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>>204
[彼女の口から示されたオススメの場所は例の研究施設。一番男が行きたい場所である。
それを出してくるとは、彼女もやはりオカルトマニアなのかもしれない。]
研究施設、ですか。
覚えておきましょう。
しかし場所はわからない…と。残念です。
[心底残念そうに呟く。場所は自分で探すしかないか、と男は思う。]
っ…!?
む、ムームー…
[日に二度も職場以外でこの単語を聞くなんて。
嬉しいような不気味なような、微妙な気分になりながらも声には喜びが滲んでいたかもしれない。]
あ、ああ…あの、マイナーな雑誌ですか。
読んでる方がそうそういるとは思いませんけどね。
[軍人の前でなければ素性を明かして先祖のことを取材させてくれと頼みたいくらいなのだが…、と彼女の持つ日記帳をジッと見つめた。]
[訝しげなゾフィヤの表情>>205に二、三回瞬きをして。彼女が懸念しているだろうことを察すれば、真面目な人間の思考とは面白いものだなと思いながら口の端だけで笑い]
やることは明確、ですか。なんでも白黒ハッキリってのが好きそうですよね、貴女方は。
俺は…たまにはグレーも良いと思いますが。
曖昧な中にも浪漫はあると思いますから。
まあ、締め切りだけはグレーじゃ済まされないのが困り物ですが。
ええ。昔からの趣味で。
そのグレーの中に浪漫を見いだすのが俺の趣味であり、仕事です。
[抽象的なこの物言いで彼女に自分の仕事内容がきちんと伝わるかはわからなかったが、頷きながらそう答えて。]
はい、ゆっくりと、ですね。
大人しくしていますから、そう心配しないでください。
[微かに口角を上げながら、良い子アピールをしておく。手遅れかもしれないが、と彼女が去るのを眺めながら苦い顔をした。]
せいぜい他の軍人の前では大人しいふりをしとくか。
…ゾフィヤ准尉が告げ口しない限りは誤魔化せるだろう。
[そう言いながらも、嫌な予感はしていたという。>>211]
ええ。見つけたら教えますよ。というか、見つけたら教えて欲しいのは俺もですから…
[ポロッとそんな本音が漏れる。ああもういいや、と小さく呟けば]
正直に言いますと、俺が一番見たいのはその施設だったりするんですよね。
勿論、危険がありそうな場所であれば案内同行しますよ。
[軍人の方を気にしながらそう小声で付け加え]
あ、愛読…
[その有難い抗議の声に目から汗が出そうだ。読者がこの少ない乗客の中に2人もいたことに感動を禁じ得ない。]
すみません。
ちょっと、胸が詰まって…
[と、しばし沈黙してから深呼吸をして顔を上げると次の言葉にまた息を飲んだ。]
よ、読んでもいいのか…?!
[思わず素になりながらも手をわなわなと震わせて差し出された日記に手を伸ばす。
こうなってはもう隠しているのが申し訳なくなり、日記帳と交換にと懐から出した名刺を渡す。
黒字の名刺には赤の明朝体で出版社のロゴと共にこう記されている。
『 ムームー編集部 オズワルド・オブライエン』]
数字というのは信憑性を与えてくれますから、怪談のネタにはちょうど良いのでしょうね。
ふ…朝から熱心に仕事をする幽霊ですか、面白いかもしれません。
[女性の言葉>>224に声を殺してくっくと笑って]
ふむ…全滅したなんてのはやはり噂でしたか。
当時の島の人間を思えば辛くはあったでしょうけど…全滅なんてことにはならなかったのは良かったですね。
そうでなければ、貴女もここにはいなかったのでしょうし。
[オカルト的にはつまらない話かもしれないが、言葉は本心だった。オカルト好きと言っても無闇やたらに人が亡くなったなんて話を好むわけではない。]
そうですか…
島に着いたら俺も貴女のお祖母様を偲んで当時の暮らしに思いを馳せてみることにしましょう。
[お悔やみの礼には柔く笑んでそう返して。]
