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操縦士 トールは、 を投票先に選びました。
そうか。親代わり、みたいなものか。
それじゃあ心配だろう。
[アデルの顔色を見つつ、いくらか言葉を選ぶ。]
一緒に行くか?
それとも一人で会いにいくか?
…。
よし。じゃ一緒に行ってみるか。
[もろもろと唇の中に閉じ込めて、気安い風に応じる。
歩き出すアデルの後ろから移動を開始し、途中でココに向かってひらりと手を振った。]
― 博士の部屋前→部屋の中 ―
[フロア図面で確認しただけの自分と違い、アデルの足取りは確かだ。
その後を追っていった先に、扉がひとつ現れた。
アデルの指が解除キーを打ち込み、扉が開く。
肌寒いような空気が足元を流れていく中、アデルの肩越しに中を覗きこんだ。]
あれか。
[ほろりと言葉が漏れた。
部屋の中にシェルターがある。ココが言っていた、生命維持装置だろう。アデルを促すでもなく、するりと部屋の中に入ってシェルターに近寄った。]
[少し離れた位置からシェルターの中の様子を確認する。
老人がひとり、ベッドの中で眠っているように見えた。
生命維持装置の計器類にちらりと視線を走らせたあと、アデルの様子にそれとなく目を配る。]
[悲痛な声を上げるアデルに視線を添えながら、脳裏にはまた別の思案を巡らせる。
今後どうするのか、どうなるのか。
結論は急ぐべきではないだろう。
今はただ、自分の上着を脱いでアデルの肩へ掛けようと歩を寄せた。**]
― 博士の部屋 ―
[上着を掛けてやった手で一度肩を抱き、そのまま離れて周囲を見回す。
冷たい部屋だなと思った。
気温だけのせいではない。時間が凍っている。]
───治療の必要はないそうだ。
[博士の容体について聞かれて、端的に答える。
それが意味することへの推測には触れず。]
[アデルが全館に向けて呼びかけるのを聞きながら、少し後ろに下がってデスクの上に手をついた。
ふと視線をやれば、写真立ての中でホログラムの少女が笑っている。
その隣、"ジークムント"に似ているような似ていないような絵があるように見えたが、影になっていて良く見えなかった。**]
やっぱりアデルか、この子。
可愛いな。
[ホログラムと、それを眺めるアデルを見比べる。]
喧嘩しててもやっぱり心配だったんだろうな。
直接顔を合わせりゃ、憎まれ口かもしれないけど。
[シェルターの中に入っている博士から言葉を聞くことはできないけれど、妙な確信を持ってそう口にする。]
その絵、知ってる?
[アデルが取り上げた絵に視線を移し、聞いてみる。]
デザイン画なのかデッサンか、
…やっぱりモデルいたのかなあ。
["ジークムント"によく似ているけれどもどこか違うそれを、しげしげと眺めた。]
ほらな。
喧嘩するほど仲がいい、っていうしな。
そりゃ心配くらいするさ。
[そして、帰りを待っていたんだろう。
……なんてことは言わずに]
ああ。ジークムントの愛称だな。
アデルが知らないとなると、どっか適当なモデルでも募集したのか…
…って考えてもあんまり意味はないか。
[絵を眺めつつ、まあいいかと呟いた**]
[アデルの言葉を、黙って聞いていた。
生命維持装置によって命繋いでいる姿。
治療の必要はないという事実。
導き出される答えは一つだけれども、その先の選択はいくつか存在する。
その選択権は、少なくとも自分にはない。]
アデルがそう言うのなら、
きっとそれが正解なんだろうさ。
[生命維持装置の停止ボタンに手を伸ばす彼女に、促すような言葉すら掛け、]
───! ああ、来たか…
[部屋へ押し入る勢いで入ってきたヴァルを見て、密やかに溜息をついた。
ロボットは人間に危害を加えてはならない。
また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
ロボット三原則の第一条に従うならば、博士の生命維持装置を切ることは"ジークムント"たちが許さないだろう。
だから、アデルの望みを叶えるならば"彼ら"の介入前にする必要があったし、自分はといえばもろもろの権利関係を早めに『すっきり』させておきたかったのだが]
こうなれば、双方の見解の一致をみるまでやるしかないだろうなぁ。
[呟いて肩を竦めた。]
[入ってきたヴァルはそのまま動かなくなってしまったようだ。
まさか自分が着せた服のせいじゃないだろうなと少し戦々恐々としつつ、落ち着いた土色のシャツとスカートは白い肌に馴染んでシックな感じを醸し出しているんとかぼんやり思う。
こいつらやっぱり女装もけっこういける。
改めてそんな確信。
アデルがヴァルに近寄ってなにか操作しているのを眺めていたら、他の"ジークムント"たちが集まってきた。
先ほどのアデルの呼びかけに応じたものだろう。]
さてさて、おおごとになってきたぞ。
用向きは無いが見届けか承認は要るな。
博士の今後について、現状を維持するか打破するかだ。
[現状説明の言葉を口にした後、少し思案の顔をする。]
こうなったら生死の判定をきっちり専門家に出してもらった方が良いのかもなー。
[幸いここには専門家がいることだし?]
