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―洗面所―
[シモンの申し出を受け、洗面所に赴き顔を洗う。
水の冷たさが瞼に沁みた。
タオルで顔を拭いた後、鏡に映る、
痩せっぽちの自分に話し掛けるよう言葉を零す]
魔法使いが本物なら、人狼はシモンさんかオットーさん。
もし嘘なら、エルナさんとニコラスさんが、そう。
……ここまで、来たんだ。
絶対に、死んでなんかやるもんか。
[気合を入れるべく、ぴしゃりと自分の頬を叩き、談話室に戻った]
―談話室―
エルナさん、……遅いですね。
[一刻も早くニコラスを探しに行きたくて、焦れたように口にして。
手持ち無沙汰のまま、紅茶にだけ口をつける。
さすがに食事を摂る気分にはなれなかった]
……大丈夫ですか?
[エルナを呼びにいくと言うシモンに声を掛ける。
昨夜、一触即発になってしまったヤコブは勿論として
パメラの件があったから、彼女を呼びに行くのは自分の方が良いのでは? そんな意味を込める。
けれど、シモンは特に意に介した様子もないように談話室を出て行った]
エルナさんが、いない……。
それって、……拙くないですか。
[さして時間の経たぬうちに戻ってきたシモンが、エルナの不在を告げた。
――胸騒ぎがする。
それはシモンも同じらしく、探索の必要性を口にする。
もし、エルナまでいなくなってしまったら。
人狼へと届きかけた手は、影すらも掴むことが出来なくなるかもしれない。
ヤコブとオットーはどうだろうと、二人にそれぞれ視線を向けた。
人間と確信しているヤコブは別として、オットーの反応が気になった。
殆ど感情を面に表さない彼の、思うところがリゼットには読み取れない]
わたしも行きます。
[オットーに探索を呼びかけ、此方に視線を向けるシモンに頷く。
リゼットが人間と確信しているのはヤコブだけ。
もし、シモンかオットーのどちらかが――或いは両方共が人狼であったなら、二人だけで行かせるのは様々な意味で良くない。
ヤコブはどうするだろうか。
もし彼が掣肘するようなら、同行を考え直す必要があるかも知れないが、共に行くつもりだ]
/*
リゼットのロールが、材料は揃えたのに調理する手順とタイミングを間違えて、仕方がないのでカレールゥを大量投入して辻褄を合わせた料理染みて見える今日この頃。
……まあ、美味しく食べて頂けるなら良いのですが。
しかし、リーザチップの『上目遣い(微笑)』は可愛いですね。
基本、笑顔は使わないつもりなので、ここらで使っっておこう。
[リゼットたちが魔法に期待していることに、
何か言いたげなヤコブの様子に、困ったように少し眉を下げる。
勿論、エルナの言う能力とやらを全面的に信じている訳ではないが、可能性を否定するつもりもないのだ]
……急ぎましょう。
[オットーは"望むのなら"と、いつもと変わらない応えを探索への同行を依頼するシモンに向ける。しかしその言葉から、彼が何を思うのか導き出すことは出来ない。
そんな二人の遣り取りを眺めていると、
外套の下に隠し持つ刃の存在が、やけに冷たく感じられた。
場合によっては、この二人のどちらかと殺し合いをしなければならない**]
→宿の外へ
[こんな状況に陥って、尚。
人狼を――死を恐れないていないように見えるオットーは、
やはり、おかしいのではないか。
道すがら、大人たちの会話は聞いていると違和感は膨れ上がるばかりだ。
オットーは初めて出会った日から今まで、常に冷静で感情を表立って見せることは殆どなかったように思う。
平穏な日々であれば、少し毛色の変わった人物で片付く。
けれど、命の危機に晒されて、恐怖に支配され、
お互いを疑い合う異常事態の中。
彼は変わらない。――あまりにも、変わらなさ過ぎるのだ]
――……。
[勿論、それだけではオットーが人狼である証拠にはならないが。
リゼットの彼を見る眼差しは疑いのいろに染まりはじめる]
……少なくとも、人間だと思っています。
[ゆっくりと立ち上がり、"ヤコブを信頼しているのか"と口にするシモンに答える。
それは決して信頼ではなく、リゼットなりに状況を判断して導き出した結果だ。
――そして、今度は二人を見極めなければならない]
実のところ、……わたしはオットーさんの方を、より強く狼なんじゃないかって、疑っています。
だって、シモンさんがそうなら、パメラさんを――
[そこまで口にして、一度、言葉を区切る。
パメラが殺されたことへの恨みや怒りを抑えるように胸を押さえ、大きく息を吐いた]
シモンさんは、パメラさんにではなくて、
ヤコブさんかオットーさんに拳銃を使うべきでした。
あんなことしたら、シモンさんの正体がどうでも……警戒されるだけじゃないですか。
そんなことが分からない人だとは、とても、思えないですし。
[それに――彼がリゼットに向けた、数々の心遣いが嘘であるとは思えなかったから。
もし、それが少女を騙すためなら、あんな形でパメラを殺したことで、彼の言動は支離滅裂なものとなってしまうから]
少女 リーザは、パン屋 オットー を投票先に選びました。
……もし、シモンさんが――仮に、オットーさんが人狼だとしても、
警戒するのはわたしやパメラさんじゃなくて、男の人ですよね。
だから――
[結論は口にせずとも言いたいことは伝わったはずだ。
視線をシモン、そしてオットーへと向けて、彼らの言葉を待つ]
[今しか――オットーがリゼットを取るに足りないものと見做している今しか、彼を斃す機会はない。
勿論、彼が少女の焦燥を察し、それすら利用しようとしていることなど知る由もなかった]
――……。
[いつの間にか、オットーが自分に注意を向けていたことにすら、気付けないまま。
彼の存在の威圧感の僅かな揺らぎに、緊張で張り詰めていた背を押されるようにして]
うああああっ!!
