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6人目、上級将校 サシャ が参加しました。
上級将校 サシャは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
― シュビト付近の地方郊外・軍営 ―
今日も走れ。
明日もだ。
無論明後日も走り続けろ。
[ 毎朝、軍営の前で部下達と稽古を重ねる。
配置転換などで部隊の中で余所から入れ替えられた新兵は、そのまま他の兵士達と合流させず新兵だけをまとめると、まずは兵装のまま駆け続ける事を課していた。止めと自分が言うまでそれは続けられる。
途中でどれだけ倒れようとも中断する事は無い。]
― シュビト付近の地方郊外・軍営 ―
今日も走れ。
明日もだ。
無論明後日も走り続けろ。
[ 毎朝、軍営の前で部下達と稽古を重ねる。
配置転換などで部隊の中で余所から入れ替えられた新兵は、そのまま他の兵士達と合流させず新兵だけをまとめると、まずは兵装のまま駆け続ける事を課していた。止めと自分が言うまでそれは続けられる。
途中でどれだけ倒れようとも中断する事は無い。]
いつ歩けとサシャは言いましたか?
[ その言葉と共に最後尾で足を緩めている一団に向かうと、手にした稽古用の棒で尻を振るようにして叩く。重くなっていた足では支えきれず土埃を巻き上げながらその場に転げまわった。]
足を止めるな!
全員昼食抜きで夜まで走り続けたいか!!
[ 初日に目立って反抗的な兵士を叩き伏せた事もあってか、転がったままの兵士の前に立ったまま動かずに走る事を促しつつ、鋭い叱責の声を浴びせると弾かれたように見物して足を止めていた者達も慌てて走り出す。
彼らから納得して自分は受け入れられた訳ではない。
怒りや憎しみを内に飲み込んだまま、誰もが理不尽を抱えていた。自分を見る眼差しは誰一人として好意的な者はいない。個として皆無かどうかは計りかねるが、集団としてはそうだ。]
集団であろうとする必要は無い。
お前達は儀仗兵ではないのだからな。倣わなくていい。
[ 倒れた者を助け起こそうとする者にはそう言い放つ。やがて転がっていた者も再び走り出した。
憎しみを力に変えて走り続けられるならそれでいい。
平地で駆け続ける事ができなければ平地以外では何も出来ない。集められた彼らには走り続けられる力を持たせなければならなかった。
どれだけ武器の扱いが巧みであろうとも、身体能力が優れていようとも体力が伴わなければ戦場では最初に死ぬ。]
( 戦争…ですか。)
[ 走り続ける新兵から視線を逸らし、小さく呟く。ナミュール国は永く結界で守られ、外敵との諍いからは遠く距離を置いた国であった。
内乱や盗賊などの討伐はあっても、実際として国としての戦争というものを経験している者は、新兵であっても古参兵であっても此処には存在していない。当然彼らを率いる自分自身も同じであった。]
…戦う力を持つ事は常に必要です。
[ 実戦を経験しない将校が実戦を想定した調練を続けるという滑稽な構図。他の将校は形ばかりで済ますものも多い。首都の騎士団は知らないが、祖先にまで遡る太平の空気は軍というものを弛緩させ、形骸化してしまっている。
彼らを率いて外敵と戦う。
そんな日が来るのか。走り続ける新兵達を前にしながら、考えてしまっていた。**]
― 南ナミュール島東部・スルジエ ―
報告致します。
サシャ、ただいま帰還いたしました。
[ シュビト近郊から遠く、峻厳な地形に囲まれたスルジエに帰還して隊長に報告を済ませる。地方貴族の一人である主は四季祭の一つ、風花祭>>6に合わせて首都ブラバンドに詰めていたが今は領地に戻っていた。]
軍営に兵は止めておけとの事でありましたが…。
[ マチュザレム共和国の使者が王府を訪れた後>>29、シュビトで民主化を求める運動が活発になってきている。
道中拾った話によれば、それを鎮圧するべく派遣された先遣隊の後詰として姫殿下自ら率いる親政軍がブラバンドから南下してシュヒトに向かっている>>24という事だった。
