565 【SF＆BBS風人狼騒動RP村】Sleeping Silver Sheep ④ ～ 銀色羊は＂狼月の村”の夢を見るか ～
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司書 クララ
［思いあたること>>342
そうだ、何がある。こんな時のために自分は司書をやっているんじゃないか。
非力な一般人だって、できることはあるはずだ。］
人狼について書かれた文献はたくさんあるよ。
金狼様と同じ、オオカミだから。
だけど……
［あるにはある。けれども、使い方が分からない。使いづらいのだ、そこに書かれている内容は。
神秘性や物語性に特化したものだから。］
みんな御伽噺の域を出ないね。どれも現実味がなくて。
［本当に大切な部分はぼかされている。はぐらかされている。
子供だまし。
子供のために書かれた御伽噺なのだからそれは当たり前なのだけれども、大切な部分が抜けている気がする。］
司書 クララ
昔の記録なら、図書館の奥にあると思う。
きっと役に立つはずだって、カタリナとも話してた。
でも……
［本当にそれを全員で共有して良いものか。
文献は後世の人のために残されたもの。それ故に、先人にとって都合の良い嘘が書かれていることも珍しくない。
司書だからこそ、見ないほうが良い情報があることも知っていた。それでも、今頼れるのはその文献しかないのもまた事実。
エルナならまだ信頼はできるだろう。カタリナもそうだった。後は、ペーターとか。だから、そんな不安も吐露するのだった。］*
司書 クララ
［食事を取りながら、誰にも気取られないように自身の過去を思い出す。
この村へやってくるよりもずっと昔のこと。クララはパンドラの箱を開けてしまった。
狂犬のごとく首輪で繋がれた。人には無い大きな尻尾を持つ異形の者は、獣の瞳で私を見つめていた。
抱いた感情は恐怖心ではなく。
美しい
その一言に尽きた。一目惚れだったのかも知れない。とはいってもまた年端もいかぬ少女。真の恋心というよりは、パパと結婚すると宣うのと同じ単純なもの。
少女は純粋さ故に何の躊躇いもなく。異形を鎖から解き放った］
司書 クララ
［波乱に満ちた道程が始まったのは、それからだった。
その年の暮れには、村が１つ消えたという情報が駆け巡った。
怖くて、人には言えなくて。
両親は急に内気になった娘を心配したが、少女は何でもないと告げるばかり。
無関係を装いたかった。信じたくなかった。けれども、そうさせてはくれなかった。
ある日、声が聞こえてきたから。］
司書 クララ
聞こえるか、我が愛し子よ。大いなｒ止めて！そんな話聞きたくないの！
［天よりの声を無理やりキャンセルすれば、その街からも逃げ出すことを決めた。
どこか遠く、その声が届かなくなるまで。］
司書 クララ
［人は熱さを忘れるもの。
いくつも季節が巡り、年頃になった時期には。あれは幼少期に見た幻だったのではと思えるようになっていた。
あんなこと、現実に起こる訳がない。
物事の道理を知ったからこそ、自分の記憶が信じられなくなっていた。
なのに、それは忘れた頃にやってきた。］
私の後を継げるのはお前さんだけだよ。さあ、今こそこの水晶を受け取るんだ。
［失くしていたはずの恐怖心がフラッシュバックする。ここで受け取れば、再び運命の波にさらわれる。
だから私は拒否した。その足で馬車に飛び乗れば、また新たな土地を探した。
あの占い師の訃報が入ったのは、その僅か７日後だった。］
司書 クララ
［対抗できる武器を渡されたとて、私は逃げた。不審者がいると、そいつを自警団に突き出した。
霊の声が聞こえてきても、知らないふりを突き通した。
気が付けば、その声も聞こえなくなっていた。
逃げて逃げて、逃げ続けた。
廻った世界は、ニコラスとだって良い勝負だろう。ただ１つ共通しているのは、訪れた場所その全てに厄災が起こっているという点だけ。］
司書 クララ
［長い悪夢を見ていた。醒めることのない悪夢を見続けていた。
お願い、神様でも悪魔でもいい。諦めて、何かの間違いなの。私を追わないで。私は何の力も持たないの。
私は不幸の子。必ずみんなに悲しい顔をさせる。
ゲルトさんだってきっと。
人とあまり付き合わないのは、単に性格。
博識なのは、司書をしているから。
そう自分自身を取り繕って。］
司書 クララ
本当に？
いや待って、目にゴミが入るのも充分よくないことだよ。
［目をのぞき込もうとすれば、あの日と同じ、吸い込まれるような感覚
いいえ、気のせい。私がどうかしているの。］
司書 クララ
［無理に受け取られれば、押しに弱いクララは相手のペースに乗ってしまう。今しがたのことなんて忘れ、言われるがままに、食器をリーザへと手渡してしまうのだった。］
わたし、私。家事とかそういうの苦手だけれど……
何か困ったことがあれば、なんでも手伝うから……その……
もうちょっと、頼ってもいいからね。
［そう絞り出すのが、精一杯。］*
司書 クララ
やっぱり私、保管庫へ行ってくるよ。
