情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
4人目、銀雪豹 ウルズ が参加しました。
銀雪豹 ウルズは、誘惑者 を希望しました(他の人には見えません)。
― 街・表通り ―
[遠くの方から誰かを呼ぶ声が聞こえてくる。
裏通りに比べればこの辺りはまだ治安は良い方だから、迷子か人探しだろうか。
そんな事を思いつつ、肩からずり下がってきた大きな鞄を肩に掛け直してから、こん、と目の前の小さな店の扉を叩いてから開き]
…久しぶり。
しばらく来られてなくて、ごめんね。
[そこにいる人物に、謝罪を口にしながら中へと足を踏み入れた]
[店の中は細々とした雑貨や保存食が並べられている。
需要はあるが流行の波からは離れているからか、今は店の者しか居らず。
だから、扉を閉めたこちらに向けられた言葉は店員としてのものではなかった。
もっと早く顔を出しなさいとか、もっと頻繁に連絡しなさいとか止まらぬ相手の言葉に眉を下げて]
…だから、ごめんってば。
ちょっと大物に挑戦したら、思ってたより時間取られちゃったの。
でも、これでもちゃんと間に合うように急いでやってきたんだよ。
[言いながら、鞄の中から出したのはレースで編んである大判のストール。
椅子に座ったままの相手の膝にかければ、腹から膝までをすっぽりと覆うことが出来て安堵の表情を浮かべ]
良かった、大きさは充分そうだね。
これなら少し肌寒い時とかに丁度いいかなって思ってさ、生まれる前に渡したいなって。
…体調どう?
そろそろって言ってたのに、怒らせてごめんね。
[また眉を下げると、相手はもう怒ってない、と頭を振って返してきて。
それを見ると、再度安堵に表情が和らいだ]
これだけじゃなくてね、ちゃんと品物も持ってきたんだよ。
この間小物の方が売れ行き良いって言ってたから、今回はコースターとかクロスとかを多めに作ってきたの。
染料の花が切れてるから、色付はまた今度ね。
[言いながらいくつかの小物の束を出して在庫の棚にしまっていく。
身重である相手は申し訳無さそうにしつつも椅子に座ったままこちらを見ていて。
少しの静寂の後、問いかけられた言葉に一瞬手が止まった]
…何度もありがとう。
ただ、やっぱり、あの村の方が私には住みやすいから。
……でも。
一緒に住もうって言ってくれて、ありがとね。
義姉さん。
[こちらの返答を聞いた彼女は、哀しげに目を伏せるもこちらと同じ笑みを返してくれて。
そうしている間に、品物も棚の中にしまい終わった]
さて、それじゃ私はこれで…あ。
今届け物の依頼って無い?
あるなら私、届けに行ってくるよ。
この後は買い物して帰るだけで予定もないし。
[そういうと、義父達も今届けに行っているらしいが、まだ残っている商品が何件か有るとも聞かされた。
その内の幾つかは裏通りなので、義姉からは渋られたけれど]
届けに行ってくるだけだもの、大丈夫よ。
それじゃ、行ってくるね。
[そう言うと、商品を届けに出ていった**]
あ、すみません。
どうぞ。
[大きな鞄が邪魔だろうと謝罪しつつ先に男性を迎え入れた所で、これまでにも何度かこの店の内外で見たことのある人だと気付く。
自分は部外者だから客人の詳しい話を聞いたことは無いが、一人にしてはかなり多めの品を買っていく人だったから印象に残っていたのだ。
義姉達の店を懇意にしてくれているのだろう相手を好ましく思いはすれど、こちらから話しかける理由は無いからそのまま入れ違いに私は店を出ていった]
[私が辞した店での義姉と男性のやり取りは知らず、配達品の入った鞄を軽く肩にかけ直す。
義姉が勤め先だった店の三代目と結婚したのを機に養父母もこの街に引っ越したのはもう5年も前になる。
当初は店への訪問にすら道に迷いもしたが、今はこの辺りなら近道だけでなく抜け道も網羅済み。
本当なら一緒に移住するはずだったのに我儘であの村に残った私が、少しでも家族の助けになるように覚えたのだ。
義姉夫婦も養父母もそれを知っているから、時折こうして仕事を手伝わせてくれているとも分かっている]
…家族って、ありがたいな。
[小さく紡いだ本心は、だからこそ一緒に暮らそうという義姉の言葉に頷く事が出来なかった理由。
特に最近は、自分のような”獣人”を狙うよくない噂が耳に入ってくるからこそ言われているのが分かっていて。
でも。もしも義姉達が自分のせいで不穏なことに巻き込まれたらと思うと、余計に一緒には暮らせない。
そんなジレンマを今は考えまいと、宅配先を訪問していった]
─ スラム街 ─
[店を出てからここまで何軒回ってきたか。
大きな鞄は軽くなり、届ける荷物も残り一包]
はい、では品はこちらに。
次のご注文も承りました、ありがとうございます。
では、また来週もお届けに参りますので。
[一礼して最後の届け先の扉を閉めると、一息ついて空を見上げる。
日の翳りを見るに、思っていたよりも時間がかかってしまった様だと眉を下げて。
急いで帰らないと、と進めた足は感じた違和に止められる事になった]
― スラム街 ―
……おかしい。
さっきもこの道、通ってるのに。
[気付いた違和は、道の連なり。
つい先ほど通ったはずの路地にまた出るなんて、道なりに歩いている限りあり得ない。
そう思って、今度は気をつけて歩いてみるも]
…先に進めない、みたい。
[やはり同じ路地に出てしまい、気味悪さに眉を顰めた後。
自分と同じような目にあっている人が居ないか、周囲を見回した*]
[現状の原因について何か思い当たらないか、と問いかけたところで視線の下で何か動いているのに気を取られた。
続くはずの言葉を止めて、そちらに意識を向けると艶やかな黒の毛並みが目に入り]
………ねぇ。
貴方も、『同じ』なの?
[問いかけの声音に含んだ微かな警戒は、男性に対して、ではなく。
彼と自分の符合に、最近聞くようになった噂が脳裏に過ったから*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新