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いろいろ評判のお客人も乗るが、お節介は焼かなくていい。
一人前の男だ。
おれたちはいつもどおりに自由の風に乗って駆ければいい。
今日はゆっくり休むんだぞ。
[全員で、失われた仲間たちに黙祷してから、散会した。]
[ダーフィトはその後、今日の戦闘で破損した部分を中心に艦内を巡回する。
クレメンスが保証したとおり、燃料も弾薬も十全に補給されていた。
甲板や舷側の穴はありあわせの材料で埋められ、見た目で明らかに補修箇所とわかるものの、丁寧にヤスリをかけて、ひっかかりのないよう仕上げてある。
戦場では、わずかな躓きが命取りになるとわかっている人間の仕事だ。]
愛されてるってのは、いいもんだねえ。
[艦の整備状況を把握したところで、自室に戻って自分の”身だしなみ”を準備しておくことにした。]
[細い鋼糸のメッシュをなめし革で挟んで強化した戦闘服に、天使の光で視力を奪われないための偏光ゴーグル。
愛用の二刀流ガンソードは、かつてマチスがダーフィト専用に調整してくれたものだ。
左手用のガンソードにだけ、撃鉄の側に黒いボタンがある。
ギミックの切り替えボタンだ。
押し込めば、銃把を握った拳からブレードの先まで青いオーラが包み込む。]
使わずに済めば、それに越したことはないけど。
[コンラートからの警告は真摯に受け止めている。
ちゃんと機能するのを確認してガンホルダーに納めた。]
− 《シャドウ・バレス》/出撃の刻限 −
さぁて、人類の手柄をたてに行こうかね。
── 抜錨!
[見送りの人たちへ、敬礼を捧げる。
水蒸気がシリンダーを動かし、漆黒の帆船を空へと解き放つ。]
[軍が隠蔽工作をしてくれているから、しばらくはナビゲーター任せの巡航である。
ダーフィトはワァズを側に呼んで、左目を調べる。
修復は順調に進んでいるようだ。]
いろいろと驚かされたぞ。
こっちに来てから、新しいおまえを発見してる気分だ。
[いきなりマレンマにブレスを吐いたりとか、マチスに贈り物をしたりとか。
ワァズが自分の守護であることに疑念はないが、オートマタが進化するってあるんだろうか。
歯車の動きに誘われるように、ダーフィトはワァズとの出会いを思い出す── ]
− アリシャスタン王国/6年前 −
[それは城の創建当初からあったとされる塔の最上部。
余人を挟まず話したい、と継母に呼びだされて行ったが、閉じ込められた上に火を放たれた。
なんとか脱出しようと努力を続けていた少年ダーフィトは、煙が吸い込まれてゆく壁の隙間を見つけてナイフをねじ込む。
その先にあったのは、小さな隠し部屋だった。
背後に迫った炎から逃れるように転がり込む。
しかし、そこまでだった。]
神は…寝ておられるのか
[煙のせいで、涙が止まらなかった。]
[視界を闇が覆う。]
…そうだ、が。
アリシャの血がどうした。
( 誰としゃべっているのだおれは。)
[朦朧とした意識が乖離する。]
[覚えているのは、天上が崩れ落ちたこと、空を飛んでいたこと。
そして、金属の奥で駆動する蒸気機関の温かさ。
竜が飲んだ血の温度だと思った。
その日から、ワァズはダーフィトの側にいる。*]
− 《シャドウ・バレス》/現在 −
[メインマストの物見台からの声が、注意を喚起する。]
見えてきたか。
[箱船の繭。周囲にきらめくのは天使たちの群れ。
それが一斉にこちらを見た気がした。*]
− 《シャドウ・バレス》 −
ビンゴ。
[現れた天使は件の”色付き”だ。>>165
音楽的なよく通る声が硬質な響きを伝える。]
奇蹟、ね。 見たくないや。
取舵。砲撃準備。
[箱船と有効射程距離で平行するように操舵を命ずる。*]
− 《シャドウ・バレス》 −
[「繭」の確保は二次的目標、というのがクレメンスの方針だ。>>161
天使は箱船を守るために身を挺して壁を作るかとカマをかけてみたが、返ってきたのは光の柱列による攻撃だった。>>168
脅しか慈悲か、狙われたのは本体というよりは舳先である。
引き起こされた衝撃が荒波のように船体を揺さぶった。]
掴まれッ
[自身も艦橋の手すりを握りながら、振動に耐える。]
地味にキツいことしてくれる。
《ホーネット》、今のうちに出ておけ。
── 騎士さんたちよ、出番だぞ。
[囮を守るべく同行してきた戦闘機及び竜騎兵部隊>>161と、麾下の機動部隊とを繰り出した。*]
[アデルが率いる天使の一軍に、混成の機動兵器が一斉に攻撃を開始する。
入り交じる飛翔音は、それだけでも静謐を好む天使の神経を逆撫でしそうなほどだ。
