情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
ほら、深呼吸。……無理に喋ると舌噛みますよ。
大丈夫、血は止まります。
……ゆっくり吸って。急がないで。
[痛みとショックに揺れる眼差しを、じっと覗き込む。
顔色は相変わらず悪く、額には汗が浮いていた。
それをぐいぐいと拭ってやりつつ暫く、言葉をかけつづけ、彼が落ち着くのを待った]
[>>337ギリギリ歩けそう、という言葉に軽く首を振る]
無理すると傷が開きますよ。
ラウエンブルク大佐の所には、後ほどお連れいたします。
……肩を貸すより担ぐ方が楽そうですが、担いだら怒りますか?
[確認しつつ。
大きなため息と共に吐き出される愚痴に、目を細める。
成功しすぎた、と]
……みたいですね。
出来過ぎには見えます。正直、公国が奪回を許す事自体想定外でした。
……何がありました?
[ゆったりした口調で問いかける。
話を聞いた後、彼をラウエンブルク大佐のいる司令室へと
*送るつもりだった*]
― 回想・学校跡地:指示出しの合間 ―>>3:189
[酷い顔色になっているに違いない。
貧血を起こした時のように、視界がぐらぐらする。
なんとか笑って見せたものの、誤魔化せている気はしなかった]
……居た、んですか。あの時。
[暗殺犯。――…ああ、……。
揺れる思考の中で、いろんなものが繋がってゆく]
[何が起きていて。何が動いていたのか。
前触れもなく壊れた日々の裏、ひそやかに進んでいたものの一端。
全貌はもちろんわかりはしないが―――…]
…………。
勘違いかも、しれませんが。
あの後、俺がすぐに、釈放されたのは。
貴方が、何か……。
[問いながら、目元を手のひらで覆う。痛い。痛い。
問うても答えは返らないかもしれない。でも]
――…ありがとう、ございました。
[静かに、告げる。
……それを彼がどう思うかはわからないが。
口にすべきことだと、思った*]
― 学校跡地・少し前 ―
…………。
引くときは、引けと、………。
[ぽつ、と呟いて、物言わぬリエヴルを見た。
彼に偉そうな説教をしたのは、一体いつのことだったか]
[――……あれはそうだ、卒業の1年ちょっと前。
実技試験の時の事だ。
ハンデを負っていることはわかっている筈なのに、それでも無理を押して動いてしまう。
おそらく、身体が先に動くのだ。
……心と共に。
彼の出自は、在学中にはわからなかったが。
立ち居振る舞いから、いずれ彼が、
どのような立場で動くべき人間なのかは透ける。
そのままでゆけば、いつか、大きな局面で、
彼は同じように動いてしまうのだろう。
そんな予感がしていた]
[余計な事だとは思いながら、つい口を出してしまった。
不可解そうな彼の顔に、やっぱりな、と思う。
無理をするなと言っても、どのみち聞きはしないのだろう。聞けはしない、だろうか。
そう、ぼんやり思った事を覚えている。
――…長生きはしない人種だろう。
そう感じた。……それは当たっていたのだろう]
トール先輩と、一緒にいたんだな。
最後に、何か話は、できたのか……?
[なんとなく、頬を撫でる。
士官学校時代、トールの卒業の際に。
彼らをからかって、トールに殴られたことがあった。
どう見てもできていて。
どう見ても色々時間の問題だろうと思ったのだが。
改めて会話を思い返すと、どうも、照れ隠しがちょっとと、
それ以外は、リエヴルに嫌われたくないから怒った、ような感じだった。
嫌われる?
……嫌われる、だって。
外から見ていると笑いしか起きないが、
当事者にとっては、そうではなかったのだろう]
[彼らがその後、何を思って。
どういう道を辿って共に死んだのかは、わからない。
こうだったのではないか、と想像することはあっても。
彼がトールと繋がっているのではないか、という疑惑。
彼が優先したもの。目指したもの。
――…ただ、折り重なって息絶えた身体だけが、彼らの選択を示していた]
少し、羨ましいかもしれない、と言ったら。
お前は怒るかな。……笑うかな。
……できたら、一緒に居させてやりたいけど。
お前もトール先輩も、偉すぎるから。
[遺体は無理でも。
せめて何かだけでも、共にさせてやれたらいいのに。
――そう、思った*]
― 学校跡・某所 ―
[救護室に、ウェルシュが現れる少し前。
リエヴルに依頼していた弾薬の追加を受け取るとともに。
ほぼ横流しに近い形で、興奮剤を受け取った。
あと何日分だろう。
軍にとっては本来必要のない出費。
自分は軍の要所に居るわけではない。
寝ても死んでも、大勢に何の影響もない]
[脳内に入っている様々な情報を、吐き出してしまえば、
それで有用性は消える。
軍の機密から、強請の種――くだらないスキャンダル――…まで、様々詰め込まれたそれは、
睡眠に関する機能を除き、記憶媒体としてはそこそこ優秀だった。
夜道に注意が必要な程度には。
それでも、今動けねば困るのだ。
稼働するためには何でもするつもりだった。その後どうなったとしても]
[薬を入手して、再び救護室に戻る前に。
――…負傷したノトカーと、
彼に縋るように付き添うカサンドラを見た。
二人はひどく静かな雰囲気を纏っていて、
いつものそれとは違っているように思われた。
カサンドラは、もともと小さい身体が、もっと小さくなったように見えた。
彼女の抱えているものは何なのだろう。
飄々としていて、自分のペースを崩さずに。
知的好奇心、探究心のままにふるまっているように見えていて。
どこにもゆけそうな顔をして、どこにもゆけないような]
