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……ま、ここでくだぐた言うてても、しゃあないわな。
とりあえず、ここならイロイロ揃いそうだし。
とっとと治療して、万全にしとかんと。
[ふる、と首を軽く振り、思考を切り替える。
最後にアイリからもらった一撃も、決して浅いとは言い切れない。
何より、腕や肩の負傷は、太刀振る速度にも影響を与えてくるから、と。
まずは、道具を探しての傷の手当てを優先する]
そーいや。
翼のにーさんは、やっぱり『陣』が変わったようだぃね。
御大将に言伝頼んだら、真顔で伝えに行くー、言うてたから。
今は、あちらの『陣』て事なんだろねぇ。
[ふと、思い出したように意識に声を乗せる。
なお、託した相手と届ける相手の相性悪そうだよなー、というのは直感的に感じていたが、あえてそこはスルーしていたらしい]
― 赤の宮殿 ―
[適当に歩き回れば、程なく治療道具は見つかり、ついでに水場も見つけ出す]
……がっつり食い破ってくれるよなぁ、ホント。
[半ば、自分から受けに行った一撃だが。
改めて見たその傷に、口をつくのはこんな呟き。
ともあれ、応急処置のためにと縛り付けていた布を解き、傷を洗って見つけた包帯で縛り上げる。
利き腕の傷でも、逆手と口を使って手当てをするのは慣れたもの。
まともな手当てを受けるのは、常に一番最後。
常なら突っ込みが飛んで来るところだが、生憎ここにはその担当はいない。
……なお、突っ込み飛ばされてもそのスタイルが全く変わっていないのは、言うまでもない]
[砂漠の町で受けた傷と、先のアイリとの一戦で増えた傷。
それらに一通り手当てを施した所で、取り掛かるのは太刀の手入れ。
それらが一通りすむと、改めて立ち上がり]
……さて。
どーやらここ、イロイロと置いてあるっぽいが。
メシ作るに必要なモン、ちゃんとあるんかねぇ。
[食いたくなったらこい、と言ったからには、準備をしないわけにはいかない、と。
働くのは、そんな思考。
イロイロと、ややこしい心理状態に陥ってはいるが。
言った事はやる、という根幹部分は変わってはいなかった]
/*
しかし。
この設定なら表出せるなー、とお師さんネタをぽいぽいと使っておるが。
……オレ、さぁ。
このネタって、SS除くと女神A村でちらっと触れただけじゃないんか?
……やは。
赤見えんとこは何人気づくじゃろw
ぁー……。
[一時、激情に駆られたのは事実だから、そう言われると返す言葉もなく]
苦しい、つーか、なんつーか。
……届いとらんなぁ、て。
それで、やきもきしとるとこは、あるっちゃあるやねぇ。
届かせたいのが、理想かー、てなると、ちと悩むが。
― 赤の宮殿 ―
[託した伝言が、どんな展開を引き起こしているかなどは一切合財知る由なく]
……なんつーか、ホントに何でもあり、だぁねぇ。
[妙に感心したような口調で言いつつ、作業の手を止める。
わりと適当な家探しの結果、見つけたのはそれなりの量の食材備蓄と調理設備。
それらを得て、気晴らし半分に始めたのは最得意料理の作成だった]
ってぇと。
……コレは、ちょいと寝かしとかなならんから、と。
[丸くまとめた白い生地から手を離し、ついた粉を叩いて落とす]
……とーりあえず、その間は。
違う準備、しとくとしますか、ねぃ。
[言いながら、手に取るのは外しておいた手甲と、太刀。
目指すもの、求めるもの。
そこに届かぬ理由──全てをなくした紅の雨の記憶は霞の向こうに閉じ込めたまま。
暴風はただ、唯一と思える術を求めて動き出す。**]
お……。
はいな、りょーかい、いてらせませ。
[聞こえたそれに、返す声はごく軽い]
まー、御大将は、こっちからもお誘いしましたしなぁ。
丁重に、お出迎えしますわ。
― 赤の宮殿 ―
[聞こえた声に、ごく軽い調子でさらり返す。
浮かぶ笑みは楽しげなもの]
……さて、ほいではオレはどうしますか、ねぃ。
[小さく呟きつつ、瀟洒な作りの庭園に抜ける。
誘いかけた気配は、まだ、遠くにある様子。
呼ぶか赴くか、しばし、思案を巡らせて]
……行き違うたら、笑い話、か。
[そも、居場所まで伝えなかったのは棚上げしつつ、ぽつりと呟く。
本陣に拘る気質ではないが、やりかけている事を考えると離れるのもどうか、と思えて。
しばし考え、それから、おもむろに太刀を引き抜き――横一閃、大気を薙いだ。
断たれる風の音、刃の唸り。
荒れる暴風の気が、彼方へ散る]
……ま。
これで届けば、御の字、てぇとこかね。
[くるり返した刃を鞘に収め、小さく呟く。
ふ、と見上げた先に広がるのは、穏やかな蒼の空。
その色に、はしばみ色は僅かに細められ。
何か辿るよに、右手が胸元触れたのは、刹那の事。**]
……ホントに、なぁ。
ここで単騎でいらさる辺り。
さすがとしか、言えんよなあ。
[ぽつ、と零れる声が帯びるのは、微かな熱]
……ちょいと、お付き合いいただければ。
幸いてぇとこですか。
[言いながら、緩く纏うは刃の風。
はしばみ色が微か、熱を帯びた。*]
― 赤の宮殿 ―
[返される言葉は、常と変わらぬ調子。
それを安堵半分、それと真逆の感情半分で受け止めて]
……伝言?
