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― 少し前・宿 ―
別にさみしくさないよ…
[からかわれるようにディーターに声をかけられ>>278、むすーっとした顔で答える。
早く帰って来てくれとは思ったが、寂しいとはまた違うのだ、と心の中で言い訳する。]
ディーター帰ってたんだね。
[昔こそ、年上を『お兄ちゃん』などと呼んでいた可愛らしい時期もあったのだが。
青年なりに、早く大人にならなければと思った頃から、名前を呼び捨てにするとか敬語を使わないとか、そう言った方向に間違った努力がなされたのだ。
モーリッツは会う度にその事に対して小言を言う。
姉は…お姉ちゃん、から、姉ちゃん、に呼び方が変わった時、ふんっと小さく鼻を鳴らしただけだった。]
/*
村人: めりー
狩人: シモン
鏡の聖痕者:
剣の聖痕者:
盾の聖痕者: ヨアヒム
仮面の聖痕者:
共鳴者: アルビン
智狼: エルナ?
賢者:
霊媒師: ニコラス
洗礼者: ジムゾン
賢者誰だ?オットー??
ゲルト、ヤコブ、ディーターは聖痕な気がする…
[オットーとヤコブとヨアヒムと、幼い頃から三人で括られる事が多かったけれど、ヨアヒムにとっては『ヤコブとオットー、そして自分』だった。
弟?みそっかす?
「あの二人は、あんたの事甘やかしすぎなのよ。」
自分と同じ月色の瞳で覗き込む姉の顔を思い出す。
栗色の長い髪を揺らし、頬を膨らませる。
「いつまで守ってもらうつもり?」
守ってもらおうと思ってる訳じゃない。
ただ、対等でありたいと背伸びすればする程、逆効果だった。
いつまで経っても変わらない、と笑われて。
可愛がられるのはくすぐったいけど、嬉しい。
でも、やっぱり誰かを守れる位になりたいよね。男だもの。
紅茶のカップを揺らしながら、その小さな波を眺めた**]
― 少し前・宿 ―
あれ、アルビーン!
[馴染みの行商人の顔を見つけ、駆け寄った。]
来てたんだねー。なんか今日は色んな人に会うなぁ…
あ、ねぇねぇなんか変わった物ある?美味しい物とか。
[色気より食い気。アルビンのもう一つの商品についてはまだ知らない。疎いので、言葉の端ににじませかられた位では気づかなかった事もあったかもしれない。
いつも、珍しいお菓子やチーズに目を輝かせている*]
じゃあ、キャラメルとー、焼き菓子はこれとこれとこれもね!
[抱える程のお菓子の山。贅沢しないように、などと思ったのも遥か彼方。アルビンがやって来た時にお菓子を買い込むのは、ヨアヒムの楽しみの一つ。
オットーのパンも、レジーナのクッキーも美味しいし大好きだけど、こう言う珍しい物には目が無い。]
えっ、いいの?!
ありがとうー
[小銭入れを引っ張り出した所で、小瓶を渡され、にぱーっと笑顔になる。]
これ、何?蜂蜜??
[小瓶の中の金色の液体は、瓶を傾けると、とろりと動いた。
アルビンがナニに使うつもりだったかなど…もちろん想像もつかない。]
パンに塗って食べよっと♪
[思わぬプレゼントにご満悦で代金を支払ったが、変わった噂、と言われてその顔が一瞬目に見えて曇った。]
あー、うん…そうだねー…みんな、人狼の噂ばっかりだよ。
僕は良く知らないけど…オットーとかは…何か知ってる、かも。
[切れ切れに言葉を紡いで、目線を外す。この話はしたくないのだ、と体中で訴えんばかり。きっとアルビンにも伝わった事だろう**]
[そこまで考えて、次に入ってきた衝撃的な言葉に目を丸くし、吹き出した。]
あはははははっ
エルナを女の子と間違え…いやいやいや、いくらなんでも無いでしょ!