その隙に、移動を開始していたことが、ダーフィトにとって幸運に働く。
光の槍が艦橋を両断したのを見たのは、マストに結ばれた格子状の縄網の途中からであった。]
冷や汗ものだな…
[残りを俊敏に上り切って、メインマストの見張り台に立つ。]
Hey! そこの天使長。
見失っているようなら、おれはここだ。
[挑発的に呼びかける。
足下にはテナガザルめいた形態のワァズ。
帆桁やロープが張り巡らされ、天使の飛翔能力が削がれる空間、
ダーフィトにとっては自分の庭であるこの場所を戦いの場にせんと誘うのだった。*]
/*
>>176
「さすがの貴様らも、奇蹟に手を触れるのを恐れたか?」
これ好きw
さすが過ぎる。アデル天使の鏡だ(拝む
[本来はガンソードの二刀流がダーフィトのスタイルだが、今、左手はあけてある。
張り巡らされたロープの端にかかる滑車、それを掴んでスライド移動するためだ。]
新しいオモチャもあるしな。
[マチスが持たせてくれたハープーン付きのワイヤーランャーガン>>174の位置を確認するように、ベルトに指を伸ばした。
もう一本のガンソードは背負い式のガンホルダーに納めてある。
その間も、視線はアデルから離さずにいたが、]
[アデルが再び光の槍を手にしたと見るや、見張り台を蹴ってロープに体重を預ける。]
ツレない天使だ な …!
[すべて言い終わらないうちに、投擲された光が見張り台を打ち砕き、いまだ滑空途中であったダーフィトの身体も宙に投げ出された。]
── …ワァ
[ズ、と、これも言い終えないうちに、ダーフィトは飛竜変形したオートマタの背に受け止められていた。]
ありがとよ、
[ダーフィトは飛竜を駆ってアデルへと向かわせる。]
船長たるもの、船員を守るのは鉄則でね。
[まずは挨拶代わりの威嚇射撃を。*]
− 箱船上空 −
[アデルの背後、繭に包まれた箱船が浮かんでいる。
先程、コンラートは、「あの子がまだ生きていると信じている」と言っていた。>>201
それに対して、ダーティトは突き放しも慰めもしなかった。
生きていてほしいと願うのはわかる。
だが、コンラートが「帰って来てほしい」と思っているのは、ああなる前の”弟”なのではないか。
自分の眉間を指でグリグリとやっていたが、
「お前をぶん殴るの」をコンラートに保留されると、その顔を正面から見やったのだった。]
遅延の利息はなしで頼む。
[嘘つきを自称して、剽軽な物言いを常態にしている男は、
仰せのままに。努力する。
そういうのと同じ口調で、コンラートの決意を胸に納めた。]
[そして今、アデルに、髪の一筋も靡かせることなく鉛弾を叩き落とされ、]
とっとと来い、 コンラートっ!
[思いっきり他力本願を叫びつつ、飛竜の能力を駆使して天使の光を躱しながら、アデルに肉薄しようと試みる。
銃がだめなら剣だ、と言わんばかりに。*]
[天使が箱船と配下の指揮に気を取られた隙を見逃しはしなかった。
おりしも地上部隊が運び込んだ鏡面>>206の反射を利用して、姿をくらまし、そこから急浮上して襲いかかる。
二撃はない、と覚悟を決めて、左手のガンソードのサイバネ連動ギミックを発動させた。]
命の味を、知れ!
[刃がまとう青いオーラは生命力そのものをエネルギーに変えたものだ。]
[だが、まだ届かない… !
歯を食いしばった瞬間に、薙ぎ払うような機銃の援護が送り込まれる。>>220
もうひと羽ばたきの勢いで、ブレードを振り下ろした。*]
[天使の苦悶の声を、驚愕の裡に聞く。
手応えは、確かにあった。
光から造られた、だが、これは確かに肉体であると思った。
地に下るために、上なる天使は受肉しなければならない、そんな話を思い出す。
彼らもまた、犠牲を払って侵攻の任を務めているのかもしれない。]
[戦うことは、相手を知ること。
そして、
渾身の一撃を出した以上、
これ以上、一瞬たりともここにいてはいけないと、本能が告げる。
が、
天使の声が、コンラートの渾名を口にした。>>235
コンラートが道連れにされる、と思った。]
[最期の反撃を喰らうのを承知しながら、踏みとどまり、砕けた聖衣の奥に、青い気弾を叩き込んだ。
天使の身体に弱点があるかは知らない。
ただ、それを形づくるものの意志を保たせないほどの、気を注ぎ込んだつもりだ。
反動で自分も意識が、 飛びそうになる。*]
/*
わああ、元帥ーーーーっ!
そしてアデルも最期まで天使である。
「謳え!」 これは死に際名言だわーーー
ふたりともかっけぇよ!
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