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[歩き出そうとして蹌踉めいた天使を、紳士的にエスコートしながら、不意に、ジークムントは肉体を得たのだという実感が腑に落ちた。
これまでも触れることはできたが、どこか人形めいたその肌に、フィジカルな想いを重ねることはなかった。
けれど、この天使であり、かつ、受肉せしものは、様々な可能性を広げるだろう。]
おまえを丸ごと愛そう。
[真名の意味を明かして飛び込んでくる天使を、姫抱きに腕の中におさめて部屋を出る。
狭い部屋ではなかったが、平面でおさまらない愛を語るには充分ではない。
陽光の下で、歌おう。]
[受け止める強い腕に体をゆだね、首に腕を回して頬を寄せる。
自分の翼でもなく足でもなく運ばれるのは楽しい。]
どこへ?
[楽しい気分のまま頬を唇で啄みながら聞いた。
タイガと一緒に行くところならどこでも嬉しいし、触れているのはもっと嬉しい。
嬉しさのまま首筋を甘噛みした。唇だけで軽く。]
[ご機嫌なジークムントが唇で触れながら、直接に言葉を紡ぐ。
こそばゆくて、愛おしい。]
学園付属の森に泉があるんだ。
先日の課題のときは、印がついていたから避けたけれど、今ならいつもどおりの静かできれいな場所に戻っているはずだ。
最初の召喚をする前に、おれはそこで沐浴して身を浄めた。
今日は、水浴びするおまえを見てみたい。
[悪戯な唇が首筋 ── 二つ並んだ傷のあたりをついばんだので、故意に膝の力を緩めて、落とすぞ!と非言語コミュニケーションで応じてみせる。]
[タイガの後ろについていって、一緒に店を覗きこむ。
アクセサリーの店を見ていたと思ったら、名前を彫る話になった。]
なに?
[急に相談すると言ってこちらを向くタイガに、小首を傾げる。]
[告げられたのは、新しい家を興す話だった。
同じ家名を名乗って欲しいというのは、彼に属するものとして妥当だと思ったから、素直に頷きかける。
だが、続く言葉に固まった。]
…………伴侶?
[言葉の意味を幾度か反芻するような間を置いて、さああと翼が東雲色に染まった。]
そ、れは …、
… 私で、いいのか?
私ではおまえに子をもたらせないぞ?
将来おまえが、家を継がせる子を欲した時に困るだろう。
私は、召喚師としてのおまえと専属契約を結ぶだけでも十分だし、
ああ、あなたのものなのだから家名は当然名乗るけれど
伴侶などという呼称は将来の相手に取っておけばいいのでは?
[はらはらと桜の花弁のような光を周囲に散らしながら、顔を横に向けつつタイガを盗み見る。]
タイガが初めて私を喚ぶ前に入った場所。
[きらきらと瞳に理解と興味の色が踊る。]
見たい。
水浴びをしよう。
一緒に、一緒にしよう。
[はしゃいだ天使が足と翼をバタバタさせるのと、非言語コミュニケーションとのタイミングが重なって本当に落ちそうになって、慌てて首筋にぎゅっとしがみ付いた。]
…そうか。やはりディークは駄目なのか。
残念だったな。
ばーべきゅうとやらで、気を取り直すといい。
[やはり天使は半分くらいしか聞いていない。]**
[全身全霊をきらきらとさせながら、一緒にと告げるジークムントに頷く。]
むろんだとも。
この手でおまえを濡らし、洗い流してやろう。
[落ちそうになり、慌てた様子でしがみついてくる肢体をしっかりと抱擁し、ついでに接吻けをひとつ落とす。]
脱がせておくれ、ジークムント。
[赤眼の魔が混ざりたいならそうするがよかろうと許すほどに、ジークムントの与えた愛は豊かだった。]
[子供がどうの、という発想が出てきたのは、きっとネイバー同士の孕む孕まないの会話が原因だ。
だが、そんなことをタイガに説明する必要はないだろう。
