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どうかその業火が。
祝福を与えてくれるよりも先に、
灼き切ってしまわない事を望むばかりだ。
或いは、
[この時、関わる気は本当になかった。
ただ、俺の諜報者という立ち位置を考えれば、それが不可能であるのは間違いなかった。
それでも、何方かに肩入れしなければ、それは中立とも言えるだろうとも思った。
そんな答えに帰ってきたのは暫しの思案、後の、返答。>>67
柔らかく映る笑顔は、それでも紛いものなのだろうか。]
穏やかでは、ないな、
「今のところは」、なんて。
[不意に、彼女が立ち上がった。
その指先は、白い服の上から、俺自身は触られたと気付けないほど軽く、触れるのだ。
(腫れ物にでも触るにしては、慈愛などなかったが、それに近しいものがあった。)
その距離は、俺が一歩と退かない内に再び開く。>>68
曇天の空の向こうから、薄らだけ差し込む陽光はここまでは届かない。]
…… あぁ、信じる。
だから、いつか話させてくれないか。
どうか、死なないでくれないか。
[真面目に染まった声色が、殊勝、普段のような平常に戻ってから。
指し示された装飾に、僅かに躊躇いを覚えてから。
筆を仕舞う彼女の背に、そんな言葉を投げる。
会合の行末が気になるからと言って、立ち去る間際に溢れた言葉を聞かないでいたなら、以降思い悩む事もなかっただろうに、運命だというのなら酷いものだ。
明確に敵に回らないだけ嬉しいと、そういう様子は、皮肉なほどいつも通りに見えた。>>69]*
[丘陵を遠くに臨める高い塔の上。
険しい山岳地帯の一室で、互いに手を取り合い、何かを確かめ合うような姿があった。
─ 回顧/
鼻に付く、煤を伴った風が窓を叩き付ける。
そこで、良く似た見目の青年同士は、良く似た声で、全く同じ宣誓のような言葉を口にした。]
[この国の王子は皆、影武者を1人以上持つのが常識だった。
似た見目と年頃の子が、でき得る限りは幼い内に孤児から選ばれ、王子の代わりに生を落とすのが普通だった。
(孤児から選ぼうとするのは、親を口封じと称した “処分” の対象にしない為の措置である。
それでもなかったとは言えないが。)
ただ、王子も影武者も、全く同じように育てられるのだ。]
[それは、思考や言動を似せる為であるのだが、親以外に識別が効かなくなる程となると哲学的にはそうも言えなくなる。]
[「王子様は変な人だ」、と。
そう付け足して言っては、「約束したからな」、と、秘め事のように小さく笑いながら返されるのに釣られて笑い、銘々別々の方へ飛び出した。
同じように白い鷹を連れ、同じように未だ火に煽られず、健在の建物の屋根を伝って疾るのは国外に出るべくしてだった。
それでも、青年の心持ちは複雑だった。
希くは、 “本当の” 王子の方に生きていてほしい、と思うのは仕方のない事だ。
影武者なんてものは、王子を生かす為の影でしかないのだから。]
[…結局、その後、半身にも近しい彼がどうなったのか、俺は知らない。
(敗戦後、1人名乗り上げて民の生命を嘆願した事も、そのまま狩り落とされた事さえも、
…俺は、知らない。)
→ 現在/庭園 ─
その時の国内は2分3分しかかっていて、全うに抵抗などできる筈がなかったのだ。
実際にその命を取り合うような事こそなかったが、伝令系統も指示系統も滅茶苦茶で、統制なんてありもしなかった。
国が乱れた責を負うのは王族であるのに、臣下はここぞとばかりに、己に都合の良い主人を祭り上げた。
未だ未成であった3番目の王子を支持して更に分かれるかと思われた辺りで、その3分化を防ぐ為に彼が国を出ると言ったのだけは知っているが、それを除けば。
…今のこの国が迎えようとする方向性に、少しだけ似ていた。]
… 人間は学習しないな、ベルフィ。
今国が気にすべきは侵略者だというのに。
[東屋を出た庭園で、白鷹を腕に乗せる。
今まで通りの情報までで済めばいい、と、血腥い欲求が来る可能性も薄らと浮かべながら、王宮を見遣った。]
…… 敵にならない限りは、か。
