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前に、故郷を庇護下において見捨てられた。といったね。
思うところがないわけじゃないけど国主としてはね、国を守るためだ。大きくするためだ。そういってしまえばよかったんだよ。
隙をみせたら突かれる、弱味を見せれば群がられる。それは同じ国の相手でも、他の国の相手に対しても同じさ。
どうしてもせざるを得ない結論を下す者というのは、とても孤独で、辛い役目を負ったのだとおもうよ。
[故郷について思うこととはまた別の見方として、心の内を話すようにリュカにいって聞かせる。非道だったというのではなく結論せざるを得なかったものの心境というものを、今のリュカなら理解できるだろうと。]
ま、今なら構わないけどね。
幸い弟子は師匠に弱音も苦しみも吐き出していいものだ。
……それに弟子は師匠の我儘に振り回されるものさ。
[最後のほうには少し含みを持たせながらも、穏やかに微笑を浮かべ]
なんにせよ、ここでやることをやったらだけどね
[成長といえばいいのか。試練といえばいいのか。神魔という存在に対してか。さてそれを知るのはもう少し将来のことだろう**]
― 湖畔 ―
……そういうことにしておきます。
[1年共に旅をして、時を経てまた再会しても、読めぬ所ばかりの師>>6。
理由は追及したところで掴めぬものにも思えたから、一旦呑み込んで引くことにして]
ええ、そうですね。
[色々思う所はあるが、試練を投げるつもりはない。
宝石の花に触れる師に頷いて]
今は……私に出来ることは、見えています。
だから、大丈夫。
[迷いも思うままに行かないこともあるが、今為すべきことは力を示す一点のみだから。
師と共に食事道具を片付け、自身の身支度も整える。
膏薬を貼っていた右手は、支障なく動かせる程度に回復していた**]
[覚悟が足りなかった、と、断ずる師に言葉もなく項垂れている。
初代の巫女に関する考察も、漠然と想像していたものが明確にされるような形だった。
方便であり、覚悟だったのだと]
……そうですか。
あの国はずっと、そうやって支えられて……。
[意に添わず背負わされた責務。
一方でその伝統が、古くから国を護り、現在まで細々と国の命運を繋いでいるのだろう。
師の解釈に、ひとつ頷いた]
[かつて見捨てられ滅んだ国のこと。
師の故郷に関しても、その出身者としてでなく、決断した立場の視点で話してくれている。
割り切れるものではないのでは、とも思ったが、だからこそそれをしてくれる師に深い感謝を抱く]
そう……ですね。
国を護るとか、強くするなら、いつかは決断しなきゃいけないこと……。
[そして辛いとか嫌だという気持ちは表に出せず、非難も受けることとなるのだろう。
今までは師匠ただ一人に対し恐れていたことを、もっと広くから受け止めねばならない。
幼いあの日に考えていたより、それはずっと重たいことだった]
師匠、そんなこと言われたら私……。
本当に弱くなってしまいます。
[今なら弱音を吐いていいと言われて、やっぱり心の奥の何かが崩れそうになるのだ。
含みを持たせた言葉には気付かぬまま、師を見上げる]
ええ……それはわかってます。
ここまで来たんですから。
[やることをやったらの言葉には頷いて、その時を待つのだった**]
[上にたつものとしてはどうであるか、一つの観点を与えるようにしてリュカへ伝える。
そんなことも考えていなかったのか、というのは容易いが、それを教えるものが傍にいないということそのものが問題だとは思える]
今の君はリュカだからね、弱くなったところで問題ないでしょう。
それに頼れるものには頼るものですよ。親が子を救うように、それが許される相手というのもいるものですからね。
[困ったようにいうリュカに、くすりと笑みを浮かべた*]
[教え諭すように話す師の内面はわからなかったが、師の元を離れてからそう呼べるような人間に出会わなかったのは確かだった。
ここまで自分を動かしてきたのは、覚悟というより、自分以外に出来ないという諦めに近い感情で]
ふふ……親子、ですか。
[弱さを許すように言って、笑みを浮かべる師。
その思いは確かに嬉しいけれど、でも]
――お隣に並べる時は、遠いようですね。
[そんな寂しさも、少しだけあった]
[そうこうしている間に、二つの影は声の届く距離まで接近する。
警戒の素振りもなく、下馬と共に告げられる彼の名>>22]
――ええ、如何にも。
[丁寧な名乗りを受けたからか、自然こちらも姿勢を正す形となる。
その名や従者を臣下と表現する様から、高貴な者であることは窺えたが、出自を正確に把握するだけの知識はなかった]
私は翡翠の巫女。リュークリンデ・ヤード・グレース。
ここにおいては、同じく神魔様の試練を受ける者です。
[こちらからも巫女としての名を名乗りつつ、杖の構えは解いて一礼した。
傍らにて黙礼する臣下だという男性>>23へも、視線を向けつつ*]
[師がこちらへ名乗りを促した>>24、その裏の気遣いには気付かぬままだったが、結果的にはその後に続く形で名乗ることとなった。
彼がリュゲナーの家名を拾うのを横目に見つつ]
師匠……。
[こちらより半歩前に立った師が、試練の開始を宣するように言う>>25。
恨み合うものではない、しかし機会を奪い合う関係]
――私も、自らに課された責務によって。
しかし何より私自身の思いにより、ここで引くことは出来ません。
[巫女としての固執からは離れても、まだ試練に挑む意志はあると、自らに確かめるようにして言う。
そして師の背後から油断なく相手を見据えつつ、細身の杖を構えた*]
[師の力が生み出した、火薬の香りが周囲を漂う>>41。
背後へ向け掛けられた言葉、視線が合うことはなかったが]
ええ――勿論。
[樹と火の理、そしてそれをも超える生命の力を、自分たちは共に知っている。
馬上の人を狙う師の動きを邪魔せぬよう、引いた位置から周囲を見る]
……貴方は、こちらへは来ないのですか?
