情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
5人目、吸血鬼狩人 レト が参加しました。
吸血鬼狩人 レトは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 城下町 ―
参ったな。
[街道に抜けようと歩いてきたけれど、途中で道が途切れていた。
立ち塞がるのは城壁でも門でもなく、うごうござわつく黒い何かだ。
たぶんコウモリ?だと思うけれど、近づく気にはなれない。]
どうにか抜け出す道を見つけなきゃ、か。
にしても、もう取り戻しに来るとか、早すぎるだろ。
[こんなことなら、仕事終わりの一杯なんてやってないで、さっさと街を出ておけば良かった。
なんて思っても後悔先に立たず。
ひとまずどこかに身を隠さないと。**]
― 回想・宴の発端 ―
[タルボシュの街に出没する吸血鬼を狩ってもらいたい。
依頼が来たときは意外に思った。
あの街は吸血鬼に甘かったはずだけど、教会が横槍を入れてきたらしい。
理由はともかく、依頼があれば狩るのが狩人だ。
街に入って痕跡を探し、出没の情報を集め、獲物を見定める。
今回は見せしめ用に捕獲して欲しいとの依頼だったから、そのための準備もする。
あとは相手が現れるのを待つだけだ。]
[酒場や街角の女たちに金を握らせて、「こういう風体の男が来たら知らせて欲しい。引き留めておいてくれればボーナスも弾む」と協力を頼む。
自分は酒場でミルクを舐めながら、目当てが来るのをひたすら待っていた。*]
― 回想・宴の発端 ―
[酒場でちびちびやっていると、奥のテーブルから大騒ぎか聞こえてくる。
声に聞き覚えがあったから、そちらを見もせずに席を立った。
一応は依頼主ということになるのか?
教会から派遣されてきたとかいう触れ込みの狩人連中だ。
装備はよさげなものを持っている(ので少々拝借した)けれど、やる気に欠けていて、なにより下品だ。
魔物狩人がみんなあんなだと思われたくない。
教会から受けた吸血鬼狩りの仕事をこちらに二束三文で下請けに出して、自分たちは遊んでいる連中だ。目の前に現れたら伸してやるだなんて威勢だけは良いけれど、実際はどうだか。
城主からも別口で依頼を受けていたから、依頼料二重取りだけれども、別に連中に明かす必要はない。
せいぜい教会の金で飲んでいればいいさ。]
[酒場の入り口で風に当たっていると、女の子が走ってきた。
興奮して頬を上気させて、あいつが来たよと教えてくれる。
―― ビンゴだ。
女の子に小金を握らせ、案内を頼んで走っていく。
途中から、ぽつりぽつりと道に花が落ちていた。
目印のつもりだろうか。
あれも買い取りになるのかなとか、いらない思考が過ぎっていく。
仕方ない。必要経費だ。
案内してくれた女の子を帰し、小さなボウガンを手にしてさらに駆ける。
角を曲がったところで、それを見つけた。]
[花売りの女の子と一緒にいるやつは、間違いない。今回の獲物だ。
女の子たちには、合図が聞こえたら全力で離れて、と伝えてある。
ちゃんと覚えてるといいけど。
合図の口笛を高く吹き鳴らし、ボウガンを放つ。
矢弾はもちろん、聖別してもらった特別製だ。*]
― 回想・宴の発端 ―
[太矢は獲物を捉え損ね、マントを射貫く。
花売りの女の子はちゃんと逃げてくれて助かった。
うっかり誤射すると後が怖い。]
吸血鬼狩り。
[文句ありげな獲物の疑問にちゃんと答えてあげたんだから、おれ優しい。
文句言いたくなる気持ちもわかるけどね。
獲物の文句は聞いても仕方ないし。]
[ボウガンを片手で変形させる。
二本の矢を同時に放てる特別製。
装填した矢も特製だ。
二本の矢を銀の鎖で繋いだもの。
捕縛する時には便利な代物だ。
相手が逃げないうちにと、ボウガンを再び構える。*]
― 回想・宴の発端 ― >>46