[さも平常の事であるかのようにそう言って去っていったその姿をまた見れる事を望もう。
そのまま王宮の中へと戻るのだ。]**
/*
突然の電話とその対応に追われるとか許さない
しかも私全然関係なかったし、何なの…
バイトがそんな大事そうなもん持ってる訳ないでしょうが…
そしてアレクシスさん来てたよかった
/*
王様殺しはローレルさんのロル誤認(?)して、やってくれそうなら任せよー…のノリでした
因みに私がやった場合は天声と齟齬りかねないのでやらなくてよかったと思いますまる
[壁を背にしてため息を吐いた。
この場合可哀想であるのは、寧ろ先王であるかもしれない。
→ 王宮内・王の間<扉外> ─
人間の言葉は分からずとも不穏の空気は分かるのだろう。
白雪は威嚇するように羽を目一杯膨らませていた。]
実の子2人の争う様が、始めとは、な。
先王も浮かばれないだろうよ。
[臣下にとっては当然の事だろう。
遺体に縋って泣くなんて事をする臣下などほぼ見ないと言ってもいい。
生きている者こそ正義、それが地位のある臣下である以上仕方のない事なのかもしれない。]
俺は、今までなら歓迎しただろうな。
それはこの国が平和であったからだ。
平和な国において武力は不穏因子ともなる。
[フェリクス王子は堅実で威や武に、
ウェルシュ王子は温厚で政や文に秀でていた筈だ。
その王子2人を並べて考えるしかないのは仕方のない事として、遺書が本当のものであったとしても、だ。]
が、今は…微妙なところだな。
[ここに聞こえるのは、多少張られた声までだ。
監査局長の声がした。>>107
普段はあまり響くような声量を出す印象がなかったから意外と言えば意外だが。
そこに更に口を開いた参謀様の声は、そこまで張られていないのか少し聞き取りづらい。
分裂状況を鑑みれば、武官と文官で分かれているように見える。]
ローレル… 分かっているさ。
次期王を決める事すら、儘ならない現状は。
そして、誰もこの状況に、
危機を呈してもいないだろう事も。
ただ、 ……───
[同時に、俺は不思議だった。
先王の崩御は次期王が決まるまで王宮内部だけに隠匿する事もできた筈だ。
それは、政策的に見ても軍事的に見ても、他国に弱みを握らせないべく取るべき策であったのは自明の理であった筈。]
民衆にまで知らしめたのは、
誰、なんだろうな。
あれほど内外関わらず拡がりやすい所に。
[やっぱり聞き取りづらい、となったものだから、壁装飾やら窓やらを伝って王の間の天上、その柱の影に身を潜めようと考えて、またも移動する。
聞いたから、何かがある訳でもないのだけれど。]*
/*
そう、真面目にする事がない(おい
だって諜報者が呼ばれもしないのにおめおめと大衆に会いに行けないじゃない(街を歩いていたとかは言うな
/*
そして肩書き替えが標準と化している私は今必死に肩書きを変える項目を探していた馬鹿っぷりです
…正味そろそろイメソンも変えたさある(
[決着として決まったのは書面の調査。
参謀様、もとい、レグザ様と、
監査局長様、もとい、シュナウザー様の、
“手を取り合って” の共同調査となったらしい。>>160
(足元では踏み合っていそうだと、思わないでもないが。)
俺は、それに何かを言うでもなく様子を見ていた。
渦中の2人の思いは何処にあるだろう。
仲が良い、と聞いていただけに、不毛な争いで兄弟の血を見合う事にならなければいい。
…それを願わないほど非情でもない。]
…いや、俺がこの国の王子様に、
とやかく言えるような立場ではないな。
[白鷹の頭を撫でやってから、自身の父親の影でも見ているのだろうか、王子が玉座を見遣るのを一瞥して。>>164
その場を、離れた。]
[王宮内は以前騒がしさを増しているように見えた。
いつもは、幾ら分かっていても鷹を伴って歩く鷹匠に視線を思わず滑らす人もいるのだが。]
今は、それどころではないのだろうな。
…おいで、ベルフィ。
[扨、別に何処へ赴くでもなく歩く俺が、誰かに会う事はあっただろうか。]*
なあ、ソマリくん。お願いがあんねんけど。
宮廷画家のローレル・ロロンド。
彼女の身元、調べてもらわれへん?
