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―回想・教会で ―
[ジムゾンがロケットを外し演壇の隅へ追いやるのが見えたが、それには気づかないふりをした。
中に入っているのはユリウスの絵か、それとも違う物か――。
どんなものにせよ、今は全身で感じてくれてるジムゾンに余計な気を使わせないのが男というものだ。]
ジムゾン…痛かったら言えよ。
[出来るだけ優しくしてやりたいと思って言葉をかけたが、果たして抑えきれるかどうか――。
自らディーターの髪に指を差し入れ、快感に震える姿が愛おしい。
"気持ちいいと"訴える声に目を細めると、仰け反った首筋に噛みつくようなキスを落とす。]
そうだ、狂え…強請れ…
与えてやるさ――、いくらでもな…。
[心地よい、艶めいた嬌声を聞きながら。
神の目前で神父を犯している自分の姿を想像し、自嘲めいた笑みを浮かべた。]
[どのくらい抱き合っていただろう、十字架の後ろから差す光は失せ。外はすっかり暗くなった事を知らせる。
ジムゾンに体重を預けるように荒く息をついていた身体を少しだけ起こし、]
すまねぇな、やっぱ抑えきれんかったわ…。
[もう一度深く口づけて舌を絡め、ちゅっと音を立ててから唇を離した後。
何度も欲望を放った白い肌から離れれば、そこから分け合った熱が冷えていく気がする。
抱いたことを後悔してるわけではない。
ただ、最初は優しく扱うつもりがそうではなかった、という意味での謝罪。]
極上の味だったぜ、神父さま。
[髪を撫でて、衣服を整えるのを手伝ってやる。
"もっと、もっと"とせがまれれば悪い気はしない。
足を大きく広げて深く受け入れさせ。求められるままに穿った身体からは、今も絶妙な色香が漂ってるようで。
名残惜しげな視線を自覚し、つと目を反らす。]
(覚えたてのガキじゃあるめぇし…、なにやってんだ)
しっかり鍵をかけて戸締まりしろよ?
[ガツガツした自分に呆れつつも。ジムゾンからこのまま教会に留まると聞けば、そう言えばここに住んでるんだったなと思い出し。
オットーに言われたのと同じセリフをジムゾンに投げ、どうせ夜は酒を飲むつもりだった宿屋へと足を向けた。*]
― 回想・昨夜宿1階にて ―
[教会から帰ってから1階の酒場でワインやビールを頼み。ゲルトやヨアヒム達に混じり酒盛りを一通り楽しんだ。]
(あいつ、まさか初めてじゃないよな…?)
[脳裏に浮かぶのはジムゾンの姿。
帰り道。どこか去りがたくて閉じた扉の向こうを一度だけ振り返った。が、恋人でもない男にこれ以上気にかけられても迷惑だろうと思い直し、首を左右にゆるく振って歩き出したのだ。]
[ヤコブと共に姿を現したオットーにチラリと視線を飛ばすものの、自分から何か言葉をかけることはなく。
ゲルトとヨアヒムに流れる奇妙な空気に気がついても、話しかけられる事がなければ、それまでで。
程よく酔いが回った所でレジーナに適当な部屋を借りて引き揚げた。]
―回想・宿/自室 ―
[その後、酒が回った状態で温泉に入った。
着替えを忘れたため、腰にタオルを巻いただけの姿で部屋に帰り。鍵もかけずにベッドで仰向けになって倒れ込んだ。アルビンが約束通り部屋に来たのか、それとも誰も来なかったのか、どちらにしろ誰でも部屋に入れる状態だっただろう。*]
― 翌朝・自室 ―
[窓から差す朝の光が瞼に及び、心地よい眠りから目覚めるのと、『人狼』の被害を伝えに来たのはヨアヒムだっただろうか。]
人狼が…? 場所はどこだ。
わかった、すぐ行く!
[めりーが食われ、隠されたという場所まで急いで駆けつけようとしただろう。
途中で誰かに会えば、共に現場へ向かったかも知れない。]
― 外へ出て ―
[服を着替えて宿の外に出た。現場に向かおうと歩き出した足が止まる。]
(あいつ、大丈夫か…?)
[昨日別れてから今日はまだ会っていないジムゾンの事を思い出したためだった。
オットーとヨアヒムが手分けして村中に知らせて回ってるらしいが、果たして教会はどうだろう。
村役場の次に大事な施設でもあるから、もう報告は入ってるような気もするが。
今から行っても、行き違いになる可能性も高い。けれど一度浮かんだ不安は消えることはなく。]
顔を見るだけだ…、見りゃ安心する。
[どこか言い訳がましい独り言を呟いて、教会の方角へ走り出した。]
―道中で ―
[>>175 村の中を急いでいれば、偶然道の向こうにジムゾンの姿を見つけた。
方角的に牧場の方へと向かっているようだ。
騒動そのものよりも、ジムゾンが無事だったことに何故か安堵する。]
よぉ、ジムゾン!