[目的を隠して話を聞き出そうとしたことを不快には思っていなさそうな様子>>225に安堵しながら]
俺も同志がいて嬉しいです。
軍人さんに…はい、俺は変なとこに行かないか准尉に目をつけられてるようなので…女性が同行していれば監視も緩めてくれそうですし。
[止められても行きたいという姿勢に感心しながら小声で返す。
島へ行くメインの目的は祖母のことのようだがどうやらオカルトに興味があるのは本当のようだ、と思っているところに真顔で求められたサインくださいとの言葉には一瞬面食らってから軽く吹き出した。]
ははっ…生まれて初めてですよ。サインなんて頼まれたのは。
ムームーなら先月号持ってきてますし、それで良ければサインでもなんでも書いて渡しますよ。
こんなもので日記を見せてもらうお礼になるかはわかりませんが。
ローズマリー・グラナタス。
[島にはよくある苗字だったのだろうか。あまり聞きなれない響きのフルネームを復唱して]
こちらこそよろしく、ローズマリーさん。
時間があればお祖母様のお話もじっくり聞かせていただけたら嬉しいですよ。
[笑顔にそう返すと、日記帳を軽くパラパラと捲りながら興味深くその文面に目を走らせた。]
はい、第一号ですね。
読者に会うのは二人目ですが。
そのくらいに珍しいのですごく感動というか…
あっ、雑誌、持ってらしたんですか?
それは本当に、もう…
ありがとう。すごく嬉しいな。
[鞄の酒瓶に気づきその理由を聞けば]
あ…飲む用ではないんですか。それは、残念。
[酒はほとんど売り切れていたという話を思い出してそんな感想を漏らしながら、雑誌の自分が書いた記事の見出しの横に万年筆を走らせる。
著名人のように格好良いサインではなく、承諾書にした署名に近い無骨な字で。]
[彼女への取材は許可も下りたことだし、また島に着いてからゆっくり聞こうと思いながらページを捲る。
内容はただの日記に見えたが、それでも書いた人物の人柄が思い浮かぶような文章を読み込むうちにまだ見ぬ島での生活が目に浮かんできて。
不思議と、懐かしい気持ちになった。
一通り読み終えれば感謝の言葉と共に日記を返すだろう。
人の顔や名を覚えるのは苦手だが文章であれば仕事の経験上、それなりの速読能力とそれを記憶する力はあった。]
[此方は言葉を発していないのに眉を顰めるゾフィヤ>>236を見て、気をつけるべきは言葉のみではないなと内心でまた反省する。]
まあ、組織がグレーなのはよろしくないでしょうからね。
その意見は間違えてないと思いますよ。
[強い意志の乗った口調にはそう答えて、目を伏せる様子>>237にはなんだか申し訳ない気分になった。
やはり彼女は真面目な性格なのだろう。それ故に不器用にも見えて]
ええ、浪漫がありますよ。あの島には。ゾフィヤ准尉も少しくらいは探してみると良いです。
[余計なお世話かもしれないけど、と忙しく働いて回る彼女を見ながらそんなことを思ったのだった。]
1人目もさっき会ったばかりですよ。
ユーリエって、白髪の女性ですが、もう話しましたか?
彼女もオカルト目的だそうで、本当に読者がいただけで驚きだったので、それだけでもこのツアーに参加した甲斐があったと思うくらいです。
[まだユーリエ会っていないなら会えば話が弾むだろうと思いながら、愛読書という言葉には何度目かの感動を。]
え、いいんですか?
酒はなんでも好き嫌いなく飲めますから、ありがたいです。
ローズマリーさんにはたくさん貰いすぎてるようで申し訳ないくらいだ。
[取り出されたビールに残念そうにしていた表情を現金にも輝かせて礼を言った。
こんなものでよかったのだろうかと思いながらもサインを書き終えると、その視線には少し照れくさいようなくすぐったい気分を覚える。]
[日記を返された彼女が浮かべたどこか寂しげな表情>>244の意味は男にはわからなかったが、その何かの決意か思いかを秘めた様子を見ながら、彼女が自分に話した目的以上の何かがあるのかもしれないな、と感じた。]
えっ、うん?
