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私が、ですか?
[問われて視線を海図に向け、意地の悪い笑みを浮かべた。]
私がウルケル側でしたら艦隊決戦などしませんよ。
リオレ島を攻略させて後ろから攻撃するか、
暗礁地帯でこれ見よがしに行進して誘い込むか、
狭い海域に誘い込んで、背後から別働隊を回り込ませるか。
撃っては逃げてを徹底的に繰り返して、帝国軍を消耗戦に引きずり込みます。
長期戦となれば帝国軍の取れる行動は減っていきますから、
兵站線を攻撃して、艦隊を引きずり回して、相手が作戦行動を続けられなくなるのを待ちます。
[指先で海図の何か所かを示す。]
ですがウルケルは今回、その方法はおそらく取らないでしょう。
理由はやはりウルケル海軍司令の御気性───
[首都で会ったゲオルグの顔が脳裏に浮かぶ。
彼が持つ気配、重く鋭い刃と広く深い懐を併せ持つ相手。
彼と戦う事を考えると、身体に震えが走る思いだが]
あの御仁が、そんな消極的な策を採る可能性は低いでしょう。
……それと、ウルケルは既に二度"負けて"いますから。
士気の維持のためにも、血気に逸る連中の戦意を昇華するためにも、一度は当たる必要があります。
とはいえ正面からまともにぶつかれば戦力の差が大きい。
ですから私なら、
[船の駒をいくつか取り出して並べていく。]
初手で最大限の効果を狙うなら、こう、戦艦を囮と盾にして水雷艇部隊を肉薄させます。
陛下の御船を沈められるなら、戦艦一隻など安いものです。
もう少し穏当にいくならば、艦をあらかじめ近くに伏せるか、高速の編成を準備して、主力艦隊同士が交戦している横から攻撃させますね。
ベストなタイミングで突入させるにはよほど連絡を密にするか、"特別な絆"が必要ですが。
[問われるまま考えを披露して、以上ですと締めくくった。]
/*
敵軍の作戦を考えろとかひどい人ですねあなた。
ちょっとやりすぎてウルケルさんの作戦を縛っていたら申し訳ないですけれども。
逃げつつ戦って相手を機雷原に誘い込むとか、相手の小編成の隊を釣ってずるずると本隊を引き出しつつ乱戦に持ち込むとか、ともかく夜戦に突入するとか、勝つだけなら他にも作戦はあるかと思うのですが、今回は他にもいろいろ条件があるので、取れる作戦はそんなに多くはないかなあと。
/*
後は相手の方が戦力が多い場合には、どうにかして分断の後、各個撃破といきたいですよね。
本隊で正面攻撃の構えをしつつ、別働隊を派手に動かしてシコンの港を攻撃する素振りを見せると、今の我々はシコンの港に防衛力を割かざるを得ないので、分割は容易です。
別働隊の振りをさせた主力艦隊で、こちらが分割させたシコン防衛隊を攻撃できれば最高ですね。
/*
ま、どんな作戦も相手が乗ってくれなければ成功どころか成立もしないので、それが村での軍団戦の難しいところでもあり、面白いところでもありますね。
楽しそうな顔をしないでください。
あなたが落とされたら、我々は負けるんですからね。
[釘を刺すが、実のところこれはじゃれ合いの範疇だ。
絆に関しては頷いた。]
そればかりは本人に直接お聞きしないとなんとも、ですが、
───そういえば、海軍司令の副官のタクマ・ナギという男はご存知ですか?
