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― 回想・公国にて ―
ユリシーズ様のお話では、緑の閃光を浴びた瞬間に視力を一旦奪われたが、しばらくして回復したとのことだ。>>74
背後からではなく正面であったのは、ステファン……ステファン氏と同様でありながら、明らかに彼とは様子が違っていたと。
現場から銃器は発見されなかったが、氏の毛髪、衣類から貴石の微細破片が採取されている。
魔器、魔法石による銃弾……。
これまで知られた魔器魔弾とは明らかに効果が違う。
俺は防諜を離れるが、引き続き情報の収集と連絡に努めてくれ。
そうだ。
これから就く任務……諜報にも関わる話だからだ。
[ シュヴァルベに向かい出立する少し前、防諜部に腹心の部下に、そう託した。 ]
ステファン氏を襲撃した実行犯は、氏を見て若干戸惑った様子を見せ、かつ倒れる彼を支えて丁寧に地に横たえたと言う。
ステファン氏がトライブクラフト伯の外套を羽織り影武者を務めたのは、咄嗟の偶発的な行動だが、氏と伯爵が親子であることを襲撃犯が知っていたならば驚くだろうか?
俺は驚かないと思う。むしろ親子仲の良い孝行息子が国の要人であり、和平交渉に欠かせない人物である父を庇うのは承知の上ではないかと……な。
つまり、襲撃犯は、氏を知っていて、彼を予想外に襲ってしまい衝撃を受ける立場にあった事になる。
公国人ではありえない。
……士官学校の学友かつ、帝国人だ。
そして、これは諜報の仕事ではない。暗殺だからな。
自身でも穏健派であるステファンの学友であり、更に士官でありながら襲撃実行に手を染めたならば、帝国内でも命令に逆らえぬ立場という可能性が高い。
立身に腐心する立場ということも考えられるが、そうであるなら襲撃直後の振舞いが妙だ。一貫していない。
ローズ、間際に済まないが、国内で帝国と関わりある人物を探ることをまず頼む。
勘に頼る部分が大きいが……、立場が弱いであろう・立身に執着ということ、血統に拘る帝国の気質、
……トライブクラフト伯を殺害すればこそ、帝国への奉仕を証立てられるのであれば、公国に繋がりある人物ではないかと考えているんだ。
ああ、公国は人種の坩堝だからな。
生半可なことではないのは分かってる。だが、お前ならやってくれると信じているよ。*
― 公国拠点・総司令執務室 ―
[ まずは配属の挨拶に。准将として公国前線を預かるトルステン・フォン・ラウツェニングの元へと赴く。 ]
失礼します。
ミヒャエル・フォン・デンプヴォルフ大尉、公国軍前線諜報及び防諜担当として只今より着任致しました。
本国では防諜部としての不明がありました事、お聞き及びと存じますが、その失態を灌ぐべく全力で任務に当たる所存です。
[ 敬礼して口上を述べ終えてから、 ]
……お久しぶりです。殿下。
[ その後、前線で既に遂行中の諜報作戦についてトルステンや、他の将校から経緯説明を受け、防諜部で管轄してきた公国軍人たちの情報について報告した。>>220 ]
フレデリカ・ファロンも現在こちらに配属されていますね。
殿下がご卒業なさった年の、ええ、対人戦闘でベルンシュタイン大佐の相方を務めた者です。
体格性別と不利な条件を抱えながら……ああ、ご存じなかったでしょうか。
当時は男子生徒として在籍していましたが、現在は本来の性別のまま士官しているようです。
[ しかし、その時には金眼の大男からトルステンが受け取ったローズクォーツを使った通信機のことまでは聞いてはいなかった。* ]
/*
あれ……ちょっとこのキャラのスタンスっていうか奥向きっぽいポジでどう死亡フラグ立てればいいんや……?
てなった。
まあ、そのうち最前戦にふらっと行けば何とかなるか……
/*
そういえば情報将校とか言ってて一番情報に疎いよ。
囁き持ってないからね!ww
いいんです囁きない身には白ログが全てなんだ…
― 公国拠点・中級将校執務室 ―
[ 正式な所属部隊はないものの、情報局員と歩兵数名を合わせて十名前後、分隊程度の配下を与えられることになった。
総司令執務室を辞した後、自身の執務室に戻って、今日渡されたばかりの書類、情報のあれこれに目を通している。 ]
……《狼》と《猫》か。
猫はシュヴァルベ駐在のジャン局長配下、カサンドラ=レイブンウッド……
カサンドラ、教官?