確かに女物の服は良く仕立ててるけど…あ、だめ、エルナがあれ着てるの想像しちゃった…ふふふふっ
[ヨアヒムもエルナがワンピースを着せられていたのを見ていたかもしれない。しれないが、物心つくかつかないか…。
ヨアヒムの中では、エルナも『お兄ちゃん』の一人なのだった。
想像するだけでおかしくて、けらけらと声を上げて笑った。
実際にそんな悲劇が起きているなんて…知らない。もちろん*]
分かった、聞いてみるよ。
ありがと、ディーター。やっぱり優しいんだね。
[なんだかほっとして、思ったことを素直に言ってしまった。
と、ディーターの顔の向こう側に行商人の姿を見つけたのはその時だった。]
あ、ごめん僕ちょっとアルビンのとこ行って来る。買う物あるんだ
じゃーねー、ありがとね!
[ぶんぶんと手を振ると、大量のお菓子を調達するためにアルビンの方へ駆け出したのだった**]
― 食堂→自室 ―
[陽も暮れて来たし、そろそろ飲んでも怒られない時間かなーなどと考えつつ]
一回、部屋に荷物置いてくるねー
[誰にともなく声をかけると立ち上がった。]
よっ、と。
[荷物と、両手いっぱいのお菓子を抱え、二階の階段近くの部屋を目指す。]
あれ?モーリッツのじいちゃんどうしたの?
[一階の廊下を塞ぐように立っているモーリッツの後姿が見え、思わず声をかけた。]
ごゆっくりー!
[風呂場の方へ去って行くモーリッツの後ろ姿を見送り、ぱたぱたとゲルトの方へ駆け寄った。]
ゲルト、大丈夫??
…キャラメル食べる?
[とりあえず労おうと思ったけど、キャラメルしか思いつかなかった。
いやでも、せっかく買ったお菓子をあげると言うのは、結構ヨアヒムの中では大変な事なのだ。その気持ちが通じるかは別として。]
ちょっ、ちょ、ダメ、待ってゲルト!
ぅわぁあぁあ!
[縋りつかれると思わなくて、ゲルトのそばにしゃがもうとした所をつかまえられたものだから…
お菓子が宙を舞い、それがスローモーションで飛んで行くのが見え、そしてヨアヒムは盛大にひっくり返った。もしかしたら、ゲルトも巻き添えにしてしまったかもしれない。]
うー…あー、ごめんねゲルト…大丈夫?
[けれど幸いと言うかなんと言うか、ヨアヒムが下でその上にゲルト。]
うん、あげる…から、ちょっとどけて…?
[上目遣いのゲルトに、一瞬どきっとしてしまって少しだけ目を逸らすと、くっついたままのゲルトの腕をぽふ、と軽く叩いた。]
[しがみつかれて、頭を撫でられて、どぎまぎしてしまう。]
うぅん、大丈夫…
[なんだろう?なんでこんなにドキドキしているんだろう?
離れて行く体温が名残惜しくて思わず手を伸ばしそうになった。
でも途中でそんな自分に気づくと、誤魔化すように辺りに散らばったお菓子をかき集めた。
何やってんだ僕…]
アルビンがね、持って来てくれたんだ。
[かき集めたお菓子の山から、キャラメルを探し当て、包みを剥く。]
はいっ
[そのまま、一粒、ゲルトの口に押し付けた。]
…あ、アルビンの持ってくるお菓子は、なんでも美味しいんだよっ
[怒ってる訳では決して無いのだけど、ちょっと怒ったような口調になってしまって、あぁもうと思いつつ、ちらっとゲルトを見た。]
…何か、くれるの?
[お返し、と言う言葉に期待の眼差し。]
[欲しいものはあるか、と問われ、考え込むようにゲルトの目を見つめた。
それから、少しだけ辺りを気にするように視線を泳がせて。
ゲルトの柔らかい唇にキスをした。
甘い味がして、くらくらした。]
………っ!
[はっと我に返った時にはすでに手遅れ。
湯気が出る程、頬を紅潮させ、荷物を全部床に放ったまま、二階の部屋へ駆け込んで行った。]
…っ…ふ…ぅ…
[駆け込んだ部屋の扉をばたんと閉めて。そのままずるずるとしゃがみこんだ。]
……ぅわぁあぁぁぁ…
[恥ずかしさに頭を抱える。頬が熱いし、胸は異様にドキドキ言ってる。]
(えっ、何?僕、ゲルト好きなの??)
[どうしよう、もう顔合わせられない…と思春期の男子よろしく、がんっと扉に頭をぶつけてみたが、夢じゃないので覚めなかった。
どうしよう。]
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