565 【SF＆BBS風人狼騒動RP村】Sleeping Silver Sheep ④ ～ 銀色羊は＂狼月の村”の夢を見るか ～
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【墓】 司書 クララ
これでいいんだ、これで。
今日あなたが食べたのは、家族じゃない。ただ１人の悪人を食べただけ。だから、いいの。これで……
［そこでクララの意識は途絶えた。］
【墓】 司書 クララ
［泥のような眠りから覚めれば。クララはこちらの世界へと帰ってきた。
覚醒しつつある意識の中で、クララは思う。］
んだよ。せっかくバーンてやって、ドカーンってするつもりだったのに。
あーあー。最後の、最後に、戻っちゃったな。せっかくゲームの中くらい、役目を解かれようと思ったのに。
あたしってば、マジあり得ないんですけどー
んでも、バックレる訳には、いかねえからな。
［己が司書クララでいるとき。誰かに、仕事に生きる女だと言われたか。なるほど、ある意味間違っちゃいない。］
【墓】 司書 クララ
なんでかなぁ
［どうして、自分はああしようと思ったのだろう。あれは紛れもなく、自分自身の思考。だけど何度考えたって、あの道を通る自分は信じられなくて。］
やりたかっただけだな。
［現実で自分が取れなかった選択肢を。］
【墓】 司書 クララ
［それに続いたのは意外な内容のアンケート。
なるほど、人狼に、ガルー。上手くかけたもんだ、このゲームに。］
ん。難しいの、NGね？
でもよ、別に面白い話なんてないんだけどな？ まっ興味くらいは持ったかもなっ。ちょっとだけね？
［これまでは、視界には入らなかっただろう。都合が悪ければ、次へ行けばいい。そうすりゃ、全部リセット。後は野となれ山となれ。それこそ、司書クララの過去のように。
でも、仮想世界とはいえ初めて捨てない選択をしてみて。悪くないな、そう思った。］
【墓】 司書 クララ
この後そういう連中に会うかどうかは、分かんねえけどよ。
人狼がとか、ガルーがとか、関係ねえ。可愛いもんは可愛いし、友達捨てるのはまぢあり得ねー。どの世界へ行ったって、あたしが誰になったって、それだけは変えないでおこうって。
［それを失ってしまえば、自分の場合、本当に過去を失ってしまうだろうから。どこかの世界の司書に叱られてしまう。過去から学ばかければ。］
そんなとこかなっ！
［また元の軽薄な表情へと戻るのだった。］
【墓】 司書 クララ
人狼を知らなくたって。変わっちまう辛さは、あたしもよく知っているからよ。
［ほんの一瞬だけ。クララが、村でのクララの表情を見せた。クララの本来の姿はどちらなのか。それは誰にも分らない。］
なんてな。こっちの話よ。単なるバイトの愚痴か何かだと思ってよ。
［そうそう、ただの冗談。だから忘れておいで。］*
【墓】 司書 クララ
［皆が目覚めるよりも前。秘密の物語。
かつて１人の娘がいました。人狼に関わる事件に巻き込まれ、若くして命を落とした彼女だったが、誰もそのことを知らない。］
なぜかって？ 誰も知らない、知られちゃいけないからさ。
［親密な人の死を受け入れられない、そんな家族、友、恋人に。
ささやかな一時の幻を見せる。それが自分の仕事だ。
容姿も、性格も、何もかもを再現して。
だからクララは生きている。みんな、そう思い込んでいるから。そいつは、最後まで演じ切るだろう。クララという人物を。
本来の彼女でいられるのは、せいぜいゲームの中くらいなものだ。］
【墓】 司書 クララ
だけど……
［夢はいつか覚めてしまうもの。いつまでも、ここにはいられない。
これまでがそうであったように、今回だってやがては去ってしまうだろう、クララという名を捨てて。
何度積み上げたって、そのうち自分はクララでなくなる。
自分は偽物だから、深入りする気になれない。
自分は偽物だから、絶対に本人は帰ってこないという世界の摂理が恨めしくなる。
私が、俺が、僕が、うちが、あたしが、死ななければならなかった、この宇宙が。］
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