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[ダーフィトの顔色は悪いまま、まだ意識を取り戻さないままでした。
どれくらい時間が経過したことでしょうか。
突如見覚えのある黒い影が、現れたのです>>6:197。
でも、そこに居たのはいつもの優しそうな『彼』ではなく。
そう。私は知っている。彼から感じる、この感覚は。
――タイガさんの時のような。]
シメオンさん……?
[刃のように美しく輝く深紅の双眸が捕らえているのは、私の隣に居る――。]
や……
[やめて、と言おうと口を開くものの、袖の先から伺う鋭い爪が振り下ろされた先には――。]
[私は反射的に、彼の前に立ちはだかりました。
現実は虚しく。
当然の如く、実体のない私にそれが当たることはなく。
私の背後で、深緋が弾け飛んだのでしょう。*]
[私は怖くて、背後を振り向くことが出来ませんでした。
先程の光景も、私の過去の傷を抉り出すには十分過ぎました。]
(――シメオンさんが、ダーフィトを……。)
[その間にも、深緋が地を這い私の視界にも入って来ます。
まだ夢であって欲しい。……これは悪夢だと。
……怖い。
震えが止まらないまま、意を決して、私は背後を振り向いたのです。
――彼の最期を、生きた証を、見届けるために。]
[非常階段という場所柄申し訳程度の照明の設置しか光源は無く。
血痕が鮮明に見えないことがせめてもの救いでしたが、それでもトラウマを刺激するには十分すぎるものでした。
体が震えるのです。
あのシメオンさんが、ダーフィトを殺した、現実。
心の乱れを隠すかの如く、私は血塗れの動かぬ体を、すり抜けながらもそっと抱きしめました。
あの時、彼が私を運んでくれたように>>3:157、私も彼の為に何かしたい。
でも、触れることは愚か、声すら届かないのです。]
……ごめんなさい。本当、ごめんなさい……。
[違う、こんな形で彼に謝りたかったはずじゃなかったのに。
どうして……。]
[何も出来ない自分に対する憤り、悲しみ。
それらに打ちひしがれていた頃、先生とトールさんの姿が見えました>>1>>3。
――ああ、彼らが来てくれたのなら良かった。]
先生、トールさん。
ダーフィトを、よろしくお願いします……。
[決して聞こえることのない呟きを、今を生きる彼らに向けぼそりと。*]
/*
久々にダーにゃんとお話できる、といきなり大量発言してしまって何こいつウワキモ状態になってる……
本当すみません……! 1週間以上も地上組とは話せてないので!
でも最終日まで行ったか……すごいなぁ。
/*
うわあああ地上の展開から目が離せない……!
トールかっこいいよ……!
そして明日のエピ入りまでにソロル落としきりたいんだけどもう時間が26hしかないという衝撃
――loup-garulf 〜lose control〜――
[レオンの出向期間が数ヶ月延びたのは、病に臥せっていた為。
彼一人の出向であった上自ら現地に赴くスタイルを変えなかった彼は、後先を考えずに行動する嫌いがあった。
母星では見られない珍しい資源や鉱石、薬草等があれば危険を顧みず自ら採取に向かう性質が仇となり。
ネオ・カナンの住人は生まれながらにして抗体を持っている為まず罹らない病であり、命に別条はない病ではあるが、現地でも治療法は限られていた。
更に運悪くシルバー・メリー号が外惑星周航中の為、連絡も取れず医師の派遣も出来ず。
しかしレオンは持ち前の生命力で、現地の医師も驚く程回復力を見せ、病は完治する。
人は一度死の淵を彷徨えば、より生命力に溢れるようになると言ったのは誰だっただろうか。
やがて約8ヶ月の出向期間を終え、母星、そして家族の待つ故郷へと戻ることとなる。
出向による成果も上々、病も完治、体調も良くなり良いこと尽くしの成果を挙げられたと、本人も船員達も歓喜に包まれていた。]
[病は奇跡的に回復し、完治したものの。
同時に別の
[出向期間が終われば帰りを待ち構えていた家族に出迎えられ、再会を喜び合う。
家族には心配させないようにと、病ではなく仕事の都合で出向期間が延びたと嘘を吐き。
土産と美しく輝く現地の鉱石の欠片を渡し、現地の雄大な自然や民のことを語り、公私共に大成功だったと告げる。
結果その功績が認められ、昇任も決まり、順風満帆過ぎる輝かしい未来へのレールが敷かれていた。
はずだった。]
[何時からだっただろうか。
時々、記憶の一部分がページを破られたかの如く抜け落ちるようになったのは。
その度自らの手が、時には口元までもが血で塗れていたことは。
妻や娘を見て、冗談抜きで「旨そう」と感じたことは。
――血肉の味で我に返れば、自らの姿がヒトのものではなかった。
当たり前のように、四つ足で闇に紛れ 大地を駆けていた。
悪い夢だとしか思えない、思いたくなかったが、身に起きたことは、全て紛れもない現実。]
[出向期間を終えて僅か数ヶ月程度しか経過していないのに。
己が己でなくなる現実。人を喰らい、破壊衝動により無差別に人を襲う記憶のは確実に存在している。
正確に言えば喰らっている時の記憶、ではなく。
全て『事後』の記憶でしかない。]
――今はまだ身内や近しい人物が居る時にこの症状は起こっていないが、もし、妻や娘の前でその衝動が起こったら。
……どうなる?
