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いや、光栄とかそんな固くなんないでくれよ。
神将っても俺は新米だしな。
[ 姿勢を正すウルズに、くすぐったそうに片手を振って ]
んー、そっか?だったらウルズって呼ばせてもらうけどさ、俺の事も…ていうか、普通に話してくれていいんだぜ?
[ 呼び方については、了承して、もうちょっと砕けないかな、と返してはみるものの、自分の玄武神に対する態度が、ある意味誤解の源であることには気づいていない* ]
憧れ…そっか、そういうもんか…
いや俺も、なんか身の丈に合ってない気はしてんだけどな。
[ ウルズの言葉に>>81ぽり、と頭を掻く。とはいえ、玄武神自らの気を与えられているという体質的な事情で、他に身の置き場もないというのが現実だった ]
でも天帝を守る武官だって神将と同格かそれ以上だって思うけどなあ。
[固辞するウルズの様子を見れば、苦笑しつつも、これ以上は言っても無駄かと、肩を竦める ]
そういや昼間はクリフと森の方に行ってたんだってな。二人とも、変に強い瘴気とか感じなかったか?
[ 人心地ついてから、どうやら仙花が隠れていそうだとあたりのついた東の森林に向かった二人から情報を得ようと問いかける。
ある程度の話が聞ければ、湿地に現れた妖魔は、捜索隊を、そうと知って待ち伏せていたのかもしれないという、自分の予測の方も、返礼とばかりに皆に伝えた ]
仙花、怖がってないといいけどなあ。
[ 他にも言葉を交わしはしたか、その合間に、温かい緑茶を口にしながら、ぽつりと零したのは、同輩の元花精のことが、少し頭にあったせいかもしれない ]
早く見つけて、天に還してやりたいよな。
[ ともあれ、それは偽らざる想いに違いなかった** ]
― 夜/洞窟 ―
[ カスパルが色とりどりの飴や愛らしい形の干菓子を提供してくれたおかげで、焚き火を囲む輪には一層の和やかな空気が生まれる ]
あはは、確かに、こりゃいいな。俺も戻ったら屋台で探してみますよ。
[ ウルズに同調するように>>109笑って、干菓子を一つ口に入れる。上品な甘さと舌の上で解ける口当たりは、さすが天上宮のお膝元に出る店といったところか。恐らくカスパルの店選びの才でもあるのだろうけれど ]
カスパル殿は、やっぱり朱雀様にいとし子と呼ばれるだけありますね。
陽気を扱うのは得手じゃないなんて言いながら、こうして、陽気の源を作り出してんですから。
[ 焚き火を囲む者達の間で、甘味をきっかけに、和やかに交わされる交流は、恐らく天上の茶会に負けぬ穏やかな陽気を醸し出しているだろう、と、陰気の主に従う神将は楽しげに笑った ]
クリフッ!!
[ 現れた妖獣の爪を、咄嗟の術で盾を作って避け、飛び下がったクリフの元へ、背の双剣を抜きながら、駆け寄る ]
水霊招来!
[ 剣に纏わせた水気を、妖魔の鼻先に叩きつけるように、交差した双剣を横薙ぎに振るった* ]
[ 硬い鱗は、浄化の気をも阻むのか、双剣の刃は硬い音と共に弾かれ、その反動に腕が痺れる ]
く、あっ!
[ 足が止まったところへ、妖獣の前肢が薙ぎ払う動きで迫る。
なんとか、後ろへ下がり、直撃は避けたものの、胴を鋭い爪が掠めて、服と肌の表皮に、浅い引っ掻き傷を残していく* ]
くっそ…
[ 浅い切り傷とはいえ、瘴気を纏った妖獣のつけた傷だ、少々辛いものがある ]
…んなとこで、負けてられるか…神水換浄!
