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……オクティ、聞こえるか。
ゆっくり話してる暇はねぇから、用件から、言う。
伯が……アルブレヒト様が。亡くなられた。
[回りくどく話している時間は、あらゆる意味でない。
だから、単刀直入に、一番大事な事を伝えた。
最初に返る声>>8からも、衝撃の程は知れる。
長く離れていた父の、突然の訃報──それがどれほどの衝撃を与えるかは想像に難くない。
だが、彼にも、そして自分たちにも立ち止まっている時間はない事は、わかっていた]
……オクティ……オクティ、しっかりしろ。
立ち止まってる時間は、ねぇぜ。
伯は、反乱軍の鎮圧に出陣して、討たれた……この意味、わかるよな?
今、こっちは相当に浮足立ってる……だが、俺たちだけじゃまとめきれねぇ。
……すぐに、帰って来い。この地には、お前が必要だ。
[できるだけ冷静さを損なわぬように努めながら伝えた言葉に返るのは、すぐに戻る、という返事。>>9
それに続いた願い>>10に、ふ、と小さく息を吐いた]
おうよ、任せとけ。
……このまま、連中の好きにやらせるわけにゃあいかねぇからな。
必ず、止めてみせる……心配すんな。
[元より、これ以上進ませるつもりなどはない。
だからこそ、返す言葉に迷いは一欠片もなく。
届いた宣>>11に、口の端が微かに上がった]
……おう。
そうこなくちゃ、な。
[この宣を受けた以上、自分がなすべき事は、一つ。
友の往く道を、全力を持って支える──ただ、それだけだ。*]
― マーチェス平原 ―
……ってぇ、と。
[伝えるべきを伝えた後、周囲を見回す。
未だ混乱の鎮まらない状況、まずはこれをどうにかせねば、と。
思った矢先に、軽い口調で問い>>33が投げられた]
はあ?
おいおい、冗談だとしてもきっついだろ、その三番目。
大体、今ここで俺たちがやるべき事なんて、一つしかないぜー?
[ジト目になって突っ込んだ後、青年の瞳は再度、周囲へと向き]
……いつまでばたばたしてんだよ!
騒いでたってどうにもならんだろうが!
落ちついて点呼取れ、でもって、状況纏めろ!
そんなんじゃ、あいつが戻って来た時に格好つかねぇだろうが!
[できる限り声を張り上げ、檄を飛ばす。
その声はどこまで届いたか。
周囲が少しずつ鎮まってきた頃合いを見計らい、青年は一つ、息を吐く]
……心配いらねぇ。
あいつは……俺たちの主君たるべき者は、すぐに戻ってくる。
[言い切る声音に、迷いの翳りはなく。
銀灰の瞳にもまた、先ほどまでの憂いはない]
だから、俺たちは。
あいつが戻ってくる場所を……護らなきゃならん。
そのために、何をするべきか。
……そんなもんは、わかりきってんだろ?
[問う口調は常と同じく軽いが、声音にはやはり、迷いはない。
今は、迷いや憂いを見せてはならない。
それを鎮めるのが、託されたものの一つなのだから、と自らに言い聞かせて]
て、わけで、だ。
隊長クラスの連中に、状況報告上げるよう、伝えてくれ。
のんびりしてる時間はねぇ……あちらさん、余勢を駆って一気に突っ込んでくる可能性高いからな。
[こちらの総大将を討ち取ったのだから、その勢いに乗って動くのは大いにあり得る。
一刻も早く立て直し、迎撃態勢を整えねば、と。
近くにいた伝令兵を捕まえて指示を出しつつ、一先ず、兵力の確認を、と動き出しつつ]
……選択肢なんて、一つしかねーんだよ。
ここを、抜かせるわけにゃいかない。
……あいつを出迎えなきゃならねぇしな。
[改めてダーフィトに向ける言葉は、ごく軽いものだった。**]
― 回想/16年前・流離い人が止まった経緯 ―
[物心ついた時には、既に旅路の中にあった。
何故旅をしているのか、どこへ向かっているのか、その説明は一度もされた事がなかった。
一か所に留まる事なく、彷徨い続ける流離い人。
ラモーラルに立ち寄ったのはほんの偶然だったが。
その偶然に、不運が幾つか重なった。
旅暮らしに必要なものが不足していたとか、そもそも路銀が危うくなっていたとか。
そんな状態の時に、自分が旅の疲れから熱を出して動けなくなってしまったのだ。
そうでなくても初めて足を踏み入れた土地、頼る宛もなく。
兎にも角にも、医術の心得のある者はどこか、と尋ね歩いていた父に声をかけてくれたのが、当時宰相だったノイヤー卿だった]
[その時、父と彼の人の間にどんな言葉が交わされたのかは覚えていない。
何せこちらは、高熱で色々と遠い世界を彷徨っていたから。
いずれにせよ、この出会いによって自分は一命を取り留め、父はその恩を返すために、と宰相の元に留まる事を決めた]
「……命の恩には、命を持って返す。
それが、セイガの一族のしきたりだ」
[その『一族』は、自分たちしかいないらしいが。
それが、父・リカルド・フォラータの口癖だった。
幾度となく聞かされていた事もあり、自分もそれに従うのが自然だと思った。
だからこそ、父が死した後もこの地に留まり、受け継いだ太刀の力を持ってこの地を護るという道を選んだ]
[……もっとも、そうした理由の内には、年下の幼馴染の存在も大きかったのだが]
― 交戦中/マーチェス平原 ―
あああああ、もうっ!
