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[だが、いつも通りの呼びかけに表情は嬉しげに緩んだ。]
私はあなたの翼です。
どこへなりとも、お供いたしましょう。
[当然のように言ってから、視線に釣られて窓の外を見る。
喚んだままの艦隊が変化しつつあることに愕然とした。
そういえば崩れ落ちる偽物の身体から、妙な煙が流れていったのを覚えている。*]
トール。
[触れ合う感覚が戻ってきた、と喜んで声を掛けてから、聞こえる賑やかさに、あ、となる。]
この世界は妙なところで、他の方とも声が繋がるようです。
詳しくは省きますが、世界を救う仲間、かと。
[説明するうちにも新たな声が入ってきた。
どうやら皆もうまくやったらしい。]
[ゲルトの方も無事にダーフィトの目を討ったようだ。
主と共に改めての自己紹介をする。
特にダーフィトには謝罪をひとこと添えた。]
先ほどは失礼しました。
まさか義手とは思わず、あなた自身が紛い物かと。
………もう一発、銃弾がご入用ですか?
[冗談>>23には、冷たい目で応えておいた。*]
声だけ先に知っているというのも、不思議なものでした。
ええ。改めてよろしくお願いします。
[ゲルトへは丁寧に言葉を返す。>>39
他の皆へも顔を見て挨拶をしておきたい、と思う一方、先ほど再び聞こえてきた声の主>>1:250 には、一言くらい文句を言わねば気が済まないとも思うのだった。**
[主の解放を祝するゲルトの言葉には、深い共感があった。>>47
己のことのように喜んでくれたことに、彼の人柄を感じる。]
あなたがいなければ、私一人で立ち回れたかどうか。
別人とはいえダーフィトも解放できましたし、これもあなたのおかげです。
あとはあなたも、大切な人のもとに早く戻れますように。
こんな世界はさっさと救ってしまいましょう。
[祈る言葉には真心を込めて。
最後に浮かべた笑みは、やや危険な香りを纏っていた。**]
おかげさまで。
[余裕が出てきたというゲルトの言葉には、仄かに笑んで頷いておく。>>83
自覚はしているのだ。
運ぶものを失えば、翼など無意味なもの。
もう飛べはしないだろう。
相変わらず飄々としているダーフィトにも、視線ひとつくれる。]
あなたも必要なら手当をしておいてください。
医療キットはそちらにあります。
[自分が撃った弾の傷だが、手当てをしてやるつもりはなかった。
得意なものがすればいいのである。
なお、自分で手当てした腕の傷は、包帯の巻きがだいぶ甘い。]
私たちはまずは、目の前の脅威に対応しましょう。
[思念の声は、別の脅威を伝えて来るが、今は目の前の艦隊が不穏だ。
艦橋の窓から、異様な形に変化している艦隊を眺めながら、皇帝の右に立つ。]
いずれにせよ、この艦で戦い続けるのは危険です。
この艦には盛大な花火として役目を全うしてもらうとしても、
新たな移動手段を確保いたしませんか?
[ぶつけて巻き込む>>80を肯定しつつ、先に脱出の準備を、と勧める。]
[船が欲しい、と言ったダーフィトに応えて、三隻の船が浮上してくる。
暫く無言で眺めて、それから納得したように頷いた。]
彼も、私たちとは常識の違う世界の人でしたか。
[あれは多分、海上を進む船ではない。]
あれを借りるのもいいですね。
それとも、私たちの想像力の限界を試してみるのも一興です。
ここには天使もいれば、魔法使いもいるようですから。
[今ならザイヴァルを呼べば、イワシクジラが出てくるのかもしれない。
かつての乗艦のことを思いつつ、ずいぶんとメルヘンな想像をしていた。]
先ほどから会話が物騒ですが
[会話の途切れた合間を見計らって、声を掛ける。]
残っているその物騒な相手というのは、それほど厄介なのですか?
それとも、他の問題でも?