[誰からの、という疑問は、貴族野郎、という表現ですぐに解ける。
あ、やっぱ相性悪かった、などと過ぎったのは一瞬のこと。
ざっくりと伝えられたそれに、は、と一つ息を吐いた]
……やれやれ。
翼のにーさん、大概お人がいいようで。
[零れ落ちたのは、こんな呟き。
口調は感心半分呆れ半分──それ以上に何か、響いた様子は見えず]
あー……白の御仁も、やっぱそちらに行かれてましたん。
[二つ目の伝言にも、僅か目を細めるのみ。
迷いに落ち込んだが故に迷いを持たぬ風は、揺らぎを示さず]
[風が流れを変えたのは、本題に、との言葉と、取られる構えを目の当たりにしてから。
口の端が上がり、右の手が紫紺の柄にかかる。
取る構えは低いもの──駆け出す直前の、それ]
……元より、いかない理由が。
[途切れる言葉。
風が吹きぬけ──暴風は、柔らかな草を蹴って、飛び出す]
……今のオレにゃあありませんから、なぁっ!
[低い姿勢で地を蹴った風が飛び込むのは、己が間合いの一歩手前まで。
抜刀の後、逆手構えから強引に、足元を狙った横一閃の切り払いを放つ。
力のかけ具合が微妙に変わる分、威力や勢いは落ちるが奇は衒えるそれは、牽制狙いの一の太刀。//]
― 赤の宮殿 ―
……っ!
[逆手構えの一閃は、振り切るより先、重厚な刃に押し止められる。
伝わる衝撃に顔を顰めるのは、一瞬]
……は。
んな理屈は、今はどーでもいいんですよぃ。
戦ってぶつかって。
それ例外に、手段はないんですから、な。
[求めているのは、埋まるはずもない距離を越えること。
それでも、今の風は頑なにそれを望む]
[いずれにせよ、逆手構えのままでは不利、と。
一度後ろへ跳び退さり、構えを変える]
他に方法なくて、それが必要言われてるんなら、その通りに動くんが、一番手っ取り早いですからな。
……だから、その通りにやらせてもらいま。
[低く構えたまま、そう言い放ち。
同時、踏み切る。
真っ向勝負のみで勝ちきれないのは実体験ずみ。
だからと言って、軽い搦め手だけでも押し切れる相手ではない。
それと知っているからこそ、『最上級』と見なしている。
ここを撃ち抜くのが、望みへ一番近づける、とは本能的な認識で]
……っせい!
[一度あけた距離を詰めつつ、太刀は後ろ向きにくるり返して大上段へと構えを変える。
止めてくる、という予想はある。
そこまで織り込んだ上で、あえて隙の多い斬り下しの一撃を打ち込んだ]
― 赤の宮殿 ―
[構え直しながら向けられる言葉に、風は何も言わない。
ただ、はしばみ色に、微か、揺らぐいろが掠めるだけ]
さぁて、誰かなんて、考えた事もありゃしません。
……そんな必要も、ないでしょし。
[実際、自分はそう思っているから、返す言葉に躊躇いなく。
振るう刃もまた同じ。
斬り下しの閃は予測していた通り、受け止められた。
伝わる衝撃は傷の癒えきらぬ腕に伝わり、太刀の刃が軽く、跳ねる。
その動きに逆らう事無く太刀を跳ね上げ、紫紺の柄から左手を外し。
先とは逆、上から下へと太刀を回して、取るのは右下向きの下段の構え──荒れ狂う太刀の形]
……オレは、ただ。
あん時に届かんかった高見が見れりゃ、それでいいっ……!
[無自覚、抑えていたものを言葉に変えながら、放つ一閃は斬り上げの太刀。
事前動作の大きさ、腕の負傷。
それらが隙というリスクとなる事は、今は意識から抜け落ちていた。
ただ、一撃。
全力込めて振るいたい、と。
亡き師を越えるという、封じ込めた願いとは異なる渇望が、身を突き動かしていた]
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