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[ここに辿りつくまで、いちいち行く手を遮ったドア達を開けたり、
見た目で階段が上りか下りかを判断出来ずに立ち往生したときのように、
ボタンを外すイメージが流れて来ることを、少し待ってみたりもする]
…
[このまま湯を使っても構わないのじゃないか。
と考えた。
気の効く小間使いが着替えを用意してくれたかまでは頭が回らない。
靴は最初から履き忘れていた]
[護衛兵の戦闘服は元々、軽装に近い。
上着がなければ、街を行き交う市民や労働者のそれと大して違いはなかった。
服を着たまま湯を溜めた槽の近くにかがみ込み、片手を浸す]
…
〔 あたたかい 水 匂い? 〕
[帝国式に掘られた浴槽の上に身を乗り出しても、水面は揺れて自分の姿は映さなかった]
──…?
[小さく身体が跳ねた。
不意に届いた言葉について考えるより、背に覚える感触と、胸の上を動く手に意識が向く]
な…
[なに、と零して
腕が上がって、ボタンを外す手をとどめるように動いたのは弱い抵抗の反応]
[感じる気配は蝶のもの。
血を介して得た細い絆は、抱き寄せられた朧な記憶を呼び起こす]
……、だれ
[緊張を和らがせて、背後から回されたたおやかな手を見下ろした。
ボタンを外す動きだとわかれば、留めようとしていた手が力を抜く]
コンラート。
[密着した背から、低い体温が交わる。
少しずつ晒されていく肌にも、馴染ませるように繊手が触れ]
……ディーク…?
[脱がせるだけの動きならば抵抗はしない。
隆椎の突起に直に触れて響いた声には一度息を止めて、
あまり自信なさそうに自分の名を紡いだ]
[白い手は胸の上を滑り、ボタンを外されて開いたシャツの内側に滑り込む。
悪戯な指先が胸筋をまさぐり、滑らかな隆起のひとつひとつを辿って下へ降り──]
[はだけられるシャツに、居心地悪いのか少し身じろいだ。
舐めて癒せなかった部位に残る細い鞭の傷は、まだ肉が薄く盛り上がった治癒途中の痕を残している]
[胸を辿る手の感触は、もはやシャツとは関わりのない動きをみせていた。
滑り落ちる布が肌の表を擦っていく、柔い摩擦。
下へと降りた手が腰のベルトの縁を撫でて、その先へ戯れを伸ばす。明らかな侵入の意]
[滑り落ちる布が肌の表を擦っていく、柔い摩擦]
[手が上半身だけでなくその先まで脱ぐのを助けるような動きを見せれば、流石に背後を振り向こうとした]
…っ!
[瞠いた眼の、
瞳孔が僅かに広がって、虹彩の色が人離れした緋色に色を変えた]
なに、してる
[声の質は知と鋭利さを一時、取り戻す。
背後を振り向こうと首を捻った]
──恐れなくていい、
[肩越しに見える白い貌に浮かぶは、穏やかな笑み]
ここに、君を傷つけるものはいない、
そう言った筈だよ。
[もっとも、自失していた幼子がそれを憶えているかは定かではないが]
傷…
[見えた笑みの穏やかさに、眼差しの剣呑は薄れるが]
ちが、 何してるって、訊い
[赤い双眸は困惑に揺れる。
悪戯な手を抑えるように手首を掴み、緩く握り込んだ]
ん……
[問いには答えず、縛められた手首はそのままに。
滑るように腰を落とし、背や脇腹に残る鞭痕にねっとりと舌を這わせてゆく。
それは紛れもなく癒す行為ではあったけれども。
同時に、幼子の皮膚にざわめきをもたらすには充分なほど執拗に、技巧を駆使した愛撫でもあり。]
ン…
[肩に触れる濡れた感触とそれがもたらす変化に、
押し殺した声が洩れた。
身を捩る動きは弱いもの。抵抗の意図よりもざわめく皮膚をもてあまして。
細めた双眸の緋色がじわりと濃くなった]
は
[傷に舌で触れて癒す動きは、自分自身でもやったものだったが。
他人に与えられるのはまた違っていて、なんとも言い難い感触に眉根を寄せる]
いい、痛くない から
[人に脱がされるのを待つのもなんだった。
片手をベルトにかけて、自ら金具を外そうとする。怪しげな手つきながら、何度か試せば外れるだろうと]
[結局散々に手を借りながら脱ぎ落とした服は、とうに湿ってしまっていた。
裸身を見られること自体には元々、然程の抵抗感もない。
泥を落として、浴槽に身を沈める]
[駆ける馬上で精確な射撃を行い、あるいはサーベルを振るう必要で鍛錬された身は、戦うためのもの。
力の大きさよりも瞬発と持久性、しなやかなバランス感覚を求められた戦士の肉体は、逞しいというよりは締まって細い。
命と時を止めた瞬間のまま、その後の過酷な状況にも変わらずにあった筋肉の上を、香を垂らした湯がゆるり流れていく。
少し短くなった髪を水面に散らして、下眼瞼の高さまで浸かれば
とぷん、
蕩めいた音を立てて湯が揺れた*]
― >>425から>>430 ―
もういい
…コンラート?
