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4人目、珊瑚の海蛇竜 ベルティルデ が参加しました。
珊瑚の海蛇竜 ベルティルデは、囁き狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 竜郷・深海 ―
[新月の夜の海中は、静寂に満ちていた。
深海の底に月の光は届かないが、月の満ち欠けは生命の営みを司る。
満月の夜ならば一斉に産卵を始める珊瑚たちも、今夜は息を潜めていた]
[その珊瑚の林を縫うように、ゆらり、一際大きな生物の影が通り過ぎていく。
魚ではない。細長く伸びた下半身を覆うのは、白く硬い蛇鱗。
そして上半身には――紺藍の長い髪を揺らす、人間の身があった]
[半人半蛇。竜郷にあってそのような姿を取る者は、竜に属する者に他ならない]
[白蛇の竜神は、ふとくねるような尾の動きを止めて、上方を見上げた。
空を、そして陸を目にすることがなくなって、幾許の時が過ぎたか。
息継ぎの要らぬ身は、いつしか行動範囲を海中のみに限定し、水面の向こうへ至ることもなくなった。
ある海域を統べる者として、麗玉の『座』を得てからもそれは同じこと]
――……なのに、……
[何故か、胸騒ぎがした。
暗い水底の光景に、何一つ変わりはないというのに。
その小さな衝動と渇望に突き動かされるように]
[海蛇の化身は、手を伸ばした**]
― 竜郷・深海 ―
[それは、力の流れだった。
初めは、血潮の熱を思わせる紅色の。
次いで真珠の白を思わせる、軽やかで異質な魔力が身に届く>>8。
それは遠い昔の記憶にある、海の外の世界で触れた風のそよぎを思わせて]
わたしを、……呼んでいる……?
[声は、届いていた。
その『舞闘』の存在も、知らぬわけではない――自らには縁遠い世界の話と思っていただけで]
[幾らかの逡巡の後。
意を決したように、蛇竜は世界の壁の向こう側へ手を伸ばす。
自らを呼ぶ力の源を求めるように]
― 月の舞台 ―
[濡れた肌に、水ならぬ気の流れが触れているのを感じる。
全身から海水を滴らせながら、蛇身の下面で床を捉えて身を支え起こした]
[そしてゆっくりと目を開き、召喚師の姿を瞳に映して]
――……あ、……
[声の出し方を確かめるような、小さな感嘆が漏れる。
視線は一度、彼の者が追う背の翼に吸い寄せられ、それから正面に戻って]
あなたが、わたしを呼んだの……?
[僅かに見上げるようになりながら、確かめるように問いを発した*]
[不意に響いた問いかけ。
それに、微か滲むは笑みの気配]
……悪いと思うのであれば。
そも、声は繋がらんらしいぞ。
[それと共に返したのは、揶揄うような響きの声、ひとつ]
[胸の内の問いに答えが返る]
[それを最後の後押しに、蛇竜の身は世界を渡り]
― 月の舞台 ―
[視界の中で、召喚者の翼が揺れる>>31。
遠い昔に見た空渡る竜の中には、そのような翼を持つ者も居た。
けれど『召喚師』であるからには魔界の住人なのであろうと、その二つを結びつけることはないまま、意識を会話に戻す]
そう、よね。
わたしも、こんな形で……
[空を征く者。
相容れぬという思いと、焦がれる思いが綯い交ぜに浮かんで、小さく息を呑む]
こんな形で、"外"に出るとは思わなかった。
[苦笑を浮かべるも、名を問われれば、慌てたように居住まいを正し]
ベルティルデ、と申します。
『座』は、麗玉――
[呼び出される者としては最下の階級を告げた後、深く頭を下げる]
どうか、よろしくお願いします。
と、ひとつ確認しておくが。
……水の中にいないとまずい、とか、そういう事があるなら、今のうちに言っておいてくれ。
[それならそれなりに対応しなければならない事があるから、と。
そんな思いから、そう、と声を届ける。
直に聞かぬのは、他者に聞かせたくない事情が絡む事も考慮したがため。*]
― 月の舞台 ―
ヴィンセント、……様……。
[教えられた名を、声に出して呟く。
水中に慣れた身に、空気に響く音は少し奇妙にも聞こえたが、この先しばしを共にする音声として噛み締めるように口にし]
ええ、……そうさせて頂きたく。
[この時、他の竜神の姿はその場にあったか否か。
いずれにしろ、自分ほど大きな環境の変化を味わう者は多くはないだろうと思う。
それが不利となることはあってはならないと、心中に刻みつつ、一礼してその場から下がる。
先に待ち受けるものについては知らぬまま**]
[そこに他者には秘する響きで届く声]
いえ、水中の方が過ごしやすくはありますが……必要とあれば、地上で生活するのに問題はありませんわ。
[海中を住処としていたのは、自らその場を選んでのこと。
身体的には、生活の場に制限があるわけではない。
とはいえ細かい事情はこの場にては口にせず]
竜神ですもの、それなりに"合わせる"ことはできますわ。
[とはいえ気遣いはありがたく、心中にて静かに頭を下げた**]
そうか。
[合わせる事が出来る、という応えに小さく呟いた後]
ま、実際の『舞闘』では難しいかも知れんが、休息用の領域位は、しっかり休める状況を確保した方がいいだろうからな。
その様子だと、呼ばれるのは初めてだろう?
