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― 数日前 ―
[扶翼官殿を乗せて複葉機は空を駆ける。
慣れた空も乗せている相手が相手だけに少々緊張が緩んでいるのはここだけの話。]
さっさと帰れるかどうかは扶翼官殿の手腕次第でしょうに。
[掛けられる言葉も、返す言葉も軽い。
それは小鴉を介して繋がりが深いせいだ。
それでも名前を呼ばず、階級で呼ぶのは彼が小鴉の一員ではないから。
小鴉内では階級も関係ない。
例え陛下であろうともくだけた口調に呼び名ではあるのだが。
彼は違うから。]
いざとなれば命に代えてもお守りいたしますよ。
[懐の短剣に賭けて彼の命は護ってみせる。
それが陛下の願いでもあるだろうから。]
[扶翼官殿を目的地へと連れて。
さて、政治的なやりとりが成されている頃、己はどうしていたか。
複葉機の側で待機をして。
じ、と扶翼官殿の帰りを待つ。
耳を欹て、音を聴く。
目は鋭く、しかしただ只管に静かに帰りを待つ。
少しでも異変があればすぐに駆けつけられるよう。
黒鞘の短剣一つあれば数名程度ならば払いのけ、中へ飛び込んで。
その首を掻き切ってでも助けるつもりで。
しかし、その短剣の出番はなかっただろう*]
― 忘れがたき記憶 ―
……うん、絶対だからな。
また、会うんだから忘れんなよ!
[孤児院にいた頃、幼馴染とも呼べる相手が引き取られる事になった。
それは喜ばしい事だし、事実喜んではいたのだ。
でも寂しさもあって、泣きたい気持ちでいっぱいだった。]
シュテはシュテ、俺は俺。
うん…うん、分かってる。
[それでも泣かなかったのはシュテが笑顔だったから。
きっと彼だって寂しいと思ってくれているはず。
それくらいは自惚れてもいいと思っている。]
また、またなシュテルン。
[だから我儘は言わない、笑顔も見せた。
去って行くシュテの尻尾が揺れるのをじっと見つめ、完全に見えなくなるまで見送って。
完全に見えなくなったら建物の影に隠れて、ひっそりと一人で泣いたのだった*]
― 現在・海峡上空 ―
[弧を描いて空を飛ぶ。
眼下には皇帝旗艦シュヴァルツアインが見える。
そこには敬愛する陛下がいるはずで。]
…トールの旦那。
[名前を呟くと懐の黒鞘の短剣がずしりと重みを増したような気がした。]
[陛下との出会いは孤児院だった。
その頃は身分とかそういった物がよく分かってなくて。
しかし彼が近づいてはいけない人種だというのは感じていた。
でもそれも、会う回数を重ねるごとに薄れていって。
気付けば随分と懐いてしまっていた。]
あ…、うん、作文。
鳥になりたいって、空を飛びたいんだ。
でも、それ以上に俺は、
誰かを護れるくらい強くなりたい。
[将来を尋ねられて笑顔で答える。
誰かを護りたい。
それは、親友のシュテルンの事でもあるし、何より目の前にいる男へ向いている。]
[懐かしい過去を思い出して小さく笑う。
護りたい相手を護る事が出来る立場。
別に軍人になりたかったわけではないが、気づけば出世もしていた。
小さな頃の願い通り鳥のように空を飛んでいる。
護りたい相手を護ってもいる。
しかし足りない。]
…シュテ。
[護りたかったもう一人。
また会おうと約束した相手。
未だ再会も叶わず、また行方も知れない相手の事がずっと心に残っている。
大きくなってからシュテルンの行方を捜した事があった。
しかし引き取り先が戦地となり、その後行方不明になったと聞かされた。]
どこにいるんだ。
[生きてさえいればきっと出会えると信じている。
それでも、戦争に巻き込まれたと聞けばその身を案じるのは当然の事で。
しかし軍人たる己がそう感じる事に皮肉に思う。
この手で殺した誰かの家族や恋人、親友が嘆き悲しんでいるのだ。