[再起動中のアンドロイドが零した囁きは遠く、音として耳には伝わらない。
ただ空気が、ほのかに揺らぐ温度が、秘め事のかそけき気配が、冷えた部屋の重苦しい澱みを揺さぶるのを感じるのみ。
五年の間凍り付いていた時間が、ひとつの歯車を得て動き出す。その最初の軋みを聞いた気がして、
部屋の壁に寄って、成り行きを見守ることにした**]
[アデルと"ジークムント"らの遣り取りを黙って眺めていたが、アデルの視線が飛んでくれば唇の両端を上げた。]
別に急いで結論を出すことでもないし、いいんじゃないか?
俺は別に現状維持でも構わないし、
博士も5年待ったんなら、もう少しくらい待てるだろ。
けど、船の修理が完了したら早めに出発したいから、そこは気に留めておいてくれよ。
[穏やかな声音で落ち着いた答えを返す。
ややこしいことになったなぁ、なんて本心は綺麗に隠して。]
… けどさ、アデル。
[少しばかり間を置いて零した声は、少しばかり低い。]
AIは所詮AIだ。
どれだけ複雑な思考をしているように見えても、結局プログラムだ。
意思やら望みやらは持つわけないだろう?
どうしたいか決めるのは、人間だ。
[もっとも、と続く言葉は幾分冗談めかして]
プログラムと回路の複雑化の果てに、
アンドロイドは魂を持つ……なんてオカルトもあるけどな。
なんならさ、私が君のマスターだ、ってやってみたらいいよ。
君は私のものだ、とか宣言してみたらどうかな。
[いい考えに値するかどうか。
冗談と本気と半々くらいで言いながら歩き出す。
途中、ヴァルことXB-109が停止するのを見れば、集まっていた他2体の"ジークムント"に向かって指を振った。]
ほら、アデルを手伝ってやりな。
XBなんとか君には修理が必要だろうから。
[そうして、外へ出ようと扉へ向かった。]
/*
どうしても気になって気になって仕方ないからお酒の力を借りて言うんだけどさ。
アデルはわりと「相手に何か働きかけたうえで、相手の行動はどうあれ何かをする」っていう行動が多いなぁと思うんだ。
多分それは相手の行動を制限しないようにしようという配慮だったり、反応を待って行動を停滞させないようにしようっていう配慮だったりするのだと思うのだけどね。
ただ、それをされると自分は「ああこちらの反応は相手の行動に何ら影響を与えないんだな」と思って、多少やる気を失くすわけであります。
どちらでもいいがどうでもいいに繋がる感というか。
あまり先回りするのはどうかなぁ、なんて思ってるのはオレだけだったらなんか聞き流しておくれよー。
― L区画(居住区)・廊下 ―
[博士の部屋から抜け出して、廊下を歩んでいく。
あの場でなにがどう決定されるのか、その意思決定に自分が関わるタイミングはもう過ぎたと思っていいだろう。
目下の自分の役目は、そろそろ修理完了するだろう船を無事に宇宙へ戻す算段をつけることだ。そんなことを考えながら歩いていると、前方に"ジークムント"を見かけた。
ミニスカナースの姿をしげしげと眺め、やっぱり似合うなあとか、実は男性形じゃなくて両性形に作られてるんじゃないのとか思う。]
君は博士の部屋に行かないのか?
[去り際、もう一機も姿を現していた。
あれは多分、ココという愛称持つ機体だと思う。
続々と"ジークムント"たちが博士の部屋に集まっているのだから、このナースちゃんも行く途中なんだろうか。
なんて考えながら気軽く声を掛けたのだった。]
[声を掛ければ、ナースちゃんが振り向いてぴしりと敬礼する。
ああ可愛いなあとか思うけれども、あれ、となにかが引っかかった。]
大丈夫か?なんか疲れてないか?
少し休むとか、軽く食事でもした方がいいんじゃないか?
[普段からアンドロイド相手でも人間に対する物言いとさほど変わらない応対をしていたから、問いの言葉はするりと自然に口に出た。]
それと、博士の部屋あっちだぞ?
…送っていこうか?
[確信があるわけではないけれども疑念はある。
親切の顔で問いを連ねて、反応を窺った。]
[アンドロイドはたぶんどもらないし噛まないし溜息もつかない、と思う。
どうにも胡散臭い相手だけれども、興味は尽きなかった。
なぜ"ジークムント"たちと同じ顔なのかとか、何故アンドロイドのふりをしているのかとか。
是非案内をと言われて答える前に、他の場所から声が掛けられる。>>191]
ありがとう、助かるよ。
ところでこのSG-610君は普段からこんな格好なのかい?
[愛称を覚えたり付けたりしたのとはまた別の機体───少し腕の動きがぎこちない様子に見覚えがあるが───から荷物リストを受け取る。
ついでに、アンドロイド風の彼についても尋ねてみた。]
そうか。わかった。ありがとなー。
[返答に礼を告げて、もう用事はないと彼を解放する。
名を聞いてみたかったけれど、今はちょっと余裕がなさそうだ。
ナースちゃんへ視線を配りながら、つい口の端が上がる。]
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