[詳しいことは何も告げなかったが、参謀総長が宮廷画家に何かを感じ取った、ということだけは確りと伝わるだろう。]
[それは相変わらずも窓枠に座っていた時の事。
─ 少し後の事 ─
明らかに軍部の人と分かる姿の人が呼ぶのを聞き付けた。>>189]
扨、御呼びは… 参謀様、かな。
[哀れ、呼びに来た部下はその場に放った儘に、呼び出し主と踏んだ彼の元へ、屋根上から飛び降りる猫の如くか、或いは掴まらぬ風の様と映るか。
彼より一定の距離を保った所に膝を突いて、頭は垂れた儘に述べる。]
…只今参りました、レグザ様。
[自由に見えるのは恐らく、己を縛るものを喪っているからだ。
(それは、言い換えれば転石が苔を生やさないに等しく。
何処にでも行ける代わりに何処にも染まれない事でもある。)]
[耳打ちされた言葉に、一瞬の沈黙を挟んでから。]
… 仰せの儘に。
随時、鳥を遣わして伝書させて戴きます。
[是と、言葉を返した。
(意図など聞いてはいけないものだから、尋ねるつもりもない。)
彼女の敵になる時が、こんなにも早いとは思ってもみなかったが。]
[耳打ちされた言葉に、一旦は苦悶にも似た色をその色素の薄い双玉に浮かべたが。
それを断る事は、なかった。]
…それでは、忙しい限りですが。
失礼させて戴きます。
[監査局長様とはどう話が進んでいるのか、とか。
あの遺書に等しい公文書は何処まで正しいのか、とか。
聞きたい事は山ほどあったが、尋ねる訳にはいかないと思っているからこそ立ち去ろうとするだろう。
敬う態度は確かに残したままの、けれども飄々とした様子は変わらずに、白鷹を伴って現れた時を全く逆にした儘のように。
呼び止められたなら、当然留まるが、別段何もなければ多忙らしい参謀様の前を辞そうとする。]*
/*
わはい、参謀様ありがとう…、、、
設定使われないまま御蔵入りするんじゃない、と思っていたよ中の人は…
/*
大体あまり使われない私氏の赤窓
いや、まだジュード自身が陣営ほわってぃになってしまっているから仕方ないん…
(このままだと詩人さんと立ち位置被る(あかん
[馳せ参じた早さを言われたならば、一度更に深く頭を下げた。]
御褒めに預かり光栄です。
何分、そういったところにしか、
…取り柄がありませんので。
[そう返す表情は軽薄な笑みの儘で、何処まで本心か捉えかねるものだったかもしれない。
然し、頼まれた内容に苦渋を飲む思いが出てしまったのだろう、念を押すような言葉に首を横に振る。]
………、 …いえ、存じ上げております。
調べよと仰せなら、御意に。
[再度重ねて請け負う意を示せば、それについての追撃にも近しいものはなく、宜しくという意味の類いの言葉があっただけだった。
それが、敢えて気に留めなかったとは知らないが。>>222]
[それでも、これ以上居たたまれない気持ちになりつつあったのも事実だ。
俺は早々に部屋を出ようとして、]
…はい、聞き及んでおります。
[…見事に失敗した。]
一介の諜報者には差し上げられる祝義がなく、
目下頭を悩ませているところでしたから。
[内容はとても関わり無さげにも映りそうだが、実、聞かれてもいいように婉曲させた言い回しであるに過ぎないだろう。>>223
嬉々として映る様子に、軽口のような言葉を返しながら、特にこれといった動きはなかった筈だと、少し考えていたところで。
ふと、鷹匠として会いに行った時、王が零していた事を思い出した。
諸外国の都市が描かれた地図の中に、金山の位置が示された地図が一枚、紛れ込んでいたらしい。>>0:337]
フォールデン様はどうやら。
国を更に確固たるものに成さんとしてか、
地理情報を調べていらっしゃるようですよ、
……国外資源の。
先王様が唸っていらっしゃいました。
[少なくとも、難攻不落を謳う要塞を支える白狼騎士の総督。
それが国外資源を調べていると聞けば、先ず穏やかではないだろう。
(どう取るかは、参謀様、その人の考え次第である。)
俺はただ、あった事実を述べるのみだが。]
然し先王様は流石ですね。
公務で多忙でありながら、尚且つ、
息抜きの場である私の前でさえ。
公文書を書いている素ぶりの欠片をも、
隠してみせたのですから。
[彼の心内に波紋が投げかけられたならばいい、と思った。
驚くほど俺の気持ちは中立にはなかった。 “両王子の何方でもない” のは、依然と変わりなかったのだが。]
あぁ、然しながら両王子様は。
何とも…酷な立場でしょうね、現状。
[あっけらかんとして、普通に言ってのける飄々さだった。]
[話の内容はそのまま、街の噂話の方へと移ろっていく。>>224]
そうですね、ただ ……───
[一旦圧し黙ってから、再び口を開いた。
それは、少し距離を詰め、一層と声を潜めて。]
宮内の者には、
…特に、気を付けてください。
拡がってはならない筈の話までも、
城下町の民衆に拡がっているのです。
[そこまで話せば、後ろに一歩踏んでから手を身体の前側に添え、恭しく一礼する。]
では後程、 “風の便りを御待ちください” 。
[そうして出て行こうと扉を押し開けてから、「あぁ」、と、さも今思い出したかのように、僅かに振り返って言うのだ。]
然し、文に秀でたラバル様と、
武に秀でたフォールデン様が、ですか…。
子女なら非常に聡明な白狼騎士総督、
子息なら… いかまで上り詰めるのでしょう。
御二方共良家の出ですから、
身分的な不足も、ないでしょうし。
[当たり前のように、国が続いている事を想定で話をする。
彼がこの言葉をどう見るのかは考えるつもりもない。
王宮の権力争いとは無縁な身の上であるからこそ逆に、自由にそんな憶測も発言できたのだ。
与するとも対するとも掴ませない軽々しい言葉で以って煽るような事を述べてから。
猫は、返事を返し切って今度こそ、部屋を去っていった。]**
/*
在席状況変えてなかったよびっくりだよ…、、、
国を喪ったと知って平穏を臨ませたいとジュードが思わない訳がなかったんだ…、、、
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