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延長あると嬉しいな、と言いつつ
明日も来られるのが今日と同じか、もう少し遅い時間になりそうなので、村を閉めるならそれでも構わないと日和ることにします。
……誰のお墓ですか?
[村に居ついて未だ年が浅かったから、
オットーが終焉の地に選んだ墓前が誰のものか知らない。
遺体の傍らに落ちていた手紙が、彼に死を選ばせたのだろう。
そこに何が書かれていたのか、字の読めないリゼットには窺い知ることは出来ない。
シモンは手紙を開く気はないようだ。
理由は違えど、ヤコブもそのつもりはないらしい]
[オットーが何を考え思い、死んでいったのか知りたくはある。
彼の――ヨアヒムが人狼だったならば、彼らの――為に幾人も人が死んだのだ。
きっと、手紙は真実の一端を知る為の手掛かりとなるだろう。
けれどそれは、オットーの心の内側を暴き立てることに等しい。
彼の正体は恐ろしい怪物だが、同時に、パメラと共に白銀の村で最初にリゼットを受け入れてくれた恩人でもあるのだ]
――……。
[だから、リゼットは整えられた遺体の手に手紙が挟まれるのを、ただ静かに見つめていた]
―エピローグ―
[黄金の花が咲いていた。
見渡す限りを埋め尽くす黄金色の風景。
その中に、二人の娘がいた。
娘たちは姉妹なのだろう。
揃いの蜂蜜色の髪を風に靡かせながら踊っている。
手を取り合い、とても幸せそうに。
そんな娘たちを、もう去ってしまったはずの人たちが見ていた。
憎しみも悲しみも嘘だったかのように、皆、穏やかに笑っている。
けれど、この風景は全て嘘。
リゼットが眠りのうちに見る、都合の良い幻だ]
[過去を想い、頬を伝う涙。
零れ落ちる雫をもう一人の娘が――リゼットの姉が指先で拭う。
戦慄く唇は姉への言葉を口にしかけて、堅く引き結ばれる。
たとえ夢の中であっても、赦しを請うことなど出来るものか。
幼子のように頑なに首を振るばかりのリゼットに、姉は困ったように微笑みながら頭を撫ぜる。
嗚呼――何て、優しい嘘なのだろう。
犯してしまった罪でさえ、今だけは、赦されてしまうのだから]
[目覚めれば、待っているのは過酷な現実だ。
人狼の脅威が本当に去ったのかは分からないし、
もし生き残れたとしても、これまでのような生活が成り立つかさえ不確かだ。
だが、それでもリゼットは生きていく。
自分の生が、他者の屍の上に成り立っていることを知っているから。
もし、諦めてしまったら姉の死は虚しいものとなってしまうから。
生きて生きて、どこまでも生き抜けば。
もしかしたら――いつの日にか己の罪が赦される時が訪れるかも知れない。
そんな小さな望みを灯火にして、いつか額に死の影が降りるその日まで、リゼットは足掻き続けるのだ**]
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こんばんは。
あざとさならウチのリゼットもいいもの持ってますぜ。
今日は御用納めですし、皆さん忙しいのかな。
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神さまはいいました。
うめよ、ふえよ、ちにみちよ、と。
きっと神父様とシスターだって、そう思っているにちがいないのだ。
……白銀の村の人口規模とかにもよるのでしょうが、生活できるだけの豊かさはあるので、暖かく見守っていたんじゃないかなあ、と思います。
村中、総出で。
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神父様、おつかれさまです。
金色の花と似たような嘘吐きなところは、回収したかったですね。
地上に居るうちに、もっと膨らませられれば良かったと思います。
ニコラスもこんばんは。
リゼットは見守りタイムに入っているので、心置きなく桃色に染まって下さっていいのよ?
