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5人目、長老の孫息子 サシャ が参加しました。
長老の孫息子 サシャは、おまかせ を希望しました(他の人には見えません)。
― 宿場町キサン ―
「お・じょう・ちゃん!こんなところで何しているの?」
「いくら聖地でも、女の子一人だけじゃ危ないよ。お兄さんたちが案内してあげようか?」
[大きな弓を背負い、賑やかな聖地を物珍しげに歩き回っている最中のこと。軽薄を具現化したような口調が頭上から降ってきて、思わず足を止める。
振り返れば、へらへらした笑いを顔に貼り付けた若者が二人、自分へ近づきつつあった。
”まさかとは思うけど、お嬢ちゃんってオレのことか?!”と嫌々ながら人差し指で顔を示せば、若者たちはうんうんと大きく頷く。]
「もちそんそうだよ!大丈夫、お兄さんたち怖くないから」
「君、とっても可愛いね〜。名前は?年は?どっから来たの?」
[矢継ぎ早に質問を繰り出し、じりじりと距離を詰める二人の話を冷静な頭で聞けたのはここまで。]
うるさい!オレは男だ!
[まだ変声期前の高い声で怒鳴ると、お嬢ちゃん呼びした若者へ足払いを食らわせた。
続いてもう一人の顔を片手で掴んでぎゅーっと絞り上げつつ、生まれ育った村では太陽色と呼ばれる薄い黄色の瞳をつりあげて睨みつける。]
こんなとこで、見境なくナンパなんかしてんじゃねー。
[十分威嚇してから手を離し、汚いものを触ってしまったと払っていると、当てを外した若者たちは捨て台詞を吐いて去っていった。]
「なっ、なんだっ、男かよっ」
「間違えたのは俺らのせいじゃないからな?!紛らわしい格好してるお前が悪いんだ!」
[そちらには一瞥もせず再び歩き始めたけれど、長く伸びた髪をそっとつまんでため息を漏らす。]
うるさい!オレは男だ!
[まだ変声期前の高い声で怒鳴ると、お嬢ちゃん呼びした若者へ足払いを食らわせた。
続いてもう一人の顔を片手で掴んでぎゅーっと絞り上げつつ、生まれ育った村では太陽色と呼ばれる薄い黄色の瞳をつりあげて睨みつける。]
こんなところで見境なくナンパなんかしてんじゃねー。
[十分威嚇してから手を離し、汚いものを触ってしまったと払っていると、当てを外した若者たちは捨て台詞を吐いて去っていった。]
「なっ、なんだっ、男かよっ」
「間違えたのは俺らのせいじゃないからな?!紛らわしい格好してるお前が悪いんだ!」
[そちらには一瞥もせず再び歩き始めたけれど、長く伸びた髪をそっとつまんでため息を漏らす。]
[正式な名はルナー=フルフェルト=パン=アレクシス=トリ=オロ=マナーラ=シシャニウス。
聖地からあまり離れていない森林地帯で、狩猟を生業とする少数民族出身の14歳。通常はサシャと呼ばれていた。
長年村の長を務めていた祖父が、このたび引退することになり、後継者に父親が名乗りを上げた。長になる資格はごく簡単、候補者同士の試合で優勝し、村で最も強いと証明された40歳以上の男性であること。
その勝利祈願のため、忙しい長兄次兄の代役として聖地に派遣されるところである。
元々童顔で小柄のせいか、村の外に出れば女の子とよく間違われる。自分ではそれ以外にも、髪形が悪いと思っていた。しかし子供の頭髪には精霊が宿るとの伝承により、掟で20歳になるまで絶対切ることが許されないのだ。]
……はぁ。
[嫌だなあと暗い表情をしていると、はぐれていた従者が追いついてきた。]
「サシャ様!いくら勝手知ったる宿場町とはいえ、誰も共につけずに歩き回ってはなりませぬ」
言われなくても分かってる。
っていうか、オレは目的の店に向かって真っ直ぐ歩いていたのに、人ごみの中ではぐれたのはそっちじゃないか。
[相手が気心しれた青年のせいか、遠慮なく不機嫌な口調で自分の考えを主張して、むぅと頬を膨らませる。
口癖は、”うるさい””言われなくても分かってる”、そして”しょーがねぇだろ”。
再会直後の説教につい反応してしまう、反抗期真っ只中なお年頃なのだった。]
[しばらくプンプンしながら無言で歩いていたが、やがて護身用の武器を扱う工房>>8が見えてきた。
五年ほど前、たまたま村に立ち寄った旅人から良い武器を売っているとの情報を得て以来、時々注文をしているし、工房にも顔を出したことがある。ぱあっと満面の笑みを浮かべて、ノックしたドアを勢い良く開ける。]
チャールズのおっちゃん、こんにちは!
