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そんなものに良いように操られて、なにが皇帝ですか。
それに主導権を握らせていていいんですか?
誰に何を進言されようと、決めるのはいつもあなたでしょう?
それに、敵を討つのなら正面から正々堂々と打ち砕く、
それが皇帝の戦いだったはずです。
こんな、高みからただ破壊するような、
丸腰の相手をただ撃ち殺すような戦い方ではない。
[身動きならぬ、のっびきもならぬこの瞬間に、頼れるのは舌だけだ。
そんな計算とは別に、声は真摯な熱を帯びる。]
あなたは私の太陽だ。
その光を翳らせるような姿を、
もうこれ以上、見せないでください。
[これ以上、穢されるのは耐えられない。
それが、真情だ。**]
[声が届いたと感じた。
一瞬だけ、熱い魂に触れたような。
抱きしめられ、突き飛ばされて床に強か腰を打つ。
それでも銃弾に撃ち抜かれるよりは余程ましだ。
宣言し、号令する皇帝を誇らしく見上げる。
そう。それでこそ。
あなたは権限だけでなく、責務を負うのも恐れぬ人。
私の前を輝き進む方。]
仰せのままに。
[治療を命じられ、微笑んで拝命する。
手の触れる場所に、気づけば医療キットがあった。
どちらが喚んだものだろう。
この世界は、望みをすぐに形にして示してくる。]
[そういえば、あれ以降、複葉機からの攻撃は無い。
動き出す艦の窓から探せば、遠くに翼が閃くのが見えた。
どうやらなにかと戦っているらしい。
なにかと。]
……天使 ?
[一拍ほどは思考を止めたが、船が飛ぶのだからそれくらいいてもおかしくないだろう、と納得する。させる。
それに、船の内部に見られた妙な荘厳さとも符合した。
なんとなくだが、雰囲気が似ている、気がする。]
[今のところは脅威ではないと判断し、意識を艦内に戻す。
いつの間にか、遊戯盤も再び側に現れていた。
虚空の艦隊は動かぬまま浮かんでいる。
どうやら、念じない限り動かないものらしい。]
あちらの戦力は戦艦3、巡洋艦が4、空母が1。
数は多いですが、この艦と比べれば火力は劣るでしょうね。
[腕の治療をしながら意識を向ければ、艦隊が動き始めた。
巡洋艦が先に立ち、戦艦が続く。
横に大きく広がる堂々たる布陣だ。
中央の巨艦に見覚えがある、と思ったら、皇帝旗艦シュヴァルツアインだった。
記憶の中で最も火力持つ艦がそれだったからだろう。]
どうなさいますか?
端から潰していきますか?
[遊戯に誘う口調で問う。
今は皇帝の目を別へ向けさせておきたい。
ちらりと誘惑者に視線をやる。
機を作らなければ。*]
死ぬかと思いました。
[ほっとひといき、の口調で思念を乗せる。]
銃を突きつけられるのは、さすがに肝が冷えますね。
今は一段落というところですが。
[生死の際にあって、さすがにこちらの会話にまで意識を回せなかった。
とりあえずの生存報告をしておく。]
目玉つきの私の偽物が、いちいち陛下に甘言を吹き込むので苦労します。
先ほど心、と聞こえてきましたが、私も同感です。
御気質は変わらないようですから、言葉で揺さぶりは掛けられるでしょう。
どうにか目の干渉を弱めて、目の破壊を狙ってみます。
ところで、
複葉機と交戦しているものが見えたのですが、
みなさんのうちのどなたか、ですか?
[声繋がる者なら攻撃の前に声を掛けて来ただろう。
それが無かったのだから、複葉機は敵の可能性が高い。
敵の敵は味方なのか、と、ややためらいつつ確認する。]
陛下らしいご判断です。
[旗艦を狙うという指示に、微かな喜色を滲ませながら頷く。
数は劣るが火力に勝るというならば、早期に相手の旗艦を落とすが上策だ。
そしてそう来るならば、と思案が巡る。
最初の砲火を放ったのは、こちらの艦が先だ。
白い光、としか表現できない砲は、威力も射程も戦艦をはるかに上回る。
初撃でシュヴァルツアインの艦橋が吹き飛ぶのを目にして、短く瞑目した。]
[だが艦隊が怯むことはない。
旗艦両脇の2つの戦艦が進路を変え、身をもって盾にならんとする。
必然的に単縦陣の形となりながら、3つの戦艦は轟然と応射を始めた。
光の砲が幾度か命中するが、未だ沈むには至らない。
戦艦が攻撃を受けている間に、巡洋艦は両脇から猛然と突進した。
波に見立てた淡い大気を掻き立て、蒸気の帯を長く引いて敵艦に迫る。
射程距離に神々しき船を捉えれば、十字の砲火が襲うだろう。]
[さらに、後方に位置する空母からは、次々と複葉機が飛び立っていた。
多くが重い爆弾を抱えた攻撃機だ。
彼らは空母上空で旋回し、編隊を組んだ後に飛来してくる。]
やはり手数が足りませんね。
この艦の防御力がどれほどかは分かりませんが、
まずは数を減らすことに専念するべきかと。
[艦隊を動かしながら、皇帝に助言する。
双方の視点に立てば、戦場もよく見える。
攻撃の手数を増やし、あらゆる手段で攻め立てるのは、ただ一度の有効打を通すため。
皇帝に張り付いている偽物の挙動を苦々しく思いつつ、常にその動きに意識の一部を向けておく。*]
[皇帝の意思ひとつで、射撃の精度が格段に上がる。
理解と順応の速さに感嘆するが、今は厄介だ。
先頭の戦艦が舷側に直撃を受けてよろめくのが見えた。]
格納機、ですか。
