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[扉に向き合う前に、結い紐を解いて髪を背に滑り落とす。
いつも抱えている魔導書は置いたまま、その上に結い紐を乗せて]
……界統べし、強大なる王よ。
私たちの帰還の意思、それ示す証として。
陽と月の廻り辿り、祈り捧げし『斎の民』が『巫女姫』、アドルフィーネ・シュピールドーゼが血を捧げましょう。
[言葉と共に、錠前に向けて手を翳して、零れる紅を滴らせる。
血ではなく、この身その物を捧げたならば、扉を開くのは容易いかも知れない、けれど。
今、傍にいるひとと共にありたいという願いに従った身には、それは選べないから。
だから、道を開くための代償、対価として、己が血を──強き魔力の源でもあるそれを、捧げる]
……Eine Tür zu Band zur Welt.
Vor uns ein Weg……Erschließe es!
[祈りを込めた言霊を紡ぎ、錠前に手を触れる。
滴る紅に重なり舞い散るのは、淡い緑と紫の光。
それは、錠前をふわりと包み込んで──18(20x1)]
[二色の光は、紅受ける錠前を包み込み、歌うような音色を響かせる。
柔らかなそれは、子守唄を思わせるもの。
その音色の響きに共振するかのように震えた錠前は、澄んだ音を立てて砕け散り。
それに合わせて、二色の光もふわり、周囲に飛び散った。*]
あ……れ?
[身体がふらつくのは、力を注ぎ込んだせいか、それとも、先に自分で言った現象──貧血のためか。
どちらにしても、立っているのが辛くなって、視界が揺れて。
このままじゃいけない──と、思うよりも先に、ふつ、と意識が途切れていた。*]
アデル……。
[抱えた身体が心なしか冷えているように感じる。
自分の血の気が引いているためにそう感じるのか、実際にそうなのかまでは判断がつかない。
レトは洞窟の壁を背にして座り、胡坐の上にアデルを乗せて、後ろから抱き締める形で自身に寄りかからせた]
目を覚ませよ、アデル…。
[何か影響が出たのではと不安が身を襲う。
本当は横にした方が良いのかもしれないが、冷たい地面に横たえる気は無く。
抱えることで冷えているように感じるアデルを温めようとした。
アデルの左手の治療も忘れ、抱き締めた状態でアデルの腕を何度も擦る**]
[そもそも、最初の術式展開──接点作成の試みで大きく消耗していた。
それに続けて、大量の血と魔力を扉を開くための代償として捧げたのだから、いつもよりも消耗は深い。
体温が下がっているのは、それらの現れ。
それでも、鼓動はその動きを止める事はなく]
…………ん。
[名を呼ぶ声、包み込む温もり。
一つひとつの要素が、意識を闇から引き上げる。
このまま沈んじゃダメ、沈んだら離れてしまう。
そんな想いが、闇を揺らして。
閉じていた瞼がゆるり、持ち上がったのは、どれだけ時間が過ぎてからか]
………………レト?
[数度瞬き、視界をはっきりさせる。
最初は自分の状態が掴めなかったけれど、彼の腕の中にいる、という事は、言葉にできない安心感が伝えてくれて]
…………私…………扉…………どう、なった、ん、だっけ…………?
[緩く首を傾いで問いかける。
解いた髪が、微かな仕種に合わせてさら、と揺れた。**]
[術式との連続だったことは失念していた。
今もそれどころではないため、そうとは気付かず。
ただ、目覚めるよう声をかけ冷えた身体を温め続ける]
アデル……… アドル フィーネ 。
起きろ。戻って来い。
[解放の際に聞いたアデルの真名も口にした。
なかなか目覚めぬ腕の中の存在。
背だけでなく身体全体が温もりに触れるよう、アデルを膝に乗せて横に寄りかからせたりもする。
不安を募らせながら何度かそれを繰り返した頃]
……アデルっ!