それなら、負荷は少ない方がいいからな。
[そんな風に気を回す事の一環には、昔聞かされたあれそれがあるわけだが。
その辺りは今は表に出る事はなく。*]
― 回想 ―
[遠い昔――蛇竜にとっては、まだ幼いと言える歳の頃。
覚えたばかりの化身の術で人の身に変じ、大地に自らの足で立ったことがある]
[その日、世界は海よりももっともっと広いことを知った。
天を舞う有翼の竜に焦がれるような思いを抱き、地を征く竜の多様さに胸を躍らせた]
[自分もあのようになりたい、と思った。
海の竜として生まれた者でも、更なる力を得れば、いつかは]
― 現在・月の舞台 ―
[有翼の召喚主により呼び起こされた記憶に浸っている内、舞台には役者が揃いつつあった。
竜郷より呼ばれた二名>>49>>50は、いずれも直接の面識はない者たちだ。
これから彼らと争うことを思い、僅かに緊張に身を固くする――それが余裕のなさの表れとも、自分からは気付けず]
[それから主ならぬ召喚師たちの顔を見た。
中でも、赤い衣の巨躯>>57は目を引くものがあったが、どう反応していいものかと困ったように一瞬固まった。
他方、騎士らしき青年>>52は随分と言葉少なだった。
目が合えば会釈くらいは返すが、パートナーに歩み寄る様子なら邪魔する心算はなかった*]
――有難うございます。
ならば休息時には、身が浸る程度の海水を所望致しますわ。
[要求を口にすることに少しの迷いは見られたが、遠慮のし過ぎも互いのためにならぬと思い直す。
何より、指摘の通り、自身は初めてこの場に挑む身だ]
ええ。
でも、出来る限りのことは、やりますから。
[気を回す相手の内心は知らず、ただ、どこか必死さの滲む口調で応えた*]
[控えながらも視線を巡らせていた時、アデルと名乗る竜の声が聞こえた>>63]
(皇……玉……?)
[彼の者が口にした座は、舞闘に呼ばれる者の中では最高位のもの。
告げられた言葉や立ち居振る舞いからも、強者であることが窺えた]
[舞闘を演ずる竜神としての立場は等しくあるものの。
恐縮した面持ちで相手の視線を受ける*]
ん、わかった。
[正直なところ、自分は樹が一本あれば事足りるので向こうに合わせるも吝かではなかったのだが。
あまりやり過ぎても委縮するか、とそこまでは言わず]
……出来るだけ、か。
それはありがたいが、今からあまり気を張り過ぎるな。
疲れるぞ?
[必死さ滲む口調に返す声には、揶揄うよな響き。*]
……はい。
[格上とも言える竜神を目の前にしていたこともあり、返す声にはやはり緊張が滲む。
しかし揶揄うような響きに少しだけ肩の力を抜いて、人知れず息を吐いた]
ふふ、……そう、これからですもの、ね。
[舞台の上の顔触れは、賑やかで多様だ。
その高揚に意識向けるようにして、召喚主に応えた*]
[返る響きは、僅かなりとも力が抜けたよう。
それに安堵したのは、こちらも同じ……だが、そこは響きには未だ現われぬ所]
そう、何せまだ始まったばかり、だからな。
それに、
余力と余裕は、持っておいた方がいい。
[見せぬだけでそれなりに緊張しているのだという事は。
実際に視線向けたなら目に入る、時折ふるりと落ち着きなく揺れる翼の動きが物語る。*]
そう……だったのですか?
[自分よりも随分と落ち着いて見えたから、召喚主の言葉に驚いたように視線を向ける。
やや後方に引いていたからか、視界には彼の翼の微かな揺れも捉えられ。
それを指摘はしないものの、小さく頷く仕草と共に表情を引き締める。
緊張によるものだけでなく、彼としばし共闘する者としての在り方を定めるように*]
― 月の舞台 ―
はっ……
[その皇玉>>75から話し掛けられて、思わず人の半身を固くした。
知らぬ顔である辺り、恐らく海の竜ではないのだろう。
空か陸かは、力の披露がなければ知る術もないが]
わ、……わたしの方こそ、よろしくお願いします。
[笑み向ける相手に一礼を返す。
座の上下が決定的な力量差でないことには内心安堵を覚えるものの、余裕の差という意味では歴然としているようだった*]
中々、機会がなくてな。
[さらりと告げた事実がもたらした予想通りの驚きに、く、と楽し気な笑みが漏れる]
それでも、話だけは散々聞かされているからな。
……これから為すべきへの覚悟は、できているつもりだ。
[笑みの後、声音は僅かに引き締まる。
それは、最初に為すべき事を知るが故の緊張感。*]
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