今までにない大規模なその派兵は、運動が今までとは比べ物にならない大きさになっている証でもある。
外向きは中央からの動員に唯々諾々と従うだけの諸侯も、独自の動きをする者も出ているらしい。そんな中立という名の様子見、日和見を決め込む者に対して求心力の回復という目論見もあるのだろう。]
はい、わかりました。
再び戻って、兵と共にシュビトに向かいます。
[ 一方的な命令という形で主の側を離れられない隊長に代わって、調練に引き続いて兵のまとめを任されると、一礼をして部屋を出る。
今、姫巫女を始めとした国中の目がシュビトに向いている。いまここでブラバンドで何かが起きたならば、そんな可能性が頭を過ぎるが自分が考える事では無いと思考を捨てた。]
……マチュザレム共和国、ですか。
[ 廊下に出ると軽く息と共に言葉を吐いた。
その国は自分にとって祖父にあたる人間の故国である。祖父は軍人とも職人ともただの船乗りとも聞いていたが、実際は何者であったかは定かでは無い。暴風に晒されて難破した船の残骸と共に引き上げられ、今の主の祖先に助けられたのが始まりだという。
結界によって外洋に出られないこの国にとって、船の知識を持つ祖父は貴重な人材であったのだ。この事を王府に報告したのかどうかは知らないが、祖父は主の元で妻を貰い、土着する事となった。極めて背の高い人だったらしい。その地が一代挟んで自分に受け継がれたのは聊か迷惑な話であったが。]
( 見栄えがいいから他の職ではなく軍属を選んだという話は両親から聞いています。)
[ 結果として三代軍人の家となり、両親は流行り病で死に、残された日記に記す内容が事実ならば、故国の地を望みながら祖父も死んだ。せめて骨だけでも還りたい。という悲痛の叫びは秘匿されたままだ。]
国が開かれれば、その望みも叶うのでしょうが…
[ 今の国政がそれを認める可能性は著しく低い事はこの国で生まれ育った自分には容易に理解できる。かつて祖父のような漂流者が解放されたという話も聞かない。今度の国交を求める使者達でであっても軟禁して帰さない、殺害して知らぬ顔という事も有り得るのだ。]
( 結界を越えて外洋へ出ようと試んだ者もいるらしいですが。)
[ その結果、投獄で済んだのはその者の身分故か。処分は重くはなかったらしい。だが処罰の重さよりも、その者ではどうにもできなかったという失敗という結果だけが気にかかる。]
( かの貴族様は今度の事、どう思っているのでしょう。)
[ 国難の危機に有りながら思い浮かぶのは、異国への関心。**]
[ 斜面の日陰に残った雪を慎重に踏みしめながら歩く。
月に一度、少数の兵と共に必要最低限の食料と水だけを持って山に入る事を繰り返し、この程度の道は慣れていた。
主に平野の演習と異なる荒れ果てた自然の猛威に晒されながらの調練は、心身を鍛え上げるだけでなく五感を研ぎ澄ませ、軍としての行動の大事さと個としての判断の必要性を兵士に植え付けさせる。慣れぬ者は脱落していくが、我慢強く締め上げ続ける事で脱落者を徐々に減らしていっていた。]
( と、書いてある事を続けているだけです。)
[ 祖父の書き残した軍書で得た知識を真似事として披露する事で今の地位を得た。父も似たようなものだったのだろう。戦争のない国での地方軍など、腕の良い猟師に毛が生えたようなものだと言ったのは酔っ払った父だった。
この地方の民衆は耕作地が少なく沿岸部は船を出して近海で魚を取り、山岳地は罠や弓を用いて獣を取って生計を立てるものが多い。鉱山の類は貴族が国の監視下の元で管理し、ここらで取れたものの大概はシュビトに持ち込んで加工して商品となる。
魚や獣の肉は腐りやすいが、毛皮は溜め込んで商人の注文を取って流通させることもできた。]
山岳の民の一部も、町に出るようになったとか。
[ 族長の長子が件の学館に通い始めたのは数年前だったか。目まぐるしく世界が変わっていく。*]
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