[零れる声と、間を置いて呼ばれる名。
瞬く瞳と声に酷く安堵を覚えた]
良かった……本当に…。
[膝に横座りさせている状態でアデルを正面から抱き締める。
大きな安堵の息と共に零れた声は小刻みに震えていた]
…扉は、開いた。
開けた後、倒れたんだぜ、お前。
[抱き締めていた状態から少し身体を離し、緩く首を傾ぐアデルに笑みかける。
笑んではいたが、眉はどうしても下がってしまった。
強く不安を抱いたことを思い出してしまう]
………無茶しやがって。
…いや、無茶させちまったな。
不甲斐ねーや。
[すまなそうに言って、髪の解かれたアデルの後頭部へ手を添えて。
髪を梳くように何度かアデルの髪を撫でた*]
[まだ少しぼんやりとした意識を揺らしたのは、名を呼ぶ声と、抱き締める腕の力。
安堵の息と共に零れた震え帯びる声に、ふと浮かんだのは心配させた、と言う事]
……そう、か……。
力、使いすぎた、から……。
[その事と、倒れた、という言葉に自分の状況をどうにか理解して]
……そんな、風に、言わないで。
[すまなそうな言葉に、浮かべるのは困ったような笑み。
髪を撫でてくれる感触は心地よいけれど、眉の下がった表情を見てしまうと、それに浸り込めなくて]
私、ひとりじゃ、何もできなかったよ?
……ここに引き込まれてから、ひとりでできた事って、何にも、ないの。
ひとりだったら、私、多分、挑めなかった。
……自分の役目から逃げ出してた。
でも、あなたが迎えに来てくれて、それから、手を引いてくれたから。
やれる事をやろう、って、思えたの。
だから……不甲斐ない、とか。
言わないで。
[そ、と紡ぐのは、想い込めた願いの言の葉。*]
[紡いだ言葉に返った困ったような笑み。
不甲斐ないと言った言葉に否定が滑り込む]
そう、か?
[それが当たり前と思って行動してきた。
だから、特別なことをしていたとは思っていなくて。
何も出来ていないと、そう思い込んでいた。
だがアデルにとってはそうではなく、手を取ることが出来ていて]
……そっか。
そう、なんだな。
[少しだけこそばゆさもあったが、アデルの言葉が嬉しくて。
表情もそれに沿ったものへと変化する]
二人だから、出来たんだな。
[互いを支えていることを実感して、不甲斐ないと言う想いが解けていった*]
……うん、そう。
[告げた言葉が齎した表情の変化に、ほっと息を吐く]
二人だから、扉を開く事ができたの。
だから。
……一緒に、帰ろう。
私たちの、居るべき世界へ。
[帰れば帰ったで、色々と問題が生じるのはわかっている。
少なくとも、『斎の民』は大騒ぎになるのは想像に難くない。
それでも、一緒なら、道を拓けると思うから。
そう、紡ぐ声に迷いはない。*]
あぁ、帰ろうぜ。
[向けられる言葉に頷いて、もう一度、緩くアデルの髪を撫でる]
立てるか?
まだ辛ぇなら、運ぶけど。
[運ぶとなれば、
[髪を撫でる感触が心地よくて、僅かに目を細める。
幼い頃、師に撫でられていた時とは違う、と感じるのは、抱く感情の差異故か]
……え、と。
[立てるか、という問いに、身体に力を入れてはみるものの。
血の消耗は、そう簡単に解決するものではなく。
立って歩くのは、少しだけ、辛いように思えた]
……ちょっと、辛いかも知れないけど。
私、軽く、ないよ?
[それでも、色々と遠慮は先に立ち。
運ぶという言葉に、とっさに口をついたのは、こんな言葉。*]
[問いかけを受けて確かめる様子を見て、やっぱりまだ本調子では無いと知る]
お前抱えたくらいで動けなくなるほど柔じゃねーっつの。
[そもそも意識を失った時に既に運んでいるのだから何ら問題は無い。
向けられる言葉に体重について言うのは避け、笑ってそんな風に言った]
んじゃ行くか。
[それだけ紡いで、膝に乗せていたアデルをそのまま横抱きにする。
危なげなく立ち上がると、その状態で洞窟の外へと出た]
そ、それは、わかってる、けど。
[柔じゃない、という言葉には早口でこう返す。
重い軽いはとっさに口にしたものの、追及されると複雑でもあるため、避けられたのは良かったのだが]
……うん。
[結局はそのまま横抱きに抱え上げられ、外へと向かい]
(……この地に呼び込まれたのが、偶然なのか、誰かの意図によるものなのかは、わからない、けれど)
[伸ばした手が、扉に触れる]
(……ここに来て得られたものは……絶対、手放さない)
(……もう、逃げませんから、御師様)
[そんな呟きを心の中に、落としてから]
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