[白々しいなあ、と吸血鬼の言葉を聞きながら、ボウガンの留め金を立てて矢の装填を完了する。
吸血鬼狩りで一番やっちゃあいけないのは、相手の言葉に耳を貸すことだ。
彼らは頭が良い。誘惑の術にも長けている。
人間にはない能力もあって、身体能力も高い。
気を抜けば、狩られるのはこちらなのだ。]
白々しいな。
婦女子への吸血行為が、わかっているだけで8件。
本当はもっとだろ。
やり過ぎたんだよ。多分。
[誘いを無視して狙いをつけ、矢を放つ。
気をつけていたけれど、若干術の効果に掠ったらしい。
放つ瞬間に、ボウガンの狙いが微妙にずれた。*]
危ないから下がっていて。
[女の子たちに釘を刺しておく。
ここで邪魔をされたらかなわない。]
大人しくしていないと、次は心臓を撃ち抜くよ。
[次の矢を装填して、狙いをつけながら慎重に近づいていく。*]
[距離が詰まるにつれて緊張感も高まる。
相手は吸血鬼だ。何を仕掛けてきてもおかしくない。
だから遠くから問答無用で射まくって仕留める方が楽なんだけれど、今回の依頼が捕獲なんだから仕方ない。
十分に距離を詰めたところで、袖口に仕込んでおいたダーツを手の中に滑らせ、投げた。
刺さればたっぷりと麻痺毒を注入する、これも特別製だ。*]
― 回想・宴の発端 ― >>99
[獲物を嗅ぎ分ける嗅覚は無いわけじゃあないけれど、基本は地道な調査なんだよ、とテレパシーでも使えたら応えていただろう。
普通の狩人と同じで、狩りの成功は準備が9割だ。
吸血鬼になった時点で道を踏み外してんだよと心の中で答えながら投げたダーツは、的を違えることなく相手に刺さる。
自分で左腕を切り落とすなんて大胆さに焦ってボウガンを構え直したけれど、逃げようとする相手の動きがたちまち鈍り、落ちてきた。]
動けないよね。
そのまま大人しくしててよ。
[血を操る技まで使える相手だ。
なお用心して、落ちた相手の両脇を狙って鎖付きの矢を放つ。
そこまでしたらようやく最終段階だ。
聖典をびっしり書き綴った布の袋に詰め込んでしまえば、霧になったって逃げられない…との売り文句だった、**]
― 回想・宴の発端 ―
[落ちた吸血鬼は弱々しく呻くだけで、もう動けないようだ。
上手くいった、と、心のどこかに油断があったのかもしれない。
この瞬間が一番危ないのに。]
――― ッ、
[頭から袋を被せる時、不意に吸血鬼が牙を剥いた。
右手の小指の下あたりが、牙の先端に掛かって裂ける。
深くはない。だが血が滴るほどの傷だ。]
[舌打ちして傷を押さえ、手早く止血する。
相手を蹴り転がして銀の鎖で縛り直し、改めて袋の中に詰め込んだ。
袋の口を縛ってその辺に転がしておく。
預かっていた鳩に仕事完了の知らせと引き取りの要請を持たせて飛ばせば、鳩は城へと去って行った。
花売り娘に約束の報酬を渡し、物見高い他の連中を愛想良く追い散らし、物々しくやってきた城の兵士たちに袋詰め吸血鬼を引き渡せば、今回の仕事はおしまい。
もらった報奨金を懐に入れ、酒場で軽く引っかけるかと歩き出す。
仕事の疲れはアルコールでないと流せない。]
― 図書館 ―
[周囲になにもいないことを確認して、その扉を押す。
重い扉を開けて滑り込んだそこは、外の喧騒と切り離された静寂の世界。
扉が閉まったあともしばらく耳を澄ませ、だれも追ってくるものがいないのを確認したのち、壁際で一息つく。]
はぁぁ。ひどいことになったなぁ。
[やれやれとついたため息が、静かな空間に思いのほか響いてしまい、慌てて口をつぐんだ。]
ここは……図書館ってやつか?
[とりあえず壁の厚そうなところ、と逃げ込んでみたけれど、こういうところで吸血鬼とやり合う羽目になったら、少々気が引けるなあと、居並ぶ本の群れを見回しながら物見高く歩いていく。*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新