その時、
[既に手遅れかもしれないが付け焼刃程度にはなるかと、船内の資料館で自身の症状――文献の書物を読み漁り、後に娘を手に掛ける男も見ることになるデータを底から搾り出す>>2:350。]
――ああ、もう手遅れだな。
俺がお前らを獲物として食っちまう前に。
俺は死なないといけない。
……哀しいな。
本当に、お前らが美味そうに見えることがあるんだ。
いつまで抑えてられるか、わからん。
すまんな、カタリーナ、ベルティルデ。
カタリーナ、あんなに惑星行き反対してたのにな。俺が強引に決めなければ、こんなことにはならなかったかもな。
ベルを船に乗せてやるって約束してたのにな。
[
何かあった時には、遠慮なく俺を殺してくれ、と。
妻は、ずっと泣いていた。
「殺してくれ」に対しての返事は返って来なかった。
その後、夫婦間は気まずい雰囲気が続き、会話も徐々に減る。
何も知らない7歳の娘だけは、変わらずに元気なまま。]
お父さん、お母さん、最近どうしたの?
仲良くしないとだめだよ?
(――こんなに無邪気で純粋な娘が、餌に見えるのだから。
俺は、本気で戻れないところまで来ちまった化け物なんだな……。)
[人間としての理性と、自らと完全に同化した、獣としての本能。鬩ぎ合い続け、残り少ない時は流れ。
――それらの決着が着く時。
来るべくして来る時は、僅か数週間後。*]
――回想・6dNルーム――
[私が不安、戸惑いを隠しきれないままエレオの名前をぼそっと呟いただけの反応をしたのに対し、彼女は喜びからか、嬉しそうに、私の手を取りました。
その瞳にはうっすらと涙が浮かんでいたのです>>+20。]
エレオ、久しぶり……私も会いたかった!
[彼女は私の周りをうろうろと周り、何やら見ていました。
私のことを心配してくれているのでしょうか。
私がどのような第一声を掛けようか悩んでいたのが、何だったのかと思う程に素直に感情を出してくれた彼女は、やはり変わらないままで。]
いっぱい心配かけさせちゃってごめんね。
エレオが私が死んだって聞いたとき、お皿落としてショック受けてた場面、見てたの。
うん、私は大丈夫。……大丈夫かは不思議なラインだけどね。
[エレオが半透明の姿で居るということは、彼女の身に何か起こったのは確実でしょう。
でも、トラウマを刺激されたりやショックな内容かもしれない、と彼女から言い出さない限り聞かないことにしました。
何より、彼女に笑っていて欲しいから。>>3:+33>>3:+34*]
[私の様子を見かねたのか、アイリが声をかけてきました。>>+21>>+22
残念ながら彼女の声>>+4は聞こえなかったのですが。]
ありがとう……。
[嬉しさ、哀しさ、葛藤――私の中には様々な感情が渦巻いていました。
一瞬、また一人になりたいと考えていたのも事実。
でも、こうして私のことを心配し、声を掛けて友人が居るのだから。
私はしばらく、彼女の胸を借り泣きました。
最後の方は、嬉し涙へと変わっていたことでしょう。]
そうね、今はまだ居ないようだけど。
死んでしまったのなら、私達と同じように何処かに居ると思うから。
[実は彼は、近くに居たのです>>+26。
私の視線や意識が彼の物言わぬ本体の方に集中していたから気付かなかっただけで。
あれから時間が少し経ったはずですが、彼は何処に居るのでしょうか。
謝りたいこと、伝えたいこと、ずっと見ていたこと等言いたいことは沢山あり過ぎて。
とりあえずは、怒られないようにしたいですが。*]
/*
なおこの父の設定は2d直前から湧いてきたものである(
設定など村に入ってから出来るもんだっていってた(
元の名字が違ったのや、父が銀羊号の乗員だと決まったのは4dくらいとかげほごh
―― Berthilde Nykvist――
[ ――13年前のあの日。
月と星の光を浴び、輝く鈍色の獣となった父の姿を、最初の最後に見た時。
私の中に最初に芽生えた感想は「きれい」だったのです。
人狼の恐ろしさなど何も知らなかった無邪気な子供だった私は、お父さん――きれいな狼に近寄ろうとしたのです。]
お父さん、そんなこと出来るんだね。すごい!