[平和に待つのも無理そうだ、というのは一体どういうことなのだろう。]
[問いかけてから、こちらの状況を付け加える。]
私たちはまだ空の上におりますが、
私が呼んだ艦隊が、変異しつつあります。
艦を乗っ取って、攻撃を仕掛けてくるつもりでしょう。
敵の行動のパターンが変わったようですね。
直接攻勢を掛けてきた、と言うべきでしょうか。
[厄介だ、というより先に、挑戦的な意志が乗る。
ここから、敵の中枢を引きずり出してやろう、というような。]
おや。
[艦に新たな人物がやってきたのを見て、そちらを向く。
シメオンの背にある翼をちらりと眺めて、やはり天使だなあとしみじみ実感した。
連れられてきた方には翼は無いから人間なのだろう。たぶん。]
ルートヴィヒ・アルトハーフェン扶翼官です。
こちらは、アレクトール・スライ・モルトガットIV世陛下。
[敬礼と共に名乗りを受けたので>>101、こちらも敬礼と正式な名乗りを返す。
形が違うのは、海軍式であるからとか、そもそも世界が違うから、とかだろう。]
ああ。このダーフィトは、あなたのお知り合いでしたか。
[声を掛けたときの親しさは、おそらくそうだろう。
だとすればシメオンとも知り合いなのではないかと思うが、たぶんなにか事情もあるに違いない。
と、納得しておいた。]
最悪を考えて動くべきでしょうね。
[ゲルトの推論>>~20に同意を示す。
同時に、ロー・シェンらが襲われたこと>>~24を聞いて思考を巡らせた。]
計画の半分、ならば今の状況は第二段階というところでしょうか。
今まで私たち以外の存在がいなかったところへ別のものが現れたということは、それらは侵略者が喚び出したものなのでしょう。
艦隊を乗っ取ったことも含めて考えると、なにかの手段で直接操っているのかもしれません。
目のようなものがあれば、そこからまた辿れるかもしれませんが。
……そういえば、目を破壊した時も、なにか煙のようなものが出ていましたね。
あのあたりから、敵の本体に迫れればいいのですが。
[枝葉を叩きながら、敵の中枢を探していきたい。]
焦っている、というのであれば、相手も尻尾を出しやすそうですね。
[シェットラントの感想に、なるほどと頷く。>>~28
操られていた者の実感は貴重だ。
それに彼は自分たちよりも、この手の事象に詳しいと思えた。]
このまま押していって、相手がさらにボロを出すよう仕向けるとしましょうか。
[なんといってもまずは目の前の脅威の排除である。]
そうですね。
あの艦ならば、私たちにも動かせそうです。
[皇帝が選んだ船を見てなるほどと思う。>>115
無骨で頑強な、いくつもの戦いを潜り抜けた風格持つ船だ。]
ではみなさんが退船したら、この艦は敵艦隊に突撃させましょう。
[どうやら全員が次の居場所を確保したとみて、トールと共に格納庫へ向かう。
そこで待っていた空飛ぶ
ああ、それは素晴らしいです。
カードは私たちの側に揃っているようですね。
[瘴気を辿れるというコンラート>>~29に、感嘆の声を上げた。]
空を飛ぶ機動力もあるのでしたら心強い。
よろしくお願いします。
[相変わらず姿を見ていないベリアンとやらの召喚は的確だったのではないか、と思えてきた。いや、操られていた方をどちらが召喚したかは知らないけれど。]
/*
上空の戦いを書いていてもいいですが、こちらは急がないので明日の昼間でもいいでしょう。
ほぼ独り相撲ですからね。
陛下もダーフィトも、私が好きに動かして良いんでしょう?
[ナカノヒトをちらと見た。]
― 宇宙の渚 ―
[《カルカリアス》の内部は、外見に違わぬ質実剛健なつくりをしていた。
硬く守られた艦橋へと、皇帝と共に移動する。]
良い方々でしたね。
[途中、話題にしたのは、先ほど邂逅した仲間たちのこと。]
あなたの身分を聞いて委縮する者は一人もいませんでした。
もっとも天使には地上の身分など関係ないのでしょうけれど、
声で繋がる皆も、卑屈になる人間などいなさそうですね。
[声のみの印象であれ、彼らのあり方は伝わってくる。]
小鴉で収まりそうな方も、一人もいませんね。
[皇帝の近侍集団―――言ってしまえば、皇帝の遊び仲間だ。
まさか誘う気は無いだろうけれども、念のための釘を刺しておく。
元の居場所に帰ったら、彼らとは二度と交流できないかもしれないというのは、少し惜しい心持がしているけれども。]
[艦橋より遠望する敵艦隊は、既に異形と化していた。
自分が動かしていた時よりもよほど自在な動きで迫ってくる。
植物の根が絡まり合ったような砲身から吐き出された弾は、空中で金属の獣と化して襲い掛かってきた。]
艦載機は艦の護衛に専念。
本艦は右回頭40度の後、直進。
敵巡洋艦に対して左舷応射してください。
[皇帝に代わり指揮を執れば、周囲から応の声が上がった。
きびきびと働く老人たちが一瞬見えた気がして、目を瞬く。
あるいは、この艦の記憶なのかもしれない。]
ダーフィト、
残りの巡洋艦2隻はそちらにお任せできますか?
