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― 明かず森 ―
[初めて出逢った森の外れで、今宵も暫しの別れを告げる>>247]
それでは…、行ってまいります。
きっと同属の者が、迎えにきてくれているかと。
[朔夜に合わせ里へ戻る事も、その折には生来の力を殆ど使い果たしている事も、彼に娶られてより数ヶ月で習慣になりつつある]
…光力を満たし次第、直ぐに戻りますから。
[迎えに来るという言葉をやんわりと流し、絡めた指をそっと擦る。
同属に彼が歓迎されない事は確かだが、それは彼への畏怖に近く。
どちらかと言えば、夫への心証がこれ以上悪化しない事を願って]
直ぐに、
―――…直ぐに帰ってきてください。イングリッド。
貴女の居ない世界は耐え難い。
[本当なら同行したいが、彼女の郷里と悪戯に亀裂を生むは愚案。
出来ることなら、彼女を悲しませる真似は避けたい本音。
邪魔者は廃するが善しとしながらも、妥協点は探さねばならぬ。
そう自制し、声と耳朶への口付けに留めた。]
[陽光を一杯に吸った月光石の浮かぶ空>>261
美しい夜景を思い描き、それならば、と微笑んだのも一瞬。
やはり現物も拵える心算なのだとすぐ知れて、言葉を失う。
けれど、諌めたとて然程甲斐はなさそうだと、そのまま口は挟まず]
……違えるとは、言っていないでしょう?
[フードを被る手を止め、夫の言葉を一部だけ訂正する>>262
努力目標が約束に擦りかえられた事には気づいたが、元より自分の言い出したこと]
[絡めた指を何とはなしに時間を掛けて解き、
寄り添う男から距離をとる、その刹那>>263
ぐっと腕を引かれ、身体が傾ぐ。
離れかけた身体が重なる間際、耳朶を擽る低音]
……、貴方。
[バランスをとろうと伸ばした腕は、男の首筋にするりと巻きつく]
[吐息が耳朶に先触れ、唇の感触が続いた。
懇願よりも要求に近い言葉が、何処か切なげに響く]
直ぐに――…今宵を越して、暁には貴方のお傍に。
どうぞ、待っていて下さいな。
[ささやかな誓約の証に、額に柔いキスを捧げ]
[首筋に預けた腕を、巻きつけた時と同様、すっと解いて>>264
身を退き顔を見合わせると、微笑を浮かべてみせる。
見送ってくれる夫を、夫から離れる自分を、安心させるよう]
行ってまいります。
…また、直ぐに。
[口内で繰り返し、小さく手を振り踵を返す]
[常夜の支配下を外れれば、俄かに虚脱を自覚する。
背に宿す羽も、実体化さえ侭ならぬ有様。
歩き慣れない脚を踏み出して、程なく。
行く手に感じる同属の気配より先に、忍び寄る者。
それはまるで――計ったかのようなタイミングで。
明らかに夫とは異質な、昏い気配。
確かな害意を以て迫る影]
――…、ルー…、ッ!
[微かな叫びは、途切れて結ばず]
―魔界・塔の街―
[石造りの街に、居並ぶ塔の数々。
中でも一際目立つ、天に迫る塔の頂。
天井から吊るされた巨大な檻は、鳥籠にも似る。
底面から側面までべたべたと呪符を敷き詰め、
周囲には幾重にも巡らせた結界]
――…………困ったわ。
[呪符の隙間から覗く純白。そっと漏れる溜息。
約束があるのに、と嘆く声音は、気遣わしげだが何処かおっとりと響く]
[周囲に蠢く異形の声に、耳を貸す気は然程ない。
攫われる心当たりなどないが、夫の庇護下と、同属の領域の狭間を突く周到さを見れば、おおよそ狙いに見当はつく。
目当ての人物が追い着く前に、如何にか戻りたいとは思うが――
生憎とその張本人のお陰で、脱出を果たす余力は無いに等しい]
……ああ、止めた方が…、
[ふ、と溜息を吐き、横目で捉えた異形に制止を試みる。
封じ込める呪符の隙間を縫って、瘴気の中で淡く光を纏う肌へと
伸ばされる手]
[淡光に触れるや否やジジッ、と不吉な音と一瞬遅れて喧しい悲鳴。
