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引っ込み思案 レトは、物腰柔らかな ウェルシュ を投票先に選びました。
―2日目・AM9:30・第五訓練場―
ふあぁ……
[昨晩は懐中時計の解体に夢中になってしまって、すっかり寝不足だ。
欠伸を噛み殺しながら辺りを見回す。
サバイバル術は流石に嗜んでいないし、植物のことはそれほど詳しくない。
あんまりしたくはないが、適当に見つけた草をちぎって口に放り込んでみて──]
……うえっ、なにこれ…苦……
[──即座にぺっぺっと吐き出した。少し舌がぴりぴりするから、毒草だったのかもしれない。]
…ていうかさ、さすがに魔科学を修めるのに植物の知識はいらなくない!?
僕がもう少し不真面目だったらサボって懐中時計の修理作業に戻ってるとこだぞ!
[ふと浮かんでしまった本音がつい口をついて出た。
とは言え、本当にサボったりはしないんだけど。]
それにしてもあの懐中時計、本当に良い構造してたよな…
解体し始めてわかったけど、中身に一切の無駄がないんだよ…
完全数めいた美しさがあって正しく職人技って言うかさぁ…
[ぶつぶつと呟きながら再び野草や動物を探し始める。
まさかこの独り言が、先ほどの毒草のせいで漏れているとは夢にも思わなかった。]
回路の修復自体はうまくいったと思うから、あとはちゃんと馴染んでくれれば今日の夜には返してやれそうだし。
昼休みになったらちょっと様子を見て、大丈夫そうなら一度組み上げだけしとこう…
ふふ、楽しみだな……へへへへ……
[にやにやと顔が緩むのを感じつつ、授業時間いっぱいせっせと足元を探すのだった。*]
(えっ……えっ?待て待て待て、なんか雰囲気変わってない?
なんか…なんかこう……桃色っぽく見えるんだけど……???)
[しかしなんだか事態は予想しなかった方向に舵取りされていったらしい。
なんだか見てはいけないものを見てしまった、ような気がする。
何も見なかった、何も聞かなかった。そういうことにしてこの場を離れるが吉だろう。
君子危うきに近寄らず、だ。
僕は足音を立てないように気を付けながら、そっとその場を辞したのだった。*]
―2日目・PM5:00・第三訓練場―
も、……むり…………
[対人訓練とやらは散々だった。
当たり前だ、僕は頭脳労働は得意でも肉体労働は得意じゃないんだから。
ろくに逃げ回ることすらできず、正しく秒殺されたと言っていい。
地面に五体投地したままぜぇはぁと荒い息を繰り返す。]
だいたいさぁ…ぼかぁねぇ……
じぶんでたたかうつもりなんか……ないんだよぉ…
[疲れすぎてこのまま目を閉じたら寝てしまいそうだ。
なんとかよろよろと起き上がって、兵舎へと戻って行った。**]
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