[――…カサンドラについては、改めて調べが入るのだろう。
こうも短期間に帝国と公国を行き来していて、明らかに何かを抱えている様子。
疑問に思わない方がおかしかった。
それは、大佐に任せればよいだろう。
……旧知の仲であることだし。
そんな事を思いながら、救護室へ戻った*]
― 回想・落し物(本人) ―
[――…昼寝してる、だけです、から。>>3:324
不明瞭な声で言っても、辺りが暗くなってからでは説得力がない。
本を片手に裏庭に転がって。流れる雲と鳥を見ていたり。
食堂でぼうっとしながら、おばちゃんの作る料理を見ていたり。
寮で、尋ね先の部屋に先客がいた場合などに、座り込んでぼうっとしていたり。
その度に眠り込んでは、
誰かを慌てさせたり、誰かに呆れられたり。
無防備な日々。
安心していたのか。
どこで尽きてもよいと思っていたのか、その両方か]
[ディークは、しばしばそのでかい"落し物"に肩を貸し、
落し物の住処まで届けてくれていた。
日によって、放っておくこともあったし、
無理に届けられることもあった。
おそらく、時間があるかどうかと、置いといたら死ぬかどうか、あたりで
判断していたのだろう。
(………ぅ……。いつもすみませ……)
すみませんと思うなら、そこらで落ちてるなよ、と。
そんな突込みが入ったような気がする。
またやってしまったな、と思いながら、部屋まで戻り。
ヒンメルがディークに礼を言っているのをおぼろげに耳にする。
多方面にごめんなさい。本当に]
[迷子になったことはなかったし、迷子になっても
探してもらえはしなかった気がするが。
迷子が家に連れて帰られる時の心境に、似ているような気がした。
不注意で遠くへ行ってしまったことへの疾しさと、
怒られるだろうか、という不安と、
帰りつけることへの安堵。
ヒンメルには、叱られても、怒られたことはなかったし。
寝て死ぬ場所で、ぼうっとしないようにはしていたつもりだったが。
窪んでいた、様々な場所を。
埋めてくれた時間があった。
――……なんて優しかったんだろう、と。
振り返るたびに、思う*]
― 学校跡地・救護室 ―
[揺れていた瞳が、ゆるやかではあったが、焦点を合わせてゆき。
少しずつウェルシュが”戻ってくる”のを感じ、ふ、と小さく息を吐いた。
担いでも?と尋ねると、彼は首を振った]
では肩をお貸しましょう。
ただ、申し上げておきますが。意識を落としたら、担ぎますからね。
ご了承を。
[>>494状況を問うと、外へ、と言う。
ここではできない話なのだろう。
黙って頷き、肩を貸した]
― 学校跡地・屋外 ―
[>>495 学内の、人気の少なかったポイント。
そのうちの一つに移動して。……ウェルシュは静かに語りはじめた。
罠はやはり、張られていて。
何らかの取引が、公国の士官から大佐になされていたこと。
そこに割り込んだウェルシュが、ノトカーにさらに割り込まれた事]
……目まぐるしいな。
取引。どのような……?
[口の中だけで、ぼそっと呟いた。割り込みがすごい。
変わる状況の中で、起こった事件。
事態がどう転ぶかが、わかっていたものはいまい。
――…目の前の彼も含め]
ラムスドルフ少佐の負傷は、……なるほど。
少佐は命令を遂行したのみですが、逆恨みするものもいるかもしれません。
[>>496ノトカーは大事な女を守ったのだろう、という。
非常にシンプルな捉え方を、男はした。
カサンドラが公国に奪われた時の彼も、
今聞いている話の中の彼も。
ブレを感じないのは驚くべきことだった。
なんとなく、笑いたい気がした。
そんな場合ではない事はわかっていても。
彼はまっすぐな人間だった。
血に塗れ、多くの命を削ぎ、敵味方におそれられながらも。
―― 一貫して]
……彼らしい、ですね。
貴方にとっては不本意な結果でしょうが、ラムスドルフ少佐自身の選択によるものです。
あまり、気に病まれませんよう。
[慰めにもならない言葉。慰めで言っている訳でもなかった。
ただ、ノトカーの部下はそうは思うまい。
ウェルシュの周辺に、気を使った方がよさそうだった]
技官は……ああー……。
[なんとなく頭を抱える。
彼女は、ピンポイントな場所で、ピンポイントに。
不器用そうな本音らしきものを口にしたらしい]
測りかねますね。……生っぽいから余計に困る、というのか。
[>>497座らせてほしい、との言葉に、しまった、と慌てる。
少し休んでから行く、というウェルシュの言葉に、
>>497眉を顰める]
……すみません。うっかりしてました。
ここに置いとく訳にも行きませんので、人目に付かないよう、どこかに運びます。
[手近な部屋に運び、彼の部下を呼んでから。
また後で来ます、と言い残して、その場を離れた*]
― 学校跡・某所 ―
[――…痛み止めを渡す相手を探しながら、
ふらふらと歩いた。
眠い。頭が痛い。
思考がふわふわと揺れる。こめかみが、頬が痛い。……首筋の、ありもしない痛みも。
ふと、遠くに、人だかりが見えた。
>>256口々に声をあげる人々。ノトカーの部下、だったか?
気がついたのか、良かった。そう思うや否や。
―――……ふいに、ざわめきの色が変わる]
[>>309怒号の中で、閃光が。
―――綺麗な光、だった。
相変わらず、
美しいもの、なのに。
橋の付近で見たものを思い出す。
……また、なのか。
――……根拠もなく、そんな事を思う*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新