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[一緒にと求められれば、体の芯から欲望がせりあがってくる。彼の封印を取り去ると同時に、自身の制御をも失くしたようだ。
互いの息が混ぜ合わされて甘く香る。
ふたりだけの媚薬に身も心も蕩け落ちていく。]
ああ、一緒だ ―――…
一緒に、 いこう ……っ
[絡み合う指に思いの強さを託して、最後の一押しを加えた。]
[解放は、愛と幸福のみでできていた。
愛おしさを彼の中に放ち、合わせた肌から彼と溶けていく。
これほど満ち足りた瞬間を、他に知らない。
人でもなく魔でもなく、ただ愛し合うものとして彼と結ばれる。*]
[満ちて満たされて、唇に息を絡め合う。
触れあっているだけで幸せだった。
彼の内側に潜り込んでいるものは少しおとなしくなっていたけれど、おそらくすぐに勢いを取り戻すだろう。魔物の回復力ならではだ。
とはいえ、人間はそこまで早く回復しないというのも一応は理解している。
彼の肌に手を滑らせて形を確かめ、胸に手を当てて鼓動を感じ、余韻を十分に堪能してからここがどんな場所かを改めて思い出す。]
一度流そうか。
汗もかいただろう?
[汗どころではないのはともかくとして、彼と抱き合ったまま闇を呼んで運ばせる。
繋がっている場所を抜くのは惜しかったので、離れないまま湯の中へと滑り込んだ。*]
のぼせそうになったら、そのままベッドまで運んであげるよ。
[安心できないことを言って笑い、彼とともに湯に沈む。
幸い、そこまで湯は熱くはない。]
[抱き合ったままでは動きづらいので、繋がったままで器用に体を返し、彼を背後から抱える形になった。
興奮しているときは痛いかもしれないが、落ち着いている今ならこんな芸当もできる。]
これで洗いやすくなった。
[彼を上にのせて漂いながら、両手で肌を擦っていく。
先ほど闇や手で刺激した場所は、いっそう丹念に念入りに揉んで洗った。*]
[湯の中での戯れは、闇に支えさせるのとは違った浮遊感があって、これもまた楽しい。
ウーヴェも寛いだ様子で、時折悪戯な手を伸ばしてきた。
予期せぬタイミングで触れられれば身体も弾む。
押さえる必要も感じなかったから、奔放に声も出した。]
んっ、 そこ 、
気に入ったのかい?
[触れられた分は、きっちりと返すのも忘れずに。]
[姿勢を変えたとき、彼が僅かに表情を変えた。
どこか寂しげにも見えた横顔の意味を考えて、はたと思いつく。
指を掲げて宙に円を描けば、中空に淡い光を帯びた魔鏡が現れた。
湯気で曇ることも、水面の反射で眩惑されることもなく、魔鏡はふたりの姿を映し出す。]
ごらん、私たちがよく見える。
君の顔を見ながらできるよ。
[彼の意識を魔鏡に向けさせて、耳朶を唇で啄む。
彼の前面をまさぐる両手の動きも、彼の反応も、よく見えた。*]
[鏡に映るものに気がついて、ウーヴェが声を上げる。
直後に映る光景が拡大されたのは、彼の意識が鏡に影響したからだろう。面白い。]
そこに触れて欲しい?
[大きく映された部分に手を添えて揺らす。
鏡越しに見ながら触れるのも新鮮な体験だ。]
君が触れられたい場所を、もっと教えておくれ。
[嫌がるような、でも気になるような声と態度の彼へ、もっと見せてとそそのかす。
移り変わる映像を追いかけて、都度彼に触れていった。
時々は介入して、触れたい場所を映し出す。
あるいは、感じている彼の顔を大きく映して楽しんだ。]
他の場所を映そうと思えば映せるよ。
ただの鏡ではないからね。
[彼の耳朶を舐めながら指で下を差す。
魔鏡の面に映る光景が、違う角度に変わった。
浴槽の底から見上げるようにふたりを映している。
そこからなら繋がった場所がよく見えた。]
どんな風に動いているか、興味あるだろう?
