情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[それから二言三言、昨日の飯の話なんかをして、移動の提案>>0:100があったので。]
だな。帰るか。
ああ、そんな事ならお安い御用だ。
おんぶ…は無理だからお姫さん抱っこでいいなら、な。
[おどけた笑顔に悪戯っぽくにやっとする。
彼女といると兄弟の顔が浮かんで、懐かしい様な寂しい様な気がして、わざと余裕ぶった行動を取ってしまっていた。
まさかそれこそ彼女の能力、とは思わない。
あるのは妙な憎めなさ、その程度だ。]
歩くなら歩くで付き合ってやるよ。
俺はどっちでもいいし。
[返答はどうであったか、どちらにせよ塔を共に降りた。
家に作ってきた昼食をとる為に別れたが、その後もやけに心が軽く、外への想いが高まっていた。]
はっ!?待てっ、て!
[割れたカードは二手に分かれ、先程現れ消えたものとよく似た緋と碧の粒子へ姿を変え、宙を漂う。
流れ消えられる訳にはいかないと両手を伸ばすと、緋は左手に、碧は右手に纏わり付いた。
粒子は手に触れた端から形を取っていく、しかし慌てるが故に気付けず。]
…………よ、かった。
[鞘に入った短剣と金属製の棘棍棒がそれぞれの手に収まってやっと、安堵の息一つ。
鞘は腰へ固定して、棍棒は左手に、翼を開けば上空へと。]
―住宅地:上空―
よーう!ルートのおっさん!
今日もオハナシの為に来た…んじゃねえんだろ?
[舞い上がったのは視界の端に見慣れた白羽が映ったからで。
それは「ハーミット」の持ち主、定期的にやってきては『籠の中の平和』について講釈を垂れる男だった。
名はよく覚えている。『御扇託』ルートヴィッヒ、だ。]
やあ!ロヴィン君じゃあないか。
今日も君の言う所の同じ話さ。
――籠の中こそ安寧であり平和であり。私たちは此処で保護を受け暮らすのが最善。これはいつも言っているね?
では何故此処にいるか、それは外を目指す者を止める為で…
[煌々と輝く瞳で語る姿はいつ見ても滑稽で仕方がない。
これでも一定数の支持を得ているのだから不思議な事もあるものだとさえ思う。]
で?俺は外に出てやる気だ。
勿論お前の話を聞く気もねえし、どうなんだ?
[右手を腰へ回しつつ、止まらない演説に堪らず口を挟む。
相手はさも残念そうに眉を下げ、その手にはレイピアが現れた。]
では、仕方ありません…ね。血生臭いのは好まないのですが…ッ!
[突如迫り来る向かい風、これこそ男の名に扇の入る所以だ。
自在に風を繰る事で速度の増した切っ先が迫り来る。]
なんだよ来んのかよ!
[叫びと共に大きく羽ばたけど、切っ先は左の脛を掠め、僅かに血が滴る。
一瞬顔を顰めるか怯んでいる間も気もなく。]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新