なのに自分が友人の身を案じる資格などあるのだろうか*]
[陛下の事は親しみを込めてトールの旦那と呼んでいる。
勿論本名は知っているし、そんな気安く渾名で呼んでいい相手ではない事も知っている。
だからそう呼びかける場面は限られているのだが。
トールの旦那は己の事をチビ狼と呼ぶ。
もうチビではないのだと言いたい時もあるが、特別な呼び名というものは嬉しいものだ。]
[とある有力な家に引き取られたのは何時だったか。
陛下と出会って、親しくなってからだったのは確かだ。
そこに配慮があった事は気づいている。
己のような人間がこんな家に引き取られるなんて事はありえない事だったから。]
感謝してます。
恩には必ず報います、義父上。
[それは此度の戦争に出向く前に義理の父へと告げた言葉。
本心だった。
こんな底辺の人間を、陛下の配慮故とはいえ引き取ってくれた。
おかげで今、夢を叶える事が出来ているのだから。]
[遠い過去の事、つい最近の事を思い出しながら帰路へとつく。
母艦に着陸すると、とん、と複葉機から飛び降りた。
船に降りてみれば空は随分と寒かったのだと知った。
両腕を擦り、僅かな暖を取りながら足を進める。
シコン港が落ちたとなれば暫くは複葉機の出番はないだろうか。
次の飛び立つ時は偵察だろうか、それとも攻撃の為か。
どちらにせよ命令が下されれば意気揚揚と飛び立つだろう。
それが死を伴う戦地であっても*]
/*
そうだった水上機は海上で発着。
あまりその辺詳しくないけど、水上で発着して母艦に収納されるでいいのかな…?
/*
仕事が、残業が、は言い訳にしたらいかんけどすいません。
あと風邪っぽい。
急に寒くなってきたからね、皆様体調には気を付けましょうね…。
― 幼い頃、雨と虹の想い出 ―
[まだ幼い頃、些細な事で幼馴染と喧嘩した。
それはよかった、喧嘩なんてよくある事だから。
でも彼が飛び出した事が何時もと違っていた。
最初は勝手にすればいいと思っていたけど、でも。
戻らない彼に段々不安になった事は覚えている。
不安なまま自分も飛び出してあちこち探していたら雨が降ってきた。
冷たく身体を濡らす雨。
でもシュテが見つからないから雨宿りもできなくて。
不安で、不安でたまらなくて涙が滲む。]
……シュテ!
よかった、みつかった。
馬鹿、なんで飛び出すんだよ、危ないだろ。
[見慣れた姿を木の下で見かけて駆け寄った。
無事な姿にほっとして。
そしてひっそりと心の奥で思ったのは、一人にしては駄目だと。
シュテは護ってやらなきゃいけないと。
彼はそんなに弱くないと知っていたけど、目を離すと危ないからと言い訳をして。
その裏にあったのは一人置いていかれる事が怖かったから。]
[それから雨が止むまで二人でそこにいた。
喧嘩していた事も忘れて、寒さに震えながら寄り添い他愛もない話をしていただろうか。
やがて雨があがれば鮮やかな虹色が空に架かった。
それは見事な虹で、今でも瞼の裏に思い描く事が出来る。]
虹の先…さあ、何があるんだろうなぁ。
空を飛ぶ鳥なら知ってるかも。
[虹を横切るように飛ぶ鳥の群れが目に飛び込む。
何時か、あの鳥のように空を飛べればなんて夢をみた。
それはずっと心に残って、そして複葉機乗りになり。
雨の中、不安に怯えながらシュテルンを探した経験が人を護りたいと強く思う切っ掛けとなった。
自分は一人では生きていけないのだと自覚はないまま*]
― 第四艦隊 ―
[先程伝令が飛んできた。
甲板に出て空を見上げる。
距離が遠いが複葉機が一機、偵察機だろうか。
銃撃の音が聞こえてくる、誰かが船から狙撃したのだろうか。
しかし飛行機に対するならば同じくこちらも飛行機で対応すべきだろう。
今は一機でも、何れは複数の機体が群れを成してやってくる。
ならばこちらも。]
セルウィン・ベッカー出る!