彼らを誘って、中央の航路を開けさせてください。
[《シュトルツフェア》へ乗り込んでいったダーフィトへは声を通じて依頼する。
あちらの艦の方が機動力がありそうだ。]
[名の通り優雅に空をゆく《シャドウ・パレス》も含め、三隻がそれぞれに敵艦とダンスを踊る間、先ほどまで乗っていた船は、傾きながらじわじわと高度を落としていた。
傷つき沈みゆく船を棄てた、と思わせるための動きは、悠然と近づいてくる敵戦艦の腹を狙う動きでもある。
敵巡洋艦が前面から外れ、戦艦に至る道が拓かれたとみて、扶翼は皇帝を振り仰いだ。]
陛下。
[勝利への道筋を整えるまでが己の仕事だ。
あとは道を駆ける太陽を追うのみ。*]
新しい国だけでなく、新しい世界まで見せてくださるのですか。
あなたといると、どこに行っても退屈しませんね。
[新しい景色を見るため。>>217
そう言った半身と同じ方向を見る。
分かち合うことで鮮やかになる景色があることも知っていた。]
― 《カルカリアス》号 ―
[皇帝の号令一下、艦のエンジンが咆えた。>>229
無機を変え、速力を上げ、二隻の巡洋艦の間に舳先をねじ込むように《カルカリアス》は突進する。
『やれー!』だの『あんな木っ端ども、粉砕してくれるわー!』だの、威勢のいい声が、艦内から聞こえたような気がした。
敵巡洋艦から放たれた水雷艇が、両脇に生やした翼で跳ねるように紺青の大気を切りながら肉薄してくる。
その素早い動きに副砲が敏感に反応し、掃射を浴びせて水雷の誘爆を誘う。3(6x1)]
艦橋を掠めるような角度で飛来する敵水上機は、敵機の死角からふわりと浮かび上がる四枚翅の小型機が機銃弾で撫でた。6(6x1)
空中で分解していく敵機の中から、煙のようなものが漂い落ちていく。]
[敵巡洋艦を至近に捉え、《カルカリアス》の主砲が火を噴いた。
一射目で相手のマストが折れ、二射目で甲板の下から爆発が起こる。
三射浴びせればついには中央から二つに折れて、ゆっくりと沈むように高度を下げていった。1(6x1)
無論、相手の砲火もまともに浴びていたが、それでへこたれるような艦ではない。
厚い装甲と優れたダメージコントロール能力が、艦の中枢を守っている。]
[戦局を見守り、逐一指示を出す扶翼官の元に、通信兵らしきが近づいてきて、何かを差し出した。]
あの航空機が落としたもの、ですか?
[敵機が落ちた後、甲板で発見されたものだという。]
分かりました。
預かっておきます。
[何か意味のあるものだろうか。
頭の中に保留事項として留め、懐に仕舞った。]
[並び立つ三艦が動くと同時に、無人となった宇宙船もまた動きだす。
息吹き返したかのように速度を上げ、滑らかな動きで上昇した。
皇帝の意志のまま、戦局を決定づけるべく虚空を突進する。
目標は、堅牢な陣を敷く敵戦艦三隻。
意図に気づき回避しようとする動きを凌駕して宇宙船は敵の艦列に肉薄し、大気を揺るがせて衝突した。*]
― 《カルカリアス》号 ―
[爆炎を割って悠然と出てくるシュヴァルツアインの姿に、やはり、と思うと同時に驚嘆をも覚える。
異形に侵されていても、あの戦艦は力強く、美しい。
確かに、あれを自分たちの手で沈める日が来るとは思いもしなかった。]
シュヴァルツアインは攻防ともに並外れていますが、
本来水上を走る船である、という点では、
この場においては限界がありますね。
[端的な進言だが、間違いなく伝わると知っている。
すなわち上下に隙があり、船底に脆い部分があるということ。
最初に皇帝が見出した戦法を踏襲するのがいい。]
カルカリアス号で、シュヴァルツアインの上を取りに行きます。
その後ろに味方艦を隠し、シュヴァルツアインが上を向くのを見計らって、船底を取りにいきます。
最初の損害が通れば、上からの砲撃でも効果はあるでしょう。
[策の概要を述べたのち、艦の後方を指す。
そこに、細身のシルエットを持つ巡洋艦が現れていた。]
一度、あなたを撃ってみたかったのです。
[諸々省略した言葉を告げて微笑んだ。
巡洋艦《ザイヴァル》は、先ほどのメルヘンな想像を受けたのか、どこか生き物のような動きでカルカリアスを追走している。*]
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