魔物の鱗に覆われた体表が、見る間に焼け爛れてゆく]
ああ、ごめんなさい。少し遅かったわね…。
[口許に手を宛がい、すまなげに呟き]
……ね、ここから出してくれないかしら。
でないと、もっと酷い目を見ることになると思うの。
いえ、脅しではなく――…
[無駄だろうと知りつつも、眉尻を下げ、一刻も早い我が身の釈放を勧める。危険が迫っているのは、囚われの身である自身より、
或いは、助けに来てくれるだろう人よりも――]
―――…行かせなければ良かったか。
[離れて一刻も経たずに、不足を自覚。
彼女の足りない世界に既に飽いて、視線は遠い。
持ち上げた指先が額に触れ、数度摩擦。
ほんの僅かでも、愛妻の名残を求めて。]
[彼女の体内に残した闇の色―――、
己が目印とするアンカーを、ぞくと震わせ、主に呼応させ。
深い場所で拡げる闇性は、彼女を胎を淡く掻いて、存在を主張。
―――まるで彼女の身体を乱すように、夜の余韻を伴い唆す。
彼女の声を、気配を、闇に溶ける光の性質を求めるように。]
[案の定、善意の交渉に魔族は聞く耳を持たず。
フードに覆われた頭を軽く振って、檻の底へとふわりと降り立つ。
想いを馳せるは、唯一人。
彼の許へ帰るべく、脱出を試みてもいいが――下手に傷でも作れば、そちらの方が彼の不興を招く気がしてならない]
――……ルート、…ッ
[小さく名を紡ぎ落とし、不意に顔を膝に伏せ]
[胎の奥深くに滲み込んだ精気が、どくりと俄かに震える。
彼の脈動によく似た、無言の占有の主張。
何処に居ようと欠片たりとも忘れられないように、と。
言い含めた主人の存在を、深く咥え交り合う悦を、
身の内に色濃く感じ取る]
……ぃや、……、ート、
[純白のフードをぐ、と引き下ろし、魔物に、夫以外の誰にも声を聞かせぬよう、きつく下唇に歯を立て]
[彼女の居場所は微弱ながら、感じ取ることが出来る。
甘い責苦に――自身は副作用と言い張るが――苛まれ、
か細く啼く声が音としてではなく、闇を伝わり聞こえてくるのだ。
ずるりと体内で身を翻す闇の塊が、
不埒を誘うように胎内を舐めて這う。
自らの身を律するよう、身体を抱いて打ち震える愛妻を思えば、
僅かに心へ穏やかなものが流れ込んでくる。
囚われし彼女を守る役割も果たすはずの残滓は、
距離を隔てた夫に弄らせる一役を買って居た。
彼女が身体を強張らせるたびに、じわと奥で濡れた感触を拡げ――
幽閉よりも色濃い束縛を教える。]
[男は其の気配を察し、口元を指先で隠しながら、唇を舐めた。
まるで、妻の甘露を、喉に通して味わうように。]
[最早掻き出す事も叶わぬ深みに孕んだ闇が、
前触れもなく蠕動を始める。
我が物顔に胎を這い、もてなす蜜を誘って。
心より先に密事に馴染んだ身体は、慣れた刺激に少しずつ解れ]
ルー、ト……、やめ、てぇ…っ
[彼の存在を、酷く身近に感じる。
鮮烈な闇の気配が、体内で呼応する。
恐らく彼は、気づいたのだ――彼以外に囚われた此の身への
罰のようにさえ感じて、熱い雫が伝う]
[本来ならば、目前の青年を害し、
情報を引き出すのも一手で合ったが、それを成さずに居たのは、
単に―――愛妻の声が気を良くさせたから。
内側の濡れた感触と混じり、彼女の胎の深くで水音を響かせる。
過敏な身体を焦らすように追い上げ、不実を咎めるように、
奥へ拡げる蠢動を止ますこと無く、熱烈な接吻が降る。
とろりと彼女の内股にまで闇を孕んだ蜜が零れてしまうだろうか。
苛むたびに、瞬きを成して、男は満足げな吐息を漏らした。]
―――…いけない方だ、囚われの姫君がなんとはしたない。
[そろりと呟く言の葉は、口腔に隠蔽。
されど、戯れに彼女をずぐりと突き上げる振動が甘い。]
[脚の奥でくぐもった音が、確かに響く。
彼から引き離され、助けを待つ身が、彼の名残に濡れる。