[指示に戸惑うが、逡巡をかき消すように艦から無数の翼が飛び立った。
短い翼の単葉機は、どちらの記憶を参照したものだろうか。
或いは、艦の記憶であるかもしれない。
たちまち上方で空戦が始まる。]
[さらに皇帝は艦を下降させるようにと命じる。
揺れひとつない艦内からは分かりづらいが、迫りくる艦隊がすうと上へずれていった。
上空にあっても平面で把握していた自分に、この発想は無い。
舌を巻くと同時に、厄介さも理解する。
普通、艦の砲は下方を撃つようにはできていない。]
さすがです、陛下。
[発想力に感服しつつ、自分の頭の常識も転換するように努める。
ここは海上ではない。進行方向に枷など無い。
───いや。
想像上の海面がざわりと波立ち、四隻の巡洋艦は谷間に落ちるように舳先を下へ向ける。
その影から四艘の水雷艇が飛び出し、敵艦に肉薄する。
いける、と思った。]
[その時、思いもよらぬ闖入者が艦橋に姿を現した。
見覚えのない若い男。
声繋げている者たちの誰かだろうか、という考えは一瞬で破られる。
左手に開いた目は、侵略者の証だ。
相手の軽い口調に、視線の温度を下げる。]
生憎ですが、そういうお誘いは間に合っております。
[答えて、"機"のために引き寄せておいた拳銃を構えた。
肉体に直接目があるのならば、おそらくはそこの偽物と同類。
そう思うからこそ容赦なく銃口を胸元に向け、引き金に力を籠める。*]
もう一人、侵略者が現れました。
ダーフィトと名乗っておりますが、左手に直接目が付いていますから、誰かの偽物でしょう。
どなたか、ご存知ですか?
[義手?
そんなものしらない。]
[爆発音とともに足元が揺れた。
どこからか破砕音も聞こえてくる。
攻撃が通用するのだ。
このまま叩き続ければ、落とせるかもしれない。
船に致命の損害を与えたならば、或いは破壊する事ができたら、混乱に乗じて偽物の胸を撃ち抜くことも狙えただろう。
だが今は別の脅威が目の前にあった。]
[銃弾を躱した男が、左手をこちらに向けてくる。
その手から何か飛び出したのを見て、目を瞠った。
見間違いでなければ、腕の内部から撃ちだされたように見えたのだ。
驚く間もなく、反射的に身体を庇って前に出した左腕が、ワイヤーに絡め取られる。
強く身体を引き寄せられてバランスを崩し、床に右腕を打ち付ける。]
ぐ、ぅ …
[じわりと包帯が赤く染まる。
痛みに呻きつつも拳銃を手放さないのは、まだあきらめていないから。]
―――陛下 、
[それ以上引きずられぬよう抵抗しながら、主君を呼んだ。
助けを請うようにも、船からの退却を促すようにも響く声は、それ以上続かない。
ただ、求める視線だけを投げた。
艦隊は指揮を失くし、動きを止めている。*]
/*
普通なら、当て馬に使った、と嫌がられそうなダーフィトの扱いですが、ナカノヒトおんなじだし、いいよね。
そして魔王様でなごむ。
/*
wwwww天使側の誰にも名前知られてないダーフィトさすがですwwwww
だめじゃん。名前出してみてもコンラートしか知らないじゃん。
そういやそうだwww
なるほど、あなたでしたか。
[天使―――。
という内心の驚きは綺麗に隠して、頷く。>>~48
ゲルトからの助言>>~50にもそうですね、と答え]
普段の陛下なら受け入れないような言葉も容れていらっしゃるので、何かそういう、人を惑わす力があるのかもしれません。
ただ、とっさの判断や、もっと深い信念に関しては本来の御気性が見えていますので、そのあたりへの揺さぶりはやはり有効なのでしょう。
[実際に対峙してみた感想を付け加える。
そののちは、こちらも艦隊の指揮と戦況の把握で手一杯になっていた。]
[ダーフィトという名への反応がゲルトから飛んでくる。>>~53]
あなたの知人でしたか。
ええ。その認識でだいじょうぶ …
っ!!
な、 …!
あなたのお知り合いは、 手から、ワイヤー撃ったりするんですか!?
[後半はゲルトの移動に重なったから、聞こえてないかも。*]
[期待していたわけじゃなかった。
……いや、期待していた。
己の魂の片割れが駆け込んできた時、期待は報われたのだと知った。
おれの
その言葉がこれほど嬉しく響いたことはない。]
トール 。
[そっと呟いて目を細める。
けれども視線は、彼が拳を振るう前に外された。]
[ずっと待っていた機がある。
皇帝の傍らから、偽物が離れるその瞬間を。]
そこは、私の場所です。
[冷えた声で囁いて、己の姿したものに銃口を向けた。
続けざまに四発。
硝煙の流れる先を厳しい目で見つめて]
帝国扶翼官 ルートヴィヒは、皇帝 アレク トール を能力(誘う)の対象に選びました。
[「ダーフィト」に斬りかかったあと、知り合いじゃないとあっさりと訂正が飛んできた。>>~54
そのリズムに、古典的にずっこける、気分。]
はあ。
同名の別人は、いるでしょうからね。
[残念だ、と返す口調がいくらかのんびりしているのは、危機を脱したと感じているから。]
[ロー・シェンからも新手の報告。
一体どれくらいの侵略者がいるのだろうかと、嫌な予想に眉根を寄せる。]
いえ。残念ながら私の知人にはおりません。
[魔法使いも魔法騎士も、今日までは物語の住人だったし。]
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