私が宣戦布告文書を持って行った時に彼が応対してくれたのですが、その後の司令との面会は妙に手回しが良かったですよ。
突然お邪魔したにも関わらず、すぐに海軍司令とは連絡がついたようで。
[可能性はある、と示唆する。]++
オルヴァルとの戦いの頃、私も一度だけ近くに行ったことがありますよ。
ずいぶんと長い戦いでしたから。
[補給物資調達のために、民間船も駆り出されていた。
シュヴァール商会の船もかの戦いに協力していたのだ。
武器弾薬の輸送コストを下げるため、当地のユルド社とも取引していたというのは後に知ったこと。
戦後はユルド社のために、帝国軍への口利きもしたと聞くが、詳しくは知らない。]
ウルケルの傭兵は決して裏切らず、手を抜かず、
雇い主のために最後まで戦い抜く。
そんな評判が、あの戦いから確立しましたね。
[幼いころの皇帝がそこで何を見て何を考えたのか。
知らぬまでも、気性を見れば推測はつく。]
帝国及び帝国軍は、全て陛下の御意のままに。
陛下が志を掲げていらっしゃる限り、民も兵もあなたに付いていきます。
[この誇り高き皇帝を戴くからこそ、帝国海軍は千里の海を越えてきたのだ。
その誇りゆえに、この皇帝が常に戦いの先頭にあるだろうとこも理解している。
人の手で掴んだ勝利を良しとしない。そういう方だ。]
私も、自らの手で守るべきを守るつもりです。
[あなたを失わぬよう]//
[さまざま聞かされるタクマ評に視線が泳ぐ。]
策士かはともかく、ご婦人方に喜ばれそうな顔立ちですが…
[おまえみたいな、部分は否定しなかった。]
酒の席では二度と同席したくない相手ですね。
次は乱闘騒ぎに発展しそうで……
[たまたま酒場で会ったんですけどね、と付け加えるが詳細は濁した。]
[立ち上がった皇帝と視線を合わせる。
肩に置かれた手が熱い。
この熱さに自分は惹かれ続けてきたのだ。]
ええ。
叶えてみせましょう。
あなたと掲げる理想を現実のものに。
[それが今の自分の"夢"だと笑った。**]
― シコン砦 ―
[翌朝、出港準備に追われる港で、遭遇戦の報告を聞く。
偶発の戦いか、相手が狙ってきたものかは判別がつかなかったが、心配はなかった。
第三、第四艦隊とも、率いる将の力量に不安はない。
全ての準備を終え、皇帝の傍らにあって号令を聞く。]
総員乗艦!
出港せよ!
[復唱が波のように広がり行き、黒鉄の戦闘艦が次々と岸壁を離れていく。
帝国軍第一艦隊及び第二艦隊は整然と隊列を組み、南東へ向けて動き出した。]
― 洋上 ―
[皇帝の乗艦たるシュヴァルツアインを右手に見ながら、ザイヴァルは波を割って快調に進む。戦艦の速力に合わせているため、普段の巡航速度よりゆっくりしたものだ。
シュヴァール商会発注の船が着工した頃、国内を安定させた皇帝が親征を行う話が持ち上がった。そこで建造途中だった船を巡洋艦へと変えさせ、軍に提供したのである。]
[シュヴァール商会を経営している父親は、息子の無茶な要求にも文句ひとつ言わずに毎回応えてくれていた。
ひとつには、シュヴァール商会の経営がすこぶる順調なことがあり、もう一つには、息子を通じて皇帝に投資することが、さらなる商会の発展に繋がるという判断からである。
二世皇帝の時代、帝国の対外拡大と共に業績を伸ばしてきたシュヴァール商会は、現皇帝の拡大政策を歓迎していた。
対ウルケルの軍事行動も、グロル海峡を自由に通行できれば莫大な利益を生む。
そんなわけで、ザイヴァルと旗下の艦隊には潤沢な資金が注ぎ込まれていた。]
[皇帝より預かった第二艦隊の編成は、旗艦ザイヴァルを筆頭とする巡洋艦6と水上機母艦1。
水上機母艦は巡洋艦の速力についていけるよう比較的小型の艦を伴っていた。
小型のため格納庫には水上機8機しか搭載していないが、いざとなれば甲板上にもう2機搭載できる。
巡洋艦のうち、もともとの設計が交易船だったザイヴァルは余裕のある格納空間を生かして水雷艇を2隻搭載している。
他の巡洋艦が搭載している水雷艇及び水上機を合わせ、水雷艇3隻、水上機12機が第二艦隊に所属していた。]
― 帝都 / 9年前 ―
[嵐のような脱出劇の後、商会の人間に保護されて屋敷に戻ったあとは、誘拐先から逃げ出してきたとの説明ひとつ置いて泥のように眠りこんでいた。
翌日になってもまだ重い身体をようやく起こして自室で着替えているとき、声が飛び込んでくる。
一瞬どきりとしたが、すぐに昨日の感覚を取り戻した。]
おはようございます、トール。お元気そうでなによりです。
というかあれだけ動いたのにまだ動けるんですか?
