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度々ご迷惑おかけしております。
無事新たに魔法を練り直し出来ました。
大変お手数かけて申し訳ありません。村の進行が滞りなく進むようにPLとして頑張ります。
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ありがとうございます。
時間ギリギリで無茶を振ってしまって、申し訳なかったです。
ここは「ぼくのかんがえたまじょ」を持ち寄る場所で、版権ネタメインで遊ぶところではないので……その辺を心に留めていただけると、こちらとしても有難いです。
─弓道場─
[──たん。矢が的に中った音を皮切りに、周囲の世界が、空気が、一変する。
その様子に矢を射る手を止めて、加賀に尋ねた。]
……試練が始まったの?
『……えぇ、そう。』
[ひらひらと落ちる花びらは、弓道場にも舞い込んでいる。
ちらりと外を見やれば、空はありとあらゆる色の絵の具でめちゃくちゃに塗りたくったような模様をしていながら、不思議と明るい。]
『この試練を乗り越えて、試験に合格すれば、貴方は正式に魔女として認められる。
……手始めに、変身でもしてみる?』
[加賀の静かな目線に首を縦に振ることで意志を伝え、そっと指輪と右耳のジェムを重ねる。]
──天にまします我らの英霊よ、この身に力を授けん。
[口上を述べた刹那、ふわりと被っていた帽子がどこかへ飛び去った。]
[瞬間、翠の髪が長く伸び、毛先の方で結わえられる。
纏っていた弓道着は剣梅鉢の紋付きに、茄子紺色の襠袴。
閉じていたまぶたをゆっくりと開く。]
──月桂 樹、参ります。
[穏やかなオリーブ色の瞳は、静謐な蒼の宿る紫へ。]
[こんな日常とはかけ離れた世界に放り込まれるのはもちろん初めてだ。
だが、どこかで──]
……似ている。
『……何が?』
[独り言のつもりだったのだが、加賀には聞こえていたらしい。
何がだろう。もう一度考える。]
[じっと思考しているうちに、かかっていた靄が晴れるような感覚。
あぁそうだ、この空気は──]
おじいちゃんの……戦争のときの、話。
[そして、祖父亡き後に、祖父の足取りを追うように読んだ、従軍者の手記を本にまとめたもの。
その二つと、空気がとても似ている。]
……加賀、この世界は──魔女というモノは、生きるか死ぬか(デッド・オア・アライブ)。
そんな、気がするの。
[そうか、祖父たちは、こういう世界を生きていたのか。
ならば、納得がいく。]
[幼い頃、祖父の目が時折ひどく恐ろしいものに感じられた。
特に、耳がタコになるんじゃないかと本気で危惧するほどに思っていた戦争の話のときがほとんどだった。
──それは、生と死。生きる者として、極限の二択を迫られる世界を見る目。]
[自衛隊に入ると言った兄に、何度も繰り返していた祖父の言葉を思い出す。]
……加賀、おじいちゃんは、こんなことを言っていたの。
[そう切り出すと話を始める。加賀は、隣で静かに佇んでいた。]
──戦いに身を投ずれば、我々は"歩く死人"になる。
そうなれば生きるの死ぬのは大した問題ではない。
こだわるべきは、「地べたを這いずり回って死ぬことを許せるか否か」。
生きることに執着すれば怯えが出る。眼が曇る。
生きようとすれば、手が鈍る。遅くなる。
[だから。]
──己を生者だと思うべからず。
……そう、言ったのよ。
[戦いに生きた者のみが知る、おどろおどろしい感覚。]
だから、今から私は──"歩く死人"になる。
[ひゅん、と番えた矢を的に向かって何発も射ち出す。
ダン!と最後に一際大きく音を立てたところで手を止めると、衝撃に負けた的がどさりと倒れる。
その的は、中心が何本もの矢で針山のようになっていた。
そして、その矢には全て──先ほどまで舞っていた花びらが刺さっていた。]
『……私は、軍艦──兵器として生まれた身。
多くの人が私の中で生き、そして死んでいった。
それは、私自身も同じ。
……モノが亡くなる瞬間は、想像よりもあっさりしていて、つまらない。けれど、それが真実』
[加賀の言葉と共に、風がびゅうと吹く。再び弓道場に花びらが舞い込んできた。
その一片を手で捕まえて、祈るように握りしめる。]
この花びらは、今まで生きてきた"私"への手向け。
──行きましょう、加賀。"私たち"の戦場へ。
[捕まえた花びらを地面に矢で突き立て、歩き出す。
矢は墓標のように、揺れる花びらの中にただ在るだけ。*]
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