情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新
[やがて光の矢が一段落ついた頃、人間たちに無慈悲な攻撃を仕掛けていた――かどうか不明な――女王は戻って来て]
ふふ、擬似でもけっこう戦った気になれるものであるな。
おかげで攻撃の何たるかが掴めたような気がするぞ。
[……と喜んでみせた。
天使たちの攻撃に合わせる指揮をすることで、実際に艦隊を率いて攻撃するイメージを得る――その狙いは上手く行ったようだ。
頭の中に響く命令もこんな"ごっこ遊び"である程度消化できたのも、これで戦った気になれたわけで、女王の幼児性を表していた。
なお偽装とはいえ命を狙うような言動をしたことについての言及は無かった]
[斧を持った少年(>>228)が無謀にも駆け出していく。
その気性は好く映ったが、斧を投げるか、天使に降りてもらいでもしないとさすがに当たりようがない]
少年。
王たる者、覇を成すために足りぬ部分まで自分でやるでない。
付き従う者に任せよ――しかし進む足は止めるな、駆けよ。
[別にこの斧使いの少年がそういう類の血筋であることは知らないので、単にこういう口上で語ったのだろう。
何もかも足りないので何もかも自分でやらない女王は、事を成すために他人を頼ることを勧めた。
その声で引き止めるつもりはなく。
王が無謀な攻撃を始めるまでに臣下が当たるように処置する――そういうものだと思っていたから]
おおっ!
何かよくわからぬが見事じゃ!
[女王の額に触れて何かした男が、何かをつぶやくと、女王の髪と千切れかけた左腕の袖が強くはためいた直後にその当該天使が墜落していった。
その技に感嘆したのは確かではあるが、その1体を仕留めただけでは……と思いきや、明らかに天使たちに混乱が見える。
ハンスが空を舞いかき回すことでその混乱に拍車がかかれば――本当に指揮官だったのではと思えてしまった]
……これは後で詫びねばな。
……。
…………。
………………で、余に何をせぃと?
[女王が珍しく言動について謝意を考えた矢先、ベリアンから差し出されたのがあの花瓶に挿した薔薇。
それが星のようにきらめていて。
聞けば、これで何かができる――ということのようだ。
具体的に何ができる……ではなく、何をするのかを委ねられて]
今はこれであろう――しかと受け取った。
[右手で受け取り、それを――]
[女王は、その魔法の薔薇を統帥杖でも剣でも楽器でもマイクでもマジカルプリンセスは弓とかだでもなく――物として扱わなかった。
右手で受け取った薔薇を左腕の傷口に押し当てれば――急激に茎が伸びて幾重にも腕を包むように周回し、それをもって傷口を塞いでしまった。
破れた軍服なども元のように整え、最後に薔薇の花が黒の軍服の左腕の部分に刺繍として残った。
かりそめの身体の欠損を願いを込められた別のもので治せば、その願いの力を血肉として覇王の器に呑み込むことを選んだのだ――]
フン……誰が見逃すと言うた?
全艦、射撃用意ッ!
[指揮官を失った混乱の末、退却を選んで空の彼方に逃げようとする天使たちの背に、女王の一言。
かつて振りかざしていた右腕ではなく、今度は薔薇の願いを引き受けた左腕を上げれば……その真上に、銀が煌めく何かが現れた。]
[それは天使の群れの輝きから想像した、宇宙戦用の艦艇。
女王はその記憶自体をまだ取り戻していなかったので本来なら不可であったが、願いの効果によってイメージが補強され、召喚なり具現化なりに成功したもの。
あとはあの光の矢のイメージを、砲撃に重ねあわせる。
天使の攻撃に合わせ指揮をやってみた、児戯に等しい一斉射撃ごっこの経験をトリガーとして。
艦の先端の輝きが頂点に達したとき――]
――撃てぃッ!