[囁いて、腰を動かす。
出し入れされるその場所から、薄い白が滲んで溶けた。*]
[映像を介した分、彼がいくらか大胆になる。
欲しいものが目に見えると、欲望に素直になるらしい。
触りやすいよう動きを指示できるのも良い。
羞恥に身悶える彼を抱きしめるのは、最高の経験だ。]
[官能を引き出すべく繋がりの場所を映した直後、彼がきゅうと締め付けてくる。
不意打ちのようなそれに、思わず声が出た。]
くぅ、 …んっ、
[完全に目覚めた雄が熱いものを滲ませる。
息を吐いて官能を逃がし、彼の首筋を甘噛みした。]
なんだい?早く欲しくなったのかい?
君が望むなら、いくらでも注ぐよ。
[締め付ける圧を堪能しつつ、突き上げて揺らす。*]
[首筋に触れられた彼の体に漣が走る。
吸われる官能を身体が覚えているのだろう。
いつか、吸血だけで達けるようになるかも。
そんな妄想をする。
けれども、不確かな未来は彼の言葉で吹き飛んだ。]
―― なるほど …
そんなふうに思ってくれたとは。
[早く欲しいと肯定した上で、共に達した証を失うのが惜しいと言うのだ。
愛おしさで胸がはち切れそうになった。]
[ならばそれこそ、溢れるほどに注いでしまおうという意気込みがそのまま発揮されていたら、おそらく彼が懸念する事態が起きていただろう。
だが続く言葉はさらに意表をつくものだった。]
――… 口で?
ああ、もちろんだよ。
君が飲み干してくれれば、私が君の一部になれるね。
[彼の方からそんなことを言い出してくれるなんてと、驚きと嬉しさで声が弾む。]
湯の中ではしづらいだろうから、また出ようか。
先ほどの寝椅子では狭いかもしれないね。
もっと広いところで、寝転がってしよう。
[嬉々として彼を抱え、そのまま湯から出て飛んでいく。
魔鏡は距離を変えずについてきていた。*]
[空中を滑りながら、弾む心のままにくるりと回転する。
飛行の最後には自分の背中から着地して、そのまま横向きに回り、彼と並んで横になった。
床には柔らかな布が敷き詰められ、その下は砂地になっている。さらに下には湯が通っているので、布の上も温かい。]
まずは抜いてしまおうか。
零さないように気をつけて。
[言葉を掛けてから、ゆっくり身体を離す。
と見せかけて再び突き入れたりして、戯れながら彼の中から自身を引き出した。]
栓もしておこう。
君がうっかり零してしまわないように。
[抜いた後の後庭にすかさず指を押し当て、質量ある闇を流し込む。
隘路を遡る闇は太さを増し、先ほどまでそこを占めていたものと同じほどの大きさになった。]
どうすれば良いか分かるかい?
[互いの身体を拭ってから、改めて向き合う。
彼が誰かに口でしたことなど無いとは思うが、知識はあるだろうか。]
私が実演してもいいけれど、君を達かせるのも達かせないのも辛そうだからね。実際にしながら覚えればいい。
[教えて欲しいという彼から、キスの雨を受ける。
これほど生徒が熱心だと、教える方にも熱が入るというものだ。
お返しに彼の胸元にキスマークをつけてから、大きな丸いクッションに身体を落ちつけた。]
まずは手でしてみておくれ。
自分でしたことはあるだろう?
同じように、私に触れて。
[自身の屹立に甘く香る香油を垂らして彼を呼ぶ。
彼が自慰などしてこなかった可能性もあるけれど、その時はその時だ。*]
うん …、 素敵だ
気持ちい い …っふ
[彼が柔らかな手付きで雄を揉みさする。
声を抑えることなく、快感を汲み上げた。
彼も楽しんでいる様子で下の方まで指を伸ばしてくる。]
そこも、いいね。
あぁ… 腰が浮きそうだ ……んっ
[腰を動かして手に押しつければ、新たな刺激にまた声が出た。]
[彼に丹念に触れられた屹立は、先ほどよりも大きくなっている。
せり上がる欲望は、次の段階を求めた。]
砂糖はないけれど、舐めてみてくれるかい?
