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―朝・パメラの家、自室―
[寒さにふるり震えて、眼を覚ます。
ベッドから降りてショールを羽織り、窓際に歩み寄って防寒用の木戸を開ける。
鉛色の空から降り続ける雪は、未だ止む気配を見せない。
夜のうちに雪は堆く積り、村は完全に雪の中に沈んでいた]
ご飯食べたら、雪かき、しないと……。
[誰も見ていないから重労働を厭い、小さく溜息を吐く。
村が外界から孤立してしまっていることを、リゼットは知らない。
だから、暖炉に火を起こして、朝食の支度を始めた。
――いつも通りの今日が続くと疑わぬままに]
―パメラの家―
[朝食の支度をしていると、ノッカーを叩く音が聞こえた。
こんな早朝に誰だろうと、怪訝に思いながら訪問者を迎える]
シモンさん? ……おはよう、ございます。
[挨拶もそこそこに告げられる村の状況に、リゼットの貌に緊張の色が浮かぶ。
念の為、宿屋に集まるよう告げられれば了解したと頷いてから]
あ、そうだ。
少し、……待っていて下さいね。
[一度居間に戻り、温めてあったミルクをシモンに振舞い]
雪の中を、ありがとう、ございます。
シモンさんも、風邪をひかないで下さいね。
[他の村人のところを回るだろうシモンを見送ってから、パメラと善後策を相談するだろう]
[――パメラは、如何判断するだろう。
一時避難であれ、相談の為だけであれ、相応の準備をする。
そうして、もしパメラに他に済ませるべき用事があるならリゼット一人で。そうでないのなら、共に雪降る道を皆の居る宿屋へと向かうだろう]
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人狼BBSのキャラ名はドイツ風なので、リーザは余所者っぽくフランス風の名前にしてみました。
なので、白銀の村はエルザス(アルザス)地方のドイツ側、リゼットの故郷はフランス側にあると妄想しています。
シュヴァルツバルトにも近いので、人狼くらい出そうですしね。
――以上、閑話でした。
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みんな、重い過去を持っているようで、この先の展開がどうなるのか楽しみです。
……でも、あざとさならリゼットが一番に違いないはずだw
[少女はヨアヒムが少しだけ苦手だった。
何故なら彼の青年らしい少し乱暴な喋り方が、どうしても伯父と呼んでいた男と仲間を思い出させるからだ。
けれど、そんなちっぽけな苦手意識と古い本への興味がせめぎ合った結果]
あの、……この本、なんて題名なんですか。
……何だか、気になるんです。
[おずおずと、ヨアヒムに本の題名を問いかける。
好奇心は猫を殺す――昔、何処かで聞いた警句を思い出しながら]
―回想・宿へと至る道すがら―
[鉛色の空に押し潰されそうになりながら雪道を歩く。
雪は未だ降り続け、世界を覆い尽くさんばかりだ。
そんな白い世界の中で、少女の纏う蜂蜜色のマフラーだけが唯一色彩を持っていた。
蜂蜜色はエルナがリゼットに似合うと選んでくれた色。
陽光を受け、鮮やかに輝くあの花を思い出させる色。
――そう言えば、あの金色の花の名前は何だっけ?