[のろのろ首を振って、掠れ声で訴えた。
白い手首を捉えた指は離す事も出来ず、力を篭める事もせずにただ緩く握ったまま]
これ、何か なに。へんな
[もう一方の手は、二度もたついた後に慣れた動作を思い出す。ぎこちなく金具の音をさせてベルトを自力で解き始め。
逃げ場を浴槽の中へ求めながら、脇腹を執拗に這う舌には目許を染めて切ない息を吐いた]
[三度目の拒絶に、びくりと打たれたように退くは、酷く稚い、傷ついた子どもの顔。
縋る眼差しの暗いいろを、我が事さえおぼつかぬ幼子が感じ取れたかどうか。
が、それもつかの間、
白い面は伏せられ、すべての表情は垂れかかる前髪の陰に隠された。
その後は、自力で何とか衣服を脱ごうともがくディークの動作を、最低限補助するように手は動く。
そこにはもう、甘やかなものはなく]
[不可解な疼きをもたらす刺激が去り、
乱れた息は凪いでいく。
傷を癒すためにされたことだと、もたらされた結果の一つを素直に受け取って。
血で繋がった彼の心情を察するには、絆は薄い。まして、かつてのように人の機微に敏い耳目は残されておらず]
ありがとう、 …
[距離が離れればそれはそれで、心許なく。
衣服との格闘の間も握り込んだままだった手首を離したのはしばらくして。
髪を流す間、浴槽に身を沈める間も、時折視線を動かしてはあかがね色がまだそこにいるか探した]
― 浴場 ―
[鼻よりも上まで湯へ身を浸していれば、当然ながら呼吸は出来ないのだが。
ほとんど何も考えずに、数分ばかりそのまま過ごした。
覗く双眸は、苦しさに虹彩の赤みを増していく]
……、
[視界が急速に暗くなるような感覚。
ごぼ、と水が音を立てた]
[所在を確かめるように時折こちらを向く、ディークの視線にも気付いてはいる。
それが、目を離した隙にふと親がいなくなりはしないかと案ずる幼児のようだとも。
けれども、彼我の距離を縮めることはしなかった。]
っ?
…っげほ
[身体を起こして自ら顔を出すと、何度か浅く息をつく]
あー… ?
[意識にかかったままの霧に、今は少し晴れ間があるようだった。
緋色に変じた虹彩、押し付けられた魔としての能力は自身の心身に影響を及ぼす事は、まだ理解しない]
[浴槽の縁に立ったままのコンラートを見上げて、
ここの浴槽がとても大きいことに思い至った]
あなたは入らない、のか?
…コンラート?
[聞いた名はスムーズに口をつく]
[意識を引き戻した呼び声の主、駆け寄ってきたコンラートを見上げて、
彼が服を着たままだったと気付いた]
だいじょうぶ、いま、ぼんやりして…
…コンラート?
[聞いた名はスムーズに口をつく。
近くある白皙へ手を伸ばした]
[触れた頬の温度は、お湯のそれに比べれば低い。
鮮やかな翠の瞳と緋色が交錯し、そこにこちらへの気遣のいろを認めれば、困惑して視線を下げ。
濡れて浮き出した鎖骨のラインあたりを彷徨ってまた見上げた]
貴方は──
ここは、どこだ
俺は…?
[既に一度した問いを、違う相手に向ける]
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