[薔薇の刺繍が入った左腕を振りぬくと、艦艇から無数の光の矢が、雲間に逃げる天使たちを追いかけていった。
――ただし女王の記憶にあるものはディスプレイで見たあの船だけなので、映像として映ったあのままの大きさが基準となってしまいとても小さいこと、ビームの出力なども再現できていないこと、モデルが戦闘艦ではなかったので発射された火線自体があまり多くなかったことなどもあり、雲の先でどうなったのかは正確には伺いしれないが、多少なりとも追撃にはなったろうか。]
/*
こうして思うと、先に撃破が確定した上でロール振り分けるほうが収まりがいい気がしてきた。
いろいろ書いててごめんなさい。
――あの怒りようでは、さすがに次は余も狙われるであろうな。
[宇宙船で宣戦布告したときはどうやら聞き取られていなかったようで、ここでは標的にされなかった。
しかしこうして明確に敵対行為をしたのだからさすがに次は見逃してくれないだろう。
頭のなかではたたかえという命令ではなく怒気が響いているのでさすがに認識したであろうし。
……だったら趨勢が決したあとの追撃などしなければよかったのにというのは、理屈では正しいが女王の気性では是とはならない]
……っ!
ま、待て…!
その顔で余を見るな……っ、く、ぷく…っ!
[おかしいの正反対の極北。
眼鏡が似合いすぎていたせいである意味面白すぎた。
面白い顔を見るのは大好きだが、しばらく腹部が制御不能に陥って――]
……ふぅ、なんとか慣れた。
あぁショックは受けんでよい、余は褒めておるのだ。
で、あやつらが余を狙われなかった理由か。
それはもちろん余の威光を畏れてのものであろう?
……というのは半ば冗談であるが。
[あくまで半分である]
特に変なものを持っているつもりはないが……そもそもこの身体が仮初めのものだから、与えられたときに既に何か混ざっていても不思議ではないな。
調べれば何か出て来るかもしれぬな。
仔細は良きにはからえ。
そういう女に宛てが無くは無いが……。
ちと待て。
[こめかみに指を当て、しばし沈黙]
連絡が取れるかもわからぬが、声はかけた。
じゃが無理な場合は……余のは仮初めのものじゃ、そう気にするな。
[労ってはいるが覚悟を決めろとも言っている]
まだ聞こえるか?
魔女としての力を借りたい。
黄砂の村に、分からなければ7(10x1)に来てもらいたい。
あやつめが――
[遠くなって行っていた魔女に声は届いたか。]
[おそらく、最後になるかもしれない声との交信。
命令(依頼)を投げかければこちらに向かうとのことらしい。
やがて2人の人物が到着して、声しか知らない相手ではあるが、飛んで駆けつけていったハンスが魔法使いさんと呼んだのでおそらくそうなのだろう。
ただ、相当に消耗が激しいらしく――調査を頼める状態ではなかった。]
休ろうて充実する者はしかと眠れ。
激戦は近いぞ。
[仮初めの身体なため休息をさほど必要としないので、独り待つ身となった。
もし身を休めていない者を見つけたらそう諭して村を回った。
戦の匂いは方便でもあったが覇王としての予感かもしれない。]
女王 アプサラスは、断片的な記録のゆらめき を投票先に選びました。
― 近くの家屋 ―
……なんじゃ、脱がんで良いなら――。
む……。
[身体を改めるわけでないなら無理に魔女に頼む必要は無かったかもしれないが、要求されたことはこの魔女でなければ知らないこと。
言われるがまま思い浮かべれば……]
……。
…………。
………………。
ダメじゃ、できそうもない。
[魔女の言いたいことはわかるが、覇気という絶対的なものが内にあるのでこれを一時的に退けた上に純化するというのが限りなく難しい。
それでも覇王が弱音を吐くぐらいなのだから相当な努力はしているはず]
/*
覇気が消えるってことは死の間際かエピの最後か……
というか所持したまま亜神が先に倒されたらどうなるのだろう?
いや待てっ!
素直とか、この、心の準備が…っ!
[何の話だ。
女王にしてはわりと律儀に椅子に座ったままだが足を上げて交互に床を踏み鳴らして。
やがて胸元に緑の光がうっすらと灯り――結晶を奪い取られた]
……。
…………。
………………。
[頼んだとおり成功したのに、いちばん大きかったのは屈辱感だった。]
情報 プロローグ 1日目 2日目 エピローグ 終了 / 最新