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− 天使の翼教会 −
[ジト目で見られたが、改めない。]
味見くらいいいだろ?
なんてな、 赤くなってるぞ。
[おれと同じ年頃に見えるが、揶揄いがいがあるな、と認識した。
逃げられなかったのをこれ幸いと、伸ばした手で二の腕を掴んでモミモミ。]
この筋肉、やっぱり戦闘系の人かな?
[そのまま、人ごみから離れたところまで引っ張るつもり。]
おれはダーフィト。 こちらはワァズ。
ふたりとも、プロッツェ技術官の古い知り合いさ。
指輪まで交わす仲なのは見てたろ。
絶世の美巫女さんが見られるというから来てみたんだけど、もしかして ──
[赤毛の奥の目を覗き込む。
もう一体、彼の知己(?)が近くにいることはまだ知らない。>>5*]
空賊殿下 ダーフィトが「時間を進める」を選択しました
− 天使の翼教会 −
なに、おれの稼業まで聞いているのか。
おまえが彼の腹心でなかったら、おれ泣くから。
まいっか。この国では手配されてないし。
[あっさりと納得して、「これで心の距離が縮まったな」などと破顔してみせたが、コンラートが教会に来た理由を聞くに及び、首を傾げる。
美女といったのはコンラートを揶揄うためだったが、これは予想外の反応だった。]
やけに詳しいけど、関係者?
うん、じゃあ、帰ろうか。
[普通なら、当たって砕けろとか焚き付けて、ついでに自分も同道するところであるが、何故か危険だという勘が働いた。
コンラートを諦めさせ、この場から連れ出そうとしてみるが、はたして。**]
− 天使の翼教会 −
[渦中の預言者かもしれない“弟”に会いにゆくというコンラートを、それ以上、引き止めることはしなかった。
コンラートの現職を知った以上、彼がマチスとマレンマの二股をかけるのは心配ではあるが、]
ん、まあ
会っておかないと、吹っ切れんものもあるからな。
[と呟きながら見送ったところ、イケメン好きでおしゃべり好きなおばちゃんに袖を引かれた。
「あんた、アイツは”天使憑き”なんだってよ。油断しちゃいけないよ」云々と諭される。]
は? え、あの宇宙船に乗ってた?
[そういえば、講釈師が語った中に、コンラート・フリーデルの名もあったと記憶が繋がる。
メインパイロットって、花形じゃないかおい。
ともかく、あの空爆のど真ん中から生還したのであれば、何かしらは持っていると考えていいだろう。
自分のワァズのように。]
心配はいらないですよ、マダム。
彼はスパイじゃない。
天使にそういう裏工作は似合わないからね。
[天使は潔癖だからなあと妙な信用は置きつつ、この場を離れることにした。
あの”箱船”はやはりいけ好かない。*]
− 教会からの帰途 −
よーそろー
コンラート君に再会したよ。”天使憑き”の噂も聞いた。
彼、”事故”の前後で性格が180度変わったとかあんの?
ないなら別にいいや。
おれはそろそろ艦に戻る。
[不在時の伝言機能ってあるのかな、と思いつつ、一方的に通信をしておいた。*]
− ミロワール湖 −
[だいぶ遠出の偵察を済ませて戻ったダーフィトを、艦長代行が出迎える。
「殿下の帰りがあんまり遅いから、湖の魚を釣り尽くしてしまうところでしたぞ」と。]
ほほう、 この湖の魚は黒い骨をしているらしい。
[集積されている燃料石炭に感嘆の声をあげた。
居残り組は、湖の町の人たちが炭坑へ避難するのを手伝い、代わりに石炭を運び下ろしてきたという。]
[そうして、集った仲間たちへ、]
我らも、共和国政府の蜂起にあわせて出撃する。
基本的には、《シャドウ・パレス》に群がる天使らを、《ホーネット》で叩くという戦術になるだろう。
砲手もガンナーも、撃って撃って撃ちまくれ。
我らが相手にしている分、他所への攻撃を減らせるんだからな。
術者はシールドの維持に専念すること。
かなり負担がかかると思うが、無傷で守りきれとは言わん。踏ん張ってくれ。
動ければ、なんとかなる。
それから、色のついた天使が出て来たら、おれに任せろ。
作戦は以上だ。
各員の健闘を期待する。 そして、生還せよ。
今夜は、宴だ。
俺が留守にしている間も、頑張ってくれたこと、感謝してるぜ。
[労をねぎらえば、歓声があがり、後は指示されずとも、それぞれが仕事を見つけて散ってゆく。
「殿下はシャワーでも浴びておいでなさい」と、艦長代行=子爵に勧められ、甘えることにした。]
− 《シャドウ・パレス》内 シャワールーム −
[スチームエンジンの余熱で温水に関しては潤沢に使えるのがありがたいところである。
3年前の改造を経て、なおかつ機能が向上した。]
これからシャワータイムだが、見せてはやらん。
[指輪は外して服とともに脇においておく。
マチスが作った装置だ、防水になってはいると思うが、むしろどんなおまけがついているかもわからないからと楽しむ心境。]
− 3年前 −
[追っ手を返り討ちにし続けて2年。
いつしか空賊と認定されて、賞金までかけられてしまった。
それはそれで、と開き直って今に至る。
ダーフィトの前には、もう敷かれたレールはない。]
は? ロワール人だった?
