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― ツィーア下層 ―
[ツィーアの内部には、いくつか固定された部屋がある。
そのうちの一つに、魔王の研究対象がひとつ収められていた。
"生かしたままの採取"
その成果が、そこにいた。]
[小さな台の上に、少年がひとり寝かされている。
王国の将に、よく似た少年だ。
枷は無かったが、無数のチューブが肌の下に潜り込んでいた。
透明なチューブの中には赤い液体が通っており、複雑な模様を描きながら壁や床を這っている。
さらに先には、同じようにチューブで繋がれた巨狼と巨大蜘蛛の姿があった。
いずれは混ぜ合わせてひとつの存在にしようと魔王が考えていたものたち。
今はどれも、ただ眠っている。]*
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5日目あたりにヨセフがこっちにいたら、確実にロヴィン君キメラかゴーレムがヨセフの前に立ちはだかってましたよ、というなにか。
でもシラー奪還も重要だからしょうがない。
あれは見事でした。
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Q.なんで王都の守りにロヴィン君出さなかったの?
A.ヨセフの帰りがさらに遅くなるからね…
あとロヴィン君出すならさっくり斬って楽にしてあげるか、ものすごく頑張って助け出すかというのをやってもらいたかったので(そしてそれを魔王が間近で見物したかったので)、なかなか出す機会を見つけられなかったのでした。
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ラスボスと言えば第二段階だろ!
とかちょっと考えてるんだけれども、たぶんその暇ないだろうなー。
魔王死んでも、その先がたぶんあるからなー。
ツィーアには仄めかしてあるけど、伝わってるかな?
伝わってても、イヤー!とか思われてたりして。
でもやる。
人間とは、ほんとうに愛しい生き物だ。
[真っ直ぐに駆けてくる皇子の方へ、ゆっくり歩き出す。]
これほどにも我に抗って、楽しませてくれる。
知恵を尽くし、技を澄ませ、力を振り絞って
[皇子が跳ぶ。風の精霊に愛されていると評される、流れるように美しく剽悍な跳躍。
背後に落ちかかる刃の気配へ、魔王は振り返ることなく片手を差し出す。]
───ああ、しかし。
こんな剣に頼るようでは、我には届かん。
[祓魔の剣が掌に触れれば、激しい音と火花が散る。
だが聖なる光は、掌に集められた魔力で止められた。
そのまま剣を握り、落下の力を横方向に滑らせてやって、斜め前方へと投げ飛ばす。]
その剣の力は"知っている"。
知っているものは、怖れるまでもない。
[祓魔剣に斬られた
"記憶"よりも剣の威力が上がっているようだったが、まだ許容の範囲だ。]
その剣を頼みとしてここへ来たのだろうが、
───残念だったな。
[低く身を沈めた次の瞬間には地を蹴り、投げ飛ばした皇子の後を追って地面を払うような回し蹴りを繰り出していた。]//
[蹴り足の上を皇子の身体が飛び越える。
空を切った足をついて体重を乗せ換え、次の動作に移ろうとしたところで、視界が左右にぶれた。]
───…?
[咄嗟に真後ろへ跳んで距離を離したが、少しの間目を見開いていた。
きょとんとしていた、というのが一番近い。]
ふ、 ふふふ… はははは。
確かに、確かに剣の力ではないな、それは。
[肘打ちを喰らったのだと理解したとたん、こみあげるように笑い出す。]
まさか素手で殴られるとはな。
面白い。
だが、我を殴り殺せるとは思っていないだろう?
さあ、次はどうする?
[両手を広げ、誘った]//
ほう。
おまえの力でないのなら、なんだ?
[興味深げに、愉しげに問う耳にも、微かに歌は聞こえていた。
既に遙か下へと置き去りにした、取るに足らぬことと聞き流していたが。]
[皇子が数え上げる言葉も、さして興味が無く聞き流す。
人間たちが口にするのを稀に聞くその言葉。
そんな実体のないものに、なにができるわけもない。
そう、思っていたのだが。]
───……?
[何かが壊れる小さな音が聞こえた。]
おまえが言うその力とやらで、何ができるかは知らないが、
我は世界に"在った"その時より完成されていたもの。
おまえたち定命のものは我に手折られ、愛でられるが定め。
それが真実というものだろう?
だからそんなものは、
[何の迷いもなく、ただ真っ直ぐに駆けてくる皇子を、その切っ先を、受け止めようと魔力集めた手を前に伸ばし]
/*
いや、これ喰らわなかったらうそでしょー。
もう一個ぐらい秘密兵器ありそうなところ申し訳ないんだけれど、時間が( だし
/*
wwwwwwツィーアごめんwww
ほんとだよね。まだ更新まで40分もあるもんね。
でも、ここらで死んでおかないとさあ。
[貫いた刃の先は背中から突き出し、溢れる緋色が背を伝って床を溶かす。
だがみっつの色の光に守られた剣は溶けることなく、さらに輝きを増す。]
… は。
くだらぬな。
卑しきゴブリンどもや、塵埃のごとき家畜どもに、
定めを己で決めることなど、
[言葉が途切れた。
皇子の喉へ伸ばそうとした腕が届かなかった。
膝の力がなぜか抜けて、視界が滑り落ちた。]
[なぜ、と口に出そうとして、不意に理解する。
魔力が、己を構成するだけの力を保てなくなっているのだ。
剣の力と、そこに集まる得体の知れない力に散らされて、消えていく。]
そうか。
我も死ぬのか。
[意外なことを発見した。
そんな顔で、ぽつり呟いた。]
人間は、なんと愛しく、面白いものだろうな。
まさか、我を凌ごうとは。
ああ、実に面白い。
[微笑んで、床に、ツィーアに手をつく。
そこに、残る最後の魔力をかき集めた。]++
おまえに褒美を遣りたいところだが、生憎と何もない。
我の最後は、これに呉れてやることになっているのだ。
[皇子を、己を貫いたものを見上げて薄く笑い、言葉を紡ぐ。]
───
我はおまえを解き放つ。
[世界を破滅させる魔法兵器に己が掛けたすべての封印を、解き放った。]//
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