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ふうん。まあまあじゃん
[広間に戻る気にもならず向かったのは一階のキッチン
見事な庭園の持ち主だけあって広いし煉瓦作りの大きなオーブンがある。しげしげと眺め回した
使う機会もあるかもしれない。]
[何かの作業をしている時間が一番落ち着く、嫌なことも忘れられるのだ
パンは作れるのだろうか。いや、流石に材料までは無いか?大きな屋敷に来たことなど初めてだからよくは分からずきょろきょろ見渡しては首を捻る。
そういえば、うちの店に来たあの旅人はどうしているだろう。村を出れただろうか。お節介な母親が買ったものより多くあの人に押し付けたパンの中に、自分が焼いたものもあった*]
!
なんだ、猫かよ……
[開け放たれた窓から黒い物体が飛び込んで来て驚きびくりと肩を跳ねさせた
そんなこちらの様子など気にすることもなく黒猫は擦り寄ってごろごろと喉を鳴らし金の目が見上げてくる]
お前、これが欲しいのか。
[キッチンを調べたまたま見つけたニシンの燻製。つまみ食いの趣味はないし戻そうとしていたところだったのだが]
んー……
[偉そうに酒飲みに文句をつけた後に勝手に猫に餌などやっていいものか。変わらない表情の下思考が巡る
その間も、猫は甘え頭を擦りつけてくる]
…仕方ないな。
[折れた。
燻製を食べる彼だか彼女だかを屈んで眺めている。さてこいつはどこから紛れ込んだのか]
[うちのパン屋は片田舎の村らしく小さな店だ、奥にいようと客が訪れればすぐに分かる。旅人が訪れた時も>>88同じだった
それならとあれもこれもとおまけをし、旅は大変でしょう?なんて母親のはしゃぐ声が聞こえる。またそうやってすぐ余計なお節介を焼くと呆れていたが
「これはね、うちの息子が焼いたのよ!」と話題に出され名前を呼ばれれば気乗りせずとも出ていくしかなくて]
……どうも。
[短く挨拶し、頭を下げる
声だけでは性別が判断出来なかったが、こうして姿を見ても分からない。別に探る程興味もなかった
ただ、嬉しそうな様子>>90は印象に残った。*]
なあ、お前。どこから来たんだ?
[なんて問い掛けようとみぃと鳴くばかり。
誰かの飼い猫だろうか。どうするべきなのだろうか。首を捻るばかり**]
[それにしても綺麗な猫だ。食事を終えたその子を撫でながらじっと見つめ、ふ、と気付く
……この金色の目に見覚えがある。もしかしたらあの人が帰ってきた日、傍にいたあの黒猫ではないか?
教会には出来るだけ訪れないようにしていたから、思い出すのに時間がかかってしまった。]
……
[深く深くため息をついて、猫を抱えキッチンを出る。
途中誰かとすれちがったとしても自分からは話しかけず外へと早足で向かうだろう。]
偶然見つけただけですから。
[敬いとも分別とも違う、あの日の迷い子はもういないのだと語るように拒絶の色を含めた他の者に向けるより硬い口調。]
それでは……
[もう用は済んだ、とかつての“兄”に背を向ける]
[数歩距離を離した後、立ち止まり振り返らないまま一言だけを残す]
……これから宜しくお願いします。
[今どんな顔をしているのか、己すらも知らぬまま。
何も無ければそのまま再び歩き出して屋敷の中へ戻るだろう。*]
[立ち並ぶ本棚にはぎっしりと書物が詰め込まれ、磨き上げられた高級そうな机の上もそれらが侵食している。
館の主に鉢合わせた時、ストレートに退屈であることを告げたところ書斎に入ってもいいと言われたのだ。
嫌な顔せず酒を出したことといい、人が好い男らしい。]
へえ……
[随分集めたものだ。一冊手にとりぺらぺらと捲ってみる]
……
[すぐそれを戻し、また別の本を手に取って、やはり戻した。
表情は変わらず無機質なままだが、何かを探すように幾度もその作業を繰り返す*]