舐めたら口の中に入れてみて。できるだけ奥まで。
舌と唇で、私を達かせてみて。
[新たな指示を出して、彼の髪を撫でる。
たくさん食べて欲しいと微笑んだ。*]
[口でという指示に、彼は忌避感を示さなかった。
ちろりと舌を見せる仕草が愛らしい。
初めはひとつひとつ確認するようだった舌使いも次第に滑らかになって、様々な技を使うようになってきた。]
そこ、 そこが気持ちいい …
舌先で、つついて …あっ、いい……
音を立てて啜ってみて 、 そう…あぁ、うん、
とても良いよ、 あぁ…好きだ ……
[してほしいことを伝えながら、彼の口技に身を任せる。
愛しさと快感が共鳴し合って、身体の奥がふつふつと沸き立ってくる心地がした。]
少し動くよ。
[快感に突き動かされるまま、腰を揺らす。
喉奥を突くほどの力は込めないけれど、彼の口を犯す構図に興奮する。
両手で彼の頭を挟むのは愛しさの表れであって、無理矢理掴んでいるわけではない。
奔放に突き動かしたい欲望を制御しながら、彼の愛技に没頭していく。*]
[今やもう、細かな指示など出さずとも、欲しいところに彼の舌や指が触れてくる。
時折零れる笑いが、彼もまた喜んでいると伝えてきた。
愛を重ねるたびに、きっと彼は才能を伸ばしていくだろう。
この先幾度でも愛し合いたい。
未来の光景に、胸が躍る。]
[吸い付く強さが増して、背筋がゾクゾクと震える。
気持ちいい。たまらない。感じている。愛しい。]
ああ、…もう、 たまらない
[膨れ上がった愛が出口を求めて暴れ出す。]
いくよ …!
全部、 受け止めて …っ
[蕩けた吐息と共に、彼の舌の上に溢れる思いを吐き出した。*]
[己の放った愛欲が、彼の喉を下っていく。
そのさまが限りなく愛おしくて嬉しくて、彼を抱え上げて接吻けた。]
ウーヴエ、愛している。
これでもう、私たちはひとつだ。
私の生涯をかけて、君を愛すると誓うよ。
[滾る想いを言葉にして吐き出す。]
君を私の血族に迎え入れて永遠を共にしたい。
そうすれば、今よりずっと気持ちいいことが出来る。
君をもっと喜ばせたい。
[血族に迎え入れる、すなわち彼を人間の生から離れさせ、魔の領域に連れてくることを望む。
言葉通りの永遠の誓いを以て、彼を求める。]
私と共にきてくれるね、ウーヴェ。
[互いの息を交わす距離で、真摯な眼差しを向けた。*]
[彼からこだまのように愛が返る。
愛は互いに送りあうことで、何倍にも共鳴するのだ。
高く鳴る接吻けは、祝福の鐘のよう。]
ああ、ここから、
新しい日々を始めよう、ウーヴェ――
[もう離さないと、固く抱きしめる事で伝えて]
では次はどうする?
君が舐められてみるかい?
それとも私に入れてみたい?
改めて寝室に行ってもいいね。
水の中でもっと楽しいこともできるけれど。
そうだ、
ちょっと変わった浴槽もあるから、次はそちらで…
[彼としたいことがいくつもいくつも溢れてきて、しばらくは止まりそうになかった。*]
[幾日かの後。
ウーヴェの故国に、引き裂かれて血を吸った彼の衣服が届けられる。
獣に食われたとおぼしき遺品を目にして、人々は『領主はもう亡くなったのだ』と理解する。
爵位の継承は問題なく行われ、盛大な葬儀の後に伯爵の弟が領主の座に着くだろう。
届けた者たちは調査団だと名乗る2人組の男であったが、それ以上の事は誰も知らず、不思議と詮索されることもなかった。
ふたりが何者であるかを知るのは、彼ら自身のみである。***]
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