…ええ、今行きます。
[いつもの倍ほど時間が掛かった支度を終えた後、下へ降りていく。]
[商会は、突然の皇太子の来訪に、ちょっとした騒ぎとなっていた。
貴人が来ることは珍しくもないのだが、なにしろ突然だ。
慌てているらしき使用人らを目の端で見ながら、居間へ入った。]
わざわざの御足労痛み入ります、皇太子殿下。
[トールの姿を見つけて、一礼してみせる。]
― 帝都 / 9年前 ―
[改めて皇太子然とした身なりと態度を示されると、生まれながらにして人の上に立つ風格を感じさせた。
人を引き付ける魅力は服装に関わりないものであったけれども。
促されるままソファーに座り、図鑑を覗きこむ。]
これは、フェリシアのあたりで採れる果物ですね。
先日、あちらからの交易船が戻ってきておりますから、きっとあると思いますよ。
[交易船の動向と各地の名産はひととおり頭の中に入っている。
見つかるはずだと保証した。]
[声で飛んできた内容に、思わず視線がじとりと細くなった。]
まったく、とんだ策士ですね。
ベランダから侵入したら、次は私をベランダから連れ出すのでしょう?
[自分で言うからには、それなりに乗り気でもある。]
夜は見回りが増えますから、むしろ昼間の方が見つかりづらいですよ。
[そんな情報まで添えた。]
― 帝都 / 9年前 ―
[フェリシアの名が出ると同時に、トールの表情がわずかに変わった。
瞬間、内心でしまったと臍を噛む。フェリシアの地は皇室にとって未だ悲劇の記憶新しい場所だった。
取り繕おうかと唇が動くが、結局言葉にしたのは別のこと。]
幼いころより交易には連れまわされておりましたので。
…では、後ほどお届けいたします。
ストラテゴですか?
手加減しなくて構わないのでしたら、いつでも喜んで。
[宮殿まで直接行く口実を作ってくれたらしいことに、頬が上がった。]
もう少し身体を鍛えておくべきだと後悔しましたよ。
ええ。お言葉に甘えて。
明日には動けるようにしておきます。
やるなら、早い方がいいでしょう?
― 帝都 / 9年前 ―
[席を立った皇太子を見送るため、玄関の外まで付いていった。]
またいつでもおいでください。
[あたり障りのない挨拶の裏で、たくらみごとが交わされる]
……倒れない程度でお願いしますよ。
[こちらから手加減しないといった手前、自分には加減してくれとも言えない。]
わかりました。
いつでも、お待ちしています。
[社交辞令の挨拶ではなく、共犯者の顔で言葉を返した。]
― 洋上・ザイヴァル艦橋上部 ―
[哨戒の部隊が交戦中だという知らせは届いていても、ここから見える海は静かだ。
艦が起こす風に吹かれながら、空を眺める。
釣りをするにも航行中の艦の上では無理だから、こんな時は手持無沙汰になるのだった。]
………。
[目を凝らしてみても、水平線には帝国艦隊以外の船は見えない。
よく似たシルエットを持つ双子の船は、今はどこにいるのだろうかと思う。]
[ウルケルの領主を説得しに行くと言うファミルの先行きは、危険と困難に満ちたものになるだろう。
それを選択した彼女の意思を否定するつもりはない。
ただ。
昔から海峡を自由に走り抜けてきた船が、
安全さえ脅かされている。
その現状を思う。
理想を目指す心は変わらずとも、それが引き起こした事柄を見れば時折惑う。
だからあなたが必要なのだと、一なる黒を見る。
あなたが掲げる灯火が照らす、未来が必要なのだ。]
次にお茶をするなら、
いろいろな人を交えて賑やかにしたいですね。
帝国の者も、ウルケルの人も。
[呟きを風に飛ばして、再び水平線を眺めていた。]
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