[今更こんなことをして何になるというのだろう。自分でも分かっているけれど手は止まらない。
何冊目かに開いた本は、旅をした国々の様子や風景、そこに暮らす人々について記したもの。今頃コンスタンツェにあれこれ言われているであろう彼女の姉が浮かぶ。
ローレルもこんな風に旅をして、色んなものを見て、人と関わって来たのだろうか。]
……
[自分にとって外の話などファンタジーと一緒だ。現実感を覚えることが出来ない。そしてファンタジーは趣味ではなかった、少し文字を追った後閉じてしまう。
少しの間背表紙に描かれた町並みを見つめた後、元の場所へと戻した]
[やがて書斎を出て広間を再び訪れた時には自分以外が揃っていただろうか。
軍服を纏う老婦人には会釈し、もし旅人がそこにいれば無表情のまま目を瞬かせ]
ああ、
……あんた、出れなかったんだね。
[そう言って視線を逸らしただろう
騒動が起きる前に村を出ていれば巻き込まれなかっただろうに。僅かでも憐れみの気持ちを抱かずにはいられなかった]
[何人集まるかなど知ってたわけもないが外に目をやれば陽が落ちてきているし広い屋敷とはいえ限度がある、せいぜいあと一人来るか来ないかか。]
……。
[アルビンを一瞥し人々から離れた場所で腰を落ち着ける
コンスタンツェのことは会話せずともいることは知っていた、それは自分にとって彼女に話しかける理由を失わせるに十分なものだ]
[コンスタンツェにもフランツにも彼らに笑みを返すことは無いけれど
どちらに対しても他の大多数の村人達と同じように接してるつもり、意図的に冷たくする理由は見つからない。本人達がどう思ってるかは知らないが。]
……ご苦労さん。
[ぼそりと呟いた言葉は元々声が大きくない中更に小さく
聞こえたかどうか分からない。聞こえてないならそれでもよかった*]
[コンスタンツェにもフランツにも笑みを返すことは無いけれど
どちらに対しても他の大多数の村人達と同じように接してるつもり、意図的に冷たくする理由は見つからない。本人達がどう思ってるかは知らないが。]
……ご苦労さん。
[ぼそりと呟いた言葉は元々声が大きくない中更に小さく
聞こえたかどうか分からない。聞こえてないならそれでもよかった*]
[小さな時の思い出の登場人物は大抵コンスタンツェ、ローレル、そしてアルビンだが
歳の近い同性のフランツを遊びに誘ったことだって一度や二度じゃ無かった。けれど彼が頷いてくれたことは、一度も。
家の手伝いがある。最初はそれで納得した、しかし何度誘ったって断られれば不満も抱く。
友達になりたかった自分は何でなのかと聞いたこともあったけれど、その時のフランツの表情がとても寂しそうに見えて。それから誘うことは無くなったのだった。
彼が何を背負っているか理解するにはまだ幼かった頃の記憶。*]
/*
別に紅茶を断ればフランツが泣くとは思ってない。
ただ色々と理解してるから言い方ぐらい考えて返すべきだとオットーは思っただけ。
[ジェフロイが席を辞そうとしても、そちらを見ることもない。昔は彼へも普通に接していたが今は明確に合わないことを自覚している。それが誰かと同じだとまでは考えもしないが。
だからといってこれからのことを思えば先程のように無闇に喧嘩を売ることは良くない。どういう男なのか、それは念頭に置いて言葉を発するべきだ。]
[彼と入れ替わりだったか、出ていく前だったか。広間へと屋敷の主が現れ一人会場を移動したことを教えられた。
庭園で見かけてはいたのだけれど早く用事を済ませたくて会釈すらしなかったことを思い出す。]
……そう。
[発したのは淡白な相槌。
あの旅人にとってこれは幸運だったのか、不運だったのか、はたまた何も変わらないのか……。
そんなことを一人考えていた*]
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