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[わたしはジェフロイさんに見える人から手を離し、床をはいながらあわてて後ずさります。]
こ、こないで!
あなたも、人狼かもしれないじゃない!
こないで!……殺さないで!!
[「コンスタンツェ」なら、そう思ってそう言うに違いないのです。
わたしはわたしが人狼であることを、ただただ頭の中から消し去っておりました。]
こ、こないで……!
[>>108 わたしは階段の方へ方へと追いつめられ、頭では危険と分かっているのに、ジェフロイを見上げてみると恐怖心が増し、体が言うことを聞こうとしません。
しかし、彼の腰に揺れるナイフに気づいたわたしは、彼の腰元目がけて取りすがって、手を伸ばし、そのナイフの柄を握りました。]
[わたしはジェフロイのナイフを一本抜き取りました。
それは、わたしの知らない顔を持つ男に、何かしらの抵抗策を持ちたいという考えでそうしたのか、あるいは他の目的があったのか、自分のことであるのに分かりませんでした。
思考よりももっと素早い、肉体が生を求めるが故の反射的な行動のためでしょうか。
それに、目的など考える間もなく、ジェフロイの警告>>114 が届く前に、
わたしはナイフを抜き取った時の反動で、背中から階段を転がり落ちていったのです。]
[天井と床が、交互に入れ替わる様を、ただ視界にいれるだけで精一杯。
自分に何が起こっているのかは、全く理解することが出来ませんでした。
どん、どん、どん……
リズムよく転がり落ちるわたしの体。
その音は、わたしの体が階段を転がり終えることで止まります。]
姉さん……
……姉さん
[眼鏡のつるはゆがみ、ガラスにはひびが入ったので、視界は全くの不良でありました。
打撲の痛みも感じません、ただ、お腹が燃えるように熱く、足がうまく動きません。
この肉体はまったく人間のものですので、突然回復したり、突然力が涌いてくるなんて奇跡は起こりません。
それは、おとぎ話の中で起こることなのですから。]
姉さん、逃げて
[わたしは姉さんの声をたよりに、両手で這いました、必死になって。
わたしのあとに出来る赤い血の道があります。]
姉さん、逃げて……
[この、恐ろしい人たちから逃げてください。
どうか、死なないでください。
両親は、あなたに会いたがっているのです。
そんな長い台詞は話せません。
赤い血のあぶくが、わたしの口元から流れ落ちてゆきます。
わたしの灰色の瞳は、眼鏡無しではろくに像を結びません。
それでも、姉さんに取りすがり、抱きつきました。
他の人が姉さんに触れぬよう。
姉さんが、わたしの血で汚れることも構わずに。]
[そうやってわたしは、ローレル姉さんに「コンスタンツェ」の血をなすり付けました。
強く、残るように。
たとえ洗い流しても、鼻の利くものであれば感じ取れるように。
ハイアオの正体に気づくことの無いラズワルドが、「わたし」のにおいにまみれたローレル姉さんに、食欲を無くすことを願いながら。]
ちが、う
[わたしは耳に届いたオットーとフランツの声>>132>>137に、力を振り絞って首を横に振り、否定の意を伝えようとしました。]
ちが、う
ジェフロイ は ちが
[だって、彼はわたしに触れておりません。
わたしの方から彼に近づき、ナイフを奪ったのですから。
むしろ、当然の顛末というものです。
まったく情けのないお話ではありますが。]
青いねえ。
ラズワルド、青い青い。
[わたしは痛みを感じさせぬ、いつもの調子でラズワルドに話しかけました。]
あいつは、喰うんじゃないよ。
みんなに殺させるのさ。
あいつを獣と思わせて、殺させるんだよ。
[わたしはわたしのやることを終えて、あとは完全に呼吸が止まるのを穏やかに待つのみとなっておりました。]
ラズワルド、
ここはお前の狩り場だ。
[最期に、若い仲間に言葉を遺しながら。]
人をうまく操り、殺させ、信用させ、
隙を見て喰うんだよ。
そうして、立派におなりなさい。
……なんて、説教する自分が嫌になってきたねえ。
ここからは、お前のお手並みをゆっくり見ることにするさ。
[こうすれば、今後ハイアオが彼のささやきに答えなくても、違和感は生まれないでしょうか。
それは、彼の覚醒次第にもよるとは思うのですが。
できればわたしがいなくなったことに、気づいて欲しくありません。
若者には前を向き、生きよ増えよと促したいのですから。]
さーて、ねえ。
[彼の憎しみの込められたささやきに、ほんの少し哀れみを覚えながら、わたしは思いを気取られぬよう、軽く流すことにしました。]
[ローレル姉さんに、強い劣等感を抱きながら生きてきました。
ローレル姉さんがいなくなってさびしくなったと笑う両親を見て、姉さんなんかいなけりゃ良かったのにと思うこともありました。
わたしは幼い頃からひどくばかでありましたし、今でも決して利口ではありません。]
[フランツがきらいです。
いつもいつも「父」の考えを代弁するだけの存在で、いいこさんで、自分で決断する力の無いたよりないやつだったからです。
結局わたしはいつも、フランツを通して、彼の父と話していたようなものなのです。
そしてそれは、いつも一方的なやり取りで、決して会話には至りませんでした。]
[「おにいちゃん」を、神父さまと他人行儀に呼ぶことで、
旅に出て帰ってきた彼を暗に責めておりました。
流れた時は帰ってこない、わたしはあの頃とちがうのだ、と。]
[オットーを、わたしの「おにいちゃん」にしたくはありませんでした。
だってオットーは、あくまで仲の良いお友達で、肩を並べて遊べる人間でしたので、彼を兄と見ることは出来ませんでした。]
[ディルドレさんが恐ろしかったです。
彼女の前ではひときわしとやかにふるまうことで、わたしは悪ガキのわたしの記憶を消したかったのです。
幼い頃の乱暴なふるまいは、とても恥ずかしく思い出したくないことでしたので。
しかし、いつもいつも上手にできませんでした。
彼女の顔を見るたびに、怒られたことを思い出し、くちびるを噛み締める思いでした。]
[ジェフロイさんが苦手でした。
彼が姉とよく話をしているところを見ていたので、そのときにはなんだか姉が知らない人に見えたこともありました。
そして何より、彼はわたしと姉を「姉妹」のくくりで見るのです。
そんな時には、わたしがひときわ劣っていることが、やはり露見してているのだと内心くやしかったのです。]
[流れ出る血はわたしの下にたまっております。
うつろに見上げ、光を目に入れるともせず、わたしの口はあわあわと血を吐き続けておりました。
時折、姉さんに逃げてと言いながら。
そして、ジェフロイさんは違いますとかばいながら。]
[オットーの秘めた思いに気づける訳も無く、フランツの謝罪も耳に届きません。
もちろん姉の言葉とて、何のことだか、さっぱり。
わたしは人間です。
だから、このまま、肉体から血を失って死んでいくのです。]
[両親には――
誕生日プレゼントに、長い長い物語の本をねだっておりました。
それは昔に、誰かに語ってもらったお話ですので、「そうして家族は幸せに暮らしました」という終りの一文しか覚えていなかったのですが。
誕生日……]
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PLとして、ちょこっと。
ローレルは妹を失うという大きな出来事にあったばかりですので、これから表でRPが大きく伸びる可能性があります。
ですので、少し様子をみませんか、ということでした。
狩人の守護先と襲撃先が一度重なっても吊り数は変わりませんと念のため。
7>5>3>1
7>6>4>2
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