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― 天使の翼教会 ―
るせー!あんたが妙なこと、言い出すから…
筋肉?ああ、俺は軍人だからな…て、揉むな!
[ 遠慮なく触れてくる相手に閉口しつつ>>8引っ張られるのにはそのまま従う。
この場を一度離れないとまともに話ができないだろうという認識は持っていた ]
ああ、あんたの事は大将から聞いてる。
面白い奴に会ったって、楽しそうに土産話されたからな。
[ 自己紹介>>9には、そんな応じかたをする。「大将」が誰を指すのか、この男なら理解するだろうと、これも無意識に信じていた ]
こっちは、あの人が戻るまで、生きた心地じゃなかったが。
[ マチスが空賊に拿捕されたと聞いて、すぐにも飛び出して助けに行きたい、と焦れた記憶はまだ鮮明だ ]
俺は、コンラートだ。コンラート・フリーデル。
あんたの言う絶世の美巫女ってのは、マレンマ・フリーデルのことか?
確かに、俺もあの子に会いに来たんだが…
[ 水の色の瞳を覗き込まれれば、僅かに身を引いて視線を逸らす ]
この様子じゃ、俺も追い返されるかもな。
[ そのまま教会の入り口に目を向けて、小さくため息をついた。
影の天使が近づいて来ていることには、まだコンラートも気づいてはいない* ]
腹心、と、思ってもらえてるかは自信ねえけど、俺は大将の船のパイロットだからな。
大概の事は話してくれる。
[ それが嬉しい、という心は声音にも現れていたか ]
あんたが、この国で手配されたら俺が喜んで捕まえてやるから安心してくれ。
[ 心の距離については、とりあえずノーコメント>>21 ]
…俺は、この教会の出身でね。マーレ…マレンマは弟みたいなものなんだ。
[ 関係者かという問いには包み隠さずそう答えた。しかし、帰ろうという促しには首を振る ]
ここまで来たんだ、当たって砕けてみるさ。
あんたは、やることがあるんだろ?
[ だから天使に見つかる前に帰れ、と、言外に告げて、身を離し、教会の方へと向かおうとして ]
― 天使の翼教会 ―
[ ダーフィトに見送られ歩き始めた直後、かすかに背後から「天使憑き」という言葉が聞こえて、苦笑が浮かぶ>>49それに対するダーフィトの答えまでは残念ながら聞こえなかったが>>50 ]
(俺も有名になったもんだ)
[ 元はと言えば、初の宇宙船パイロットの経歴に関する面白情報的に広まった話のはずだ。だが恐らくは、今その名を囁く人の中に有るのは別のものだろうと思う ]
(あいつは、どう思ってるんだろう?)
[ 視線の先、告死天使に微笑みかけるマレンマの姿を見つめ>>31意を決して近づいていこうとすると、その表情に不穏を感じたのかダーフィトを阻んだ信者達が道を塞ぐように立ちはだかる ]
俺は、コンラート・フリーデル。この教会で生まれ育った…マレンマとは兄弟みたいなもんだ。疑うなら彼に聞いてみてくれ。
[ 動じず、そう告げれば、信者の顔に戸惑いが浮かぶ ]
『まあ、コンラート!無事だったのですか?』
[ 丁度その時、信者達の間から歩み出た、一人のシスターが、喜色を浮かべてコンラートに声をかける ]
シスター、貴女もご無事で良かった。
ずっとこちらのことが気にかかっていたんですが、今日まで様子を見に来る暇がなくて。
[ 笑顔でシスター・フリーデルの言葉に応じるコンラートの様子に、信者達は顔を見合わせてから、塞いでいた道を開けた ]
(仕掛けては来ない、か)
[ 歩みを進めながらも、神経の一部はマレンマの前に居る影の天使へと向けられている。
向こうもコンラートの姿には気づいているようだが、恐らく今ここで、殺戮を行う姿を晒すつもりはないのだろうとの予想はついた ]
お忘れですか?俺は「天使憑き」ですよ、天に殺されたんじゃ、名前負けだ。
[ 本当に大丈夫なのか、と案じてくれるシスターに、わざと少し声音を大きくして告げる。普段その異名を自分から口にする事は無いと知っているシスターは少し驚いた顔をしたが、安堵が、その驚きを上回ったようだった。対して周りにいる信者達は、不審から不思議そうな表情へと変わっている ]
マーレは、なんだかすごいことになってますね。
[ 次いで話題をそちらに振れば、「ええ」と、頷くシスターの顔には誇らしさと慈しみ、その裏に僅かに不安そうな色を隠した複雑な笑みが浮かんだ ]
…ちょっと顔を見てきます。
[ コンラートは、一瞬だけ、そっとシスター・フリーデルの手を握り、マレンマの方へと歩み寄る ]
マーレ、また大きくなった…っていうか、大きくなりすぎじゃないか?
[ いつもと少しも変わらぬ調子で、コンラートは声をかける。影の天使には敢えて視線を向けなかったが ]
………
[ ざわりと、何かが体の奥でざわめいた* ]
― いつか ―
[ 「天使の翼教会」の由来を語る絵本を、子供達に読み聞かせる度、なんだか納得行かない顔をするマレンマの気持ちは>>0:70コンラートにも理解できた。初めてこの絵本を読んだ時は、「なんで天使様は食べられちゃったの?神様は助けてくれなかったの?」と、シスターに食い下がって困らせたものだ ]
こういう伝承には、伝えた人間の主観ってのが入るからな。
[ 小さい子供達の居ない時に、そんな風にマレンマにだけ話したことがある。それは、コンラートが大人になり、教会の外の世界を知るようになってから気付いた事だが、この聡明な「弟」ならば理解できるだろうと考えて ]
天使が魔物との戦いに負けて食べられたっていう、別の伝承もあるけど、神の使いが魔物に負けた、なんて、教会では教えられないだろ?
