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4人目、王国軍参謀 ギィ が参加しました。
王国軍参謀 ギィは、共鳴者 を希望しました(他の人には見えません)。
− プラメージ王国軍野営地 −
司令官殿の命に別状のないことを、この目で確認できて、安堵しました。
[ 後発隊として野営地に到着するや、腰を落ち着けもせずに野戦医院を訪れ、亡き父よりも年上の司令官をねぎらう。
戦闘は偶発的なものだったと聞いていた。
少なくとも、プラメージ王国にとっては。
義勇兵の訓練にあたっていた司令官は、海賊を一掃したゼファー軍に礼を言うつもりで出かけていったのだという。
それが、和気藹々の宴会になるどころか、「今後はゼファーがカーマルグを領有する」と宣言され驚き慌てて、数を頼みに、軍を引けと恫喝したところ、手痛い反撃を受けたということだ。]
どうぞ治療に専念なされよ。
カーマルグのことは、引き受けました。
[ 司令官は、年若い同胞に、「頼む」と短く応えた。]
ええ。あなたには、まだまだ国王陛下を支えていっていだきたい。
[ こうして王国軍の指揮権を委任されたギデオン・エルギーノスは、プラメージ国王の異母弟にあたる。
現在の肩書きは「参謀」に過ぎないが、必要とあらば、国王の代理としての権限を行使することも躊躇はしない。
だが、それを喧伝してゼファーを刺激するつもりはなかった。
ゼファー側の指揮官は元首──二人いるうちの若い方──だと報告を受けている。
それだけでも、相手の本気度は知れた。]
[ 異母兄とさして年の変わらない男が隣国の元首に初当選したと聞き、祝いの品を持参して表敬訪問をしたのも記憶に新しい。
牽引力とでも言えばいいのか、明らかに周囲とは異なるオーラを持った男だった。
世襲ではない、仲間の意思によって選ばれたリーダーというのはこういうものかと肌に感じた。
あの時は、正式に国王代理として赴いたから、彼も顔を合わせれば思い出すか。
それで怖じける相手でもなし、外交官以外の顔を見せるのも悪くない。
ちなみに、祝いの品として贈ったのは瑪瑙の封蝋印だった。
瀟洒な実用品といったところ。]
[ もっとも、書状を取り交わす予定は今のところ、ない。
もはや穏やかに話し合う段階は過ぎていると、腹を括っている。]
幸い、自分には女神の加護があると言われております。
良い知らせを持ち帰りましょう。
[ 力強く締め括って野戦医院を辞去する。
天幕の外は潮風が強い。**]
− プラメージ王国軍野営地 −
[ 引かれてきた馬にまたがり、野営地を一巡りすることにする。
拠点の設営はほぼ終わっていたが、まだ足りないというように土塁を積んだり、逆茂木を増やしている者もいた。
精強なゼファー兵を恐れているのでもあろうし、何かすることがある方が落ち着くのだろう。
それでも、ざわつく気配は感じ取れる。>>15
王国兵は徴兵だから、元が職人であったり農民であったというのが見て取れることも多い。
殊に、義勇兵は装備が正規のものではなかったから、すぐに見分けがついた。
それらの兵が肩を並べて作業している様子に、同胞意識が育っているのを感じる。
元々、この兵らはゼファーと戦うために来たのではない。
沿岸を荒らす海賊を追い払うために駐留し、訓練を続けてきた者たちだ。
それが軍事国家ゼファーを相手にすることになって戸惑いもあるだろう。]
さて、いかに倍の兵数があるとはいえ、ゼファー軍と正面からぶつかりたくはないものだ。
義勇兵の中で、地理に明るい者と話がしたい。
干潟の水先案内ができる者もほしい。
[ 伝令を走らせつつ、]
ベリアン
[ どこにいようと届く"声"で呼びかけた。]
もうひとつ、貴官の懸念についてだが、
「誰を相手に戦うか」、ではなく、「誰と一緒に戦うか」
それを心に留めておいてほしい。
刃を向ける相手が何者であろうと、隣にいるのは苦楽をともにしてきた仲間だ。
助け合って困難に打ち勝つために、自分が何をすればいいか、考えてみてくれ。
[ そんな課題を託しておく。]
自分の言葉で語ることのできる人間は頼もしい。
また、話をする機会を作ろう、アルニム隊長。
