565 【SF＆BBS風人狼騒動RP村】Sleeping Silver Sheep ④ ～ 銀色羊は＂狼月の村”の夢を見るか ～
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司書 クララ
ふええ、こんなにも捌き切れないよぉ。
［今日も彼女は頭を抱える。どうしてこんな田舎の村なのに本がここまで多いのか。色々な伝説、伝承が多い村だとは聞いていたけれども。人手が足りていない分、司書はいつだって大忙しだ。］
あまり人と話さなくて良い静かなお仕事だって聞いたから司書になったのにぃ。
［これじゃあ聞いていた話とまるで違う。彼女の悩みの種は尽きそうにもない。］
司書 クララ
ありがとう。いつも済まないね。
［棚から崩れ落ちそうになった本を慌てて抑えながら。
数冊ぽとりと地面に落ちてしまったが、まずは上に専念だ。］
うーん、他の司書さんを探していない訳じゃないんだけどね。ほら、街からは随分と遠いからさ。なってくれる人がいないんだよ。
［ようやく積みなおせば、踏み台にしていた机から飛び降りて、滑り落ちた本を手に取ろうとする。］
司書 クララ
おや、これは。
［かなり擦れてしまっているが、「金狼と░▓▒▓█▓░░▓▒狼の伝承」と書かれていた。口語だけでは心許ないと過去の人々が残していったもの。昔の人は偉大だ。］
あらやだ。奥にあるはずの本を間違えて表へ持ってきちゃったみたいね。
［いくつかの書物を奥の部屋へ引っ込めているのは、大事なものといいつつ、きっと古くなった書物をこれ以上痛まないようにしているのだろう。クララはそう考えていた。］
せめて、綴紐だけでも直しておこうかしら。
［そう呟けば、いくつかの本はその場へ置いていた。］
司書 クララ
今年ももうお祭りの日か。これが終わると一気に冬、寂しくなるね。
［それにこの日からしばらくは人が居なくなる。ここの支配人も街へ出かけるから、クララは当分１人だ。］
今年も私はお留守番。教会は……流石に誰か残るよね。
［この村へ来る前のペーターくんのことは知らないけれど、１人だけで半月も教会を任せられるようには見えないし。］
私、今年はレジーナさんの所へ厄介になろうかしら。
司書 クララ
私は行けそうにないからね。
それに、人がたくさんいると酔っちゃうし。
［もっぱらそれが理由。楽しそうだな、なぜだかそっちのほうが自分に合っている気もするのだけれども。
いやいや、そんなはずはない。自分はああいう場所は苦手なはず。］
じゃあ、紙の原料になるカヤツリグサをお願いしようかな。
冬ごもり用の干しブドウと香辛料も。
［あれこれなんてお使い？ けれども、頼めるところは頼む主義なのです。
必要な分のお金に少し色付けしたものをペーターに渡せば、宿の図書室へと届ける本を纏める作業に入る。］
司書 クララ
［本っていうのは知恵の宝庫。知恵はいざという時に役立つものだ。
例えば、今頼んだ干しブドウと香辛料の使い方。これについても何冊もの本がある。用途は様々だけれども、日持ちがするってのはこの村にとって重要だ。
そして注意しなければいけないことは……］
司書 クララ
［外からやってきたというのは、私も同じ。
喧騒から逃れて静かな田舎で平和に過ごしたかったってのもあるけれど、この村の伝承に惹かれたという面が大きい。
それがなぜだかは分からなかったけれども。
金狼と人狼、どちらも同じ狼だというのに。聞こえる評はまるで逆。それぞれが対となるかのようだと感じたのは、自分だけではあるまい。］
司書 クララ
ごめんください……
どなたかいませんか？ 本を届けに来ました。
［やがてレジーナの宿へとたどり着けば。
おずおずと入口から覗く。もしも声が届かないようなら、意を決してもう少し大きな声で。］*
司書 クララ
わあ！ あわわわ……
［自分から声をかけておきながら、この驚きようである。
眼鏡を整えてみてみれば、知らない顔ではなかった。
時々図書館にやってくる、ちょっとかっこいい人。］
いいえ、そんな訳には……ってキャッ
［言わんこっちゃない。バランスを崩しかけるのだった。］
司書 クララ
うぅ、やっぱりお願いしますぅ
［背に腹は代えられぬとはこのこと。無理をしないことだって、生きる知恵だ。文献によれば。
半分ほどを頼めば、ようやく立ち上がるのだった。］