[叫び、山刀を抜きながら、弾かれたように駆け出して。
油断し――無防備の"はず"のオットーへと斬りつけた]
[理屈も何も無い。
リゼットの行動は捕食者の存在に中てられた獲物が、
恐怖に駆られたあまり、恐慌を来たして暴れたようなものだ。
もし、少女と贄との違いを探すとするならば、
それは彼女の持つ牙に、毒があるということだ。
だが、小さな牙が本当に怪物に通用するのかなど、最早、考える余裕などない]
["いきなさい――リゼット"
リゼットが駆け出した瞬間、耳をかすめる誰かの声を聞いていた。
けれど、そんな声は耳障りなリゼット自身の叫び声に塗り潰される。
滅茶苦茶に振り回す一撃。
その山刀の切っ先は違わず、オットーに届いた。
刃から伝わる肉を斬る感触。
人を傷つけるその感触に鳥肌が吹き出し、怖けそうになるが、
もう、行動に出てしまったのだ――後には引けない]
[思いもしない、仕込まれていた毒に驚いたのかも知れない。
オットーが何かを話しかけてくるが、恐怖に囚われた少女に理解することなど出来ずに]
まだ、……生きてる。
殺さなきゃ。――殺さ、なきゃ。
[振り上げる刃は、人狼のひと睨みに押し止められる。
鎖のように全身を絡め取る、押し潰すような殺気を受けてしまえば、
立つことすらもままならず、かくりと膝から力が抜けて、その場にへたり込んでしまうだろう]
[押し潰す殺気に囚われて、身動き一つ出来ない。
きっと、このままオットーに――人狼に殺されてしまうのだろう。
無力な小鳥のように、リゼットは恐怖に打ち震える。
嗚呼、自分は何て愚かなのだろう。
『何もしなければ殺さない』と、そう彼は言っていたではないか。
せめて苦しまないようで済むように、祈りながら見上げる本物の――殺意の眼。
けれど、そこには不思議と、あれほどに恐れた悪意を感じることはなく。
見つけたものは果てしのない虚無のような黒]
[訪れる避けようのない死を待つ、永遠に似た数瞬の後。
不意に小さな体は殺意から解放された。
呼びかけるシモンの声に、おそるおそる瞼を開けると、
そこにはもう、オットーの姿はなかった]
だめ、です。
今のうちに……毒がまだ、効いてるうちにいかない、と。
みんな、殺されちゃう。
[『慎重に行動しよう』というシモンに、へたりこんだまま、オットーを追うように頼む]
[このままオットーに姿を晦まされたら、もう手も足もでなくなる。
視線を合わせて問うシモンに手を借りて、何とか立ち上がり]
大丈夫、です。
もし遅れても、……すぐに追いつきますから、先に行ってください。
今、足手まといになるわけには、いかないですから。
[シモンとヤコブ二人の顔を見てから、まだ恐怖に震える足を引き摺り歩き出した]
少女 リーザが「時間を進める」を選択しました。
[気を遣うように怪我をした足を叩き、
冗談を口にするシモンに応えようと、薄く笑んで見せる。
もう、オットーは決して油断はしないだろう。
あの押し潰すような殺意が、再び立ち向けられると思うと、逃げ出したくなる。
殺し合いの場にリゼットがいても何の役にも立てないのに、それでも行かなければならない。
何故なら――
死にたくないと、叫んだあの日。
少女は戦うことを選んでしまったのだから]
――……。
[例え、どんな結果に終わろうと、もう足を止めることなど赦されないのだ]
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