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これより、王府は全力で内乱の収拾にかかるだろう。
マチュザレムとしては静観して構わない局面なんだが──
その、 ちょっと加勢してくる。
サイードを身代わりにたてて大使は病気ってことにしたんで、おれが寝込んでるって話を聞いても心配しなくていいからな。
− ブラバンド港 −
[目元を隠す黒い
そのあからさまに怪しい出で立ちに漁師たちは警戒し、船はもう供出してしまったと言い訳する。]
おれが欲しいのは船ではない。
勇気ある男、それから予備の帆布、防水に使う瀝青、使い古した網、日乾し煉瓦、魚脂──そういった、ここで手に入るものばかりだ!
[男の目付とおぼしき──こちらはまともな恰好をしていた──護衛兵が、漁師たちに、「すまんな。リリエンタール様は妾腹で、継母の妨害で正規軍に入れんから、ああしてお忍びで志願兵を募っているのだ」と耳打ちした。
「なるほど貴族の坊ちゃんか」と妙に納得をしてくれた漁師たちは、”リリエンタール”が要求した品を提供してくれる。(護衛の男が支払いをしていった。)
中でも物好きだったり、一旗挙げたいと思っている若者が義勇兵に志願してくれる。]
8人か──まあいい。 よろしく頼む。
[いきなり親密にハグを仕掛ける”リリエンタール”を囲んで賑やかに、押し掛け援軍は結成された。]
[正規軍の指揮系統には入らぬものの、義勇兵名簿には「リリンタール・
その携行品目は荷馬車、布、ロープ、建材、燃料と記述され、まるで輜重隊のように見えるだろう。
だが、その実、
− ブラバンド郊外 −
[荷台から大きな布が下ろされ、地面に広げられる。
荷台の横板にフックでロープが掛けられ、荷台の中央では炉に火がつけられた。
やがて、布でできた紡錘形の袋の中に熱せられた空気がのぼってゆき、軛を外した荷台がユラリ地面を離れる。]
配置につけ!
[
残る二人の護衛兵は地上に残り、荷馬と軛を引いてゆく。
経験者のニールが熱気の排出角度と量を管理し、飛行船の進路を操る。
速度が必要な時はプロペラも併用できた。
ただし、足漕ぎなのでけっこう体力が必要である。]
[帆布は、昼は白、夜には裏返して黒を用いた。
義勇兵の訓練のために飛行船を飛ばし、高高度から偵察を行いもした。
そうして王府軍およびクレメンス軍、海と陸に別れた解放軍およびアレイゼル軍の進軍の俯瞰的な情報を得る。
注意力のある者は、空をゆく不思議な物体を目撃したかもしれない。]
ああ、手製の熱飛行船だ。
ありあわせのもので作ってるから、居住環境いいとは言えないけどな。
森? おまえは太古の森にいるのか。
[“宝珠”を神殿を包む古い力を宿す森──と思考が漂う。]
[アレイゼル領から太古の森へ向かったシメオンが、ルディに会ったと言う。]
そりゃ、随分と遠いところで。
里から出るのすら厭がられていたはずなのに、どういう風が吹いたのやら。
[シメオンの口調から、今は一緒にいないのだろうと予想し、言伝を頼むことはしない。]
“宝珠”はな、
イワシの頭も信心、って言うくらいだし、やっぱり「象徴」なんじゃないかと思うんだ。
”宝珠”を壊すことで、ナミュールの民がもう猶予はないのだと目覚めるなら、
シルキーがその務めから解放されるなら、壊してしまいたいと思う。
だが、”宝珠”と巫女姫の繋がりの深さを思うと、危機感も覚えるんだ。
積み重ねられてきたものは──怖いな。
− シュビト港 (演習中・回想) −
久しぶりだ、クロード君。
随分と兵站の準備が進んでいるようだね。
[地上からの挨拶に、軽い敬礼をして応える。]
残念ながら、元気ではない。傷心中だ。
報告しておこう、シルキーと会った。
それ以上の朗報が伝えられなくて残念だ。
[つまり、トップ会談でも開国問題は解決しなかったと伝える。]
彼女は──哀しい人だね。
おれが解放してあげられればいいのだが。
ああ、おまえの言う通り、
出来るのは、外部ではなく当事者、だ。
悩ましいことに。
[シルキーという少女に惹かれるカナンは、彼女を縛る巫女姫というシステムにいまや賛同しかねているけれど、破壊はやはり本意ではない。
ましてや、”宝珠”の崩壊にシルキーが引きずられることがあっては、と思う。]
破壊ではなく、システムを変えることができれば──
例えば、1000年──30万日の祈りの力を、30万の人間に還元して与えることができたら、いいのにな。
お、森の民とも接触できたのか、おめでとう。
まあ、結果はともかく。
彼らもルディと手を組んだのなら、そう悪いことにはならないんじゃないか?