サシャだけど、注文しておいたロングソード、もうできてる?*
ありがとー!さすがおっちゃん、仕事が早くて頼りになるね。
[棚から受注品を取り出すチャールズ>>16へ、元気良くお礼を口にする。
カウンターに置かれた注文品が布を解かれて姿を現す様を、きらきらと輝く目で見つめていたが、確認してくれとの言葉で表情を引き締めた。]
分かった。
[こくりと頷き、慎重にロングソードを手に取る。
ずしりと感じる重みに緊張を高めながらも、刃先から柄まで慎重に眺めたあと、周囲のものに当てないよう軽く二・三度振ってみた。]
うん、すっごくいい感じ!親父にそろそろ剣の修行も本格的に始めてもいいって、よーやく許してもらえたから、嬉しくて仕方ないよー。
どうもありがとう。
[とても良い笑顔でチャールズの仕上がりを称えつつ、料金をカウンターへ置いた。
五年前、初めて注文したものは狩りで一番使用する弓。その体格で扱えるのか>>17と言われたことはしっかり覚えている。]
あったりまえじゃん!今日は自分だけがつかうぶきをかいにきたんだから。
[そう胸を張ったところで、性別を誤認されてしまい、たちまち機嫌を損ねたものだ。その頃は今より更に小さかったけれど、精一杯背伸びをしてカウンターに手を伸ばし、叩きながら抗議した。
感情が表情に駄々漏れになってしまうところは、今も全く変わらない。*]
[生まれたときから狩りだけでなく戦いも重要な意味を持つ一族の男であるため、武器を扱う意味は重い。
そんな環境や毎日訓練を欠かさないことも背景にあるが、チャールズがしっかり調整して作ってくれたお陰だろう、危惧していたほど振り回されることなく、剣は手にしっくりと馴染んでいた。
グリップについて言及するチャールズ>>26へ了解の返事を返す。]
うん、分かった。せっかくおっちゃんが作ってくれたんだもんな、長く大切に使いたいし。
大事に手入れして、言われた通り違和感が出たら、すぐ持ってくる!
[やっぱりおっちゃんは頼りになるなぁと職人技に感心しながら、もう一度剣を嬉しそうに眺めたあと、いそいそと布に包みなおした。]
[小さい頃から通っているため、成長による視線の高さの変化はよく分かる。以前より低く感じられるようになったカウンターごしに、背中の長弓へ視線を向けるチャールズ>>26へ、にっと笑いかける。]
心配してくれてありがとー!ここに来る前に、調整してきたばかりだから大丈夫。
[それから周囲を軽く見渡したあと、声を潜めた。]
なんでも、最近スミ湖の周りを変な奴がウロウロしてるんだって。襲われた旅人が何人もいるらしいって噂だよ。だから、村の外に出る前にちゃんと武器を手入れしておけって言いつけられたんだ。
おっちゃんも気をつけてね?オレはこれから聖地へ行くから、万が一何かあったら声かけてよ。恩返しってほどじゃないけど、危ないときは絶対助けるからさ!