ちょいとばかし、掻きまわされ過ぎだろ、これっ!
[型破りな動きに翻弄され、隊を乱す正規軍。
その様子に、苛立ちを込めた声が上がったのは赦されろ。
正規軍で型通りのあれこれは習いはしたが、青年の内には父から教えられた実戦でのあれこれが積み重なっている。
だからこそ、彼の率いる隊は比較的立ち直りが早かったのだが]
……ちっ……こんなんじゃ、一度離れて立て直し、ってのもきついか。
とりあえず、伯と合流して……。
[そこから、何とか立て直しを、と。
思い視線を巡らせた先に、見えたのは対峙する者たちの姿。>>54]
……あれは……。
[一方は、主君と仰ぐ者。
もう一方には……微かに、覚えがある。
未だ少年の時分に幾度か見かける機会もあったか。
漂う空気の厳しさは、次に起こり得る事態を容易く予想させて]
……アルブレヒト様!
[お守りしなければ、と。
そんな思いから、そちらへ向けて駆けだそうとする。
その眼前に、立ちはだかった者がいた]
……勝手言ってんじゃねぇよ。
[行かせねぇ、という宣。>>55
そこに込められるものは感じている、けれど]
こっちにゃ、行かなきゃならねぇ理由があるんだよ!
[譲れぬものがあるのはこちらも同じ、と。
腰に佩いた白鞘から、愛用の太刀を抜刀した。*]
― 現在/ベルサリス修道院跡 ―
[──結果として、壁を抜く事はできず、主と慕った人の最期にも間に合わず。
それでも、激情は抑え込み、友へと伝えるべき言葉を投げて。
怒鳴り声で混乱を鎮めつつ、一先ず、拠点と定めたベルサリス修道院跡へと帰還した]
……結構、削られたな……ま、あれだけ引っ掻き回されて、よくぞこれだけ残った……とも、いうか。
[最初の半分以下だなあ、と。
1000近くまで減ったという兵数に、は、とため息を零した]
馬が300、歩きが……大体500で、弩が200ってとこね。
さて、これでどこまでやれっかなぁ……。
[向こうの規模はまだ把握できていない。
しかし、どれだけ差があろうと、これで護らなければならないのだから、との割り切りはついている]
……任せろって言っちまったしな。
全力尽くしていくしかねーか。
[だからこそ、口にする言葉はいつもと同じく、軽い口調。*]
/*
さて、回想まだまだ考えんとな。
最初の布陣なー、防衛陣なー……。
てかこっちの方が兵力少ないって、素敵に背水の陣だよね、最初から!