[一方、隣にいた母は何も知らない私に「逃げなさい!」と金切り声を上げ。
目の前のお父さんを、まるで化け物を見るような目つきで睨んでいたのです。
しかも、包丁を持って。]
(どうして包丁を持ってるの? どうしてそんな怖い顔してるの?
あの狼、お父さんなんでしょう?
――あれ? お母さん、もしかして、泣いてる……?)
[母は既に父に全てを宣告されていたのです>>+38。
既に人としての意識を失い、血肉を求める獣と化した父は興味を示した私の方を向くや否や、信じられない速さで私の目の前まで距離を詰め、月光に照らされ輝く爪を振りかざしたのです。
私は、何が起こったのか全く理解できなかったのです。
月下に舞う狼の姿はまるでCGを見ているように美しく。
気が付くと、目の前に母が居て。
私の視界は、父により噛み切られた母の深緋と欠片、母が包丁で切りつけた父の深緋で染め上げられました。
声を出す間もなく、次の瞬間には狼が、自らの首筋を刃のような爪で切り裂き、更には深部にまで食い込ませていたのです。]
[事件が起こる数日前に父が言っていたことが、記憶の底から蘇りました。]
「ベル……。俺は、また仕事でしばらく居なくなる。
俺が居ない間、母さんと強く生きていけよ。
……偶にで良い。俺のような父親が居たことを、思い出してくれれば嬉しい。
何もしてやれなかった父親だったが。
俺は、母さんとベルと一緒に居られて、幸せだったぞ。
母さんやベルも、そう思っていてくれたのなら、嬉しい。」
[父はこの後、私を痛いほどの力で抱きしめたのです。
何も知らなかった私は「お父さん、痛い、やめて」と言っていたことを覚えています。
父が仕事で長期間不在にするのは寂しいですが、お仕事なら仕方ない。そう思っていました。
大好きな父が不在なのは寂しかったですが、母が居てくれるから大丈夫、と。
この時、父が何故今生の別れのような言い回しをしていたのか。
その意味に気付くのはもう少し先のことでした。]
[――父は、真実を知ってから一人で死ぬ覚悟を決めていたのです。
本当は、自覚した段階で早々に死ぬべきだと思っていた。
同時に少しでも長い間家族共に在りたい、今ある幸せを失いたくないという葛藤に苛まれ。
眼前の幸せ――欲望――を追求した結果、父は母と共に命を散らせ、残された幼い一人娘は、十年以上経っても消えない大きな心の傷を植えつけられたのです。*]
―― Berthilde Östholm――
[この後、私は母の姉である伯母さん夫妻に引き取られ、姓がニークヴェストからエストホルムへと変わったのです。
私は事件後当然のように鬱ぎ込み、暫く引き篭っていました。
――父も母も死んだなんて認めたくない。
でも父も母も、当然私の前に姿を現すことは二度と無かったのです。
エストホルム夫妻は、父と母の詳しい死因は知りません。父が人狼だったということも。
私ですら、誰があの凄惨な現場を誰が発見したのか覚えていないのですから。
ただ、「私達に何かあったらベルを頼む」と母から伝えていただけ。
――母も、覚悟を決めていたのです。
伯母さん夫妻には子どもが無く、私は実の娘のように可愛がられ育てられました。
本当に亀の歩みでしたが、徐々に私も普通の生活を送れるまでに回復できるようにはなれました。]
[月と星が綺麗な夜空を見ると、父を思い出すのです。
長い出向から帰ってきて、話を聞かせてくれたこと。
その時交わした約束。
「今度、ベルを船に乗せてやろう。
羊や兎や猫もいるから、きっと楽しめると思うぞ。」
[私の夢は、かつて父が勤務していたシルバー・メリー号で働くことでした。
願わくば、父が所属していた第一エリア管理部門開発部の所属となること。
20歳になり、私の夢は一部ですが叶ったのです。>>0:7
しかも父が滞在したネオ・カナンへ向かうと聞き、夢の一部がまたしても叶うこととなったのです。
あまりにも嬉しすぎる奇跡の連鎖。
あの時の私は、夢と希望に満ち溢れていました。]
/*
ちなみにネオ・カナンでガルーをもらってきたのは、現地の住人ではなく他の星から来た感染者に貰った結果。
ネオ・カナンで掛かった病により抵抗力が弱まっていたところダブルパンチで、と。
ので普通の宿主に比べると、症状の進行が目に見えて早かったという。
しかしすがすがしいファザコンだ。
ここまでなのは初めてかもしれない。
/*
起きたああああでもエピ入り金曜夜なのは嬉しい。
7つの月と聞くと昔の某TRPGの世界を連想してしまう。
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