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う…ぐ、ああ
[全身が細かく痙攣する。
脳裏を占める暴虐の声]
ころ す …
〔そばに いさせてほしい〕
[唯一自由になる首を振り、牙を剥く。
ガチガチと歯を鳴らした]
死
心臓 を
[この苦しみ、望まぬ服従を終わらせられるなら。
そう考えた思念は、 続く言葉にゆらり揺らぐ]
…
捕 る ?
[吐息のような細い溜息。
希望を と祈る声に]
…、 あ がとう
も 少し、だけ が
[途切れ途切れの囁きは、薄れて散った]
ふふ、さあどうだろうね?
でも、僕が少しでもましなものになれているのなら、
それは僕を見捨てずにぬくもりを与えてくれた人たちのお陰だろうね。
[喉元に顔を寄せ、牙と舌先で器用に襟を止める釦を外していく。]
殺したいなら本気でおいでーー
でないと僕が君を食べてしまうよーー
…
[幾度となく覚えのある、釦の外されて襟元へ外気が入り込む感覚]
行かせて──お願い、愛してる
そばにいられなくても ずっと 愛している
それが貴方の望みでも
私が いやなんだ
守れない、自分の弱さが 憎い
[本気で、と促されても、抗う腕に篭る力は弱い。
首を振り、牙で宙を噛んだ]
[薄れていく声。やがて散る其れに声を震わせる]
…ディーク、
あなたの苦しみが長引くと知っているのに…私は…
[彼が年齢や外見にそぐわぬ様子を見せることに、薄々気づいていた。
それが、後遺症であろうことも。
それでも―――ここ数日の彼の声は、幸せそうだったのに。]
どうか―――生きて
[彼の背負う苦しみを想い、声が掠れる]
行ってどうするの?
側にいたいと君は願っているのに?
[牙と唇と舌だけで衣服を脱がせ、また着せる技は、他人の所有物として生きていた間に習得し、洗練を極めている。
襟をくつろげて胸まで開き、鎖骨に舌を這わせやわやわと食む。]
君は何故僕を守れないと思う。
君が自分を信じられないのならそれでもいい、
でも、何故僕を信じないの?
君が僕を傷つけたくないと言ったから、
僕はそうさせない、と約束した。
僕は殺したって死なないし、
君に壊されたいって言った。
何故、信じられない。
何故、信じない。
[そこだけ、幼い子供じみて拗ねた口調になって、
ガリ、と鎖骨に牙を立てた。]
…っあ
[触れられた箇所に熱が灯り、頭痛が一瞬和らいだ]
は、ぅ
行って あいつを
殺す 今度こそ、軛を
[殺せと命じる血親の声を頑なに拒む。
少しでも標的から距離をとろうとしても、標的自身がそれを妨げた。
手足も、体も縫い止められて、無為に空を噛む]
私の 弱さこそ 罪
[全てを思い出せば、誰かを守れるなどと、
信じることは到底出来なかった]
あなたがっ
私の愛を 信じないから!
っふ、ァ
[鎖骨に走る熱に高い声が混じる]
あのときも 俺は死なないと言っ、
置いていかない って
もどってくる から
あいつを殺す――だったら。
僕も一緒に連れていって。
でないと、絶対離さない。
[血親の声に逆らい続ける苦痛も、
声に屈すれば彼が傷つくとも分かっていて、
なお強請る。
己が共にあれば、彼は必ず負けないと信じているから。]
――僕が一緒に居れば。
[それは賭けかも知れない。
けれども、]
君は、充分に勁い。
[不滅の血で育て、
死をも乗り越えた仔ならば。]
[何より、血も禄に摂取してない転化したての雛の身でありながら、二度も血親に逆らった資質を持っているならば。]
思い出して。
君は転化したてなのに血親のバランに逆らった。
普通、そんなことはなりたての血子には出来ない。
何十年、何百年かけてやっと血の束縛を振り切れるくらいだ。
確かに君は酷い目に遭わされたけれど、
逆に言えば、そうしなければ支配出来ないほど君は強い。
…ああ…
[一度瞼を閉じて、また開く。
明るい赤錆色に戻った虹彩がコンラートを見上げた]
…傍にいて、支えになって
[縫い止める束縛が解かれれば、身を起こした。
頭痛はするけれど、声もするけれど、
その重みを受け入れて、決して屈しないと決めた]
これが済んだら。
それでも 俺は貴方を欲するから
そうしたら、約束通り。
それでも 望むなら、貴方を壊すよ──
[操られてではなく自分の意思で、と]
[頭蓋内に響く声を、血親の気配を探り、辿る]
[戻ってこいと命じたくらいだ。
バランはチャイルドが自力で辿りつける程度の場所に、いる**]
──行こう
[両手で彼の頬を挟み、
額に祝福の口接けを]
君はもう、僕を守ってくれているよ。
[バランからも、己自身からも。*]
― 館内 ―
[コンラートに握らせた手を自我保つ頼りに、部屋を出て声の主を探す。
しかし最初に考えたより、血親の在処を辿るのははるかに難しかった。
意識を向けること自体が苦痛に過ぎて、思うように集中出来ないのが一つ]
… ぅ、
[脳髄を揺るがす呪いの声は、オルゴールのように同じ言葉を繰り返して一方的に毒を注ぎ込むばかり。
周囲のあちこちで反響し、谺して、その根源もはっきりしなかった。
あるいは、城館の中にいるのではと思われたほど]
──あっち、へ
[惑いながら。やがて館を出て森の方へ顔を向けた]
[振り返る。
窓の封じられた夜の館。
その内側からもやはりバランの気配がした]
…移動してるのか? それとも、
[眼を細める。
声へ耳を澄ませば、命に従うべくコンラートへの攻撃衝動が沸き上がって、繋いだ手へ力を篭める。
血親の声と、微かな血の絆が繋ぐ者達]
──兄弟、が
みんな… あいつに
[まったくの無事であるとは思えないけれど。
彼らの未来が失われないことを希った*]
[血の兄弟の気配を探して、すると入り込む淡くあえかな意識。
弱り斃れた兄弟と思しき存在に近寄り、
足元を猫が通り過ぎたようなほんの僅かな感触を伝えた]
… …、…
[労るような気配だけを残してほどけ消えようと、 ]
… ?
… 、……?
[消えようと淡く崩れかけた意識の破片が、ふとまたたいて。
ゆらと揺れた]
[ぐらぐらと回る視界。
数歩進んでは止まり、振り返って逆の方へ。
まるで道を失った迷子のよう]
…コンラート
[絡めた指に力が入る]
なんで、だろう
[俯いて呼吸を整える。
源を断たなければ。
この呪縛を、自らの手で]
[一瞬、大きく漣の立ったように感じたコンラートの感情は、すぐに夜凪のそれに戻った]
…?
[存在を確かめるように、たおやかな腕を掴む。
鮮やかな翠を覗き込んだ]
[眠りの奥に掠める、柔らかな気配。
微睡を起こすまいと、そっと掛けられるブランケットのように]
――…… ぃ……、 ク、
[意味を成さない思念が僅か零れ、そのまま気配が遠ざかる]
[覗き込む双眸に揺らぎはなかった]
ん。なんでもない…?
少し、たぶん疲
[存在のたしかさに安堵しても、
頭痛が治まるわけではない。ただ、抵抗する力が自分にはまだあると確認して、腕をそっと離して指を絡め直した]
行こう 行かなきゃ
[迷いを覗かせながらも、前へ進み始める]
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