パターンは他にもあるけどさ。
[ 本当の事は誰にも解らない。そもそも神や天使が存在する証拠もない…とは、教会で育った身としては口に出来なかったが ]
けど、この絵本を作った奴はきっと…
[ 自分の考えを口にする前に、コンラートを見つけて「遊んで!」と、飛びついて来た小さな子供達に阻まれて、結局その話は、そこで終わってしまったのだった* ]
― 天使の翼教会 ―
[ 影の天使の前に跪くマレンマの姿に>>62内心で吐息を零す。そいつは主の命なら、簡単にお前の首だって搔き切るぞ、と言ってやりたい気分だったが自重した。
今の所、話を妨害する様子を見せない相手を>>61余計に刺激する益は無い ]
マーレ。ああ、久しぶりだな、大将も俺も忙しかったから……
[ ラド兄、と、呼ぶ声は>>63大人びてはいても、以前のままの親しみをもって耳に届いた。浮かべた笑みも、さして変わらぬように見えるのに、その言葉は、どこか現実離れして遠く聞こえる>>64 ]
うん、お前は、小さい頃から信心深かったからな。
天使に、本物の慈悲があるってなら…お前が無事でいてくれるだけでも俺は嬉しいよ。
[ 死を救いと言い放ち、ただ空を目指しただけの人間を警告ひとつせず、容赦なく殺戮した天使など信じられない。
喉まで出かけた言葉を飲み込んだのは、本当にここに集まった信者に、天使達が手出しをしないというのなら、彼らにその安全を手放せとは到底言えないと思ったからだ ]
でも、俺はお前とは行けない。
[ 差し出された手を取る事はせず、コンラートはポケットから小さなメダリオンを取り出して、そっとその白い掌の上に置いた。
宇宙船が飛び立つはずだった日、乗組員達は面白がって、船に乗り込む前にみんなで名前と日付を刻んだ記念メダリオンを作った。
コンラートは、土産にしてやろうと、マレンマの名を刻んだメダリオンも作っておいたのだ。宇宙に持っていって、神の国に近づいたメダリオンだと言えば、少年が喜ぶだろうと、そう思って ]
俺は、どうやら、天使には許されないリストに入ってるみたいだからな。
[ 口にしてから、ちらりと告死天使に視線を投げる ]
それに、大将を置いてくわけにいかないんだ。
あの人、ほっとくと、すぐ飯も何も抜いちまうからなあ。
[ 続けた言葉はおどけた調子で、けれど、あくまで自分はマチスと運命を共にするつもりなのだ、という決意は、伝わっただろうか。
たとえ、自らの命を賭ける結果となっても ]
マーレ、お前から見たら、俺は罪人ってことになるんだろう。だから、俺の事はもう忘れていい。でも、俺はお前を忘れない…元気でな。
[ 最後に、少年の時の彼にしたと同じように頭を撫でようと、伸ばした手はその柔らかな髪に届いただろうか?* ]
/*
なんか予定と違うことになってんですけど、教会の人間が無事を保証されてるならそれを邪魔する意味はないんよね…裏的にも表的にも。
この後、マレンマがどう行動する気なのか次第でいろいろ変わるだろうけど。
/*
ちなみに、やたらとマチスに懐いてるのは、彼がほんとにほっとけない気がするのと、編成変えのこともあって、今の段階で彼に無条件で味方する人間ゼロなのはきついと経験上思ってるからです。
ダーフィトは頼りになるけど、多分「無条件」まで、まだ行ってない気がする…
元は、もう少し怪しく動く気だったのだよw
/*
はあ、弟可愛い。
ほだされそうになっちゃうね。
[ ここで撫でくりまわしておこう ]
大天使殿はお疲れ様です。毎度ながら土日が敵ですね。
[ こっちも中の人が撫でておく ]
[ 撫でる手は、避けられはしなかった。それに少しだけ安堵して、けれど、また来てくださいと願う声には>>71答えは返さず、ただ微笑みだけを返す ]
さよなら、マーレ。
[ 振り切るように踵を返した先、駆け寄ってくる小さな姿が有った。
宇宙船の模型を握り締めたその子供は、マチスやコンラートが孤児院を訪ねる度に、宇宙や船の話をしてくれと熱心にせがんだ子だと覚えている>>0:263 ]
おいで。
[ 涙を溜めて見上げる子供を手招いて、そのまま抱き上げる。物も言わず、ぎゅっと首筋にしがみついた子供の背をぽんぽんと叩いて、コンラートは子供を抱いたまま、再び歩き出した ]
[ シメオンの前を通りすぎる一瞬、口をついて出たのは、無意識の呪言。
だが触媒も使わず魔力も籠もらぬそれは、今は、ただの言霊に過ぎなかった* ]
飛行士 コンラートが「時間を進める」を選択しました
― 戦闘機部隊 ―
いつでも行けるぜ、大将
[ 通信機から聞こえるマチスの声に威勢良く応じ、後続の機に見えるように左手を高く掲げる ]
Take off!!
[ 蒸気エンジンのタービンの音が辺りの空気を震わせる中、さっと腕を振り下ろすと同時に、機体は滑走路を滑り出した]
乱暴者の天使に一泡吹かせて、とっとと戻ってきますよ!
[ 飛び立つ翼は蒸気の雲を軌道に残しながら、あの日、地を離れる事なく破壊された宇宙船の残骸の上を旋回し、空へと駆け上がった* ]
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