魔器と科器の専門で、士官学校で教官を務め……あの人が、そうか……。
彼女ならば、適任ではあっただろうな。
戦艦壊滅時も情報を送っていたがその報を重用しなかった為に海軍が致命的打撃を受けた。
今回の氷を使って橋を作りあげる魔器による帝国軍作戦こそは、ということか。
魔器、
魔弾……
彼女ならば、ステファンが襲撃された折に使われた銃器の詳細が分かるだろうか。
すでに、奇襲作戦迎撃の折、彼女を公国に帰還させるべく命を受けた間諜が先行していると聞くが。無事に遂行されるのを祈るしかないか……。*
― 公国拠点・中級将校執務室 ―
ステファンを襲撃した実行犯……
公国にゆかりある帝国人、か。
[ そう呟いて、ふと胸元に視線を落とす。
上着とタイの上から、左手を首の真下に置いてそっと抑えた。 ]
魔石じゃないだろう、と言ってた。
多分偽物だと。でも、貴石の全てには何らかの力があるんじゃないか。って……
[ 本国から送られてきた書類のいくつかを探り、目当てのそれに視線を向ける。 ]
ラムスドルフ伯爵家。帝国貴族だが領地の一部がシュヴェルベに掛かっている為、公国内地にも領地を持つ……。父ナイジェル・ラムスドルフは伯爵家を逐電し、没時は魔石科学者として名を成す、か。
氏と夫人シュテラ、息女グレートヒェンは二年前の五月に襲撃され死亡。
ノトカー・ラムスドルフはすでに仕官していて市街の屋敷には不在の為襲撃を免れたものの、同年六月のフェルゼンベルク焼失によりそちらに移していた家屋も夫人ユーリエも失い……
[ 淡々と書類を読みあげていく声が次第に小さくなっていく。 ]
ステファン襲撃実行犯と重なる部分はある、が。
明るくて優しい奴だったが、敵には容赦のない性格だった。
幻獣模擬戦闘とか、
誰も討ち掛かれないような兎を模したキマイラの首を迷わず叩っ切るような男だ。
一旦敵と定めたら迷うことはない気がする……。
だけど、全く無関係ではあり得なさそうだ。
魔石研究と言えばまず第一にナイジェル・ラムスドルフの名が挙がる訳だし。
そして、ナイジェル・ラムスドルフ一家の殺人事件か……。これもどうなんだ。
間諜の仕事として。
[ また考え込む。 ]
ギリアン、姓不詳、公国人と自称。
グレートヒェン嬢の家庭教師……彼女は足が不自由であったために外部の学校には通えなかった。彼女に勉強を教えるうち親しくなり、婚約。
一家殺人事件後は消息不明。現場には銃器こそないものの、火薬弾の殺傷力を示す銃創を全員が負っており……か。
というか。
間諜が自らの仕業と分かるような乱暴な仕事をしてどうするのだ。
次の仕事に差し障るだろう。
しかも大男、髪の色は変えられても丈高い身長と目の色はそうそう変えられん。
当時の帝国警察捜査記録では、魔法石による通信機及び魔法弾の技術を狙われた模様とあるが。
魔法弾は我が国では量産不可能だ。魔石の通信機とやらはよく知らんがこれも量産は不可能だろう。少なくとも魔石に由来する構造である以上は。
それを我が国で活用するならば、隠密に盗み出してくるのが妥当だ。敵方に技術が渡ったと公になればすぐにそれを使用できなくする技術が開発されるだろう。
……火薬弾は魔法弾よりも実質希少だ。間諜が所有するそれは己の身に最悪の危機が迫った場合でなければ使えない切り札じゃないのか。何より、何度でも使用可能な刀剣はどこでだって手に入る。
なぜ、火薬弾を使ってまで全員を殺害せねばならないのか。
……技術そのもの?
器機ではなく、それを有する人間ということか?
間諜は滅多なことでは、特務でもなければ暗殺をする権限はないはずだが、その技術を有する人物をただちに抹殺せねばならないとあれば、
おそらく。
令嬢までもが殺害されたのは家を取るのがノトカーではなく彼女、技術の知識や権利も令嬢に継承されるから、だったのだろうか……?*
― 公国拠点・中級将校執務室 ―
[ >>567 入口で掛けられた声に顔を上げると、すでに彼は部屋の中に立っている。 ]
ベルンシュタイン大佐……!
わざわざお越しいただくとは申し訳ありません。お呼びとあれば、すぐにそちらに伺いましたが。
はい。帝国軍奇襲にあたって、竜騎兵隊も出撃したとお聞きしました。任務お疲れ様です。
>>568
え?
ステファンの、先日推論程度に報告書を出した、あの件ですか?
本国の自分の部下はまだ連絡して来ていませんが、
何か、ありましたか。
>>570
ウェルシュ……ツヴァイクと名乗ってましたか。
帝国での名はウェルシュ・ドーベルニュですね。
[ 帝国軍人についての書類を机の上から数束つかみ取り、ぱらぱらと捲って内容を確認する。 ]
オーベルニュ伯爵家は当主が成年にありながら後見人がいまだ一族に根強い影響力を持っている……と。
そして彼はステファンの同室者だ。オーベルニュ伯爵家についての詳細までは分からないでも、それだけで答えは見えているようなものですね。
さすがはベルンシュタイン大佐、昔と変わらず見事な行動力です。本人と当たってそこまで探りだしてしまわれるとは。
>>571 魔法銃。ええ、それについても調査は続けているんですが、帝国の最新魔法技術はなかなか情報の秘匿性が高くて……
前線でまた使用されたとあっては影響は多大です。引き続き調査に努めます。
え?