[仕留めた獣の毛皮や肉を加工して、各地を行商して回るため、噂話はそれなりに村へともたらされる。また、”危険な目に遭っている人を助ける”ことも、一族の中では当然やるべき義務と考えられていた。
あつらえたばかりの剣を両手でしっかりと抱え、じゃあまたねーと手を振りながら、チャールズの工房を後にする。**]
― 宿場町キサン→ ―
「それにしてもチャールズさん、相変わらずお元気でしたね」
[店を出たあと、ロングソードを抱えて今にも鼻歌を歌いださんばかりになったところを見計らって、従者が声をかけてきた。
幼い頃からつき従っているせいか、実によく理解できている。機嫌が悪いまま下手に声をかけたら、ますますへそを曲げかねない。しかし無事注文品を手に入れられた直後なので、現金にも”うん!”と素直な返事を返しながら振り返った。]
おっちゃん、武器作るのすっげぇ上手いから、ずーっと頑張って欲しいなー。
昔左足ケガしたって話は聞いたことあるし、歩くときも影響出てる>>30けど、親父に言わせるとレキセンノモサ?って奴なんだってさ。さっきは助けるって言ったけど、おっちゃんならきっと大丈夫。何が出ても、あっという間にやっつけそうじゃん?
[大分前に武器職人を始めたチャールズの現役時代は、当然ながら知るはずもない。だが、いやだからこそ、彼が戦う姿を直接見たいものだと思っている。
助けると言ったのは、偏に世話になってる人へはいつでも恩を返そうという心構えが一番の理由である。]
”ぐ〜〜〜。”
[町の外れに近づいたところで、お腹が盛大に鳴った。昼食は聖地で取る予定でいたことを思い出し、従者の服をつかんで急かす。]
早く聖地へ行こう!いつも行ってる『グリュック』、そろそろ昼飯のお客さんも引いて、暇になっている頃だろうし。
[あの食堂の肉料理、滅茶苦茶美味いんだよなと付け加えつつ、聖地の方向へ足を向ける。
自分を良く知っている人からも、”その体のどこに入っていくんだ?”と呆れられるほど食べる量が多いため、外で食べる際には混雑時は避けるようにしていた。元々目立つのはあまり好きではない上に、お店の人の負担をなるべく減らしたいとの思いもある。
さて、食堂の兄ちゃんことフランツは、今頃どうしているかと懐かしんでいると。]
「大変だー!スミ湖畔方面で、化け物が出たぞー!」
[突然怒鳴り声が響く。材木集積所から危険を知らせにきた人物>>36が、ちょうど宿場町に到着したところであった。
変事の知らせを聞いて、たちまちざわめき始めた人々の前で、宿場町を守る自警団が次々と集まり、”皆さん、落ち着いてください!”と呼びかけ始める。
それを横目に従者へロングソードの包みを押し付け、代わりに受け取った矢筒を背負いがてら、近くにいた人へ”ちょっと馬、貸してください。”と声をかけ、返事を聞く前に飛び乗った。
慌てて我先にと逃げ出そうとし始める人の前へ飛び出し、いつになく緊迫した口調で注意喚起する。]
待って、オレの話を聞いてください!化け物の出没場所はスミ湖畔、そこまでの距離を考えれば、この宿場町へはまだ到着しません。
聖地へ逃げ込むだけの余裕は十分あります。騒がず慌てず、知り合いが一緒かどうか確認してください。特に小さいお子さんとはぐれないよう注意して、確実に避難しましょう。
[するとざわめきはまだ収まらないものの、それぞれ同行する人の名を呼ぶ声があちこちから聞こえ始めた。それを確認しながら馬の主へ頭を下げると、最初何をするんだと驚きの表情を浮かべた相手も納得したらしく、特におとがめは受けなかった。
そこへ知らせを受けて到着した自警団たちが、呼びかけを始める。どうやら町に残っている者にも避難指示>>38が出始めたようだ。]
「どうか落ち着いて、我々の指示に従ってください」
「ご安心ください、無事聖地に到着するようお守り致します!」
[的確な誘導が始まったお陰で、幸い大きなパニックが起きずに移動が始まる。それに合わせて馬を進ませながらも、嫌な予感が止まらなかった。]
― →聖地セーファ ―
[途中で合流した騎士隊の早馬>>74と共に聖地へ向かう。
急を告げる鐘が鳴り響く中、持ち主に馬を返すと、跳ね橋の準備が整うのを待った。]
……妙に騒がしい気がしないか?
