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皇帝 アレク トールは、世界の声 を投票先に選びました。
− 宇宙船 −
[胸に宿した“目”を破壊された偽物が消えて行く。
張りついたままの歪んだ笑みは、飾りたてた花が自重で潰れてゆくかのよう。
何故、あんなものをと憤ったルートヴィヒの気持ちがよくわかった。
それも、呪いが解けたからこそ。]
よくやった。
苦労をかけたな。
[すまなかった、と素直に謝罪し、結ばれた手に軽く力をこめる。]
[後ろの二人も呼び寄せて、自己紹介をしておく。
殴った方の隻腕の男には、許せ、なんならあとでつきあう、と言っておいた。**]
[ルートヴィヒとダーフィトらのやり取りは傍らで見ている。]
これを女装させても敵を増やすだけだと思うぞ。
[その発想はなかった、と笑いつつ、ルートヴィヒの舌が健在なことを喜んでおいた。]
さて、この船はどれくらい保つかな。
[先の交戦でかなりの損傷をうけているはずだ。]
無理に躱すより、いっそぶつけて巻き込むのもありか。
[どうだ、と腹心に諮った。*]
[続々と人が集まってきていた。
入れ替わりに出て行った者もいるが、人材豊富なのは良いことだと思う。
さすがに翼のある男には驚きもしたが。
事務的な立ち回りは腹心に任せて、人を眺めつつ、策を考える。]
まあ、各自、好き勝手にやればよかろう。
[このメンツならば、それぞれ全員が兵ではなく将器だと判じる。*]
[風のように来て、風のように去って行ったダーフィトが置き土産に船を出現させていた。
ルートヴィヒも移動手段の確保を提案してきたところである。]
借り受けるならば、あれか。
[自分たちの認識にもっとも近いのは戦艦《カルカリアス》だろう。
どういう来歴かは知らないが、歴戦の感じがする。
扶翼のメルヘンな妄想がどこかに加わるのも一興。>>98]
[集まった者らが、三々五々、散ってゆく。
同じ目的を抱いて。
艦橋にルートヴィヒと二人となっても、寂しさは感じなかった。]
おれが路を拓くのは、こうした出会いのため、
なにより、おまえと新しい景色を見るためだと改めて思うぞ。
[釘を刺すルートヴィヒに、微笑で答え、ゆくぞ、と身を翻した。]
− 《カルカリアス》号 −
[初めて乗る艦にもかかわらず、その戦艦はしっくりと馴染む。
戦闘のみならず、酒の一献も傾けるのが楽しみな居心地の良さだ。
ルートヴィヒがダーフィトと連携して、群がる異形を薙ぎ払うのを莞爾と見守る。
言葉にせずとも、思いが伝わることの心地よさは相変わらずであった。
そして、己のために用意された勝利への道筋へ、迷いなく立つ。>>167]
これより、総力戦に入る。 続け!
[皇帝親征の威容を示し、艦は前進した。*]
― 《カルカリアス》号 ―
[水平方向のみならず、全方位の動きを感じ取るのは次元の違う戦場だった。
老練の活気が漂う飛空戦艦の中で、生涯唯一人の扶翼官がもたらす情報と分析は、戦場のただ中から俯瞰する皇帝に淀みない力を与える。
気になる方向へと視線をやれば、ルートヴィヒは守りを厚くし、指し示す場所を的確に汲んで、艦を制御する。
ルートヴィヒはまさに、
この瞬間にも、引き絞られた弓のような布陣から攻撃を発動するタイミングを待ち、アレクトールを見守る。]
── 今だ。
[怜悧な眼差しへと告げれば、間髪置かずに実行に移された。
無人の宇宙船は、敵中で盛大に爆裂する。
空に炎が連鎖した。{{1d6]] ]
[それでも《シュヴァルツアイン》は仕留めきれないだろう、との予測どおり、爆煙を抜けて出てくるシルエットがある。]
ルッツ。
[アレクトールは頷いて、扶翼に次の策への移行を指示した。*]
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