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5人目、ゼファー軍 将軍 バルタザール が参加しました。
ゼファー軍 将軍 バルタザールは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
― ゼファー軍野営地 ―
戦勝の前祝の宴?
[ 伝令を担う少年兵の告げた言葉に、男は呆れた顔を隠しもせず、溜息を吐いた ]
......相変わらずだな、元首殿は。
[ 居心地悪そうに、しかし律儀に将軍の返答を待つ少年兵に、男は追い払うかの仕草で軽く手を振って見せる。 ]
分かった。顔は出す。
[ 少年兵は、一瞬、意外そうに目を見張ったが、すぐにその表情を安堵に変えてそそくさと退出していった。 ]
[ 彼が何を思ったかのおおよその予想はつく。
先の元首選挙でカナンと票を争った男は、勝利した元首との折り合いが良いとは決して思われていないのだ。
性格的にも元首が炎と例えられれば男は氷。気の合うはずも無い......と、 ]
宴を開くなら、その席で、先の戦闘で功を上げた者への褒賞を。ついでに懲罰を受けた者に恩赦を施してやれ。
[ 伝令兵の背を見送った後、男は密やかに、彼の好敵手に互いにしか通じぬコエを送る。 ]
[ 例え傷を負っても体の動く限り、敵に背を向けてはならないというのがゼファーの軍規だ。故にその軍規に則って男は一切の情状を斟酌せず懲罰を課した。
その兵達を赦せるのは元首であり総司令であるカナンだけなのだ。
次なる戦闘を目前としたこの時、元首による恩情を受ければ、兵士達の士気も上がるだろう。 ]
......俺が言うまでもないかもしれんがな。
[ 鋭く青灰の瞳を細め、低く呟いた男の唇は、ほんの僅か、弧を描いている** ]
/*
こんばんは、毎度おなじみふかふかしたなまものです。
相変わらず不定期出現なので、星の欠片にしよっかなーとも思ったのですが、少人数だと、どこをどうつついても副官的動きをしちゃうみたいなので、もう最初から副官でいいんじゃない?!とか、そんなあばうとな副官ですごめんなさい。
なんとか元首殿を助けられるように頑張るのです。
― ゼファー軍野営地 ―
さて、俺は軍規のとおりに処遇したまでだが?
[ カナンから返されたコエの調子に>>19やはりかと思いつつ、澄まして応じるのは最早戯言に近い。折り込み済みであることも、あちらに折り込み済みなのだろうと、指摘したところで意味はないからだ。
男は氷の冷徹を持って兵を引き締め、彼は炎の熱で兵を率いる。
けれど、ただ無軌道に燃え上がるだけの炎に、本当に人心を掌握する力があるはずはないのだ、と、幾人の人間が気づいているか。 ]
存外、敵には理解されているかもしれないな。
[ 手元には斥候が齎したプラメージ王国軍に関する情報をまとめた覚書がある。先日、呑気にゼファー軍の只中に乗り込んで来た挙句敗走した司令官は、そのまま野戦医院送りとなったらしい。
しかし、司令官を失った筈の王国軍に、そのまま引き上げる様子はないという。 ]
司令官に代わる存在が居る、ということか。
[ それが、誰か、までは、無論斥候の報告からは分からない。が、司令官の敗走で少なからず動揺しているであろう王国軍を纏める力のある人物とあれば、油断は出来ないだろう。 ]
豊かな国は人材も豊かというわけかな。
[ ふと思い出したのは、元首改選の折、国王代理として表敬訪問してきた青年貴族の姿。>>7
穏やかな顔の裏に隙無く鋭い爪と牙を隠す類の男、敵に回せば面倒な相手だと、一目見て得た印象は、今も鮮明だった。 ]
[ やがて覚書を丸めて懐に入れると、男は天幕を出た。 ]
斥候に出た小隊の隊長に、宴の後にでも、私の元へ来るよう伝えろ。
[ 天幕の外で見張りをしていた兵に、伝令を命じ、そのまま野営地を横切る。
男の歩みは、急いては見えないのにまるで駆け抜けるかのように速く、気づいて敬礼した兵にも、漏れなく翻ったマントだけが目に残るという有様だ。 ]
フェリクス?
[ その歩みが緩んだのは、どうやら若年兵の訓練中らしきフェリクスと、彼に声をかけたカナンの姿が目に止まった時>>29 ]
.........
[ 視線が迷うように彷徨ったのは、ほんの数刻。次の瞬間には二人から視線を逸らして再び野営地をすり抜けるように歩み出す。
向かうのは食料を備蓄管理している天幕の一つ。 ]
それは、宴に出す酒樽か?毒味はしたな?
[ 料理番の奴隷が頷くのを見てから、傍に置かれた木の碗を取り、自ら樽の酒を汲む ]
私はゆっくり宴で飲む程暇ではないからな、ここで先に頂く。
[ 元首より先に、と、豪語するかのごとき行動に、料理番も周囲の兵も、落ち着かなげな様子を見せたが、強く止める勇気のある者も無いようで、男は滞りなく、二度目の毒味を完了させた。** ]
/*
なんで毒味とかしてるかというとですね、カナンさん、国内に敵が多そうなんだもの!うちのオジさんとか絶対暗殺狙っとるで。
(ちなみに、実はこのこもじゃっかんあぶない)
[ 呼びつけた斥候部隊の小隊長が姿を見せたのは、男が宴の席から抜け出し、天幕に戻る前だった。>>70
不在を知った後、そのまま待つ事をせず、探し回って来たものらしい。 ]
よく、見つけたな。
[ 氷血将軍は神出鬼没、気を抜けば背後に迫って心臓を凍らされる、などと、怪談のように兵士に噂される男を、探し出しただけでも、たいしたもの。という、感嘆が、男の口から音として出たのは珍事と言っていい。 ]
斥候の任、御苦労だった。
[ しかし、その珍事も一瞬の間に淡々とした事務的な声音に擦り変わる。 ]
しかし、当初の指示よりも深い位置まで偵察したな?あれは、お前の判断か?