内側から口接けられるような、常軌を逸した快楽。
彼に施される接吻を想って、また胎がひくりと震え、精と溶け合う蜜を滴らせる]
ごめ、…なさ…っ、…るし、てぇ……
[膝を擦り合わせ、檻の底に爪を立て、切れ切れに夫の寛恕を乞う。
彼は怒っているのだろうか、足手纏いになった自分を厭うだろうか。
怯えと恍惚が入り混じり、気紛れな蠕動に呼吸は浅く、忙しなく]
[ねち、と胎内で粘性の強い糸を引く感触を教え、
蝕む彼女の悦を闇を通じて得る。
もっと欲しいと頑是無い欲は、お仕置きと言う大義名分で包む。
囚われて尚、夫に弄られる恥辱を彼女に覚えさせる。
別離の罪が、どれほど深いか教えるように。
或いは―――…、自身の悦を満たすように。]
[か細く聞いた彼女の声にほくそ笑み、
彼女の腰を揺らめかせるように律動が止まぬ。
身体中火照り、それでも貞節を守ろうとする妻を想う。
ズク、と蠢く闇が胎を内側から攪拌し、
愛撫もなく、内側のみ責める辱めに晒す。
出かけ際、彼女の肩に掛けた外套が全てを隠し、
夫婦の密事は、彼女ばかりが知る。
離れた場所でも闇を伝い聞こえる彼女の淫靡な啼き声に、
性質の悪い男が充足の呼気を漏らした。]
[粘っこい水音は、彼の精か、自分の蜜か。
判別もできぬ程、融け合った淫水。
この音が鼓膜を侵す度、下肢の力が抜け落ちる。彼を受け容れる準備の整った身体を、彼の眼前に開いてみせるためにか]
あ、ぁ……、すけ、て、ルートぉ…
[求めるのは、囚われた身の救出ではなく――彼自身で、早く空虚を塞いで欲しいとせがむかのよう]
[お仕置きと称して、彼の責苦を甘受したことは以前もある。
昔馴染みに当たる、異性体をとる同属と話し込む姿を、里まで迎えに来た彼が目の当たりにした其の夜。
けれど、あの時は、すぐ傍らに彼が居てくれた。
決して満たし切る事のない渇望が、下腹の内側から突き上げる]
――…り、な……れ、じゃ、足りな……ッ!
[フードを目深に被り、声を喉で押し潰し袖を噛む。
裾の長い純白の外套は、捩る腰も、戦慄く腿も全て覆い隠し、
彼への貞節を布一枚で保たせてくれる]
[膝に突っ伏し動かなくなった光精は、纏う光が揺らぎ、霊気を僅かに減じてさえいく。
漸く呪符の魔力が効力を発揮してきたのかと、魔物には意味を為さぬ結界を潜り、檻の傍へと降り立つ三体。
先の同族の損壊を踏まえ、檻から僅かな距離を保ったまま、三重奏の呪詛を浴びせかける。
闇の精霊長が妻に直に施した護りの気配は、乱れる光力とぶつかり、阻まれる。
呪詛が終曲を迎えても、頭が鈍く軋む他は、さしたる変化は訪れず]
――…、私に。この身体に。何を、したの?
[静かな囁きは、彼女をよく知る者の誰一人として聞いたことがないだろう、冷えた響き]
[彼女の鼓膜に届ける密やかな笑み。
異界の壁を通さぬ明瞭な笑気は、彼女を弄るに等しく。
内側から火を灯しても、距離が隔てる空隙が満たされる事は無い。
まるで、これこそが彼女に与えられた甘い罰なのだと主張して。
愛妻の身体に熱を施し、それでも待てと命じるが傲慢。
別に対する恐怖の種を彼女の身体に植え付けていく。]
[彼女は知らぬ、己の独占欲の深さを。
愛妻は理解せぬ、己の闇如き苛烈さを。
迎えに行くと釘を刺したのは、彼女に対する咎めでも合った。
かつて、談笑する妻と間男の光景をみたその夜。
彼女を攫うようにして連れ帰り、初めて日夜を問わず抱いた。
切々と許しを請う彼女と、なぜか程なくして人間界に下ってしまった同属の男に溜飲を下げたのも三日三晩を越えた後。
それほどに欲の深い男は、当然彼女の懇願に応じず、
闇は律動を収め、彼女の身体に焔の燻りだけを残して静寂に還る。]
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