[ 剣に纏わせた水気を浄化の霧と変えて、纏い付く瘴気を散らし、体内に染み入る瘴気は自らの血の力で浄化を促す。
その間にも、ウルズとクリフが連携して妖獣に立ち向かうのが目に映るが ]
[ 危ないと言われて止まるくらいなら、最初から飛び出したりはしない。クリフの体が地に落ちる前に、受け止めようと、文字通りの滑り込みを敢行すれば、なんとかクッション程度の役は果たせたか ]
いってえ…
[ 妖獣の爪に裂かれた腹の傷は少々ダメージを受けたが、そこはまあ、相身互といったところだろう ]
あー…大丈夫か?
[ 近づけば彼の右腕の傷を侵す瘴気の気配がして、思わず顔を顰める ]
……霊気換浄。
[ 傷口に手を当てて、浄化の水気を巡らせ、自らの身内に瘴気を取り込む。僅かに瞳が赤く揺らめいたが、すぐにその色は沈んで消えた ]
大活躍だったな、戦友。
[ 治癒までは出来ないから、今は瘴気の浄化のみになるのがもどかしいところだが、とりあえずは、と、笑って賞賛の言を贈り、次いで冬花とウルズにも視線を向ける ]
冬花の機転にも助かったし、ウルズも、強いよなあ…さすが天の武官だけあるぜ。
[ 強い、というのは、武力だけではなく、身を庇う事もせず、妖獣を足止めしてのけた、その胆力を含めてのことだとは、伝わるか ]
…てか、そっちも大丈夫か?
少し休んだ方がいいかな、こりゃ。
[ そちらも力を使い果たした様子を見てとれば、ぽりと頭を掻いた* ]
[ そんな話の合間、近づいてきた冬花が差し出した組紐にぱちりと瞬く ]
え?そんな大事なもの、俺に渡しちゃっていいのか?
[ 優しい水気の宿る組紐は、彼女の木気を高め支えるものだろうに、と、とまどうように問い返すが、それが自分を気遣う気持ちからのものだとは分かったから、結局素直に借受けることにした ]
ん…やっぱローズマリー様の気は優しいな…大将に妬かれねえといいけど。
[ 冬花に倣って、組紐を右手に巻きつけながら、そんな軽口を叩いたのは、半分以上照れ隠しだ ]
[ やがて回復の術を巡らせる玄武神の声が八角鏡から響き、己の取り込んだ瘴気も、主の元へと引き取られて行くのを感じる。
うっかり瘴気にあてられて。妖魔の血が表に出ないようにとの予防策とは分かっていたが、やはり片手であしらわれている感は拭えずに、内心で小さくため息をついた* ]
土の中って、ミミズにでも乗り移ったかな?
[ クリフと冬花の探索の結果に、首を傾げつつ、そんな適当な予測を口にする ]
来た道ってことは、山の方…か?え、それちょっと…
[ まずいかも、と思うのは、そちらは人里に近いと知る故だ ]
大将、仙花が人里に近づいてるかもしれないんすけど、どうしましょう?
[ 若干の焦りを込めて主に問うのは、仙花を狙う妖魔も人里に近づけば、そちらを襲うかもしれないという懸念が故 ]
うわあ…
[ これは本気だ、と、玄武神の淡々とした声に感じ取り、思わず首を縮める。
滅すると言うのだから、本当に容赦なく滅するつもりなのだろう。僅かに妖魔に同情する気持ちが湧いたが、こちらもそれどころではない ]
よし、早いとこ探し出そう。
[ そう宣して、西へと歩み出す** ]
[ ウルズとクリフが、怪しい影の妖魔に挑みかかり、その姿が変わるのを目の当たりにして、神将は双剣を抜きながら舌打ちする ]
ちっ!なんだ、こいつ?!
饕餮...のわきゃない、よな。
[ それだけは有りえない、と、彼は知っていた ]
大将!おかしな妖魔が仙花を襲ってるとこに出くわしました。
饕餮に見た目は似てますが...影みたいな?なんか変な感じで...
......とにかく、仙花を救い出します!
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