[オズさん、との呼びかけ>>245にぼんやりとした物思いから我に返り、その質問に考えを巡らせる。略して呼ばれるのは嫌いではなかったし、特に気にした風もなく問いにはこう返したか。]
そうですね…彼らの同行は民間人の安全のため、と単に思っていました。
[ユーリエにも答えたようにそう告げるが、彼女の論に少し考え込む。]
確かに、念入りなチェックはどこか見定められているような…何か深い理由があるようにも思えます。
だとしたら、何故受け入れるのか、ですが…
それこそ都市伝説の観光客を捕まえて人体実験だとかなんて考えも浮かんでしまいますけど、ね。
あの島自体に意思があって、それは人間には抗えない力があって気づかないうちに俺らは呼ばれたのかもしれません。
軍人も観光客も皆、自分の意志であそこに行くと思っているだけで…本当は、なんて。
[少し飛躍しすぎでしょうか、と最後は冗談交じりの口調で言った。]
[戯れの質問だろうか、と最初は思ったのだが彼女の視線>>259は真剣に見えた。単なるオカルトの好奇心とは違う何か。
どこかそれは、自分を見定めようとしているようにも感じる。]
火のない場所に噂はたたないとは言いますからね。
あれだけ噂があるのだからきっと、何かはあるはずです。これはただの経験と…ほとんどは勘、ですが。
[怖がっているのか、楽しんでいるのかどちらだろう。そのどちらもなのか、はたまた別の気持ちがあるのか。
彼女の内心を伺おうとその眼を見れば若葉色の双眸は既にこちらを覗き込んでいた。
覗き返してみれば、僅かでも彼女の真意は読みとれるのだろうか。
覗き込んではいけないような気もしながらも、そこから目を逸らすことはできなかった。]
何故、呼ばれたのか…それはわかりません。
……今は、まだ。
ですが、わかるような気がするんです。
あの島に行けば。
[ここ数日の夢見の悪さ、それが何かを予知しているような予感は島が近づくにつれて大きくなる。]
[自分は知らない何かを知っていそうな彼女の言葉>>278。
忘れてはいけない気がして、その一つ一つを忘れないように頭に刻んだ。]
…ローズマリーさんもその何かを探してる人、なんでしょうかね。
何かあるようならば協力はしたいですが。
元凶…ですか。
何かを探るのは得意な方ではありますよ。
[意味深長な台詞と、何かを秘めた瞳の奥の光を見据えて思考の海に沈んでいたが、その眼が閉じられれば海の底から顔を出した様に暫し忘れていた息の仕方を思い出す。]
…もう、近くまで来たんですね。
[風が凪いできたという彼女の言葉に船が進む先を見れば島はいつの間にか大きく見えてきていた。
誰かが来るのを心待ちにしているかのようなその姿はどこか不気味で、蠱惑的ですらあった。
目の前にいる童顔の女性もそれとよく似て、笑顔で明るく話している時の姿と何かを含みを感じさせる大人びた姿、一体どちらが本当の彼女なのだろう。
その横顔を眺めて見るが、その答えは島の謎と同じように男にはまだわからなかった。]
ええ、その時は遠慮なく言ってください。
貴女には借りがたくさんできましたし。
探索者…か。
今まではどちらかと言えば観測者だった気もしますが、見ているだけではわからないことがたくさんあるってことは経験上知ってますので。
[彼女が好きだと言うムームーの記事はほとんどが出まかせ、でっちあげ。僅かな状況から想像力だけで膨らませた娯楽の記事。
それでも良いと思っていたけれど。
グレーの中のどこかに、深海の底に沈む真珠のような秘密、真実があるなら見てみたいと思うのは人の性(さが)。
それが宝石か藻屑かもわからない、たどり着くまでに酸素がなくなるかもしれないし、鮫に食われるかもしれない。
それでも思いを馳せてしまうのは愚かなことだろうか。
島を見ていた視線を追えば、こちらにそれは戻ってきて、先に見ていた深い色とはまた少し異なる色に見える若葉色が目に映った。
其れ等に偽物の色なんてないのだろうけど、どれを真とするかは見る者次第なのだろう。
出来るなら、その中から見出す色は哀しい色でなければいいと今は思う。]
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