離ればなれになってた兄弟の仲直りみたいなもんだろ?
[軍事交渉だとは気づいていなかったけれど、本質的な感覚で、そう祝福する。]
ところで、クレメンス卿にひとつ働きかけておいたんだけれど、何か便りはあったか?
“公選挙”のことだよ。
…その顔は、知らないといった風情だな。
[カナンは、クレメンスを唆したのと同じ内容をクロードに告げる。
ただしもクロードが勝つだろうと予想したことは省いて。]
君が、誰にも恥じぬ方法で、自分たちで未来を決められるのだと証明するのを、期待している。
[そろそろ戻れと上でニールが合図した。
風向きが変わったのかもしれない。]
巫女姫なんてシステム、実権をとりたい官僚たちが王を不在にしておくために作ったんじゃないのか?
でも、こうして続いて来た今、巫女姫が現人女神みたいなもんだってことはわかるよ。
開国したら、何を司るかは変わってくるのかも知れないけど。
…攫って逃げたらマズいよなあ。
「私が唯のシルキーでしたら」── ああ。
[届いた手紙──もうすっかり暗記してしまったその短い言葉を呟く。]
− シュビト港 (演習中・回想) −
[クロードの、静かな熱の宿る言葉を聞く。]
市長も知事も、名ではあるが、自分で名乗るのと、無辜の市民に選ばれたのとでは意味が違ってくる。
──というのはおれの世界の常識なのかもしれないが。
ともあれ、
君はまだ「破壊するための組織」しか作っていない。
その在り方次第では──邪魔させていただく。
今日は、君に会えてよかった。
──殺されるなよ。
[あの日と同じ祈願をして、上に合図を送ればロープが引き上げられ、高みへ登ってゆく。]
− ブラバンド (お忍び中・回想) −
[アレクシスはこの邂逅を内密にしておくと言外に告げる。
それには別段の反応を示さなかった
証言する者が誰もいなかったということは、その騎士団、全滅したか。
──勇猛なる者たちよ、英霊の園に迎え入れられたまえ。
[短く祈りの仕草をしてから、アレクシスに視線を戻す。]
火傷を伴ったような、不自然な孔──それならライフルだろう。
我々がマチュザレムから持ち込んだ”文明の利器”のひとつだ。
火の力を使い、高速で鉛の弾を射出する。
[貴族のパーティで羊を撃ったことは彼の耳に入っていないらしいと察する。]
ナミュールの鎧で防げるものではない。
相手が、黒くて長い筒を持ち出してきたら、物陰に隠れろ。
と言っても、ドアくらいなら撃ち抜いてくる。
石壁が有効だ。
[簡単に対処法も教えておく。]
[森の民の話に別の名が出た。
そこの領主なのだから、意外というほどでもないが──]
アレイゼル卿が森の民に?
その働きかけは以前からあったのかね?
それとも、このタイミングでか──
だとしたら、ホントにいろんなものが地滑り的に一斉に動き出しているな。
[歴史の蠢動を感じる。
こういう時には得てして──多くの血が流されるものだ。]
[「攫って逃げたら普通に国際問題」と指摘され、]
いや、もちろん同意の上でだな!
[律儀に弁明する。
シメオンに心配されていることはわかったけれど、自分では、まだ自制できているとは思っている。
少なくとも、使命を忘れてはいなかった。
この国は、開かれねばならない。]
− シュビト港 (演習中・回想) −
そうだな、1000年の歴史に比べたら、我々の命は短い。
生きているうちに結果を見たい者は、急がねばならないのだろう。
ただ、君の作った道を、これから多勢の人間が歩む。
その覚悟を常に持って進むことだ。
それが君の宿命だよ。
[二人の距離は、そうして再び離れてゆく。]
[飛行船の荷台まで辿り着いたところで、下方からクロードの雄叫びが聞こえた。
それは何故か、非常に個人的な感情を感じさせる声。
カナンは荷台が傾くまで身を乗り出す。]
それを言うなら、 君もだ──ッ
[「危ねぇ危ねぇ! もう出るんだよ!」
ニールにベルトを掴まれて床に転がされたのだった。*]
− ブラバンド (お忍び中・回想) −
[ライフルの存在を知らないまま、騎士団を送り込んだのは自分の采配ミスだとアレクシスは瞑目する。
その声にカナンやライフルを恨む冷たさはなかったけれど──]
は!
[己の立場を問われ、
知れたことを。
おれは、セドナの第二皇子にして、マチュザレム共和国の大使カナン・リリだ。
共和国政府の意向に沿わんがため、ここにいる。
[それに背く工作は一切効かぬと眼差しに込めて。**]
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