司書 クララ
［結局手伝ってもらってしまった。
優しくされると、なんだか悪いことをしている気分になる。内気な性分あるあるでしょう？
だから何かお返ししてあげないと。
旅人が時折図書館へ訪れる理由はある程度は知っている。
以前話しかけた時に聞いていたから。］
そうだ、ニコラスさん。良い本を見つけたんです。
見てください！ 物忘れに効くこと１００選！
［記憶喪失を物忘れで片づけるな。
悪気は無い、天然なのだ。］*
司書 クララ
ええ、もちろん。本は読まれてこそ意味がありますから。
［ずっと埃をかぶっていちゃ宝の持ち腐れだ。
これを書いた人だって、きっとそう思うに違いない。そんな確信があった。］
本はええっと……レジーナさん？
［いつもなら真っ先に出てくるはずなのだけれど、生憎留守にしているのだろうか。音沙汰がない。
珍しいですね。お祭りの日だからでしょうか。
［とはいえこのまま待っているわけにもいかない。入口で立ち止まっていたのでは邪魔になってしまう。］
もう先に図書室へ運んでしまいましょうか。*
司書 クララ
［図書室へ行く道すがら。いつものように賑やかな宿。いつだって傍にあるのに、それはどこか遠い世界のようで。］
私も、一歩前へ出られたなら。
［時々みんなが羨ましくなる。それは"誰か"が願っている夢とは相対するもの。
もっと認められたい、もっと光を浴びたい。
美しい金狼。麗しい伝承。そんな何かに憧れて。
私はこの村へ来たのだから。］*
司書 クララ
［さて、自分はラベリングをしながら力仕事だけ手伝ってもらって、随分と早く仕事は終わった。
やろうと思えばいつまでもできる終わりのないお仕事だけれど、今日のところはこれくらいで罰は当たらない。］
お礼しなきゃいけないのは私のほうですってば。
［なんて言いつつも、ちょっとしたショーの始まりそうな雰囲気に興味深々。あれ、なんだかんだ言って全部受け取っているぞ。
でも良いんです。甘え上手なのも大切なスキル。そう文献に書いてありました。］
司書 クララ
わあっ
［驚いたのは不思議なマジックにか、素敵なお土産にか。
さすが都市を渡り歩いているだけはある。色々なものを知っていて凄いなと憧れのまなざしと、ほんの少しの嫉妬心。］
大切にしますね。
［ぎこちない笑顔を作るのが精いっぱい。本当はもっと素直に喜びたいというのに。
こちらもぺこり、ニコラスを見送った。］
司書 クララ
［祭壇へと向かう道。
どういう訳だか、自分は選ばれることが多い気がする。
今年も選ばれなかったかと憤るヤコブにもさせてあげれば良いのにと思うけれど。
多少険しい道ではあるけれどもクララは平気だった。弱弱しいのは雰囲気だけで、案外体は頑丈。もしかしたらそのあたりも考慮に入れて選ばれているのだろうかなどと思う。ご長老モーリッツが選ばれたらたどり着け無さそうだし。］
オオカミさんだから、お肉のほうがいいよね。そう文献に書いてありました。
［オオカミが肉食なのは文献を読まなくても分かるのでは。］
司書 クララ
［獣の紋様は風と雨のはたらきによって刻まれたものだとクララは文献で知っていた。
それと同時に、金狼様がやってきた星の海を表しているという伝説も、やはり文献で知っていた。
クララは、そちらの話のほうが好きだった。］
司書 クララ
［静まり返った山道に差し掛かれば、急に心細さを覚える。
日暮れの近い道は少々危ない。少し前にゲルトとカタリナが出て行ったのを見た。今から追えば間に合うかも知れない。
それとも、後から誰かが追い付いてくるのを待ったほうが良いだろうか。］*
司書 クララ
空からの船が再び動き出せば。
あのお月様にだって。手が届くんだろうな。
［そんなことを夢想する。
だからこの村へとやってきた。金狼は昔話に終わらず、クララが見たいのは新たな伝説の創造だ。］
司書 クララ
［残念ながら人への観察眼はあまり芳しくない様子。
もとい、自分より怖がりな人なんていないと思い込んでいるクララ。厄介なことに。だからきっと、目いっぱい頼ってしまうだろう。］
良かった！
［そして当たり前のように、相手を前へ行かせて自分は後ろに隠れるのだ。
今度は背後が怖くなってくるまで、そう時間はかからないだろう。］
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