[ >>572顔が見たくなって、と言われて、目を丸くした。
人懐っこい笑顔は、年月を経て精悍な青年をひと時、六年前の学生時代に戻している。 ]
……相変わらずですね。
人をびっくりさせるのがお上手だ。先輩は。
>>580
運は最強。でしたっけ?
覚えてます。そしてこんな言葉もあった。《運の実力のうち》
>>581
ええ、猫が帰還した折には是非協力を求めたいと思っておりました。無事で何よりです。
カサンドラ教官とお会いするのもお久しぶりですが、覚えて下さってるでしょうか……。
はい。何か?
[ あともう一つ、と前置きするディークの顔を見上げて、 ]
軍務大臣暗殺の件ですね。
大臣の護衛官であったアリー大尉……も、現在は此方に配属されておりましたか。大佐の同室者であったこと覚えております。
俺……、いや、
自分は直接の担当ではありませんでしたが、今回の剣と合わせてまた情報を精査する必要は感じております。
特殊な刀剣による傷、そして、アリー大尉のみが生存されたという点につきましても。
>>582
考えるのが仕事ですので。
まあ、情報整理もなかなか追いつかない現状でお恥ずかしいですが……防諜と諜報両方の情報が入ってくるようになりましたから。
>>583
笑うのも外に出るのも大事、ですね。胆に銘じておきます。たまには外でお茶でも……
[ そう言いかけて、ふと目を宙に彷徨わせる。 ]
士官学校の頃は、ステファンや、シェットラントなんかとよく学校の中庭でお茶を飲みました。
先輩が卒業された年に、彼らが主催したお茶会がその後も恒例になって。
バッカー先輩がお菓子を差し入れしてくれて。
……ノトカーも。
いえ。
そうですね、顔を見て話をしないと、忘れてしまいそうになる。
……色々なことを。
>>584
はい。聞いております。
戦死者名簿も、こちらにありますので。
>>585
ありがとうございます。
では、……良い茶葉を手にれましたら、是非。
[ 大佐という階級とは思えないような気さくな態度で手を振り、執務室を出ていく後ろ姿に小さく笑みを零し、
その後は敬礼で見送った。** ]
― 回想・士官学校卒業前 ―
>>206
[ 子供のように、褥の柔らかさを楽しむみたいに寝転がって足をぱたぱたさせている同室者が呟くのに、眉を上げた。
常日頃元気な彼らしくない感傷的な雰囲気に何と返すべきか、迷って、そのまま答えを飲み込んでしまっている。
明かりを落とし、上段の寝台に上がるべく梯子に手を掛けると、また独り言のような言葉が聞こえてきた。 ]
……そうだな。
また、いつか戻ってこれたらいいな。
いつか。
[ こちらが相槌を打つも打たぬも関係なくノトカーが喋り続けるのはいつものことだ。
答えを期待されている訳でもないだろうと放っておく場合も多い。
しかし。 ]
イイオトコ号?
ああ……
そうだな、最近ますます女嫌いに拍車掛かってるよなアイツ。
んんん、気に入られてるかどうか……まあ馬房の掃除はさせてくれるから、嫌われてはいないんだろうけどな。
他愛もない話。
希望だけの再会の約束。
《もし、また》 そんな言葉で夢を見た、遠い、春の夢だ。
[ 卒業式で涙の海に溺れそうになったノトカーが、ユーリエの姿を見かけるなり風のように飛んで逃げ、探し回った挙句に厩舎のイイオトコ号の馬房に隠れていたのを見つけた。
愛馬の首を抱きしめて泣いていた彼を引きずり出して、ユーリエの前に連行したのが、最後の思い出だった。* ]
― 公国拠点・中級将校執務室 ―
ユーリエか……彼女も、もう……
フェルゼンベルク……
[ 帝国軍人に関する報告書を爪繰り、そこに記されていた名を目で追いながら、ひと時、士官学校へと思い馳せていた。 ]
ヴィンセント・アイゼンシュタイン……
フェルゼンベルクは魔器ギルドの街だったと記憶しているが、そのせいか?
すると、ラムスドルフ家襲撃犯が魔石技術そのものを抹消するつもりであったのが、すでに彼女とヴィンセントの方に技術が渡っていて魔法弾の実用化となった、ということだろうか……。
[ 考え込んでいるところに、扉をノックする音が響く。 ]
はい。どうぞ。
ああ、これは、
……お久しぶりです。
《猫》の御高名は耳にしております。まずは作戦成功と無事の帰還御苦労でした。>>735
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