[価値の高いものを専門に運ぶ小型輸送船とあらば、積み荷を確かめておきたくなる。
ところが、拿捕した飛空艇が運んでいたのは、金塊などではなく、隣国の人間だという。]
会おう。
[即決して、とりあえず軟禁してあるという倉庫を覗いてみれば、不安そうな面持ちの男がいる。
威張り散らすタイプには見えない。政府高官だの大企業の御曹司だのではないと判断した。]
これからどうなるかは、おまえ次第だなあ。
[ノックせずに入り、腕組みして扉を背に寄りかかる。
足下に、ドーベルマンっぽい姿のワァズがおすわりした。]
ようこそ、《シャドウ・パレス》へ。
艦長のダーフィトだ。
− ミロワール湖 −
[マチスより指示された日。
戦闘服の上に黒い軍礼装の上着をまとうダーフィトが艦橋に立つ。]
我らの旗を掲げよ。
[号令を発すれば、マストの先端に、黒い吹き流しの弔旗を伴う、古代神竜のエンブレムを縫い取った三角旗が翻り、船体の周囲に水蒸気が吹き上がった。]
[「総帆展帆完了」の声を受けて、右手を振り下ろした。]
出航!
[そして、《シャドウ・パレス》は仮初めの港を離れ、空へ。*]
− 3年前 −
[マチスと名乗った技術官の視線は、ダーフィトとワァズを往復した。
あからさまに機械とわかる犬だ。
気になっているのは、機構か来歴か。]
ほう、技術者か。
ならば、筆記用具をやる。
何か、ここで役に立ちそうなものを設計してみるといい。
出来映えが気に入ったら、おまえの
[質問には、そんな答えを返した。*]
− 3年前 −
[監禁場所から出せとの要求に、ダーフィトは腕組みを解いた。]
よかろう。
[マチスからは、こちらを騙して逃げようという気配は感じられなかった。
自分の才能を使うことに躊躇も不安もないのだろう。
なかなか天稟がありそうじゃないか。これはいい人材だ。]
おれが直々に案内してやる。
[扉を開ければ、機械の犬も立ち上がり、マチスを見上げて尾を揺らした。*]
− 3年前 −
[マチスの最初の質問は、ダーフィトが同伴している機械の犬についてだった。]
ワァズと呼んでる。
とある迷宮で見つけたアーティファクトで、おれに惚れてついてきたんだよ。
な、美人さん。
[そう呼びかければ、犬はマチスの目の前で妙齢の美女に変化してみせる。]
きっと古代魔法のナンカだから、分解したりしないこと。
[触れるくらいはいいわよ、とでも言うかのように、ワァズは繊手をマチスに向けて差し出した。*]
− 北方の空 −
[黒い帆のガレオン船が空を進む。
連続航行時間が限られているオーニソプターはまだ出さない。]
よーそろー
ミロワール湖から第一報だ。
このまま川沿いに南下する。
首都方向、やたらにまぶしいが、大丈夫か。
おまえは空? それとも地上にいる?
望むなら、また《シャドー・パレス》に乗せてやってもいいぞ。
おまえの場所は、いつも用意してある。
[3年前の出会いを引き合いに出しつつ、現在位置を知らせる。]
[先に接近を確認したのは、天使ではなく各地の駐屯陣地から出撃する共和国軍の航空機隊だった。>>103
敬礼を送りかけて止め、投げキッスに変える。]
GOOD LUCK!
おお、見たこともない兵器がある。
[地上に湧き出した多脚戦車や鳥脚自走砲を望遠鏡で眺めて、感嘆の声をあげる。]
どんだけイノベーディブなんだ。
[しかし、天使は無数に降下してくるかに思われた。]
…遠いな。
[第二の太陽のような、輝ける船。天使たちの母艦。
直視するのも躊躇われて、手庇をする。
どんな砲弾も、飛行艇も、あの場所までは届かない。
破壊された宇宙船以外は ── ]
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