[周囲に聞こえないよう声を潜めながら従者に問いかける。
スミ湖畔方面の騒ぎが伝わっているにしても、聖地の普段から考えれば、随分と騒がしく物々しい。少なくとも化け物は聖地の周辺にまだ現れていないと言うのに、この厳重な警戒は一体何だろう。
実は姫を襲おうとした妖術師ベルガマスコが逃亡した直後>>59だったせいだが、さすがにそこまでは知る由はなかった。
橋が降りたら、事情を知っていそうな人に聞いてみようと表情を引き締めた。]
[やがて跳ね橋がおり、侵入者を警戒する人々に見守られながら聖地の中へと入る。
すぐに従者が聖地での事件を調べて、知らせてくれた。]
若くて綺麗なお姫様に無理矢理迫って、騒ぎを起こした奴がいるって?
しかも諦め悪く、聖地ごと滅ぼすとか言い出した>>59?
[なんつー罰当たりな真似をするんだと半ば呆れた口調で呟いた瞬間、ふとある思い付きが口をついて出た。]
なあ、聖地の騒ぎとスミ湖畔の化け物。妙にタイミングぴったりなんだけど、何か関係あると思う?
[こてりと首を傾げながら従者に尋ねる。
どうやらこれは、更なる情報を集めた方がいいと直感した。]
[そのとき頼りになりそうな、馬上の騎士>>76を発見した。
息子の眼病治癒祈願のため妻と共に聖地を訪れたクレステッド・エンバーであるとは知らないまま、急いで駆け寄って声をかけた。]
そこの騎士様ー!
ついさっき、この聖地でどこかのお姫様を攫おうとした奴が出たって本当ですか?
実はー、スミ湖畔でも化け物が出たって騒ぎになっていましてー。あまりにもタイミングが良すぎるから、何か関係あるのかなって考えてたとこなんです。
それに、スミ湖には前々から変な奴がうろついているとか、旅人が襲われたとかって噂があるんです。
[こちらの情報を提供しつつ、詳しく話を聞かせてくださいとお願いした。*]
[騎士とは初対面だけれども、馬から下りて話を聞いてくれる>>92。
やはり礼節を持ち人々を脅威から守る騎士は、態度が紳士的な人ばかりだと感心しつつ、丁寧な口調を心がけた。]
え?!親?……は、一緒に行動していませんけど、大丈夫です。同行者がいますから。
[思いがけない問いかけにそう答えながら、背後に控える従者の服を掴んでみせる。
村ではまだ子供扱いされているけれど、腕に覚えがある者>>86に自分は含まれると自負している。故に送り届けると思われているなんて考えもせずに、従者を促して受け取ったロングソードを布から取り出した。]
さっき、聖殿の守護騎士様からお願いされたそうです。聖地を守り、妖術師の悪辣な企みを防ぐ手助けをして欲しい>>86と。
勿論オレも、精一杯頑張ります!悪いことしておいて、逆恨みで人々を害そうとする奴は許せないし。何より、聖地で暮らしたり巡礼で訪れたりした人たちの平和を守りたいんです!
[決意表明をいつになく真面目な表情で告げる。
さて体格と比較すると大きく重そうに見える剣>>25を持つ自分へ、騎士はどんな反応をするだろうか。]
[もし女の子かと問われたならば、いつものごとく”違います!”と頭から湯気を吐きそうな勢いで怒る。
髪が長いのは単に村の風習なだけで、自分と同世代は皆こういう髪型なのだと、最も気にしている点を説明として付け加えて。
そんな一膜があるかないかはさておき。宿に向かいがてら、自己紹介をした。]
オレは聖地の近隣にある、カルスファ村から来たルナー=フルフェルト=パン=アレクシス=トリ=オロ=マナーラ=シシャニウス。長くて面倒なので、必要なときはサシャと呼んでください。
[自分でも長いし面倒だけれども、求められたら由来を説明することも厭わない。
騎士にも丁寧に名前を問いかけたあと、明日から聖地の警護をよろしくお願いしますと告げて、従者と共に宿屋へ入った。**]
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