[ 鋭い視線と共に為された問いは、或いは糾弾とも聞こえたか。 ]
[ 男の言葉に相手が萎縮するのは珍しくもないことだ。>>89故に男は、そのまま淡々と言葉を続ける。 ]
戦場に於いて、己の判断でより良い動きを出来る者は、強者となれる。
お前達の齎した情報は我が軍の勝利の一端を担うだろう。
[ 結局よくやった、と褒めているのだが、こちらも伝わったかどうかは若干怪しい。 ]
今日は寝酒でも飲んでしっかりと休むがいい。
明日よりの戦功を期待しているぞ、ミヒャエル。
[ ただ、辞去する前の青年に、酒を一杯に詰めた皮袋を無造作に投げ渡し、「小」と付けず名を呼んだのは、やはり珍事の一種ではあったろう。* ]
/*
ミヒャくんの配置を危険かつ栄誉ある最右翼に置いちゃおうかと思ったんですけど、叢雲って敵の作戦にうまく嵌るのが趣旨なんだよね...てことで、そこは濁しました。
まあ、後ほど必要そうならね。
[ 変わった、と、フェリクスに称されていると知れば>>93それはお互い様だと、男は答えたろう。
ゼファーの男子は特段の事情が無い限り7歳から軍事教練に叩き込まれる。
親元から離され、厳しい共同生活に慣れるに必死だった少年にとって、五つ年上の名門出身の先達は、まぎれもなく頼りになる兄貴分だった。 ]
フェリクス!今日は密集隊形での槍の取り回しを教えて下さい。
[ 厳しい集団訓練の合間に、教えを乞いに行けば、大抵、カナンも混ざりに来た。 ]
俺が先に稽古をつけてもらってるんだ、お前は後にしろ!
[ 同じ年のくせに共同生活に先に入っていたからと、先輩風を吹かせる金の髪の少年とは、当時から何かにつけて張り合い、競い合う好敵手だった。
しかし、決してカナンを嫌っていたわけではない、とは、フェリクスも知っていただろう。
父が英雄と呼ばれる戦士であり、元首にも選ばれたばかりだった関係で、どこか他の少年達には遠巻きにされて馴染み辛く、本音でぶつかり合える存在は、正直カナンだけだったのだ。
その頃から、実力も戦術の才も、彼は抜きん出ていたのだけれど。
それでも ]
お前にだけは負けないからな。
[ 幾度も、そう宣した思いは、今も変わってはいない。* ]
― ゼファー軍野営地・朝 ―
[ 昨夜の宴を途中で抜け出た男は、今朝も普段と変わらぬ鉄面皮を晒している。
抜けたタイミングが、丁度カナンが恩赦を言い渡し始めた頃だったから、二人の不仲を疑う者達には、納得の動きだった事だろう。
実情が斥候部隊への褒賞の酒を調達するためだったとは、カナン以外は知らない筈だ。 ]
斥候の情報によれば、敵軍には、この地に居住していた農民等も混ざっているとのことだ。
フェリクス殿の言う通り、元々の住人であるからには、彼らは、この地に関して誰よりも詳しい。
王国軍が、余程の間抜けでなければ、その知識は利用してくるだろうが、付け焼き刃の訓練で、王国軍本体との完璧な連携を取るのは困難だろう。
[ カナンの求めに応じて、意見を述べる声も常の通り淡々として抑揚のないものだ。 ]
彼らが前に出てくるなら、そこを真っ先に突くべきだが、こればかりは戦闘が始まってみなければ見分けもつかない。
我が軍の先陣を切る隊に情報を行き渡らせ、まずは動きを見逃さぬ...というのが、打てる手の一歩だろう。*
/*
バルタは、当時は親父の名で、幼少時はリトスなんやで、という、ややこしい話はちょっと赤でなんとかしようね。
― ゼファー軍野営地・朝 ―
[ 王国軍に農民も混ざっていると告げれば、ゼファーの将達は一様に信じ難いという顔になった。彼らの常識からすればそうだろう。
人は己の常識から外れた事象を目に止めにくい。ミヒャエルが、目端の利く動きをしなければ、この情報は得られなかった。 ]
(小ミヒャエル、か)
[ ふと思い返して、僅か目を細める。父が戦死する前、男もまた、大人達には小バルタ、と呼ばれていた。
幼名のリトスという名を呼んだのは、母と、亡き父、そしてもう一人にだけは、かつて教えたけれど。 ]
[ 少年時代、男は、英雄と名高い父の名をそのまま呼ばれる事に、誇りと同時に、ある種の息苦しさを抱えていた。
それに比べ、呼ばれた名に心から嬉しげにしていた青年兵...彼に少しばかり余分に肩入れしてしまったのは、或いはその思い出のせいだったかもしれない。 ]
[ やがて軍議の流れは、カナンがフェリクスに先鋒を任せると告げ、それをフェリクスが了承したことで纏まりを見せる ]
フェリクス殿。
[ その流れに乗る形で、男はかつての兄弟子に声をかけた。 ]
この度の斥候の任を果たした小隊を良ければ預かって欲しい。彼らが我が軍の中では現状、一番敵陣に詳しく、士気も高い。
先鋒を務めるならば助けになるはずだ。
[ 今度の肩入れは、ミヒャエルに対してかフェリクスに対してか、男にも判然としない。** ]
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