[眼差しは自然、一歩引いた形の従者>>42の方へと向く。
何もしていない、ということはないだろうが、相手の策はまだ見えぬ頃合い。
低木の一本に力を送り、その枝を彼に絡みつかせようとする。
遠隔なこともあり、嫌がらせ程度の勢いではあるが*]
この程度はかわしてきますか……。
[馬の妨害のため伸ばした草は功を奏さず、軽快な走りで駆け抜けられる。
しかし揺らめく旗の動きは馬を驚かす効果はあったようだ>>48。
そして触手の攻撃に警告を発しはしたが、師の動きを追っていられたのはここまでだった]
……随分と、似たような技をお持ちなのですね。
[絡みつかんとした低木の枝が、水の触手によって阻まれる>>50。
その間に歩を進めた従者の姿が、不意に霧に包まれ消えた]
……!
[仕掛けて来るのだろうが、それはどのような形でか。
霧を見通すことは出来ないから、周囲の草へ力を注ぎつつ身構える*]
……成程。
[師が相手の力の属を伝えるのに短く声を返す。
クレステッドの力を受けたということだろうか、と思うが、視線を向けて確認する余裕はない。
心の内に留めておきつつ、ヴィンセントへの対処を優先する*]
成程、これは……。
樹の術ではなかなか編み出せぬ技ですね。
[感心した風に言いつつも、頭の中では対処法を考える。
杖を振るったところで振り払えるものではない]
……根を地上へ。水の気を吸いなさい。
[杖を一度地に突き、周囲の草へそう命じる。
しかし相手の支配下にある霧を、すぐさま消し去れるものではないだろう。
じっとりと服が重くなるのを感じながら、相手の出方を警戒する*]
[芭蕉の葉は霧に隙間を空け、その先へ進むことを許させた。
従者が主への支援へ意識を向けた>>*27のが幸いしたか、それはわからないが。
しかし前へ出した足が、地を踏むかどうかの頃合いで]
うあっ……!
[丁度芭蕉の葉を振り切った、不安定な姿勢であったことがよくなかった。
やや捻った前傾姿勢の身体は水の柱に掠められ、錐揉みするような形で弾き飛ばされた。
左手にあった杖は取り落とさず、辛うじて受け身も取れたが、地へ打ち付けられる衝撃が身に響いた]
やられた……!
[追撃に対処せんと、杖を構え直しつつ身を起こす。
しかし予想に反し、従者の姿はこちらから離れていた>>*35]
湖で何かをするつもり?
[警戒はする。しかし深追いはしない。
自らにとってはこれこそが好機だからだ]
水は氷へ変じ、樹は炎を生む。
けれど炎の内にありて、なお燃え尽きぬ花があるとしたら……?
[相生の理すら超えたそれこそが、自分たちを象徴する花。
火山に地に咲くオヒア・レフア]
環境の合わない場所に生み出すのは、骨が折れるのですけどね……!
[師は随分と無茶な提案をしてくれるものだという。
けれどこの地を覆いつつある水気を熱気が上回るなら、その瞬間は発芽の後押しとなるだろう]
お願い草木よ、今一度水を祓って……!
[全域ではない、師と貴人の周囲の草のみに、水を吸い上げ急成長を命じる。
狙いに気付かねば、単に少し動き辛くなる程度のこと。
また術に集中する自身も無防備となるが]
師匠! その炎の力、貸してください……!
[熱帯びた大地から花を芽吹かせ、また新たなる炎を咲かせるために。
師の助力を乞いつつ、その瞬間へ全神経を集中する*]
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