大切なのは、そう。]
───わたしは、あなたに全ての愛を注ぐと決めた。
その心に偽りや揺らぎは、微塵もない。
[息を吐いて、タイガに向き直る。]
あなたの求めに応えることが私の歓び。
そしてこの求めは、私にとって、なによりも得がたいもの。
[右手を差し出す。
誓いの口づけを求めるように。]
私を、あなたの永遠の伴侶としてほしい。
どうか、共に───
[胸が詰まり、それだけ言うのが精いっぱいの唇に代わって、翼は大きく広がり涼やかな音を立て、先ほどにも増して光の花弁を盛んに降らせた。]
[接吻けひとつで甘く蕩けた天使は、求めに応じてタイガの衣服に手指を伸ばす。
天使にとっては慣れぬ衣服だったが、それを剥ぎ取る手つきはどんな敵娼にもまねできぬほどに艶めかしい。
指先で首筋を撫でつつ襟元を引き開け、唇で器用に釦を外して胸板を舐める。それは天使が知るはずの無い技。
けれども見つめる瞳は無垢なまま。
腰を擦り付けながら下半身を露わにしていく術などは、故意にか無意識にか過去の記憶を引き出しているに違いなかった。]
私も、脱がされたい。
[そう言って、水浴びの前だというのにわざわざ衣服を纏う。]
[泉に入った天使は、大いにはしゃいだ。]
冷たい! タイガ、冷たい!
[泉の中に踏み入っては、上げたいだけの声を上げる。
タイガが近づいてくれば両手ですくって水を掛け、しまいには翼を羽ばたかせて盛大な水しぶきを立てた。
タイガのために世界に降りてから、これが初めて触れる水。
今は、なにもかもが新鮮に映る。]
− 泉 −
[予想通り、泉は空を映して澄んだ水をたたえていた。
その縁にジークムントをおろし、いそいそと服を脱がせにかかる天使を微笑ましく見守っていたが、ただ着衣を剥いでゆくだけでないジークムントの艶かしい所作に、だんだんと息が浅くなって、身体が火照る。
スライム風呂のときとは、まったく違っていた。
当然、股間も反応してしまっているが、それに触れさせまいとするように、ジークムントの背中に回って、光から紡がれた薄物を、肌に沿わせるよう、時間をかけて滑らせてゆく。
あとは、背を見せるよう率先して泉に入った。]
[腰の深さまで水に入ってしまえば、少しはましである。
ジークムントも天衣無縫な声をあげて水遊びに興じた。
いちいち名前を呼んで報告するのがかわいらしい。
タイガもしばし童心に帰って、腕で水を薙ぎ、水に潜ってはジークムントの足をくすぐったりした。]
こうすれば浮かぶぞ。
[力を抜き、両手を広げて重心を後ろに傾けてみせる。]
[タイガの唇が触れた指に、火が付いたように感じた。]
かくあれかし───
[誓いの言葉に常の習慣で応えて、この場合には相応しくなかったかと少し悩む。
けれども、いずれ些末なことだろうと思う。
ふたりに相応しいものは、ふたりで見つけていけばいい。
これから、多くの時間を共に過ごすのだから。]
[タイガの腕に収まって、品定めを見守る。
良いも悪いも、装飾品の知識は無かったからタイガに全て委ねた。
名を彫られた指輪をタイガの手で嵌められると、細い指に吸い付くように嵌った。
売られている場所に似合わず繊細な細工のそれは、白い肌の上で落ち着いた輝きを放つ。
タイガの指にはめた指輪とは対になるデザインで、五指を絡めて手を繋げば隠れていた模様が現れるのだった。]
…大切にする。
[自分の髪と翼以外に、初めて身に着ける装飾品だ。
手のひらで包み込めば、ほんのり温かい気持ちになった。]
[その後、アクセサリー屋に教えられた店に行けば、色とりどりの奇妙な形をしたものが並んでいた。
いったいこれは何だろうと見入る天使の隣で、タイガは何故か立ち尽くしている。