[水上から鮮やかに複葉機は飛び立つ。
その数は10>>607
その中に自分はいた、向かう先に誰がいるのかも知らずに。]
[空を駆ければ敵の複葉機が目に飛び込んで来る。
その数はいくつだろう、こちらとほぼ同等だっただろうか。
その中でも一際目を引く機体があった。
こちらの機銃の攻撃をさらりと旋回して躱してみせ、背後へと回り込む手腕>>667
見事だ、が。]
…死ぬのが怖くないのか、それはいい。
こちらも隙をつける。
[ぐ、と旋回して空を駆け廻る機体を追う。
ひたり、と狙いを定め攻撃を仕掛けた。]
やっとログに追いついた
齟齬は出てないと思いたい、けどだめな気がする
今回ログの海に溺れてる
明日以降は時間的に余裕もあるからなんとか頑張りたい
初回落ちできればいいんだけど、コアが合わないとかも吊り票要因だっけ?
なら初回落ちありそうかな?
― リオレ島西方海域・上空 ―
[狙いは外れはしなかったが、ほぼ回避された>>676]
やるな!
[ただ掠めただけの攻撃で終わらせるわけにはいかない。
だが相手もやり手のようで。
この相手は逃がすわけにはいかないと本能が告げる。
後ろを取られれば落とされる。
それはさせないと旋回をするが、相手は上へと向かって飛び距離を取ってくる。
真っ向勝負を仕掛けてきた。
本当に度胸のある相手だ。]
くっ、……だが、まだ!!
[撃ち返すよりも回避、ここで落ちるわけにはいかない。
陛下の為にも、まだ。
操縦桿を握り急旋回をした。
身体にぐっと重力がかかるのを感じると同時に、相手の攻撃が機体を掠めたのも感じる。
まだ飛べる、退却すべき時ではない。]
さて、こちらから行かせてもらおうか。
[急旋回したままに方向を変え相手の機体へと急接近を試みる。
そのままに掃射をし、狙うのは羽。
ここで相手を殺す必要はない、その機動力を奪えればそれでいい*]
[こちらの攻撃が相手の機体へと当たる。
まだ、その機体は落ちずに耐えていたけど。
またも上昇するだろうか。
まるで軽業師のように器用な事だ。
相手が上昇するならそれを追いかけるまで。
操縦桿をぐっと握り上昇に備えようとして、止まる。
何故、相手が止まったのか疑問はあれど絶好の機会、逃すわけにはいかない。
機銃を掃射しようと手を動かし、そして目が操縦席へと向いて。]
は……、
[ダダダ、と弾が掃射されて大きな隙を見せた相手へと攻撃は飛んでいく。
が、それもすぐに止まった。
操縦席を見つめ、相手の顔を見つめようとする。
よく見えないがあれは、似ている。]
シュテ…まさかな。
[また会おうと約束した幼馴染に。
そんなわけはないとふるり、と頭を振って。
それから再度掃射を開始した*]
[相手は機首を下げて攻撃を回避した。
咄嗟の判断なのだろうが随分と機転の利く事だと感心する。
だがその感心も操縦席に座っている人物が幼馴染の似ているとあれば焦りにも変わる。]
…なわけない、そんなわけない!
[似ているなんて気のせいだ。
はっきりと顔が見えていないのだから、きっと気のせい。
それにシュテの髪は長かった。
尻尾のように揺れる髪がない、だからきっと気のせい。]
[気のせいに違いない、だから確かめる。
相手は上昇する、ならばこちらは。]
お前は、
[ぐ、と操縦桿を握り締め真っ直ぐに相手の機体へと突っ込んでいく。
降下していくにつれ速度が上がり、そして掃射しながら相手の機体すれすれの位置を擦り抜ける。]
[擦り抜ける瞬間、操縦席を見た。
似ている気がする。]
お前は誰だ!!
[だが、認めるわけにはいかない。
だから違う、似ているだけの別人なのだ。
大事な幼馴染が敵であるはずがない**]
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