[ 好意のこもった呼びかけで、話を切り上げる。]
戦略は、こちらで立てておく。
いつでも応じられるよう、準備を頼むぞ。
− 過去 −>>60
[ 女神の加護がある、は誇張にしても、ギデオンの出生に女神が関わっているという噂は、以前からまことしやかに語られていた。
母は収穫祭の女神役を勤めた夜にギデオンを身篭ったのだという。
普段は清楚で口数も少なかった娘が、その日ばかりは闊達に、奔放に振る舞い、国王であった父を誘惑したと、問わず語りに聞いた。
豊穣の女神様が乗り移ったのだそうだ。本人から聞いたわけではないが。
そうして次の収穫期を迎える頃、生まれた男児の右腕には王と同じ色形のアザがあったため、王は赤子を女神と自分の子として承認した。
先祖が神だの精霊だのという話はいくらでも転がっているが、直接の親となると、どうかと思う。
まあ、国王の浮気相手は女神であったとしておいた方が、いろいろな問題を回避できるのだろうと、今では現実的な判断をするくらいの処世は覚えた。]
[ 以前、異母兄と酒を酌み交わした折に、「馴れ初めだけではない。おまえ自身が普通の子どもではなかったからな」と言われたことがある。
乳離れした後、王宮へ引き取られた女神の子は、なかなか言葉を覚えず、不意にいなくなっては予想もつかないところから発見されるといったことを繰り返したらしい。
ようやく言葉を発するようになったと思えば、天気や失せ物といった予言をして当てる。人には見えないものを指さしたりする。
「誰もが見惚れるくらい可愛い顔をしていたのだが…行動は常軌を逸していたな」と異母兄が言うからには、手に余る問題児だったのだろう。
それで、山深い神殿に修学のためという名目で送り込まれたのが12歳の頃だった。]
[ 誰かの嘆きのような草笛の音が導いた。
正確にその音をなぞって歌いながら、走り出した。
石造りの神殿の音響効果は絶妙だった。
そうして、太古の神々の像が見下ろす神殿の回廊で、自分はベリアンと出会い、殻は破られたのだ。
あの瞬間、世界に色と音が戻ったのを、今でも鮮明に思い出せる。
視線と同時に、魂の響きが伝わってきた。]
…ゆえに、我あり!
[ いきなり笑い出した少年を、伴の者は困惑顔に見た
が、気にはしなかった。
ここまで、そんな者たちがいたこと自体、気にしなかったのと同様。]
この度、司令官殿から全権を委任された、ギデオン・エルギーノスだ。
見知りおいてもらいたい。
この地に平和を取り戻し、住民が元の生活に戻れるよう、皆の協力を仰ぎたいと、声をかけたのは他ならぬ自分だ。
さて、カーマルグの
[ 義勇兵らを前に、唐突に、そんな話を始める。]
皆も承知のとおり、
が、このミツバチの巣はしばしば、より大型の肉食の蜂に襲撃を受ける。
ミツバチを殺し、この子どもを奴隷として連れ去る凶暴な敵だ。
その危機に際し、ミツバチがどのようにして敵を撃退するか知っているか?
[ 問いながら、頷きかける。
別段、養蜂の知識を確認したいわけではない。]
一匹の肉食蜂に対し、幾十というミツバチが入れ替わり立ち替わり攻めかかることで、勝つのだそうだ。
今、我々が敵対しているゼファーの兵は精強で知られる。
けれど、無敵ではない。
我々がそれを教えてやろう。
具体的には、軍をいくつかの組に分け、前線に出るのは一組とする。
数時間で別の組と交代する。
持ち時間を戦った後は、しっかり休んで次の出番に備える。
戦い方は自由でいい。隊のメンバーで得意な方法を工夫してほしい。
兵の損害を避けるため、正面からぶつかることはせず、投石や弓矢による攻撃、地の利を使った撹乱や一撃離脱、足止め等を行うことが望ましい。
そのための知恵を諸君に求めている。
この作戦の目的は、波状攻撃を繰り返すことで、ゼファーを休ませないことにある。
彼らとて人間だ。
睡眠も食事もとれなければ、疲労し、いずれは戦えなくなる。
それまで──我々は、諦めない。 そうだろう?
[ 義勇兵を前に、作戦を開示しておく。
この後、軍議の場でも同じ方針を伝えるのだ。隠すことはなかった。
今宵、兵らの健闘を祈って配る酒は、もろちん
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