濯サービスに出した後、先ほどと同じように主が身を清める手伝いをする。
先ほどよりも入念なシャワーの後、やはりバスローブを着せかけて寝室へ送り出す。自分もまたバスローブ姿で後を追った。]
では、始めましょうか。
こちらをお持ちください。
[差しだしたのはネクタイピンだった。
先ほどの議員から黙って拝借してきたものだ。]
ベッドに上がってください。
仰向けでもうつ伏せでもどちらでも。
うつ伏せの方が姿勢が楽なのでお勧めしますが、顔を見ていたければ仰向けでもいいですよ。
[主をベッドへ導きながら、小さな瓶を取り出してくる。
中身はマッサージオイルとはまた違う香油だ。]
あとはリラックスして私にお任せを。
……説明は必要ですか?
[ベッドを軋ませ片膝を乗せたところで、ふと尋ねた。*]
[ 夜はまだ長い。別段、急ぐ気持ちはなかった。
シグルドが満足するまで身体を流させる。
バスローブを羽織って寝室へ赴くと、後から来たシグルドに尋ねた。 ]
おまえの食事は?
おれが忘れていても、ちゃんと食えよ?
[ 優秀な執事は、どこか一瞬の隙に食べているのかもしれないが、労働条件を過酷なものにするつもりはない。]
[ シグルドは、始めましょうと言って、何か光るものを差し出した。
ブランドの刻印がされたネクタイピン。特注なのか、名前も彫ってあった。]
上出来だ。 よくやった。
[ 家伝の"技"を発揮するには、対象となる相手の持ち物が必要なのだ、ということは知っている。
長く身につけていたり、思いのこもったものの方がいいというのも。
名は呪であるから、これで充分役に立つだろう。
入手手段は気にしないことにする。シグルドなら事後のことも考えていると信用できる。]
[ 次の段階は、何か瞑想めいたものを行うはずだ。
意識の奥深く、世界そのものとつながっている無意識の領域に入り込むための。
香を焚くか薬を飲むのかもしれないと予測していたから、シグルドが手にした香油の瓶に、やはりと思った。
けれど、うつ伏せが楽とか、顔を見ていたければ仰向けに、という部分は理解が及ばない。]
説明をしてくれ。
肝心のところは、伝授されていない。
[ 執事が知っていて、後継者が知らないという図は、歴史を顧みればいくらでも例がありそうな話。
それでも少々、負けているようで悔しい。
話を聞くのに顔は合わせておきたいから、寝台に仰臥した。*]
[ 夜はまだ長い。別段、急ぐ気持ちはなかった。
シグルドが満足するまで身体を流させる。
バスローブを羽織って寝室へ赴くと、後から来たシグルドに尋ねた。 ]
おまえの食事は?
[ 優秀な執事は、どこか一瞬の隙に食べているのかもしれないが、労働条件を過酷なものにするつもりはない。]
[ シグルドは、始めましょうと言って、何か光るものを差し出した。
ブランドの刻印がされたネクタイピン。特注なのか、名前も彫ってあった。]
上出来だ。 よくやった。
[ 家伝の"技"を発揮するには、対象となる相手の持ち物が必要なのだ、ということは知っている。
長く身につけていたり、思いのこもったものの方がいいというのも。
名は呪であるから、これで充分役に立つだろう。]
[ 入手手段は気にしないことにする。シグルドなら事後のことも考えていると信用できる。
次の段階は、何か瞑想めいたものを行うはず。
意識の奥深く、世界そのものとつながっている無意識の領域に入り込むための。
香を焚くか薬を飲むのかもしれないと予測していたから、シグルドが手にした香油の瓶に、やはりと思った。
けれど、うつ伏せが楽とか、顔を見ていたければ仰向けに、という部分は理解が及ばない。]
説明をしてくれ。
肝心のところは、伝授されていない。
[ 執事が知っていて、後継者が知らないという図は、歴史を顧みればいくらでも例がありそうな話。
それでも少々、負けているようで悔しい。
話を聞くのに顔は合わせておきたいから、寝台に仰臥した。*]
食事は後でとらせていただくつもりでした。
ご心配いただき、ありがとうございます。
[使用人の労働環境にまで気を配る主はまさに得がたいもの。
礼節ではなく心から感謝を述べて頭を下げる。
この方にお仕えしていることが誇りであるし、ただ純粋に好きでもあった。それは幼いころ、共に遊び回っていた頃から変わらない思いだ。]
[主がベッドに仰臥する。
緩く結んだ帯がほどけ、胸元が露わになっていた。
はっとするような色香が漂う。]
── 私の一族は代々、皆様にお仕えするのと同時に、
精神世界へとお送りする船であり水先案内人でありました。
私はその知識と能力を得るための儀式を終えております。
どうぞ、全て私に任せてください。
[説明を求められて、まずはそう告げる。
共にベッドに上がり、主の腰を跨ぐように膝立ちになった。]
あなたを精神世界に導くために、ふたつのことが必要になります。
一つは、あなたが絶頂を迎えること。
ひとつは私があなたに直接精気を送り込むこと。
つまり私があなたを抱くことが要件です。
[実際は、香なり薬なりでトランス状態に導く方法もある。
だが今回はそれを取らなかった。
直接繋がることが最も効率よく、力も最大に発揮できる。
なにより、自分がそうしたかったから。]
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