不愛想な店員は声を掛けてもこなかったが、不意に店の奥で見えない誰かと話したかと思うと、いくつか見繕って袋に入れ、押し付けるように渡してきた。
「あっちの店から、釣り分だと」
などと言われたので、元のアクセサリー屋を見れば、店主が手を振っている。]
それなら、遠慮なく。
[包みを受け取って、ちらとタイガを見る。]
[水を掛けたり足をくすぐられたりと、ひとしきり遊んだ後、タイガが身体を広げて水に浮かんでみせる。
同じようにすれば、水は柔らかく体を受け止めてくれた。]
空が見える。
飛んでいるようだ。
[真っ青な空と、透明な水。二つの間で力を抜いて漂えば、次第に上下の感覚もなくなって、自分が空の真ん中に浮かんでいるような気持ちになってくる。]
翼が無くても、人は飛べるのだな。
[手を伸ばしてタイガの居場所を探り当て、手をつなぐ。]
どこまでも、自分が透明になっていきそうだ。
ちゃんと繋いでおいてくれないと困る。
[五指を絡めてぎゅっと握れば、そこが支点になる。
ここから世界に色がついていくのだなと、青く透明な世界の中でぼんやり考えた。]
みな結婚するのか。
いや、ディークはしないのか。
[聞こえてくる話を適当に拾ってまとめ、暫し考える。]
私のところは別に結婚しないと思う。
彼は私にとって、なくてはならない相手だけれど、
そういう形を取るような関係ではないだろう。
[タイガにも袋を返すようにとは言われなかったので、しっかり抱えておく。新たな場所を紹介されそうだったが、そろそろ本来の居場所が恋しくなっていた。
あの高い場所から降りてくる最中のタイガの様子を思い出せばなおさらのこと。>>335
早く帰ろう、と繋いだ手を引くまでもなく、タイガは店主の申し出を断っていた。
飛べるか、と問われて笑顔で頷く。]
もちろん。
あなたが望むなら、どこまででも。
[袋をタイガに手渡して、そのタイガを横抱きに抱え上げる。
背の翼を羽ばたかせればふわりと体が浮かび、見えない上昇気流でもあるかのように銀の髪が扇形に靡いた。]
行こう。
つかまっていて。
[声を掛けて、その場から高く高く飛びあがる。
驚く人々の顔はあっという間に遠くなり、色とりどりの光が滝のように下へ飛び去って行った。
摩天楼の間を縫うように螺旋を描いて昇れば、ふと天界を思い出す。
いつもそうしていたように心赴くままに歌えば、歌声は建物の滑らかな壁に幾重にも反射して、複雑な響きを作り上げた。
もっとも高い建物の上まで昇れば、帰るべき場所を見定めて、今度は翼を畳んで身を投げる。
目的の場所に墜落する直前に、翼を開いて柔らかく着地した。]
− 泉 −
[水の面に漂うジークムントが手を伸ばしてくる。
呟かれた寂しさを消し去ろうと、胸に引き寄せた。
ふたりの間に育まれる体温が水の冷たさを思い出させる。
きっと、それに似ているのだろう。]
我らの運命は繋がっている。
いつもそれを感じられればいいな。
さっき、抱き合っている時、おまえの存在をおれの中に感じた。
あんな風におれをおまえの中に残しておけたらと思う。
おれの願いを ── 叶えてくれるか。
子供か…。そうだろうな。
彼が子供のために誰かと結ばれるとなると寂しくはあるが、
私と彼はもう結ばれているからな。
結婚という形でなくても
…。
[なにかちょっと考えた。ちょっとだけ。
届かないものほど、憧れたりするね。]
あなたを、私の中に?
[いつでも繋がっていると感じられるように。
そうなればいい。
タイガの胸の上に頭を乗せて鼓動を聞く。]
ああ……もちろん。
私も、あなたが欲しい。
私の身体はやがてあなたで全て作り変えられるだろうけれど、
それでもやはり、あなたの特別が欲しい。
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