とかいってたら、なんかかわいいいきものがいるんだが、ぉぃ。
― 回想/友との出会い ―
[高熱からどうにか回復した後、父に連れられ向かったのは恩人の所。
「これから世話になる方だから、挨拶はしっかりな」と。
言われた言葉の意味は、すぐにはわからなかった。
いつものように、すぐに発つものと思いこんでいたから。
ともあれ、対面した宰相に名と、助けてくれた事への感謝をややたどたどしく伝えた後。
その息子だという少年と対面した]
[物心ついた時には旅の空にあった少年は、同じ年頃の子供たちよりも体格はよく、力も強かった。
身長も同世代の中では抜きん出ている方だった。
そのせいか、引き合わされた少年は自分よりもずっと小さく見えてしまい、結果]
(……ちっちぇーなー)
[無意識、浮かんだのはそんな言葉。
それが他者に届く可能性などは、その時には全く思いも寄らぬまま。*]
― 交戦中/マーチェス平原 ―
[立ちはだかる壁は、大きい。
斧を構え、仁王立ちになった巨躯の放つ覇気に中てられたか、共にいた兵たちがじり、と後ずさった]
……は。
嬉しくねぇ奇遇だな、そりゃ。
[宣に返された言葉>>196から感じるのは、強い意志。
なんとしても、それを成し遂げんとする決意。
容易く抜ける壁じゃない──改めてそう感じつつ、それでも。
意志の強さで負ける心算は──ない]
……は、そりゃご親切にどうも……とでも言っときゃいいか?
生憎、俺はまだまだ、冥府の川を渡るわけにゃあ行かねぇんでね。
[あの世に行く前に、という言葉>>197にきっぱりと返し、抜いた太刀を右手に提げる]
が、それはそれ、だ。
[だから、と。
言葉と共に一つ息を吐き]
俺は、クレステッド・フォラータ。
命の恩と、友との約がため、この地のために己が
[淀みなく告げるのは、己が名と在り方]
その在り方、違えねぇためにも。
……通らせて、もらうぜっ!
[宣と共に駆け、閃かすは異国の白刃。
──内に抱える焦りと不安が、太刀を鈍らせている事には、気付く余地もなく。*]
― ベルサリス修道院跡 ―
あ、おっちゃん……もとい、コリドラス卿。
[報告にやって来たコリドラス>>225に、つい気軽に呼びかけかけて訂正する。
通すべき礼は通すが、青年は基本、誰に対してもこんな態度で接している。それに対する評価は文字通りの人それぞれ、ではあるのだが]
……とりあえず、今の内、休んどいてくれな。
偵察に出たダフィの旦那が戻ったら、ちょいときつめの防衛線の始まりになる。
[そう、軽い口調で言いながら。
ふと、思い返すのは、先のやり取り。*]
― 帰還前/マーチェス平原 ―
……余計にタチ悪いっつー……。
[冗談じゃない、とさらり返され>>202、ため息が落ちた。
続いた言葉、その言わんとする所もわかる。
わかるからこそ、叶う限りは繋ぎ止めなければ──と。
そんな思いから、檄を飛ばし]
……って、見てくるって、旦那。
いや、そりゃ必要だけどっ……て、あー。
[それが一段落した後に聞こえた軽い言葉。
突っ込みは間に合わず、銀灰に映るのは駆けていく後姿。>>203]
…………遅かったか。
……っとに、自由人っつーか、なんつーか。
[そこら結構、お前が言うな、な所もあるのだが]
ま、旦那なら心配ねぇだろ。
俺たちは、一度、引き上げるぜ!
[大丈夫なのか、と問う兵にさらりと返し、拠点への帰還を伝える。
態勢を立て直し、州都へ至る道を守るためには、ここで唸っていても仕方ないのだから。*]
― 回想/16年前 ―
[熱を出して眠っている間の事は、当然の如く記憶にはない。
けれど、呼びかける声と触れる感触>>234は、夢現に捉えていた]
……???
[そして、そんな微かな覚えのある声が、無意識の呟きに返すように響いてきた>>237のだから、さすがに驚いた。
銀灰の瞳が数度瞬き、それから、目の前の少年をじぃ、と見て]
(……なんで、きこえてんの?)
[浮かんだのは、多分、相手も聞きたいであろう疑問。
不可解な事態ではあるが、それに対する忌避感のようなものは不思議となく]
(……これ、親父たちには聞こえてないのかな)
[そんな好奇心からちら、と視線を向けた父は、傍目黙り込む自分たちに不思議そうな視線を向けていて]
(……なんか。おもしろいな、これ)
[他には届いてない、と察した少年が浮かべたのは、どこか悪戯っぽい笑み。
それが、流離い人として一か所に落ちつかぬ暮らしを続けていた少年が、他者に対して興味を抱く、というある意味では珍しい現象の始まりだった。**]
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