無自覚は確かにつらいですね。
それで、ニコラスだけ気付いていたら、尚、大変です。
―エピローグ・四年後、光さす窓辺―
[その本は"滅びた村の記憶" と表紙に金文字で象嵌された、人狼禍の記録だ。
惨禍の最中に失われたこの本は、後日、シモンにより見つけ出されたが、今は誰にも顧みられることなく図書室の棚の片隅で眠っていた。
村の図書室の窓辺の席。
今、リゼットが古びた本の頁を捲ろうとしている]
[あれから四年が過ぎた。
少女から娘になったリゼットは、自分たちを襲った災厄の正体を知る為に、"滅びた村の記憶"を読む為だけに字を学んだ。
だが、雪の牢獄での出来事が少女の柔らかな心に刻んだ傷痕はあまりにも深く、人狼禍の記録に触れるまで、今日に至る長い時間を必要としたのだ]
[記録を通じて、過去へと想いを馳せる。
忘れることの出来ない辛く悲しい記憶に苛まれ、
容の良い眉を苦しげに歪めるけれど。
それでも何かに取り憑かれたように、その手は頁を捲り続けた。
やがて無言のまま文字を追っていたリゼットの視線が止まる。
そこには、白銀の村に降り掛かった人狼禍の記録が記されていた]
……どうして。
[更に読み進めて、呻くように言葉を漏らす。
そこに書かれていたのは、シスターフリーデルの末期の言葉。
それは彼女を殺害した犯人しか知り得ないはずのもの。
つまり、記憶を綴ったのは他ならぬ人狼だと知って、翡翠色の双眸が驚きに揺れる。
人狼は――ヨアヒムは何を想い、自分の行為を記録したのだろう。
それは、まるで見知らぬ誰かへと向けた告解のように思えた]
[シモンも人狼と同様に彼らが斃れた後のことを、記録に残していただろうか。どちらであれ、彼は自分が為したことへの弁解など決してしないだろう。
パメラの命を奪ったシモンを憎んでいた。
彼のせいで、恩人を見棄てさせられたと恨んでいた。
けれど――もう、リゼットは知っているのだ。
彼の裡に命を奪ってしまったことへの後悔と葛藤があることを。
きっと死に至るその時まで、抱えこんだものと向き合っていくだろうことを。
だから、彼を赦そう。
そうすることで、いつの日にかリゼットも自分を赦すことが出来るかもしれない。
――そう、思えたのだ]
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神父様はお疲れ様でした。
この村を企画して下さって、ありがとうございます。
私は久しぶりの人狼騒動村の参加になりますが、楽しく遊ばせて頂きました。
折角ご一緒させて頂いたのに、引退されてしまうとのことで残念です。
いつか御事情も変わって、また同村出来ることがあれば嬉しく思います。
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ひびのと申します。
普段は議事国に出没することが多いのです。
調べてみたら、人狼騒動RP村は一昨年以来の参加でした。
最近はなかなか村入りも出来ないので、今回貴重な機会を頂いて
楽しく遊ぶことができました。
村建て様と遊んで下さった皆様に感謝を。
またどこかでご一緒しましたら、そのときは宜しくお願いしますね。
―エピローグ・四年後、二人の食卓―
[今日も二人は向かい合い、一緒に食事を取る。
二人だけの食卓――リゼットがヤコブの元に引き取られてから四年が過ぎたが、どんなに忙しい日でも、それだけは、ずっと変わらない習慣となっていた。
シチューを口にするヤコブを盗み見る。
彼について皆が知らないたくさんのことを、自分だけは知っている。
まるで、ヤコブの家族か恋人でもあるかのように。
――わたしたちって、一体、何だろう。
スプーンを口に銜えてリゼットは考える]
[ヤコブの心の中にフローラという女性がいることは知っていた。
同居を始めて日が浅い頃。
眠る彼が苦しげにその名を呼ぶのを聞いてしまったからだ。
人狼禍の最中、彼が頑なに他人を信じようとしなかったのは、
きっと、彼女に関わる何事かがあったからだろう]
ヤコブさんも、わたしと同じなのかな。
きっと、忘れたくても忘れられない、悲しいこと、
……あるんだよね。
[それは一方的な幼い同情だった。
或いは彼を自分の同類と思うことで、パメラを失った寂しさを委ねられると思いたかったのかもしれない]
――……。
[眠るヤコブを起こさぬよう、そっと髪を撫ぜながら。
彼のことを知りたいと思うようになった]
[月日は過ぎても、二人の関係は変わらない。
けれど、二人は家族ではない。友人でもない。
かつては敵対すらしていて、それから恩人になって。
今は未だ愛ですらない、もっと曖昧な何か]
――ヤコブさん。
[リゼットに声を掛けられて、ヤコブはシチューから視線を上げる]
いえ、何でもないです。
……ごめんなさい。
[こうして問いかけて、止めてしまうのは何度目のことだろう。
けれど、今はこれでも良いとリゼットは思う。
いつかフローラのことを尋ねることが出来る日が来れば、きっと何かが変わるに違いないと、そんな予感がしていた。
だから――今は、まだ、曖昧なままで*]
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