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はふう、諸事情で時々家事に攫われる道化ですこんばんは。まあ連休でよかったけどね。
(家事+仕事+村は無理w)
なんか美味しそうなものが、あっちこっちに散らばってるぞ、マチスが戻る前に行き先は決めないとだな。
[ 「伝説」の最初は、軍に入隊したばかりのことだった。訓練のために山岳地帯へと新兵を運んでいた輸送飛行船が突然の悪天候に遭遇して墜落した。数十人の新兵と操縦士、全てが死亡したが、コンラートだけが無傷で発見された。
二度目は、国境紛争に出動した時。敵軍の奇襲を受けて駐屯地が砲撃され、部隊は全滅したが、やはりコンラート一人が生き残った。
三度目は、空母の乗組員となった時。着艦に失敗した戦闘機が炎上爆発し、周囲にいた者は、ほぼ即死の憂き目を見たが、炎上した機体のすぐ傍で作業していたにも関わらず、コンラートは、またも無傷だった ]
[ コンラート自身、いつも何故生き残ったのかを説明出来ず、やがて「天使憑き」の異名だけが、羨望と恐れをないまぜにして、兵達の間に広まっていった ]
― いつか ―
「天使憑き」てのは「死に損ない」の異名ですよ?それでもいいんですか?
[ 宇宙船の正操縦士に選ばれた時、マチスにはそう告げた。コンラートにとって、それは祝福ではなく、呪いのように感じられていたから。
しかし ]
あんたがそれでもいいってなら…
[ 宇宙への夢を語るマチスの情熱に、その揺るがぬ信に応えたい、と、その思いは確かにコンラートの内に、生まれていたから ]
地獄の果てまででも、付き合いますよ、大将。*
そいつの操縦なら、青痣程度で済めばマシってもんですよ。
[ 必死に操縦桿を操る緊張は声には乗せぬよう気遣いながら軽口を返す ]
大将、連中と遊んでやらなきゃならないみたいなんで、ちっと離れます。
いざとなったら、命を一番に考えてくださいよ?
あんたが無事なら、船は何度でも作れる、死んじまったら元も子も無いんですからね。
[ 以前に言われた言葉をなぞるように、最後に、そう告げた* ]
ダーフィト!
[ 頭上を横切った影に向かって声をあげても、すでに距離が開いて届かない。まさか、一般人が乗っている箱舟に攻撃する気はないだろうとは思ったが、マレンマを案じる心が焦燥を産んだ。
その間にも、最後の光弾が旋回した機体を貫こうと斜め前方から迫る ]
しつっこいんだよ!
[ 操縦桿を倒し、ぐるりと横向の回転を機体に与える。そして一回転した複葉機につられて螺旋軌道を描いた光弾の到達先に予測をつけると、一つ目の光弾に一部を削られたとは反対の翼を光が掠めるように旋回、見事に両翼を同じだけ削るのに成功する。
耐久力は落ちたが、バランスは戻り、複葉機の動きは本来の素早さをほぼ取り戻した ]
なん…?!
[ 飛翔した天使を追うために旋回した時、その手からサーベルが、翼に向かって投じられる>>118 ]
んなもん、返していらねー!
[ 見るからに凶悪な力を感じさせるサーベルに纏い付いた影の気配に、ざわりと悪寒が走ったが、避けるには距離が足りなかった ]
ぬあっ!?
[ 本来はそれほど重くないはずのサーベルの刃が、複葉機の翼を易々と貫通する。すでに黙示天使の光弾によって一部が削られた翼が、大きく双翼のバランスを崩され、機体が錐揉み状態となって落下し始める ]
こ、のおお!
[ それでも操縦桿を離さず、なんとか不時着だけでもと機首をあげようとした、その目に黒竜の吐いた炎の色が映り>>124同時に天から降る声が届いた>>126**]
Perché?
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ほんと、ダーフィトがかっこよくて。
いやみんなかっこいいんだけど、さて、俺の役目はどのあたりかな。うーん(悩
[ 声無き声が雷の音に溶けた、その瞬間、純白の輝きが複葉機ごとコンラートの身を包む。
大きな翼の幻影が、一瞬だけ浮かんで消えたのを、目にした者もあったろう ]
逝くな、マーレ!
[ 彼が何者でも、何を望んでも、それが自身の望みとは相容れぬ道であっても ]
生きろ!頼むから…
[ それでも、コンラートにとって、その子供はただ一人の「弟」だった。たとえ、彼がそれを、忘れてしまったとしても ]
[ 光は徐々に薄れ、それにつれて、複葉機は風に流されるようにして箱舟の側から下降していく ]
……生きていて、くれ……
[ 機体が地面に音も無く降りるとほぼ同時、風に乗り、一枚の純白の羽根が、マレンマの紅く染まる胸元に、ふわりと舞い降りた* ]
― 地上 ―
[ 地に降りると同時に機体を包んでいた光も消え、コンラートは、拳で目元を拭うと、操縦席から地上へと降りた ]
は…いい加減、笑えねえな。
[ 翼の折れた愛機と、無傷の自分の姿を見比べて皮肉に嗤う。見上げた空には、地に繋がれたまま浮かぶ白い繭と、どうにか墜落を免れたという体のトラオムング、そして高みから全てを睥睨するかの6枚羽根の大天使の姿 ]
生きてますよ。
[ 届いた声の、変わらぬ力強さに、揺れていた心が、すっと落ち着きを取り戻す ]
また死に損なっちまいました。
あんたこそ、青痣作ったんじゃないですか?
機体はちょっと当分使い物にならないんで、帰りは歩きですね。
部隊の方は、俺が居なくてもトラオムングが動けば、それに従います。大丈夫ですよ。
[ 無事を問う通信機からの声の主が>>203上空を飛んでいることには気付かぬまま、答えを返し、撤退の合図の信号弾が上がるのを見る>>195 ]
さあて、引くのはいいが…
[ 愛機を失ったに等しい今、徒歩での撤退しか手段は無い。ならば急ぐに越した事はないのだが、立ち去り難いのは、浮かぶ繭から、まだ意識が離れないからだ。
名を呼んだ一瞬、彼が浮かべた微笑みは>>184幼い頃、一緒に行きたいとねだられるままに手を引いて、買い物やシスターの使いに出かけた、その時の嬉しそうな笑顔を思い出させた ]
マーレ…
[ 今のコンラートには彼を救いに行くことも出来ない。むしろ天使達が命を救ってくれる事を願うしかないのが現状だ。
罪人の祈りや願いなど、聞く耳を持つ神だとは思えなかったが ]
やっぱりですか?仕方ねえなあ…
[ お前でなければ、と、口にするマチスに返す軽口は、隠しきれない安堵の色を滲ませる。
今回の作戦で、コンラートがトラオムングの操縦では無く、戦闘機部隊の指揮に回ったのは、その方が攻撃力が上がる、という判断の他に、また「自分だけが」生き残ってしまったら…という危惧がぬぐいきれなかったせいでもある。
けれど、何度己の異名を証明する結果をみせつけられても、マチスは、少しもその態度を変えない。
あくまで信じるのはパイロットとしてのコンラートの腕であり、異名の呪いなど、信じるに足らないと、言外に示してくれる ]
ダーフィトが?
[ しかし続けて伝えられた「伝言」には、思わず眉を潜め ]
……殴るかどうかは、会ってから決めます。
[ 詳しい経緯は見ていない、けれど、マレンマに炎を浴びせたのが、彼のオートマタである以上、その言葉の意味する所は理解できたから、そう答えた ]
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