不意に、昨日の教会でのことを思い出した]
『コルザだよ』
[突然、吹き抜ける風に身を竦め、足を止める。
冬の息吹の中に、リゼットは囁く声を聞いた]
そうだ、……コルザだ。
どうして、思い出せなかったんだろう。
[思い出した金色の花の名をもう一度呟き。
記憶を甦らせた声の主を探して、くるり首をめぐらせる。
けれど、視界に映るものは一面の白と鉛色だけで、人の姿など見当たらない。
少女は口元に手を当て、しばし俯くようにして。
再び宿へと向けて歩き出した]
うッ……。
[男が人狼へと変化する様子。人狼の容貌に息を呑み、
そして、喰われる被害者の絵を青年の指が繰ったとき。
少女は思わず口元を押さえた。
――そう、確かに人を殺す狼は恐ろしい。
だげ、狼が人を殺す理由は自分が生きるためで。
それは狼ならぬリゼットにも理解できる明確な理由だ。
けれど、挿絵の人を襲う"人狼"の、牙が生え大きく裂けた口元は嗤っているように見えたから。
そこにリゼットは、明確な悪意を見つけてしまったからだ**]
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他の皆さんは、ページのスタイルは何を使っているのでしょうか。
私はルナティックにしています。お気に入りです。
何にせよ、今の薔薇の下のデフォルトスタイルは言い換えなし村には合わないよなあ、と。
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ヨアヒムさんが狼でペーター君が狂人かな。
もう一人の狼はオットーさんだと思うのですが、私の役職予想はほぼアテにはならないので、埋め。
[でも、それでは駄目なのだ。
決して変わらないと、姉の墓前で口にしたではないか。
もし癒されて変わってしまったら、幸せになってしまうかも知れない。
そもそもリゼットの中にも、人の持つ悪意は宿っているのだから]
ごめん、なさい。……言えないです。
[頑なな唇が、僅かに震えた]
[淡い微笑を浮かべるシスターの心の裡は分からない>>210
ニコラスを案じて彼女が三階に上がって行ったことにも、すぐに気付けなかったほど心の余裕もなかった。
落ちつかない心地でいると、耳に落ちるペーターとシモンの会話。
無言のまま聞いていたが]
……怖いもののない人は、確かに恐ろしいかも知れないけれど。
それに押し潰されてしまった人だって……同じくらいに……恐ろしいですよ。
[シモンの言葉は正しいと思うけれど>>221
同時に誰もが恐怖を克服して、他人の力になれるほど強くはないとも、リゼットは思う。
その瞳には――忘れることなど出来ない、過去が映る]
―回想・二年前―
[リゼットの故郷は、白銀の村から山を幾つも越えた地にある僻村だった。
貧しかったけれど幸せな時は、あっという間に過ぎて。
数年にわたり続いた凶作と戦に少女の村は疲弊し、貧困に喘ぐ両親はリゼットたち姉妹を人買いに売りとばしてしまう。
両親に裏切られ棄てられた絶望と、
人買いに奴隷のように扱われる過酷な旅に、
もともと身体が丈夫ではなかった姉は、日毎に心身を病んでいった。
毎日のように酷使され、打たれ、罵倒されて。
心を病んだ姉に運命を呪う言葉を聴かされ続けても。
それでもリゼットが耐えられたのは、大好きな姉を――家族を助けたいと願ったからだ]
[けれど、過酷な旅に少女の心は擦り切れていき。
――やがて、転機が訪れる。
新たに少女を買い入れる為、物資の補給が必要となった人買いが、
リゼットに暫くの間、自分を『伯父』と呼ぶよう命令したのだ。
人買いであることを隠すため、彼は人前では姉妹と血縁の振りをする。
つまり、彼の言葉はもうすぐ人里に出るということを意味していた。
久方振りの休息に、人買いたちの気も緩んだのだろう。
夜には商品が逃げ出さないよう立てられていた見張りが、居眠りをしていたことに気付く]
[今すぐに逃げ出して、人買いたちよりも早く村に着くことが出来れば、自由になれるかも知れない。
突如降って湧いた希望に、リゼットは熱に浮かされたように。ふらり立ち上がる]
『――リゼット?』
[眠っていた筈の姉の声が聞こえた。
けれど、少女は振り返らない。
振り返ってしまえば、もし、姉の絶望の眸を見てしまったら
もう走り出すことなど出来なくなるから。
――こうしてリゼットは姉を見棄てて、独り逃げ出したのだ*]
―談話室―
[談話室に入ってきた神父に気付き、小さく頭を下げた。
そして、何かを思い出したように瞬いて]
……そうだ、神父様。
昨日お話した、花の名前、思い出しました。
多分、コルザです。
[宿への道すがら、思い出した金色の花の名を神父に告げる。
けれど、その名はリゼットの故郷の村での呼び名だったから。
山を幾つも越えた白銀の村の住人に正しく伝わるだろうか]
そっか。……こっちでは菜の花って言うんですね。
[向けられる神父の笑顔に、少女もまた微笑を向ける。
それは鏡合わせの、偽りの笑顔だったかも知れない。
そして、思い出の花なのかと問われれば、微かな逡巡の後]
……はい。
とても、大切だった人との思い出です。
[懐かしむように答えた。
姉と並んで、陽光照り映える黄金の花をいつまでも眺めていた幼い日の記憶。
花の名を思い出せなかったのは、姉を見棄てたことへの罰の一つか]
[その後も暫く村人たちと言葉を交わし。
シモンの手による夕食を遠慮がちに食べると、この日はパメラの家に戻ることなく、宛がわれた部屋のベッドに潜り込む。
――今日は何もしなかったから、明日こそは雪かきをしないと。
為すべきことを考えるうちに、リゼット意識は眠りの園に落ちていった**]
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