オットーから聞いたのか?
[彼を1人で現場に行かせるよりは、かえって安心出来る。ジムゾンに声をかけ、共に現場まで行こうと提案した。]
"誰か"…か、確かにな…。
[真剣に答えを返そうとした途端、ジムゾンから悪戯っぽい視線を向けられ昨夜の事を思い出せば、腹の底に甘い感情が疼くのを自覚するが、それは抑えこんで]
仕方ねぇだろ?
目の前に魅力的な羊がいたんだからよ…。
[食っちまうのは当然だろ と、付け加えて。
ジムゾンの頬に手を伸ばしかけ。]
[その手を頬ではなく髪に置いて、ぽんぽんと撫でた。
頬に触れたら、こんな道ばたでも関係なくキスしたくなる気がしたから。]
とりあえず…、お前が無事で良かったよ。
じゃ、行くか。
[ジムゾンの安否が確認できたところで、今度こそ2人で現場へと急いだ。]
― 牧場の近く ―
[ヨアヒムとオットーが見つけたという場所は、カタリナの牧場のすぐ傍だった。
近づくにつれて漂ってくる血臭は嗅ぎ慣れたもので。現場についてめりーの死体を見ても動揺することはない。]
ああ、無理すんな…。
[骸を見せる前に視界を塞ぐのが間に合わなかったため、口元を抑えたジムゾンとメリーの間に立ち、せめてこれ以上は彼に見えないような位置取りで、死体を検分する。
しっかりと木の枝や葉尾使って"隠す"事をされた遺骸は、なるほど。熊などの野生動物に食い荒らされたわけではない事がよく分かる。]
[爪痕や抉られた傷口だけを見れば、野生の狼の可能性もあったが。意思を持って細工された現場がそれを否定している。
だが、これはあくまでも素人である自分の判断に過ぎない。
医師である彼なら、詳しい事がわかるだろうが――。
辺りを見回す、この場にニコラスはまだ到着していないようだ。]
食べたのが羊ってんのが以外だが、どうやら"人狼"ってのは本当らしいな。
ニコラスなら、もっと詳しく検分出来るんだろうが…。
[話によれば最初の犠牲者は"人間"で、偶然か必然かを問わず村は外との連絡を絶たれるはずだった。]
……ん?
[そこまで言ったところで、森の方角へ続くわずかな血痕に気がつく。]
ああ、あれを…。
[指で森へと続く血痕を示す、小さなものだったが目をこらせば辿れなくも無さそうだった。]
これがメインディシュで、腹いっぱいになってくれてりゃ良いんだけどな…。
[割と洒落にならないジムゾンの言葉に、あくまでも軽い調子で返して、肩をすくめて見せた。]
俺は森の方へ行ってみる。
お前は…どうする?
[本当は宿に戻っててもらうか、せめて他の者達が到着してから行動を共にして欲しいが と付け加えて。
あくまでもどうするかは、ジムゾンの判断に任せる。**]
(何だよ? なにかマズイことしたか?)
おい、先に行くなって。
守れねーだろ?
[なぜか声に不機嫌なものが混じり、先を歩き出すジムゾンに困惑する。]
噂じゃ昼間は人と変わらねぇらしいし、だったらなんとかなるだろ。っていうか、する。
……それとも、
[ひょっとして自分の事を心配してくれてるのかと思ったが、言いかけてやめた。いくらなんでも、その考えは都合が良すぎるだろう。
ジムゾンの手をとって引き寄せようと腕を伸ばす。]
どうしたんだよ…血を見せたり、俺が"先に行こうと"したからか――?
[原因がわからないため、直前の行動を思い出して辛うじて思い当たるフシを片っ端から問うが、果たしてこの中に答えはあるだろうか。**]
あ……いや、そっ…か…わりぃ。
[引き寄せはしたものの女とは違うと言われれば。多少を口ごもりつつ、謝罪した。
ディーター自身はジムゾンを女扱いした覚えはないのだが、言われてみれば失礼だったかもしれないと思い直した。
しかしジムゾンを引き寄せた手はそのままで、もう片方の手が腰骨に伸びてる辺りかなり重症である。]
……別に、優しくねぇよ。
["優しすぎる"と言われれば、困惑に眉を寄せる。
昨日ヤコブやヨアヒムにも、親切とか優しいなんて言われたが。ディーター本人はなぜそんな事を言われるのか全く理解できていない。
答えてから、ジムゾンの腰を抱こうとしてる自分の手に気がつくと慌てて引いた。
こういう扱いが今のジムゾンをイラつかせてるのだろうと思って。]
でも、ま。
1人よりは2人ってのは、その通りだな。
[二対一の方がいいと言うジムゾンの意見には素直に頷く。
いざとなれば自分の命など人狼にくれてやる心算で、目の前にいるジムゾンが人狼である可能など、これっぽっちも疑いはしなかった。]
[じゃあ、行くか と声をかけようとした時。ディーターはようやくニコラスとシモンに気がついた。*]
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