役に立ちそうなもの、片っ端から漁ってくる。
［大切に持っていた鍵、それを使うのは今だ。もしかすれば、本以外にも何か手掛かりが見つかるかも知れない。
その場にいた者に、そう伝えれば。悪天候の中、走って図書館へと向かった。］*
司書 クララ
［クララがこの村へ来て随分になる。
人狼に纏わる本、金狼に纏わる本は仕事の合間をぬってその多くを読み込んだ。いつか来ると分かっていた、逃れられなくなる日のために。
役立ちそうなものは全て宿へ持って行こう。］
後は……
［これまで目を逸らし続けてきた議事録。自分１人で見る勇気は無いけれど、一緒になら見られる気がする。
司書 クララ
これでよし、と。
［皮の袋に全て詰め込めば、再び宿へと踵を返す。
ゲルトさんのこともある。安易に全てを明かしてはいけないのは分かっている。］
だから、信頼できる人にだけ。
［みんなにとって役立つもの。見せても大丈夫そうなもの、平穏を崩さないもの。他は私がずっと持っておく。
とはいっても、もし事が起これば。
躊躇はしていられぬと、さらに多くを明かさざるを得なくなるだろう。誰もが自由に読める状態にまで。］*
司書 クララ
ディーターさん、気を付けたほうがいいかも。
［なんて、つい口走ってしまうかも知れない。
ディーター"に"なのか、ディーター"が"なのか。
言葉足らずなクララは説明しなかったが。］
ううん、なんでもない。
［真意を伝えないままに取り繕ってしまうのは、彼女の悪い癖だ。］*
司書 クララ
［やがて宿へと戻れば。いくつかの大事なものだけを自分で持ち、残りは宿にある図書室へ置いておく。］
やっぱりなんだかおかしいよね。フリーデルさんも言ってた>>530し。
［フリーデル。時々相談に乗ってくれる、頼れるお姉さん。どこか儚げな印象を受けるけれど、でも私なんかよりずっとしっかりしているのだと思っていた。
だからこそ辛かった。本当の心の内は、結局話せていない。］
それともエレナの言う通り、考えすぎかな。
［そうだ、まだ何も起こっちゃいない。ゲルトだって、明日になればきっと目を覚ますはずだ。民間療法をあれだけ試したのだから。そう、明日になれば……］*
司書 クララ
［夜間⑫の部屋
始まりを告げる鐘が鳴ったとはつゆ知らずに、クララは部屋に閉じこもる。人気の無い内部屋を選んだのは、図書室に近いのもあるけれど、暗い場所のほうが落ち着くから。
眠るでもなく、椅子に座りながら思考の海へと落ちていく。］
司書 クララ
［何もない平穏な夜を願う。けれども、それが叶わないことは薄々察していた。
なぜかって？
あることなすこと、想定しうる最悪の状況が起こるか、想定を上回る最悪の事態が起こるか、どちらかに決まっている。］
死ぬまで逃げ切ってやるって、息巻いていたんだけどなぁ。
［情けなさすぎる決意に笑っちゃう。怪しい声が聞こえなくたって、これまで同じ場所に留まったことはなかった。
それでもこの村に定住していたのは、この村の人々とは過ごしやすかったし、金狼伝説に淡い期待を抱いていたのもあった。
でも１番の理由は。］
もう、疲れちゃった。
司書 クララ
［今だって、すごく怖い。どこまでも自分は非力だ。
あの時、水晶を受け取っていれば、霊の声に耳を傾けていれば。運命は違っただろうか？］
いいえ、そんなはずはないよ。
［その力を活かして、自分だけが助かることに専念しただろう。クララは小心者であったが、それ故の冷酷さも持ち合わせていた。もっとも、今回はそうも言っていられないようだ。前触れなく巻き込まれたのは初めて。だから逃げ遅れた。分かっていれば、当然街へとついて行った。大切な皆を見捨てて。
それがどうしたことか、自分は今こうして村にいる。かといって、黙って運命を受け入れられるほどの勇気も無かった。だから本を配った>>752。］
司書 クララ
どちらつかずで、気まぐれで。
それが普通の人間ってものでしょう？
［またクララは笑う。
そしてふと思う、普通の人間がこんなにも巻き込まれるものかと。何か理由があるのではないかと。
自分だけじゃない。気が付いていないだけで、今この村にいる人たちもだ。
クララはすくりと椅子から立ち上がる。］
そこに何かヒントがあるに違いないよ。
丸っきり御伽噺なら、金狼を神だなんて祀らないもの。*
司書 クララ
［人狼騒動だけじゃない。吸血鬼騒動にゾンビ騒動、ドラゴン伝説にペガサス伝説、９９９年戦争にアルマゲドン。
それらのあらましを書物で知ったクララは昔から思っていた。
全員が全員、何一つ包み隠さずに情報を共有すれば。どんな困難に見える問題だって、簡単に対処できるのではないかと。例えばレジーナが人狼だったとて、何とか共存できるのではないだろうか。
では、なぜそれができないのか。］
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フィルタ
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